何が目的?誰のため?激しく関電をたたく古賀茂明氏 | 猫の遠ぼえ『次の世代に残したい日本』

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安倍晋三応援ブログです。
やっと明るい未来を語る政治家が総理大臣になりました。しかし、闘いはまだまだこれから。子や孫が希望を持てる国になることを願うおやじです。

我が家はオール電化なので、関電の「はぴeポイントクラブ」の会員になっている。電気の使用量に応じてポイントがつき、ある程度たまるとさまざまな商品やサービスと交換することが出来る。いま使っているオーブントースターはそのポイントで入手したものだ。


そのポイントの加算を一時中止するという案内が、関電のHPに掲載されていた。もちろん理由は電力不足で節電を要請することになったからだが、販売促進という民間企業なら当たり前の仕事をやめ、お客に商品を買わないように要請することになる営業マンの心境とはどんなものかと思う。


生まれてこのかた、ずっと関電の電気で暮らしてきたが、中学生の時に第2室戸台風の被害で大規模な停電があったのを最後に電気で困った記憶がない。それは、停電しないのがあたりまえの状態を維持するために、多くの職員による我々の知らない努力があったからだろう。


電気には、停電しないとか、電圧変動が少ないとか、瞬時電圧低下の有無、周波数の精度や波形など、「電気の品質」というものがある。停電については影響が特に大きいため、保守点検や運転管理に大勢の人が携わっているはずだ。そして、それはたいてい高所などの過酷な環境下で行われる。


関電は原発依存度がもっとも高いが、それがいけないことのようになったのは福島原発事故のせいだ。しかし、この夏の電力不足が避けられない状況になったのは、少なくとも関電だけの責任ではない。原発推進は国の方針であり、関連自治体とも連携しながら進めてきたことだからである。


ところが、夏の電力需給の予測を提出すると、やれ、需要予測が高すぎるとか、供給力を過小評価しているとか、挙句の果てには関電はうそを言っていると完全に悪者扱いで、一緒に原発を推進してきた政府や地元自治体は態度があいまいだ。そして、不満や批判は関電だけに集中し、他は安泰だ。


いまの関電が置かれている状況は、「電車は使ってはならぬ、ディーゼル車とSLだけで運行しろ」と命令されている鉄道会社のようなものだ。いまは使えなくなったSLを引っ張り出して修理しているのだが、修理が遅いと怒られ、もっとスピードが出るはずだ、輸送力が少なすぎるとつるし上げられる。


言われなくても、十分な輸送力を確保し、時刻表どおりの正確な運行をおこなうことこそが仕事のやりがいなのに、肝心の車両が十分確保できないのだ。電車のほうは安全だと検証結果を提出したが、はっきりした理由もなしに使うことはまかりならんと言われている。


何かを言おうとすると、東の方の鉄道会社の電車で事故が起こって大勢の被害者が出ているのだからお前は黙っていろと、まるでその事故の責任があるかのように言われる。
自分たちだけがまるで犯罪者扱いだ。


そして、一番乗客の増える観光シーズンの輸送力が足りなくなる恐れがあると役所に報告したら、「この鉄道会社はわざと事故を起こして列車を止め、みんなを困らせて電車を復活させる理由にするつもりだ」と言いだす役人がいた。


古賀茂明氏の「関電が停電テロ」を擁護した橋下市長に対する反応
http://togetter.com/li/306134


古賀氏は根拠を示さずにテロ(恐怖心を引き起こすことにより特定の政治的目的を達成しようとする組織的暴力の行使 by Wiki)とまで言ったようだが、電力会社が悪者になっているいまの空気なら、何を言っても大丈夫だと考えたのではないか。


氏は現在、大阪府、大阪氏、それに大阪府市統合本部の特別顧問という公職にある。それがテレビというもっとも影響力の大きいマスメディアでテロとまで言ったのである。しかも、この根拠がない悪意にみちた中傷を、上司である橋下市長は「ギリギリだが表現の範囲内」と容認した。


どこかの火力発電所でヒューズが飛んで停止したことが、その一つだと言い張る人がいるが、世界でトップクラスの品質の電力を供給してきた男たちが、自分たちのやってきたことを全否定するようなことをやると考える神経を疑う。現場の人たちがわざと事故まで起こして何を守るというのだ。


それより、古賀氏のほうには関電をたたく理由がある。彼の著作「官僚の責任」のなかにも書かれているのだが、発送電の分離は15年来の官僚としての彼のやりたかったことで、この原発事故にかこつけて電力の自由化という彼の宿願を果たそうとしているのだろう。


彼が関電が原子力発電を再開させるためにわざと火力発電所で事故を起こすなどと言い出すのは、その著作の中で、『「汗水=美徳」は世界の非常識』と書いていた現場軽視、あるいは現場否定の考え方のせいだ。「官僚の責任」で彼は知り合いの中国人経営者の言葉として、こう書いている。


「我々は日本人に絶対勝てる。なぜなら、日本の経営者は、汗水流して働くことを貴重だと考えている。口先だけではなくて、本当に信じているからだ」
「その場で自分で決められる案件でも、必ず持ち帰って検討すると答える。これではスピードでまったく太刀打ちできないだろう」
「中国人経営者も、労働者に対して『汗水流してまじめに働くことは尊い』と口では言う。けれども、じつはそんなことはこれっぽっちも信じていない。むしろ、汗水流して働くやつはバカだと思っている。真の経営者は、頭を使って働かないで儲ける。そして、自分たちだけでなく、工場で働く労働者をいかに楽させてあげるかを考えるのが、真の経営者なのだ」


おそらく最後の言葉は後から付け加えたものではないか。中国人経営者がそんな日本人的な発想をするはずがない。そして、彼は、本気でこの考え方に賛同しているのである。


この本に関しては、以前『改革派官僚古賀茂明氏の「官僚の責任」を読む 』というエントリを書いたが、そこにyuyuuさん がくださったコメントを思い出す。説明するより、そのまま引用させていただく。


Commented by yuyuu さん
やっぱり、この男は駄目でしたか。
たぶん駄目ではないかと思ってましたが、このエントリーを読んで、
駄目どころか、むしろ害悪だと思いました。


私は中央官庁の官僚をかなり知っております。
どうして、そうなったのか?
仕事上で分からない事とか政府データの有りかとか、データの読み方などを電話を掛けて聞くことからスタートしたのです。
担当者に行き当たるのに時間は掛が親切に教えてくれます。
驚くほど親切で、かつ詳しいです。
それからデータを取りに役所に行くようになり、作業机で情報交換するようになり、そのうちに向こうから電話が掛かるようになりました。
彼らは現場サイドの感覚や相場観が分からないので、意見を求めて来るのです。相互に情報交換すると、実効性のある行政が可能になります。
そして、私が特に嬉しく思うのは「日本のためにどうあるべきか」を常に考えている官僚が多いということです。会社では青臭い議論は出来ませんが霞ヶ関では、理想に燃えた青臭い議論を戦わせることができました。
その後、人脈が広がり、多くの官僚と親しくなりましたが、これは駄目だなと思う人は、一度も合ったことがありません。
官僚批判というのは、あり組織が、ある目的を持って流布した嘘と思っています。実態はまるで違うのです。
ある組織はどこか?は書きませんが、この古賀某はその組織と近いようです。


関連拙エントリ⇒【改革派官僚古賀茂明氏の「官僚の責任」を読む 】
http://akiran1969.iza.ne.jp/blog/entry/2402132/


古賀氏は15年ほど前にOECDに出向していたが、帰国後過激な改革を次々に実行した。
このコメントを読むと、その過激な新自由主義者で現場の感覚を軽視する古賀氏が、なぜ経産省を去ることになったのか分かるような気がしてくる。


こつこつと積み上げてきたことを軽視し、あるいは馬鹿にし、改革と称してそれを簡単にぶっ潰してしまう冷酷さがあるから、『停電テロ』などという発想が出てくるのだ。公務員改革を主張する古賀氏だが、こういう考え方の官僚を排除することこそが公務員改革ではないか。


橋下市長は彼の発言を擁護したが、公職にあるものが根拠なくこのようなことを言っていいなら、橋下市長への根拠のない批判もすべてOKということになる。いつまでも『自分が基準』の発言を繰り返しているようでは、見限る人がどんどん増えるだけだろう。


金融資本の手先が考え方の近い橋下ポピュリズムを利用しようとしたが、『調子に乗りすぎて本性をあらわにしすぎた』、というのが今回の騒ぎの真相ではないだろうか。

それにしても『ある組織』がどこなのか気になる。yuyuuさん、こっそり教えてくださいよ。
(以上)


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