いそちゃんから写真が送られてきたとき、慈愛に満ちた微笑みに驚いた。
ライフストーリーを読むと、それは深い悲しみを乗り越えてきた者だけが到達できる微笑みだったのだ。
いそちゃんは公務員の両親の長女で生まれ、6歳ちがいの弟がいた。
弟はとても明るい性格で、いそちゃんは母親のように可愛がった。
何か人様の役にたちたいと思い、もう勉強して薬剤師になる。
母の紹介でお見合い結婚した夫がアルコール依存症だったことがわかった。
元気だった弟がうつ病になり、抗うつ剤を飲んでまもなく自死してしまう。
最愛の弟を助けられなかった自分を責め続ける。
夫はアルコール依存症治療のため入院する。
なんとかアルコールを断つことはできたが、だんだんと家庭内不和が起こる。
いそちゃんが離婚を切り出し、最初は拒否されたが、ようやく夫も納得してくれた。
しかし離婚成立後、8日で夫が自死してしまう。
弟も夫も、抗うつ剤を飲んでまもなくの自死だった。
「夫は自分のせいで死んだ、わたしが夫を殺した」と罪悪感にさいなまれる。
病院薬剤師で働いているのに、彼らを救えなかった自分が情けなかった。
いそちゃんには娘が二人いて、彼らの死は、次女は小学校卒業時期の多感な時期だった。噂話に傷つけられないように転校させ、いそちゃんの両親と同居下が慣れてくれなかった。
明朗活発だった娘が変わってしまい、不登校となる。
いそちゃんは世間体から弟と夫の自死を隠し、自分の運命を呪い、後悔と罪悪感の鎖を引きずり生きてきた。
2015年に友達の紹介でいったAKIRAライブで、初めて聞いた「Hello my mom!」に号泣する。
「死者は家族や友人の幸せを祈る」というメッセージに、自分のせまい世界観がくずれ、運命の呪いから解放された感動に、3日間連続ライブに参戦した。
その後も毎年ん北海道ライブに通い、くぐってきた試練は自分が成長するため神様からのギフトだったと思えるようになった。
弟や夫は命の大切さを教えてくれ、天国から自分を応援してくれる。
いそちゃんは浅川雅晴先生の「心のセラピー」、セラピスト活動をはじめる。
自死遺族のいそちゃんは、命を産む現場である産婦人科小児科病院で薬剤師として働き、セラピストとしてたくさんの人を支えている。
元気だった母が介護5となって施設に入居し、休みの日は介護もしている。
いそちゃんの微笑みは涙を吸って咲いた花だった。
いそちゃんが薬剤師やセラピストとして人々を癒していく手伝いをするため、彼は肉体からはなれ、いそちゃんの応援団にまわったのだと思う。
それを知って真っ先に浮かんだイメージは、メキシコ最大の死者の日(Dia de muerutos)、オアハカにある墓地の風景だった。
田口ランディさんとの共著「オラ!メヒコ」(角川文庫)を書くため、オアハカ市郊外にあるXoxo(ホホ。正式名称:Santa Cruz Xoxocotlán)の墓地へいき、オレはあまりの美しさに絶句した!
夜の底を映し出す無数のキャンドル、花で飾られたオフレンダ(祭壇)、墓にまかれたマリーゴールをはじめとする花々。
そこはまるで「あの世のディズニーランド」だった!
10月31日の前夜祭に人々はお供えやテキーラなどをもって自分の祖先の墓に集い、来訪した死者と思い出を語り合い、ともに楽しむ。
マリアッチの楽団が故人の好きだった歌を演奏してくれたり、家族が歌ってあげたりする。
画面右上はいそちゃんを応援する弟と夫。
その上にはこの世とあの世を結ぶ門。
左下には生命の樹(Tree of life)、または祖先の木(arbol de antepasados)。
30人の人々、30個のスカルなど、細かさの限界まで描かれている大作だ。
何よりも光り輝くオフレンダ(祭壇)が並び、さながら絵自体が発光しているような感覚になる。
いそちゃんのハロウィンメイクは、
額に、アマゾンの伝統治療薬アヤワスカの蛇。
アヤワスカは蔓(つる)で蛇のようにからみ、単独では薬効はないが、チャクルーナという植物といっしょに煮込むと、LSDの100倍と言われる幻覚効果を引き起こす。
森の王アヤワスカと森の女王チャクルーナが結ばれ、真ん中に黄色い命が誕生する。
目はアステカの花、薬草のシンボル。
あごはホピのプロテクション(魔除け。ガーディアンズ)
動画1 いそこのライブペインティング
https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=1124472288510044&id=100000789583722
動画2 いそこのハロウィンメイク&解説
https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=725465908958870&id=100000789583722
※生きてる間に死者の日に参加することをお勧めする。
死は終わりでない、死者たちへの感謝を実感でき、あなたの世界観が変わる。
ざっくりと1週間ツアーを調べてみた。
10月29日(日)日本ーメキシコシティ(12時間半)
10月30日(月)メキシコシティーオアハカ
10月31日(火)街を見学。夜の墓地(いそこの絵)
11月1日(水)モンテアルバン遺跡。夜ハロウィンパレード参加。
11月2日(火)オアハカーメキシコシティ
ハンドクラフト世界最大マーケットの「シウダデラ」市場(彩乃の絵)で買い物。
夜プロレス。
11月3日(水)テオティワカン(車で1時間)、マヤの石板(アールの絵)がある博物館。
11月4日(木)メキシコシティー日本(14時間半)
予約が難しい死者の日シーズンもホテルと空港送迎のパッケージプランで楽々です。
【基本プラン (現地ホテル+空港送迎)】
・オアハカ3泊プラン (オアハカ到着10月30日、オアハカ出発11月2日)
→ 67,200円から
※日本からメキシコの往復航空券及びメキシコ国内線航空券は含まれておりません。
メキシコ往復20万円+オアハカ往復5万円+死者の日3日間7万円=32万円。1週間ぜんぶで約40万円くらいかな。
マヤのピラミッドのチェチェンイッツァーはバスで7時間、LCCもあり。
★AKIRAのVログ