お花ちゃん(栃谷由子)は、生まれも育ちも大阪である。
大阪市内で生まれ、大枚方市(ひらかたし)で育った。
今ではプールや遊園地があるひらかたパーク(ひらパー)で有名だ。
京都に近いので、お茶を「おぶ」とか、「猫がおった」でじゃなく「猫がいてはる」などといったそうだ。
2017年7月、親にAKIRAライブを体験させたくって主催してくれた。
お花ちゃんは、生まれたとき股関節が両方はずれていて1歳までずっとドイツ製のギブスをつけて股関節を開いた状態で固定していた。
幼い頃から「生まれたくないと思いながら生まれてきたなー」と感じていた。
小学生の鉄棒で前回りなんかすると、その感覚がよみがえっていやな気分になったそうだ。
熱を出した時、すごいスピードで走る小柄な馬の背に乗り、振り落とされるというリアルな感触の夢を見た。
大人になって馬に乗ると、この感覚は知っていると感じた。
理由もわからずリアルに感じるというのは、前世の記憶の名残なんかな。
現在のお花ちゃんという意識を作る量子情報の粒々の〜%かが、前の魂の記憶を引き継いでいるのかも。
たとえば前世が騎馬民族の子供で、子馬から振り落とされて死んだとか、「またあんな死に方するんなら生まれたくなあ〜」とかね。
3歳4ヶ月の時、弟が生まれる。
急なお産で、近所の産婆さんが駆けつけ、お花ちゃんはお産を近くでずっと見ていた。
母のいきむ声、体勢、赤ん坊が出てくるところ、産湯。
何度もその夢がな出てくるので、中学生のとき母に確かめてみると、母の頭の向きから体勢、産湯の様子も全部そのおりだったという。
小学校の低学年までケンカは弱いのに理屈っぽくて道徳の本や偉人伝が好きだった。
いじめられて泣きながら帰宅すると、母は「情けない、やられたらやり返せ」と言う。
小学校1年のお花ちゃんは、「やられたらやり返す、それでは世界は平和になりません」と言い、母は「あかんたれ」なのに理屈だけ言う娘にあきれたという。(笑)
お花ちゃんの母は満州(中国)生まれで、戦後、小6の母、母の妹、祖母と、朝鮮半島を通って船に乗って帰ってきた。
祖母も満州生まれで、曾祖父は早くから中国に入った役人、曾祖母は役人のお手伝いさんとして岡山から中国に渡った。
正月とかお盆に集まった母の親戚が集まってロシア革命のことを話していた。
テレビや芸能人の話じゃなく、ロシア革命やアヘン中毒を話題にしてる家族なんて他にいねーだろ!(笑)
父がスパルタ式で勉強を教え、答えられないと椅子ごと投げられたこともある。
学校では一匹狼(高校の時の担任が、私のことをほんまにそう言った)だが誰とでも遊ぶ子だった。
大人になっても頑張って生きてきたが、笑いヨガと出会って、肩の力が抜けた。
楽しいから笑うのでなく、笑っていると楽しいことが起こる。
何事もくよくよ考えず、あっはっはと笑っていれば、幸せが向こうからやってきてくれる。
お花ちゃんはつねに「今が一番幸せ」だという。
お花ちゃんから送られてきた子供時代の写真もむっちゃ可愛かったが、「今が一番幸せ」という現在のお花ちゃんを描いた。
とにかくこれを見ただけでハッピーになるような絵にしよう。
まずはお花ちゃんをメガネなしだと「似てない」と言われそうなので、かなりリアルに描く。
お花ちゃんに黄金の翼をつけ、金の天使たちがコラソン・オハラータ(燃えるハート)を掲げている。
隠れサインもかねて笑う太陽(無条件の愛)と月(母性)を描く。
メキシコの国技は「ルチャ・リブレ」(レスリング)だし、新日本プロレスも大阪で始まったし、タイガーマスクとシルバー仮面を守神のように前面に描く。
マンガのタイガーマスクはファ一マネーを匿名で孤児院に寄付し、強きをくじき弱気を助けるヒーローである。
シルバー仮面はお花ちゃんの幸せを祈る存在だ。
ところが描いているうちにシルバー仮面からこんなセリフが聞こえてきた。
シルバー「たのむ、月末には絶対返すから!」
タイガー「ふん、おまえの月末は永遠やないか」
オレはひとりでふきだし、笑いながら描きつづける。
そうだ、感動させる絵はあっても、人を笑わせる絵って一番むずかしいよな。
笑いの王国大阪にふさわしい絵にしよう。
お花ちゃんが子馬から振り落とされる記憶を振り払うために、アメリカのおもちゃ「マイリトルポニー」を肩に乗せる。しかもポニーは翼が付いているので夢へと羽ばたける。
最強の放射線バックにし、めでたい紅白にする。
大阪名物といえばビリケンさん(招福)。
「Billiken」は1907年、アメリカのイラストレーター、フローレンス・プレッツがデザインした。
1909年(明治42年)に日本へ伝わり、大阪の繊維会社のキャクターとして売り出す。
世界的福の神として、足の裏をくすぐって笑えば幸せになると言われた。
「京の着だおれ、江戸の飲みだおれ、大阪の食いだおれ」といわれ、1950年「くいだおれ太郎」は道頓堀の飲食店「くいだおれ」のキャラとして誕生した。
その飲食店の閉店とともに「くいだおれ太郎」も引退したが、2009年に復活した。
まさに食に困らない、美味しいもののシンボルである。
お花ちゃんの胸にかけられているのは、家族の思い出である満州国の勲章である。
祖先たちは想像も絶するような苦労をして生き延びてくれたから、お花ちゃんの命があり、お花ちゃんに笑かしてもらうことができるのだ。
太陽の塔(70m)は、1970年に大阪府吹田市で開催された日本万国博覧会に芸術家の岡本太郎が制作した。
意外に知られていないのは、この塔には3つの顔があり、「黄金の顔」は未来、正面腹部にある、「太陽の顔」は現在、背部にある「黒い太陽」は過去を描いているという。
現在も万博記念公園に残され、民族博物館にいくときに見えるが、岡本太郎のビジョンが伝わってくる傑作だ。
通天閣(75m)は、1903年パリ万博を調査し、1912年パリの凱旋門にエッフェル塔が載ったデザインで建造された。
火災で大破したが、復活し、「天に通じる」塔として大阪のシンボルになっている。
忘れちゃならないのは大阪城でしょう。
豊臣秀吉は、全国統一の本拠地を大阪に定め、1583年から15年をかけて、現在の4~5倍もある城を作り上げた。
しかし、1615年大阪夏の陣で豊臣家滅亡とともに大阪城はすべて焼失してしまう。
江戸時代1620年、徳川幕府は10年の歳月をかけて大阪城を再建する。
最初は丸い天井にお好み焼きを描こうかと思っていたが、たこ焼きやコナモンミュージアムから浮かんだゆでダコが最もインパクトがある。
これぞお花ちゃんと大阪の守り神!
高尚な芸術にプロレスラーや大阪名物やタコまで登場する絵なんて、古今東西探してもこれしかない!
お花ちゃんらしい英語の金言を書かこう。
「Laughter is the best medicine.」(笑は百薬の長)
ハロウィンメイクもひたいにグリコ、串カツ海老カツ、どて焼き。
目と鼻はお花。
ほっぺが万博マーク、お好み焼きにヘラ。
あごに大阪府マークときたもんだ。
いやー見てるだけで、顔がゆるんでくる開運招福の傑作になった。
シルバー「たのむ、月末には絶対返すから!」
F15号(652×530mm)12万円。
※ハロウィン肖像画は10名で締め切られました。
タイ・サムイ島
1、のりちゃん(愛知)
2、アコ(北海道)
3、かおりん(埼玉)
スリランカ・ウナワトゥナ
4、お花ちゃん(大阪)
5、さつき(愛知)
6、アリス(東京)
7、アール(北海道)
8、りえ(北海道)
9、コジコジ(栃木)
10、かずよん(神戸)