体温が40度を超えると幸せな世界が待っている。
高熱による不快感を通り越し、まるでテオナナカトル(幻覚キノコ)のような快感、「あたしの頭はファンタジー」になるのだ。
オレの体温計は39、99まで表示されるが40超えるとピーって止まってしまうのね。
「40度から先は自分で測ってる場合じゃ必要ありません。
死ぬから早く医者に行け！」というサインだ。
さすがに40度が3日つづくと、ほとんどをベッドですごし、水と少量のフルーツしかとれない。
むむむ、8月にインフルエンザやったのに、まさかー！？
前回おりえオペラをインフルエンザでキャンセルしたのに、またしても。
夜7時、オレが生まれた日光市民病院の緊急外来へタクシーでのりつけた。
オレの前に救急車が2台入ったのでけっこう待たされる。
椅子で待つのも限界なので横になれるベッドをお借りした。
2時間後やっと診察がはじまる。
立ち上がろうとしたら床に転んでしまった。
「40度が3日間続くのはただごとではありませんよ。よく耐えられましたね」
(さすがに「気持ちよかったんで」とは答えなかった)
レントゲンを撮り、鼻の穴に綿棒を突っこまれ、検査に出される。
インフルエンザだったら、兵庫ライブも岐阜おりえオペラも愛知ケンスケオペラも中止だ。
30分後の結果は？
「陰性です。インフルエンザではありません。
レントゲンを撮っても特別な異常は見つからないので、過労などの免疫が下がった状態で重い風邪を引いたか、若者がなる肺炎、マイコプラズマの可能性もあります」
ファンタジーなオレの脳裏に落雷が走った。
「ま、舞妓プラズマ！」
稲光の後光にピカーーと光る舞妓はんのお姿である。
はあ～有り難や～有り難や～、
58歳で舞妓はんに遊んでいただけるとは～！。
マイコプラズマ肺炎は誰でも発症しやすい病気で、成人までに97パーセントの人が発症する。
乾いた咳、発熱、倦怠感の症状が出るが、ほとんどの人が風邪だと思って気づかない。
ということで、ライブができるようになった。
抗生物質の点滴などで、だいぶ楽になる。
あとはのどのイガイガがとれれば歌えるようになるだろう。
舞妓はんはインフルエンザほど強力な感染はないが「飛沫感染」するので、心配な方はマスクをご用意くだされ。(こちらでもご用意しますえ〜)
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