現代の琵琶法師@札幌 | New 天の邪鬼日記

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9月12日(木)札幌「みんたる」ライブ
今回の北海道ツアーはレコーディングがメインだったので、唯一のライブである。
場所はおなじみのアジアン雑貨カフェ「みんたる」、そして主催者はっちゃんが思いついたアイディアはなんと、
琵琶法師とのコラボだあっ!
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び、び、琵琶法師と言われても、なんだかわかんないよな?

琵琶という楽器の起源は、中国からペルシャ(イラン)までさかのぼり、ギターの原型ともいわれている。
琵琶法師の起源は、アジア大陸から古代の日本列島にやってきた盲人の音楽家だな。
奈良時代あたりから盲僧(盲人僧侶)の組織がつくられ、琵琶の伴奏でお経を唱えていた。それはいわば宗教音楽だが、娯楽的な語りものなどは「くずれ」と呼ばれる。(「くずれ」ってカッコイイ!)
はじめ盲僧琵琶は、薩摩国(鹿児島県)や筑前国(福岡県)を中心に伝えられ、薩摩琵琶と筑前琵琶という二大潮流ができていく。
有名なのは『平家物語』(平曲という)だよね。
当時は視覚に障害をもった者は、琵琶法師か按摩(マッサージ師)になるしかなかった。
琵琶法師や辻音楽家(ストリートミュージシャン)をふくめた旅芸人は「河原乞食」と呼ばれ、人々の軽蔑と尊敬を同時に浴びた。
庶民は関所を越えて他県(藩)へ行けない時代に、旅芸人だけは役人の前で芸を見せることによって通過を許されたという。
ボーダーを行き来できる旅芸人たちは、外へ出られない庶民に情報を伝える。
庶民も彼らを「まれ人」として畏敬し、不思議な話を運んで来てくれる彼らの来訪を心待ちにしていた。
ヨーロッパでもこのような吟遊詩人は、「アオイドス」(古代ギリシア)、「スコプ」(古代ゲルマニア)、バルド(ケルト)、「ジョングルール」、「ミンストレル」、「トルバドゥール」(フランス)などと呼ばれた。
このような吟遊詩人はイスラム文化圏にも古くから存在するし、「グリオ」(西アフリカ)、「バウル」(バングラデシュ)など、世界中に存在する。

ではではオープニングアクトをつとめる黒田拓を紹介しよう。
タクはもとビジュアル系バンドのギタリストで、なかなかのイケメンである。
黒い着物に黒下駄、薩摩琵琶を抱え、北海道神宮で演奏しているところをマチャミに「今日アキラさんというすごい人のライブがあるからいきませんか?」とナンパされ、いきなりトーンカフェで演奏させられてしまった。
それを聴いた主催者のはっちゃんが、「アキラさんのストーリーテリングとのコラボがみたーい!」と、わけがわからんうちに今日も呼ばれてしまったのである。
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それにしても「みんたる」は入りきれないほどの超満員で、押しくらまんじゅう状態で熱気が高まる。
しかも沖縄や奄美大島、東京などからもかけつけてくれたって。
やっぱ想いは距離を超えるね。
「遠い」思う人は、永遠に動けない。
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現代の琵琶法師タクは小泉八雲(ラフガディオ・ハーン)が伝承を記録した「耳なし芳一」に「平家物語」を交えながら観客を魅了した。
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沖縄からやってきたCoo(クー)にも1曲歌ってもらう。
子供の頃病気で足が不自由になったCooは、離婚をきっかけに小学校1年生の一人息子とともに栃木県から沖縄に移住した。
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アールオペラで共演したスーパーギタリスト、ズッキーからギターを借りた。
オレのガムテープだらけのボロギターより、100倍いい音がする。
ジョニーさんは土砂降り警報の中、長時間ドライブで疲れていたが、逆にいつもよりキレのあるリズムを叩き出す。
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(テクノかよ!?)
1.In the name of love
2.旅立ちの歌
3.ライフシアター
4.おさない瞳
5.ストーリーテリング「カンタとぞうり」(琵琶:黒田拓。カホン:山北のりひこ)
MEGUMI japanチームリーダー 心太郎の話
6.ストーリーテリング「ラストメッセージ」(琵琶:黒田拓。カホン:山北のりひこ)
7.勇者の石
8.ハイボクノウタ
9.Hello my mom!(マコに捧げる)
10.PUZZLE
11.ウレシパモシリ
12.Happy birthday

オレのストーリーテリングにあわせ、琵琶のタクとカホンの山北のりひこがからむ。
「あれ、なんでここにいんの!?」
太鼓叩きの山北くんは7月に奄美大島で共演したばっかじゃん。それが北海道にくるとは!
しかも世界を代表するパーカッショニスト、セネガルのママドゥと札幌で共演する。
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さらにさらに東北の震災で大活躍したMEGUMI japanチームリーダー 心太郎もいるではないか!
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彼らがどれほど人々の力になったことか、はかりしれないほどの感謝を感じる。
オレは石巻の専修大学テント村や引っ越した事務所でも何度かボランティアをねぎらうライブをやった。その心太郎は今、オレの魂友おっくんことスープカレーの名店「奥芝商店」で働いているんだって!(大爆笑)

10年近く前にオレがお世話になった「のほほん工房」のマコがきてくれた。
あの頃のマコはリストカットしまくっていたが、今では6ヶ月の子がお腹にいる。
すばらしい成長だね。
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誕生日を迎えたユウスケ(絵本セラピスト塩ちゃんの教え子)
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とナツミの彼氏をステージに呼び、みんなで祝ってもらう。
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吟遊詩人の歴史を紐解いてみたが、オレもその末えいなんだなあ。
芭蕉の言葉とそっくりな人生を送っている。
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月日は百代にわたって旅を続けて行くものであり、
来ては去り去っては来る年々も、
また同じように旅人である。
舟の上に身を浮かべて一生を送り、
旅人や荷物を乗せる馬をひいて生涯を過ごし、
老年を迎える者は、
日々が旅であって、
旅そのものを常のすみかとしている。
(「奥の細道」現代語訳)


※札幌グルメ情報

たかがサンドイッチとあなどるなかれ。
大通りにある行列ができる喫茶店「さえら」は、サンドイッチの概念を崩壊させる。
さえら本物のタラバガニサンドとスモークサーモンサンド

ライブスケジュール
幻冬舎文庫「COTTON 100%」発売記念AKIRA絵画販売中(No1.2.3.5.8が売れたので残り5点早い者勝ち)
著作ページ
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AKIRAライブの作り方