山のうえのホームレス帰還! | New 天の邪鬼日記

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小説家、画家、ミュージシャンとして活躍するAKIRAの言葉が、君の人生を変える。

突然、友彦がやってきた。
ちょうど一年前、友彦は死に場所を求めて日光へきた。
借金を残して父が死に、対人恐怖から手が震え、郵便局をリストラされ、自殺を決意する。東京のアパートを引き払い、硫化水素を持ち、人目をさけるため鳴虫山の山中にテントを張り、「山のうえのホームレス」となったのだ。
ところが天然氷をつくる山本さんたちに発見され、警察に突き出される代わりに幾何楽堂につれてこられ、さまざまな人たちに出会う。
天然氷の仕事を手伝わされ、年々もつづいていた手の震えが止まる。オレのライブで涙を流し、人々のあたたかさにふれていくうちに、もう一度生きる決心をする。
オレはその物語を「山のうえのホームレス」という短編小説に書いた。
友彦は日光でみんなと年を越したあと、仕事を探しに東京へいったまま連絡もなく、1年の歳月が流れた。
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今日再会した友彦の姿にみんな息を呑んだ。
新品のステンカラーコートとスーツに身を包み、晴れ晴れとした笑顔がまぶしい男がいた。
友彦は3ヶ月前から蒲田のビジネスホテルに就職し、フロントを勤めているという。
「マジ、すげーすげー、オレ羽田にいくとき泊まるわ!」
山本さんもジンくんも小坂さんもトモも辻村さんも小平さんも、腰を抜かさんばかりに驚いている。
「なつかしのスイートホームを見にいこう!」オレが提案した。
氷室から辻村さんや小平さんと山を登り、町が見下ろせる高台へ出る。
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テントがあったくぼみはうっすらと雪をかぶり、1年前とまったく同じままだった。
ここで友彦は毎日チキンラーメンをすすり、サンポールと硫黄のハップをながめながら死を待ってたのである。
「生きてるね」
真っ白い雪を乱反射させる日光連山をバックに友彦は力強くうなづいた。
「生きてます」

さてさて、クリスマスオペラにむけて準備は着々つーか、ドタバタですすんでいる。
2メートルもあるばかでっかいネアリカを10枚ひとりで梱包し、宅急便を手配し、それを取りに来た宅急便が「伝票がないから預かれません」と騒ぎ出し、オレも数年ぶりにキレそうになったが、思いっきり下手に出て、なだめすかし、いっしょにトラックまで絵を運び、なんとかもっていってもらった。
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ヤバイよ、このネアリカ9枚がドドーンと同時に見られるなんて!
これからオレは東京へいって古市さんやハジメくんと最終リハーサルに臨む。
クリスマスオペラはすごいことになりそうだ。

※注―ミュージカル「ホームレスになったサンタ」さんは、タップダンサーとピアニスト・hajimeのエンターテイメント作品に変更になりました。(AKIRAはオペラのみの出演です)

当日券は2800円になってしまうので、今すぐ2500円の予約を!!
前売り券(クリスマスイブまでに申し込みの方)2500円。当日券2800円。(中学生以下および65歳以上の方は無料)
予約&問い合わせ:mission_positive@mail.goo.ne.jp

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12月25日(金)東京中野ゼロホールにてクリスマス・オペラ「オープンハート」
中野区中野2-9-7(JR中野駅南より徒歩8分) 電話03-5450-5000
開場16:00
16:00~18:00 「大ネアリカ展」西館美術ギャラリー
18:00~18:40 タップダンスミュージカル 演出&タップダンス:IKKEN、KIYOTO、TAKAYUKI、CHIHARU、くりきんとん。ピアノ:hajime
19:00~21:00 クリスマス・オペラ「オープンハート」
朗読:古市佳央「這い上がり―ある「顔」の喪失と再生の半生記 」(必読!)著
歌:AKIRA ピアノ:hajime