輝く魂 Shining Soul | New 天の邪鬼日記

New 天の邪鬼日記

小説家、画家、ミュージシャンとして活躍するAKIRAの言葉が、君の人生を変える。

5月13日(水)「ひよこの家」チャリティーライブ
New 天の邪鬼日記-090513mkaijou.jpgphoto by MIYUKI

同じく今日は高根沢の福祉センターで一般公開のライブがもう一本ある。
2本のライブの間を縫って「ミート&ギター」という店に行く。はじめ「出会いとギター」というカフェかと思いきや、「ミート」は……肉屋だった!
本来「ミートショップこしみず」なのに、息子のクニさんのギター好きが高じて同じ店内でギター屋も開いてしまったのだ。地元の音楽好きが集まり、今ではもうギターのほうが肉のショーケースの前まで侵略している。
なぬ、本格的なギターのリペアショップまであるではないか!
オレはコロッケを買いにきたはずなのに、急きょ自分のギターをリペアしてもらうことにした。
ライブの時間に間に合うように「ゴッドハンド手塚」氏がブリッジやネックを調整する。そのよこでオレと主催の増田さんはコロッケと焼きそばを食い、奥ではおばさんたちが「メンチ4枚にに肉団子6つ」とか注文してるという世にも不思議な光景だ。
New 天の邪鬼日記-090513hguitter.jpgphoto by MIYUKI

生まれ変わったギターをもって福祉センターにはいると、もうたくさんの人たちがつめかけている。
New 天の邪鬼日記-090513mkanban.jpgphoto by MIYUKI

主催の一人である高野さんは、数日前に知人を自殺で亡くし、ひよこの家でのライブでもずっと泣いていた。亡くなった子は素敵な絵を描くアーティストで、両親や友人たちもそうとうショックを受けている。高野さん自身もガンから立ち直り、死をみつめてきた。
「オレはこう思います。その子は生きることに負けて自殺したとみんな思い込んでいるでしょうが、人の死というのはもっともっと深い意味をもっているんです。その子は後悔や罪悪感を押しつけるために死んだのではなく、自分の死をきっかけに助け合うことや愛し合うことの大切さをみんなに伝えたかったんだと思います」
同じく数日前に奥さんと娘を事故で同時に亡くしたAさんが「アジアに落ちる」を買ってくれたので、サインといっしょにこう書いた。まるでオレのペンが何者かにあやつられるような感覚だった。
「わたしたちはお父さんに命の重さや生きることのすばらしさを伝えたくて先にいったの。体がなくなってもわたしたちはずっといっしょだよ。そしてまた必ず会えるから」
会場は畳にみんなが座り、増田さんのあいさつからはじまる。
New 天の邪鬼日記-090513mmasuda.jpgphoto by MIYUKI

子どもたちもいっしょにポップコーンをつまみながら聴くという和やかな雰囲気だ。
New 天の邪鬼日記-090513hkanta.jpg足元には今病気と闘っている寛太がいる。photo by MIYUKI

1、 alone
2、 Unconditional love
3、 ミタクオヤシン
4、 Shining Soul
5、 和解の歌
6、 Happiness
New 天の邪鬼日記-090513mhamititi.jpgハミ乳になるほどの熱唱。photo by MIYUKI

7、 おさない瞳
8、 Hello my mom!
9、 背中
10、 家族
11、 サンガイジュウネコラギ
12、 PUZZLE(アンコール)
13、 だいじょうぶマイフレンド(アンコール)

Video by TOSHI

「Shining Soul」

これは懺悔の歌
事故で意識をなくし
生死をさまよったとき
まばゆい光のなか
自分の一生を見た
痛ましい記憶たちを

残酷な子供だった
弱いものをいじめ
やさしさを踏みにじった
愛してほしいのに
わざと嫌がらせして
気づけばひとりぼっち

Shining Soul輝く魂が
Shining Soul微笑みかける
愛の導くまま
おまえの道をいけ
棘の道をいけ


自分を捨てた母を
なじり苦しめてきた
誰よりも好きだったのに
暴力をふるう父を
恐れ見下してきた
殺してやると殴りかかった

麻薬に溺れたとき
友から金をだましとり
人から物を盗んだ
留置場の壁にむかい
神を呪いつづけた
こんなクズをなぜ生かす

Shining Soul輝く魂が
Shining Soul微笑みかける
愛の導くまま
おまえの道をいけ
荒れ野の道をいけ


すべては生まれるまえに
おまえ自身が決めたこと
押しつけられたものは
なにもない
おまえがくぐる試練も
すべて学びのために
自分で用意したもの

親も友も恋人も
敵対する者さえも
大切な魂の家族
おまえの苦しみを
光に変えるとき
人の道を照らすだろう

Shining Soul輝く魂が
Shining Soul微笑みかける
愛の導くまま
おまえの道をいけ
光の道をいけ

G B7 Em G7 C Bm7 A#d D7
G B7 Em G7 C Bm7 Am7 D7 G
CM7 Bm7 CM7 Bm7 E7
Am D7 G B7 Em Am7 D7 D7+5

またもや涙の洪水と笑顔の花々にあふれたライブになった。
New 天の邪鬼日記-090513mnamida.jpgphoto by MIYUKI
生者とともに死者たちまでいっしょになって楽しんでくれたようだ。

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ドッグランまでついている「カフェ・スロー」でおこなわれた打ち上げのバーベキューでは、大学講師でマンドリン奏者の佐々木さんとコラボで2曲を歌った。

1、わたしたち
2、インラケチ

オレの歌にマンドリンという組み合わせが好評だったので6月22日宇都宮「護国会館」のライブでまたコラボします。
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今回のライブでは死とかかわった人たちがたくさんきてくれた。
いつもながら必要な人たちが必要なタイミングで出会うということを再認識する。
死というのは最大の教師である。
それはもっともきびしい教師だが、もっとも大切なことを教えてくれる教師でもある。
オレ自身も両親や祖父母、友人の死をとおしてさまざまなことを教えられてきた。
自分の体験や世界中の先住民たちから学んできたオレなりのグリーフィング(嘆き)ケアを書いてみよう。(AKIRAMANIAトップページにある「おすすめ集」の「臨死の科学」を参考)
親しい人の死というのはとてつもない悲しみに自分を巻き込んでいく。
その時期も大切なので、むりをせず思いっきり悲しみにひたる。大声で泣いたり、なにかを壊してもいい。
やがて数ヶ月すると、死の意味を考える時期がくる。
はじめは「もっとこうしてあげれば」とか、「わたしがこうだったから」と罪悪感や後悔のサーキットを堂々めぐりするが、やがてそこから抜け出すときがくる。
死を真っ向から見つめなおすときが訪れるんだ。
そうしてオレは母の死から「アジアに落ちる」、父の死から「神の肉」を書いた。
その人が命をかけてまで伝えたかった本当のメッセージはなんなのか?
退行催眠の膨大なデータからもわかるように、死んでいくものたちは、残されたものたちにメッセージを伝えるために、最良に時期、最良の方法を選んでいる。彼ら自身も気づかない無意識で選んでいるのだ。
われわれ生者にできることはひとつ、
「死をとおして、生を学ぶこと」だ。
死を理解することは、とりもなおさず生を見つめ直すことだから。
その学びは魂の準備ができてるものにしか与えられない。
超えられないハードルは設定できないんだ。
光そのものに帰った死者は、オレたちの心の奥底に忘れかけていた光に語りかけてくる。

「絆」(アルバム「家族」より)

きっと会える 必ず会える
たとえ生と死が
ぼくらを裂いても
赤い糸で結ばれている
ぼくらの絆は
永久に切れない

きみは死を選び
ぼくは生を選んだ
すべての必然に
まちがいなんてない

今度会うときは
またいっしょに
やり残した宿題
学んでいこう

終わりなんてただ逆向きの
はじまりにしかすぎないさ


きっと会える 必ず会える
たとえ生と死が
ぼくらを裂いても
赤い糸で結ばれている
ぼくらの絆は
永久に切れない

悲しみの闇は
心地いいけど
きみが残したものは
罪や後悔とかじゃない

きみが命まで捨てて
伝えたかったこと
分かち合うこと
助け合うこと
愛し合うこと

もしも死を知りたけりゃ
まずは生を知ることだ


きっと会える 必ず会える
たとえ生と死が
ぼくらを裂いても
赤い糸で結ばれている
ぼくらの絆は
永久に切れない

空の高みから
きみが手をふる
生きろ!ぼくの分までって
笑ってる

断ち切れた絆
つなぎ直すため
もう一度命の意味
考えてくれ

肉体の衣装を脱いだって
魂の旅は終わらない


きっと会える 必ず会える
たとえ生と死が
ぼくらを裂いても
赤い糸で結ばれている
ぼくらの絆は
永久に切れない

家に帰ると、Aさんからこんなメールがとどいていた。
同じ痛みを持つ人たちにも力をくれるすばらしい内容なので紹介させてもらいます。

昨晩のコンサート、今の私の心に染み渡りました。
AKIRAさんの歌は優しさに満ちていて、ハードで、心を削りながら歌うような迫力に圧倒されました。
豊富な人生経験があるからこそ、歌声の説得力が伝わってくるのだと思います。私と同年代かと思いますが、強い心から湧き出る優しさに頭が下がるだけです。
「アジアに落ちる」へ書き込んでいただきました言葉、ありがとうございました。
読ませていただいて、鳥肌が立ち、涙がこぼれました。
妻と娘を亡くして1ヶ月半。ずっと問い続けていること。
これまで一緒に過ごした20年余り、幸せでしたか?
死を迎えるとき、何を思いましたか?
返らぬ問いかけを続けながら、後悔の毎日です。
書いていただいた言葉、二人が答えてくれたようで、驚きました。
「いい加減、後ばかり振り向いていないで、前に進め」と言われているようで。
まだまだ、私の心は二人を探してさまよっています。
今はただ生かされているような気がして、前に一歩踏み出す事ができていないような気がします。
AKIRAさんの歌声を思い出しながら、
書き込んでいただいた言葉を見つめながら、
明日へ向かって笑っていきたいと思います。

※美と雪さんがこの日のライブ写真集をアップしてくれました。
「山のうえのホームレス」ともひこライブの写真集