不凍港バンド結成! | New 天の邪鬼日記

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小説家、画家、ミュージシャンとして活躍するAKIRAの言葉が、君の人生を変える。

5月13日(水)「ひよこの家」シークレットライブ
「シークレット」という響きがいいね。
「このことはわたしたちだけの秘密よ」と、中学校の交換日記で書かれたようなドキドキ感がある。
オレは「ビバ不登校!」主義者なので、ワクワクしながら出かけていった。
宇都宮から2つめの宝積寺駅から、今日の仕掛け人である増田さんの車でひよこの家に向かう。のどかな田んぼにかこまれた古民家だ。
若者たちが笑顔でむかえてくれる。スタッフの吉村さんさじめ、マサカズさん、ヨシエさん、岡野さんなど準備に走りまわっている。
フリースペース「ひよこの家」のすごいところは「学校復帰」を目指さないところだ。「学校復帰」を目指すと、せっかく学校から非難してきた者たちにとって自分を否定されるような居心地の悪い場所になってしまう。
おもしろいのは、フリースペースでありながら給食が出る。お弁当がない子もいるし、それで昼に帰ってしまったりすることもある。まるべくゆったりとした時間をすごしてもらうべくスタッフの人たちが教育委員会に交渉して給食を勝ち取ったのだ。これは全国でも類を見ない快挙なのではないか。
おおーブランコもある!
New 天の邪鬼日記-090513hblanco.jpgphoto by MASUDA

おおートゥリーハウスもある!
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ライブ会場は民家の左手の建物で、おおー卓球台もある、ピアノもある、ドラムもある、アンプもある、ギターもベースもある、オレの好きな遊び道具がぜんぶそろってるではないか。
ああ、オレもここに通いてえ。
Cと卓球勝負をした。オレは県大会4位のやつを破った温泉卓球の王者なのだが、Cに完敗してしまった。くやしい、くやしいぞ、C、次回は絶対リベンジしてやる。
前回心臓移植のめいちゃんを支援するライブを手伝ってくれたキエをドラムに、ミサをキーボードにむかえ、即席でバンドを結成する。
おおっできるじゃん、うまいじゃん、即興で合わせられるじゃん!
よしバンド名を決めよう。
「不登校」……「ふとうこう」……つねにどんな船も受け入れる「不凍港」バンドにするか。
同じく高根沢から心の病を癒す居場所「寄り処 えん」の人たちもかけつけてくれる。
New 天の邪鬼日記-090513hkaijou.jpgphoto by MASUDA

オレは今日のライブのためにスペシャルメニューを用意した。

1、 ぼくの居場所
2、 心がくしゃみをした朝
3、 愛を知らない子どもたち
4、 Brave Heart
5、 イジメ
6、 リストカッター
7、 だいじょうぶマイフレンド
8、 PUZZLE
9、 Gun but Tears(不凍港バンド)
10、 Happy Wedding(不凍港バンド)

「思いっきり泣いていいよ、心から笑える日のために」
会場は涙につつまれる。「日本の学校教育」という世界にまったく通用しないものさしを押し付けられ、それに合わない者はだめだと排除される。親も先生も日本のものさしが唯一絶対のものだと洗脳されているから子どもたちの孤独はますます深まるばかりだ。
世界には無数の価値観とものさしがあり、どんな人間でも壁紙を変えれば生き生きと笑える場所があるんだ。
ダメな人間も、つまらない人間もひとりだっていない。
ダメな人間だと思いこませる場所やシステム自体がダメなんだ、と時代は気づきはじめている。
「強い人になれ」と大人たちは言う。
人を蹴落としイジメるような強い人になんかなっちゃダメだ。
人の痛みを思いやることのできる「弱い人」こそが、「競争」から「共生」への時代を創っていくBrave hear、勇者なのだから。

by TOSHI

イジメ

ぼくは今もあざやかに
おぼえてる
胸の奥にしまった痛い場所
たとえどんな月日でも
ぬぐえない
きみの悲しい瞳を

昨日までは仲のいい
友たちが
急に見えない敵になる
ないしょ話 忍び笑い
無視の壁
机にある赤い花

イジメないとイジメられる恐怖から
きみがのばした手を
ふりはらった
イジメないとイジメられる不安から
ぼくはきみを裏切った


固いイスに縛られる6時間
人の顔をうかがう休み時間
牛や豚や鶏と同じように
せまい檻に囲われて

仲間はずれにされた帰り道
きみはやさしく声を
かけてきた
ずっとずっと友達で
いようって
ぼくがきみを守るって

イジメないとイジメられる恐怖から
きみがのばした手をふりはらった
イジメないとイジメられる不安から
ぼくはきみを裏切った

大人たちは知らん顔で
くりかえす
派閥かけひき
罪のなすりあい
子供たちは無邪気でも
天使でもない
じっと大人を見ている

いい子や偉い人に
ならなくていい
弱さこそが強い強い
絆になる
人の痛み心から思いやる
弱い弱い人でいて

イジメないとイジメられる恐怖から
きみがのばした手をふりはらった
イジメないとイジメられる不安から
ぼくはきみを裏切った

仲間はずれにされた帰り道
きみはやさしく声を
かけてきた
ずっとずっと友達で
いようって
ぼくがきみを守るって

不凍港バンドの演奏はすばらしかった。
やはりわれわれのデビューを飾る曲はこれしかないだろうとキューバで作った新曲「Gun but Tears」を演奏した。
子どもたちにとって「がんばって」と言われるのは、ガンをつきつけられて涙を流すようなものなのだ。自分が楽しいと思うことなら誰よりもがんばれるのに、納得のできない古い価値観を押しつけられてケツをたたかれるのはつらい。
今日もノアの箱舟だと偽られて積みこまれた人たちは急流をものすごいスピードで下っていく。船から逃れておぼれそうになる人たちを岸辺から手を伸ばして引き上げる。ずぶ濡れになった体をあたため、「助かったね」と指差すと、船は滝つぼに飲み込まれていく。
自分の痛みを知り、他人の痛みを思いやることができる子どもたちは、やがてそういう仕事をになっていくだろう。

Gun But Tear

がんばってなんて言わないで
がんばってなんて笑わないで
がんばってなんて泣かないで
Gun But TearI Gonna Be Alright

ぼくはぼくなりにせいいっぱい生きてる
だからきみの物差しで
比べてほしくないんだ

飛行機の風景 車の風景
だけど足で歩かなきゃ
見えない花もある

がんばってなんて言わないで
がんばってなんて笑わないで
がんばってなんて泣かないで
Gun But TearI Gonna Be Alright


スクランブル交差点
立ち止まり考える
だけど背中を押されて
人ごみにまた流される

人が自然から
引きこもっているから
ぼくは牧場の柵を
そっと抜け出した

がんばってなんて言わないで
がんばってなんて笑わないで
がんばってなんて泣かないで
Gun But TearI Gonna Be Alright


ノアの箱舟は
満員の人をのせ
ぼくの涙であふれた
川を下っていく

乗り遅れちゃだめ
いっしょに天国へいこう
だけどぼくはわかっている 行き先は滝つぼだって

がんばってなんて言わないで
がんばってなんて笑わないで
がんばってなんて泣かないで
Gun But TearI Gonna Be Alright


きみのやさしさは
ちゃんととどいてる
励ましてくれて
いつもありがとう

ぼくが受け取った
たくさんの愛情を
悩む人たちに
これから返してく

がんばってなんて言わないで
がんばってなんて笑わないで
がんばってなんて泣かないで
Gun But TearI Gonna Be Alright

G F D# D G F D# D
G F D# D G F D# D
G D Em Bm
C G Am D7
G D Em Bm
C G Am D7

ラストはマサタカ&サチコの結婚を祝って、みんなでサプライズを用意した。
New 天の邪鬼日記-090513hsinrou.jpgphoto by MASUDA

かっこいい横断幕に手作りケーキだ。
New 天の邪鬼日記-090513hcake.jpgphoto by MASUDA

不凍港バンドをバックに「Happy Wedding」をみんなで大合唱する。

いあやはやむっちゃ楽しいライブだった。
New 天の邪鬼日記-090513hkinen.jpgphoto by MASUDA

がひとつだけ、オレはCに卓球リベンジするためにまた「ひよこの家」でライブをやることをここに誓う。(負けず嫌いな49歳より)