平成よっぱらい研究所
平成よっぱらい研究所二ノ宮知子皆様、お酒は召し上がりますか?AKもけっこう好きな方ですが、飲んでもそんなに変わらないと思うのでお酒の失敗談て特にないですねまあ羽目を外すほどの飲酒はした事ないって言うのが正しいかなこの作品は漫画家の二ノ宮知子が『のだめカンタービレ』からさかのぼる事1995年に「FEEL YOUNG」に発表した作品です酒豪の作者の飲酒による赤裸々な体験談(ほとんどが失敗談です)がコメディタッチで描かれています自らをよっぱらい研究所・所長と名乗る二ノ宮知子さん日々、酒に親しみよっぱらいのなんたるかを知るよっぱらい研究員もりへーさんみなさんよくある話だと思いますが起きたらきのうのことをおぼえてませんでしたいつのまに帰ってきたのかなぜうちに人が15人も寝てるのかぜんぜんわかりませんしかもわたしはなんでこんなものを大事そうに持っているのだろう(※大売り出しののぼり旗である)ストッキングもビリビリだし頭もグラグラなぜとなりのうちに うちの猫が・・・ベランダが開けっ放しになっていたのだしかしなぜベランダにギターとウクレレが置いてあるのか思いだすのがこわくなってきたのでまた寝ることにするそれが一番いいきのうのわたしはきっと楽しく幸せだったにちがいないそれでいいのだそれですますのが一番これが今日の研究結果だフフ所長は飲酒の翌朝記憶が消滅してしまっていたのですが、この後起き出してきた人たちの証言で昨晩の行動が明らかになります寝ゲロして、飲み屋でヘッドダイビングして店のお皿をたくさん割って、帰り道商店街の「大売り出し」の旗を持って帰ると聞かず「つりざおです」とタクシーに無理矢理乗せ、それでまたゲロ吐いて・・・( ̄□||||!!それを聞かされショックを受ける所長そして失った記憶は失ったままが一番幸せであるという名言で締めくくられます ( *´艸)こんな感じの酔っぱらい武勇伝(実話)が4ページから8ぺージの読み切りで24話からなっています酒豪の作者ともりへー始め彼女を取り巻く友人や師匠(漫画家仲間や趣味のバンド仲間)はたまた家族までもが一様に酒好きという作者の日常がキレのいいギャグで描かれているのです女子が可愛く家飲みを楽しむみたいな漫画はよくありますが、こちらは飲んでは暴れまくり気に入らないやつには暴言を吐き自分たちは楽しい気分になっているという救われないよっぱらい漫画です("⌒∇⌒")次の日、昨日の事を思いだして頭をかかえるしかし反省も束の間━━━でもまあいっかだってよっぱらいだもん昨日の私はよっぱらいであって私じゃないのよとあきれる言い訳をしてまた飲むのです(≧▽≦)つまりよっぱらい研究所といっても、実は何の研究もしていないしお酒を飲んではよっぱらい、よっぱらった人たちとくだらない事をして遊んでいるにすぎません(笑)しかしまあよっぱらいの心理と言動が余すところなく描かれていて、これが26歳の女性のする事なのか?これが後にあの『のだめカンタービレ』を描く人なのか?と少なからず衝撃を受けますΣ(O_O;)ある時は友人と酒を飲んでいい気分で花火をしに公園へ来たら公園がカップルだらけ「こいつら殺そう」(酔ってます)とベンチでいちゃつくカップルめがけ爆竹を投げつけてけちらし(酔ってます)その勢いに乗って都庁まで襲撃する(酔ってます)警察に追いかけられ朝方疲れはてて帰宅・・・・またある時はガチャガチャで取ったアンパンマンでや◯ざのベンツにいたずらしたり・・・よっぱらっている間の記憶がないのはいつもの事・・・愚行、奇行の数々・・・イタズラを通り越して犯罪としか思えないエピソードもあって呆れてしまいますやっぱりよっぱらいはちょっと迷惑でも夜になれば街中こんなよっぱらいがあふれてますよ家に帰って家族に嫌われようが、路上で寝ようが、置き引きされようが、それでも飲むあとの事などどうでもいい自分を解放して投げやりになってバカになるそんな時間が私には必要なのだと所長は言うのです若い女性がちょっと無頼を気取ってるような気がしないでもありませんが漫画家もストレスの多い職業でしょうしねたとえ〆切が過ぎてても、3日寝てなくても、風呂も入っていなくても・・・睡眠なんていらねーぜとか、バカだぜーとか、どうせ死ぬんだからとか言いながらやっぱり飲むのですまあこれは90年代の作品だし、今の若い人はこんな飲み方しないと思うけど血尿が出ているというもりへーにそれは痔だと言ってかまわず酒をすすめたり、顔にマジックで落書きしたり、キャンプ場で盗みをやらせたり・・・また漫画家の若林健次が登場し作者に野球拳を命じたりメシ作れとか威張ってるのは酔ってるとは言えセクハラ、パワハラの類いの気がしますが、構わず笑い話になっていてよっぱらいの偉大さを感じさせます2001年から連載が始まった『のだめカンタービレ』の主人公のだめこと野田恵はピアノ科に通う音大生でありながら自室がゴミ屋敷で風呂は2日おき、シャンプーは5日おきというかつてない不潔なヒロインでした指揮者を目指す千秋真一は子供の頃のトラウマで飛行機にも船にも乗る事ができませんその為エリート音大生にも関わらずクラシックの本場であるヨーロッパに行けず悶々としていました千秋はのだめの面倒を見ながら彼女の中にたぐいまれなる音楽の才能がある事に気付き物語は展開していくのですが、完璧主義者の千秋がダメ人間ののだめを罵り暴力を振るうシーンがよく出てきます当時、不潔なヒロインも、ドSな男性キャラも、とても面白くて今までの少女漫画にない新しさを感じましたが『のだめカンタービレ』の原点てここにあったんだなあと思いましたそれはともかく、この漫画はしらふで読むと面白さが半減してしまう気がします酔ってる時に読みましょう酔っぱらってしまえばみな同じ