映画『TUBE 死の脱出』の感想 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

背景設定を想像しながら拝見

 

 

TUBE 死の脱出

 

タイトルを見ても予想がつく通り、ほぼナタリの『CUBE』のパクリです。いわゆる元祖デスゲーム系な感じの脱出劇。主人公は娘を失ったばかりの母親で自殺未遂してる所を拾われて気付くと巨大な管の迷宮の中にいたってな設定。最初は『SAW』シリーズのように犯罪者が仕掛けた試練なのかと思って見てた訳だが、どうもこのギミックは個人の力では作れそうになくて軍の実験なのかと思って見ていると、この設備は人体轢断も含め瞬時に傷を治したり瞬時に記憶をビジュアル化したり重力を変動させたり死んだはずの娘を蘇らせたりと人間の技術力では無理な事もやっちゃうものだから宇宙人にアブダクトされたのかと思ってたらなんて事はない。いわゆるスピリチャル系路線に落ち着きます。まあ背景を考えながら見てると設定の可能性が何転もするって意味では荒唐無稽だが楽しめました。この不条理な状況に置かれた主人公のリアクションが色々と既に知っていたかのような不可解さもあるがスピリチャル系なら一応は心の中の出来事として納得できます。デスゲーム系ってジャンル自体が荒廃した現代資本圏のマインドの象徴ですから。ただ今作は基本的には主人公がひとりで迷宮を彷徨い謎を解く。その意味じゃ現代のデスゲームの定義に当てはまらないかもしれないが一応、今作でもこの迷路で出会った男と安全地帯を奪い合うゼロサムバトルがあります。

 

とにかく資本社会は停滞すると価値を産めなくなり利権の奪い合いというゼロサムゲームに発展します。そんな息苦しい末期資本社会を生きる自由民主主義者(笑)の実感に『バトルロワイヤル』みたいなゼロサムのデスゲーム系はピッタリはまるからヒットするのだろう。いかに法に触れずに他者を収奪するかしか考えていない連中はエスタブリッシュのみならず底辺層にすら激増しています。それが日本で特に酷いのは価値を産むに足る倫理道徳知性を持ち合わせない腐り切った戦後情操教育の成果とも云えるだろう。そりゃアジア人殺し利権欲しさに親の敵に諂う親米売国奴統治の植民地に生きていればマトモな価値を産める人格は滅多に育ちません。だから世界に負け続けるのです。そして国内で地域内で企業内で部署内で実質内ゲバ状態の非生産的な合法的奪い合い騙し合いを続ける事で更に転落する。そんな腐った社会に生きてればデスゲーム系が流行って当然。我々がクズであり続ける限り廃れる事がないジャンルです。