映画『セーヌ川の水面の下に』の感想 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

東京国辱五輪を踏襲

 

 

セーヌ川の水面の下に

 

邦題だけ聞くとルネクレールの『巴里の空の下セーヌは流れる』とかヨリスイヴェンスの『セーヌの詩』とか古き良き文化的な古典映画を思い出してしまう訳だが原題の方はフランス語ですらなく英語でアンダーパリス。つまり世界市場を意識した商業的バカ映画です。もっと分かり易い邦題を付けるなら"ジョーズ巴里へ行く"って所だろうか。つまり大量の巨大ザメが襲ってくるパニックホラーです。この手の映画はスピルバーグの『ジョーズ』とレニーハーリンの『ディープブルー』って超有名作しか見ていない訳だが最近じゃ幽霊になったりゾンビになったり陸に上がったりと様々なナンセンスC級シリーズがあるらしい。それらに比べると本作はまだマトモなエンタメと呼べます。プラスチックゴミによる生態系の変化で巨大化したサメが大西洋に渡り巴里に巣を作ってセーヌ川で人々を襲って水上警察や軍隊を相手に壮絶なバトルを繰り広げるアクション路線。主人公は元海洋学者で夫を含む調査船の仲間たちをサメに食い殺されたトラウマを引きずっている。それに対し水上警察のリーダーは元軍人でブルキナファソでの人質救出作戦で中隊の仲間を全滅させたトラウマを引きずっている。そんな訳でこの二人が互いにシンパシーを抱くドラマはなかなか良い。

 

もうすぐフランスでは巴里五輪が行われる訳だが、そんな腐敗堕落したポピュラリズムお祭り行政への皮肉も本作には描き込まれています。セーヌの川底には未だ多くの先の大戦での不発弾が残り危険を及ぼしている現実。自然は人間にとって脅威になり得る現実。民主主義も資本主義も限界が来ているという現実にすら現代の腐敗堕落した欧州人は眼を逸らしています。それを猿真似したクソジャップは東京国辱五輪で大恥をかいたばかり。バブル方式で正確な情報を遮断して選手村にコロナを蔓延させトライアスロンでは東京湾の糞尿の中で選手を泳がせブルジョワの我儘でクルーズ船を接近させ接触事故の大惨事を起こしかけ開会式では天皇陛下すら愚弄し今のジャップは君主制すら放棄した人間のクズであるという現実を世界中に示した。それと同じ事を本作でやってるのが笑えます。トライアスロンでセーヌのサメの大群の中を泳がせて選手が次々に食い殺される西側愚民の末人っぷり。やたらと屈折した自然保護を訴えるバカ。これが自由民主主義の惨状です。この過去を顧みない姿勢がカタストロフィに至るのは自明の理。