映画『範馬刃牙VS拳願阿修羅』の感想 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

出オチ的筋肉祭り

 

 

範馬刃牙VSケンガンアシュラ

 

2つの格闘マンガのコラボ企画らしいが個人的には20年位前にバキを読んで出オチ的な絵に大爆笑した位しか思い出がありません。どんなマンガよりも筋肉を巨大に見せる事に長けたキワモノマンガが少年チャンピオンで長年連載されているってのは意識してたが同類が裏サンデーで展開されていたとは知らなかった。ってな訳で久しぶりに、あの「ユラ~」って感じを味わうべく筋肉祭りを拝見。今作で描かれるのは3試合。一応はタイトルにある通り刃牙VS王馬の試合も見れます。ただ長年連載してると強敵キャラも増えてるようで最初の2試合は初めて聞く名前の選手でした。せめて愚地独歩クラスの有名キャラにも闘って欲しかった。これが一応はバキとアシュラの2つのマンガに登場する無双キャラを対決させているようだがワンパターンさを熱量で誤魔化す感じで笑えて来ます。また試合の裏でもバカバカしい小競り合いが起きて物々しいナレーションが入るってな具合で最初から半分ウケ狙いでやってる節すら感じます。なんたって最初に少年チャンピオンで読んだ時にも絵のインパクトにとりあえず大爆笑しましたから。

 

ちなみに私は子供の頃にはあまりマンガを読まないタイプだったがポスト榎本俊二を狙う今平学校の同級生の影響で青年誌を中心に読むようになった。どうも少年雑誌にはランクがあるようでジャンプが頂点で、その下にサンデー、マガジンと続きチャンピオンはメジャー誌の中では底辺的な扱いらしい。ただ、その更に下にアングラ系や同人系の裾野が広がっていて、むしろ有名マンガ家ほど、その裾野で人知れず圧倒的な実力を発揮しているレアな天才に影響を受けている。この点は演劇界も映画界も同じです。だから商業第一線だけが生き残りアングラ文化が淘汰されつつある日本の現状は極めて危ないと云えます。それこそ人知れずオマージュしていた実力者がどんどん業界を離れてしまっているから。その結果、商業第一線もゴミしか作れなくなる。もし本当にクールジャパンを守りたいのであれば裾野にいるクリエイターを潰すようなインボイスや中小淘汰を止めろ。マンガ文化は特に日本のお家芸だけに潰れたら取り返しがつきません。それだけに昔のガロであったり今のコミックビームのような自由な表現の場となる雑誌にこそ頑張って頂きたい。いくら売り上げが伸びなくても、なくなって良い雑誌は本来ならばひとつもありません。