映画『Virtual Lies』の感想 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

仮想世界はあくまでも遊び

 

 

Virtual Lies 虚似的流言

 

VRゲーム制作会社に潜り込んだ女詐欺師のお話。怪奇ホラーだったりSFアクションであったり武侠系時代劇であったり様々な疑似体験をしながら話が進むので一見するとファンタジー系にも見えるが大筋はよくあるラブストーリーです。ヒロインは幼い頃に犯罪組織に拾われて詐欺師として育てられて来たが、このゲーム会社潜入のミッションでターゲットに本気の恋をしてしまう。それ故に、わざと彼に冷たくしたり組織に彼を狙うのを止めるように懇願したり。まあ、この手のラブロマンスの典型の行動パターンです。やはり彼女は不遇の幼少時代を過ごしていただけに彼が会社の利益を孤児院に寄付してるという事実を知って心を開いたのだろうけど、そんな良い人に巡り合うのは珍しい事には思えません。いわゆる詐欺師もコミュニケーションビジネスだけに様々なタイプの人間に出会う訳で、その中には人たらしも少なくないはずなのに、なぜ彼なのかって所がイマイチ説得力がありません。つまりプロの詐欺師ってリアリティに欠けたご都合主義が鼻につきました。これが駆け出しの詐欺師とかだったら説得力がある訳だが。

 

いわゆる仮想現実系のSFを期待して見た訳だが今作の中で仮想世界は単なる背景で何のギミックもありませんでした。それこそ詐欺師が情報や金を盗み出すならゲームの中で謎を解く位のギミックはあっても良さそうなものだが今作にあるギミックは男女の駆け引きだけです。その割に結構ちゃんとCGで作り込んだ宇宙船が脈絡なく出て来たりして絵的にはそれなりに金かけてる感じがあります。ここに登場するVRはヘッドマウントディスプレイタイプで『マトリックス』や『トータルリコール』のようなフルダイブ型ではない。そこがリアリズムと云うべきか、あくまでも仮想現実の世界は遊びであり現実の恋愛に比べればクソの価値もないって所なのだろう。まあ大陸の考え方は鬼畜米のように腐ってはいないから妄想に溺れ続ける人生なんて想定しないのだろう。「スマホは生活必需品」なんてぬかす程に日米の大衆は頭が狂ってるキチガイだが食料も電力も得られなくなるであろう無能貧乏ジャップにはもはや夢を見る権利もありません。メタバースの中に現実逃避するようなクズを生かしておく余裕は今のユニバースにはありません。そんな当たり前の事が分ってるリアリストだからこそバーチャル世界を描いても、このような位置付けになるのだろう。