偏見に閉ざされた世間
青春ブタ野郎は
おでかけシスターの夢を見ない
物質的に満たされ繋がりが希薄化しコミュニケーションの形も大きく変化した現代ならではの若者の欲望の形を架空の病気として表現した青豚シリーズの映画版第二弾。原作では8巻に当たるらしい。だが考えさせる内容の上にインパクトが弱い作品なので時間が経つと内容の記憶は薄れてしまいます。TVアニメ版と劇場版第一弾をほぼリアルタイムで見た私は、ほとんど前作までの内容を失念していました。それにも関わらず今作は前作までのあらすじを一切やらずに伏線回収が普通に出て来るものだから記憶を辿りながら「あれ?妹って確か多重人格なんだったけ?」とか「アイドルグループと知り合いなんだっけ?」とか必死に思い出しながら見ていました。このエピソードは主に引き籠りだった妹が高校受験に挑戦するってな内容。一応、主人公はその夢を応援しながらもリスクヘッジとして通信制高校という選択肢を用意すべく学校説明会へ出向く。そこで知り合いの空気読めない系アイドルもその通信制高校の生徒であった事を知る。そんな兄を尻目に妹の方は多少無理しながらも順調に勉強を進め試験当日も成果を出していたが、そこでトラウマが発動してしまう。
この試験の結果に関しては少子化とSNSの時代ならではの何ともショボい結果と何ともショボい決断があって綺麗に終わるが果たして妹の人生はそれで良かったのだろうか。これが大人の目から見ると大いに間違って思えます。つまりは確かに通信制高校は世間が思うような閉じた世界ではないが世間の方は偏見に閉ざされているからです。つまりは普通コースを辿った新卒の方が就職には圧倒的に有利。少なくとも楽なブルシットジョブで大企業の利権にぶら下がるサラリーマン人生を選択する一般人ならば普通高校を選ぶべきです。アイドルは既に自分の実力で食って行ける可能性があるから世間様と違う道を行っても積む可能性は少ないが凡人が普通コースを外れると底辺貧困コース確定です。クリエイターとして実力で勝負してる私ですら一応高校までは普通に進み絵画で全国有数の才能と世間の評価が高くても表現の道に進む事は人生をドブに捨てる事と覚悟を決めて今平学校に進路を変えましたから。どちらにせよロスジェネに正規ルートはなかった訳だが、それでも世間って奴は優劣より出身校ブランドで雇用を判断しますから。ごく普通に生きたい凡人には絶対に自分と同じコースは無責任にお勧めはできません。