映画『恋愛寫眞』の感想 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

恋愛寫眞

 

 

えっちぃ

 

この頃から堤作品のインチキ臭さは変わらない。その意味で期待を裏切らない監督です。NYへ行く彼の作品といえば最近では『すし王子』が記憶に新しい所だが、この作品にも時代錯誤な妙な外人がやたらと登場します。今時カツアゲをする黒人、中華街のギャング、日本マニアな男など。サービス精神に満ちた面白いキャラ。日本でのシーンでも空き缶をぶつけられて包丁を出す妙なおっさんが出て来たり。貪欲に笑いを狙っています。物語は単純なラブストーリーに少々のサスペンス要素って所だろうか。大学で悪い噂が絶えない型破りな謎の女の子静流に恋をした男の話。彼は写真をやっていて、この撮り方を静流に教えたら自分よりも良い写真を撮ってコンクール入賞までしちゃうもんだから嫉妬。小さな男。

 

それにしてもこれまであまり気にしなかったけど、この作品では正面からのアップショットが多かったせいか松田龍平ってヤブ睨みの目つきが親父ソックリだと気付いた。この冷めた目つきはこの甘ったるいラブストーリーにはちょっとばっかりミスマッチ。後半にはアクション要素もある訳だけど。その一方この頃の広末は透明感があって儚さが上手く出ています。静流がキスの前に投げかける台詞に思わず濡れちゃいます。私には悪口を並べられる言葉責めに感じるようなマゾっ気はないけれどカワイイ系の女の子に「えっちぃ」と云われると妙に幸せな気分になります。これが恋人が去った後には妙に切なく胸を締めつける。多分、最も心を許している瞬間にふざけて発せられる言葉だから。それこそ写真に焼き付けたい瞬間。