映画『こんにちは私のお母さん』の感想 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

こんにちは、私のお母さん

 

 

ブスが空から落ちて来た

まあ笑って泣けるの典型であり親族の情に厚い中国国内で大ヒットは頷けます。どこにでもある普通の親子の物語。普通で偉大な母親の物語。何をやっても駄目な娘が母親の若かった頃の時代にタイムスリップして母親を権力者と結婚させようと画策するってな内容。他の男と結婚したら自分の存在が消えてしまうという『バックトゥザフューチャー』みたいな不安はないようです。とにかく母親を幸せにできればそれでいいという孝行心。基本的にSFではないのでタイムパラドックス的な理屈は付いていないようです。それにしても、この娘役のヒロインが何をやってもダメダメな上にデブでブスって所が妙にハリウッドに似たルッキズムのポリコレ臭を感じてしまった。まあ大衆の共感を得易いからヒットしたのだろうけど娯楽コメディなんだから個人的には美男美女で固めて欲しい所です。とにかく母の方が細身の美人なので恰幅が良い娘の方が中年デブの年上に見えてしまいます。

 

とにかく平たく云えば母は偉大だという一般論に収まるような内容な訳だが、あえて垢抜けない感じに描いてる事が共感を集め易かったのだろう。もっとトリッキーな展開を期待していただけに平凡なオチには拍子抜けでした。それこそクァクジェヨンがよくやってるタイプの構成で全ては母親の掌の上ってオチに持って行くので、それなりに陳腐ながらに泣ける内容ではあります。タイムスリップではなく夢で母親の記憶の中に入っただけなので最初から未来を変える事なんて不可能。自分の想像の中では本当に母親を権力者と結婚させるとブスでデブな主人公が良い遺伝子を得て美人に変身するかもしれないと思って見ていたので「なんだ最後までブスかよ」と思わず呟いてしまいました。こんなブスでも云い寄る男がいるって展開も妙にルッキズム批判を恐れてるような臭いがします。とにかく日本メディアのヘイトポルノ広報せいで色々と誤解があるようだが独裁国であっても資本社会なので感度三千倍オバさんやクソフェミが商業を歪める事はよくある話。日本アニメのコスチュームが肌の露出が高過ぎるからと、わざわざレタッチして放送する位にフェミ勢力が強い国です。それだけにドラスティックにルッキズムポリコレに媚びた事が今作の商業的ヒットの勝因だったのかもしれません。それでいて妙に素朴感が強調されていて日本の山崎貴ファンみたいに今の格差社会より貧しかった頃のノスタルジーに酔いたい層がかなりのボリュームでいるのかもしれない。