映画『映像研には手を出すな』の感想 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

映像研には手を出すな!

 

 

ロボカニ合戦

英勉作品の中でも特に弾けてる部類。最初から飛ばし過ぎで逆に引いてしまった。クリエイター内輪ネタ系マンガって奴はクリエイター側の実感を反映し易いのでリアル寄りなあるあるネタ日常系が多い訳だが今作の世界観は割とナンセンスに振り切った部類で、ありえない過剰表現で生徒会との攻防が描かれています。この映画版に至ってはCG使いまくって、もはやファンタジーに分類できるような内容になっています。ロボットと巨大な亀蟹が対決するアニメ映画を上映する為に生徒会の妨害をかわしながら創作に没頭するってな大筋な訳だが、とにかく過剰表現の連発でリアルな学園ドラマ路線から大きく外れています。ロボット研なる部と提携して企画が立ち上がる訳だが、この部がまたダメダメで高専みたいに二足歩行技術を開発してる訳ではなく単に3メートルの動かないロボットを愛でて夢を膨らませてるだけの連中。全く組むメリットを感じません。それでいてリアルじゃないとかロマンがないとか矛盾した注文ばかり付けて来るものだから見ていてダメなスポンサー企業の記憶が蘇って来て不愉快な体験を思い出してしまいました。ろくに金も出さないクズ企業ほど無責任に口だけ出して来やがる。

 

オーディエンスに叩かれる分には許容範囲だが製作段階で口を出されると無駄なコストが増えるだけ。マトモな企業はそこを弁えているがキー局とか日本の老害企業どもは諂い合戦やってる猿山のエテ公だらけだからポジション取りで仕事してるポーズする為に素人レベルの横槍ばかり入れて来る。とにかく最近はマトモな人材は外資に逃げるから真っ当だった企業にも人材不足でその手の諂いスキルだけ高い有害な人種が増えて困ります。この手の連中が増えると我々クリエイター側からスペックを発揮しきれる環境が奪われます。ネオリベ資本主義が植え付ける功利主義に腐った人種が増えるという形で我々クリエイターの仕事も棄損されています。ここに描かれる学生たちの葛藤は可愛いものだけど最近の日本企業じゃ良い年こいたオッサンが小学校のノリでマウント合戦やってんだから目も当てられない。メタフィジックに軸を持って状況に対処する能力がなくて損得計算だけで目の前の事実を捻じ曲げるクズがリアルでも増えています。ここに登場するような純粋に作る事を楽しんでいるクリエイターの卵たちには、こんなクズの価値観は学んで欲しくないものです。…って映画の感想ってより、ほぼ愚痴になってしまいました。