『ノンストップ・トリガー』の感想from映画生活 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

ベトナム版『アンフェア』

 

 

ヒロインはムスッとした元軍人の女刑事。中二病全開な設定や芝居の下手さにはどうしても『アンフェア』の篠原涼子を思い出してしまう。ただこっちはあんな回りくどい陰謀論系の話ではなく単純に犯罪組織を追っかける系の刑事モノな訳だが。やはり刑事や諜報員って人種は私が知る限り実際には、そこらの営業やキャバ嬢なんかよりよっぽど聞き上手な人が多いだけに、この手のムスッとした刑事って役柄には違和感を覚えてしまう。むしろショッピングモールでチンピラにケンカ売ってたおばちゃんみたいなキャラを主人公にした方が刑事として説得力があるし見ていて楽しいだろうに。とにかく潜入捜査しても即正体バレて暴れまわるってな刑事アクションの定番パターン。そこに他の捜査員が潜んでいてもお構いなし。こんなにも協調性がなくスタンドプレーが目立つヒロインに対し上司は知的障害がある弟を預かったりして、やたらと理解あるサポートしてるけど普通なら降ろされます。この所内事情にも色々と裏切りのドラマとかがあったりする訳だが、やはり今作における見せ場は派手なアクションだろう。『CLASH』もそうだったが『ママは元ギャング』に比べるとレディースアクションらしい細身の体をフルに活かした派手な殺陣にはそれなりに見応えがありました。この作品のクライマックスは悪役が二刀流の日本刀で暴れまわるってな見せ場があったりして、その避け方が結構斬新だったりします。てえか普通過ぎて誰もやらないから逆に日本の殺陣ではあまり見かけない。どちらにせよプロであるにも関わらず無駄にリスクを冒して私怨を晴らすために拷問を使うとか利害関係を無視した行動に出る悪役がいたり、それを根性論で乗り越えたりと、レディースアクションにも関わらずドラマとしてもアクションとしてもスマートではないマッチョな価値観を感じます。