体調が悪い時に見る夢を思わせる映画10選 | アキラの映画感想日記

アキラの映画感想日記

映画を通した社会批判

無意識の中で思考が無駄にぐるぐる回って

やらなければならない事を順序立てて考えるが

それらが全く不必要である事に気付き

振り出しに戻るという無限ループのような夢。

そんな悪夢体験を連想させる映画体験。

 

ラース・フォン・トリアー

『ヨーロッパ』(デンマーク)

本人も語っている通りパラノイアの具現化なので

脅迫概念から逃げ回るような世界観です。

 

デヴィッド・リンチ

『イレイザーヘッド』(アメリカ)

悪夢の世界といえばハリウッドで最も有名な

彼の出世作の薄気味悪さは忘れられません。

 

ヤン・シュヴァンクマイエル

『悦楽共犯者』(チェコ)

超現実主義を受け継いだ彼の作品はどれも夢に出て来るが

特に世界観が印象に残ったのは目的意識が曖昧な本作。

 

イングマール・ベルイマン

『野いちご』(スウェーデン)

インテリ老人が見る冒頭の夢の描写は後悔のような

取り返しがつかない怖さを見事に潜在意識に訴えかけます。

 

ルイス・ブニュエル

『忘れられた人々』(メキシコ)

超現実主義の第一人者がメキシコで撮った作品で

最も幼少時代の夢描写が強烈で共感できます。

 

マヌエルド・オリヴェイラ

『夜顔』(ポルトガル)

超現実主義を受け継いだ一本で

ブニュエル晩年の映画の悪夢感を滲ませたような老人映画です。

 

アルフレッド・ヒッチコック

『逃走迷宮』(イギリス)

自由の女神の内部など逃げ回る描写が

キューブリック『非情の罠』と並んで悪夢感があります。

 

アレハンドロ・アメナーバル

『オープンユアアイズ』(スペイン)

事故で顔を失ったイケメンの不自由感が

正に夢の中で動けない不自由感と同じ感触があります。

 

アレクサンドル・ソクーロフ

『静かなる一頁』(ロシア)

原作の一場面だけを切り取った薄暗い水辺というモチーフは

正に自分の頭の中にいるような感覚です。

 

衣笠貞之助

『狂った一頁』(日本)

鈴木清順の大正三部作のモチーフとなるような

祭りの狂気は風土感を伴った悪夢の世界です。

 

意外に東洋の作品が少なかった事に驚きました。

欧米人の方が無意識に対する考察が深いからかも。

ホラーとして怖い悪夢という基準ではなく

感覚的に深く共感できる世界観の作品を並べてみました。