映画『奪還』の感想 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

ゲットバック 奪還

 

 

金融屋をぶっ潰せ

あの『ネバーエンディングストーリー』等で知られる名監督ペーターセンも最近じゃハリウッドを見限って祖国で撮ってるようだ。まあ賢明な選択です。マトモなクリエイターなら日本や米国みたいな文化が金融に潰され沈みかけた船からは逃げます。そもそも渡米以前はニュージャーマンシネマの後発組として高く評価されていた監督さんです。それが今回は祖国を舞台にバンクラバー(銀行強盗)ノワールコメディに挑戦。今回のテイストはヴィッカリオの『黄金の七人』シリーズを思わせるコテコテ感があります。とある部下をハメる為に横領事件をでっち上げた有力金融屋に対し貯金を空にされた3人の被害者と冤罪でクビになった部下が復讐の銀行強盗計画を企てる。これが素人仕事なので色々と初歩的ミスをやりまくる感じがハラハラさせて笑いを誘います。この手のオールドファッションな演出は半世紀前の古き良きハリウッドで流行っていたタイプのスタイルだが最近の欧米の流行よりよっぽど見るに耐えます。ボクサー崩れと役者崩れとボンボン息子とインセル銀行員の4人組が七転八倒するスラスティックコメディ。こいつらだけでは頼りにならない訳だが女刑事をはじめとして途中から協力関係になる女性陣とのドラマがこれまた出来過ぎているからこその面白さがあります。

 

ただただ最後まで古典的な娯楽を気軽に楽しめた訳だが復讐相手を銀行家に設定しているのは現代的にも思えます。それこそ昔は銀行員というだけで信頼された時代もあったが、これだけ資本社会がマネーゲーム化して実質経済を食い潰す局面に入ると金融関係者=盗人みたいな認識が一般的になります。いわゆる中抜きオヤジの代表格みたいな。この日本でも財界の中抜き上級国民が政商やりまくったせいでインボイスが導入され多くのフリーランスで活躍するクリエイターが潰されました。こうして自由主義に腐った中抜き資本主義国家からは優秀な人材が逃げてゆくのです。それだけに金融屋を目の敵にした作品を見るにつけ、このクリエイターも鬼畜米の中抜き乞食どもを憎悪しているのかもと邪推してしまいます。ディズニー一家やバンダイのようにIP利権を貪る中抜き企業だらけの鬼畜国家は文化が衰退して当然です。ジャパニメーションも優れた人材は中国に流出しまくってるから国産アニメすら見られなくなる時代は目前です。まあ親米クソジャップ乞食パン助の自業自得だから仕方ない。