エンジェル・ウォーリアーズ
狂言回しが騙された
今作はタイ奥地の虎族なる未開の部族の生息地に眠る宝石を巡ってギャングと冒険家たちが入り乱れてバトルするレディースアクション。タイトルにある天使とは中国から来た5人の女性実業家たちの事だろう。この5人は一応は観光旅行者なのだが実業家として勝ち組でありながら拳法の達人でもあり、やたらと強い。ギャング相手に地元の虎族と共に戦う訳だが、こちらの陣営には他にも訳アリのキャラが何人か登場して、そっちのエピソードの方が目立っちゃうものだから肝心の5人は壁の花とまではいかないまでも影が薄い感じになっちゃってます。この物語は虎族の若者の独白で始まる訳だが、こいつが冒頭から観光客を装って宝石を狙うギャングに騙されて連中を集落に招き入れてしまう。そこから10人以上いる主要キャラが入り乱れてバトルが始まるので分かり易くキャラ紹介してるにも関わらず何とも整理がつかない感じになっちゃってます。とりあえず冒頭のナレで知ったような口ぶりで語っていた狂言回しがいきなり騙されたって所で、あの自信は何だったのだろうかって感じになって最終的には彼のエピソードに戻って回収してるものの何が云いたいのかサッパリな感じでした。
とにかく平たく云えば虎族の若者が騙され殺されかけて冒険家たちに助けられ部族の誇りをかけて戦いギャングを撃退するってな話な訳だが様々な魅力的キャストのエピソードで中盤が埋められていて焦点が絞られないまま終わっちゃった感じです。アクション自体は格闘センスが高いキャラ同士の駆け引きに工夫があったりして、それなりに引き付けられました。わちゃわちゃとして無駄に話が入り辛い内容ではあったが、そもそも単純にバトルを楽しませる事を目的としてるのだから、これで充分なのかもしれない。とりあえず最近はインドもそうだがタイでも中国人観光客は上客なので、おもてなしでインバウンドを狙いたくなる地元民が多い事は理解できます。それこそ我が国だって国内に疫病を蔓延させてまで目先の利益を選んで国内産業を更に凋落させたのだから。まあ我々のような実力派プロダクションは優秀な中国企業に大量資本投下して貰えてBRICS万歳な訳だが無能な既得権大企業は自ら墓穴掘ってざまーって感じです。