映画『赤い諜報戦』の感想 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

ヘリオス 赤い諜報戦

 

 

ジャッキーチュン京都へ

 

『コールドウォー』シリーズの監督が今回も派手なアクションを展開する中国のポリサス大作。韓国で新型爆弾"赤道"がテロリストに奪われる事から話は始まる。この"赤道"ってのが原題な訳だが、この邦題の方は意図的に"赤"に別の意味を連想させます。つまり中国共産党。確かに話の中盤で中国政府が悪役ポジションの構図になる局面はある訳だが別に共産党の陰謀みたいな思想ポルノ好きを楽しませる類の話ではありません。この爆弾を奪ったテロリストは前半であっさりと退治されちゃう訳だが爆弾を持ち帰ろうとする韓国大使を中国公安が止める。この爆弾を香港に留めおこうというのが共産党の意図。国際駆け引き上、無視できない兵器である事が世界中に知られてしまったから。そんな訳で一旦は韓国+香港VS中国という冷戦時代のような構図になります。この爆弾の存在を知った世界中のテロリストが動き始める事で対立構図は大きく変わる訳だが、それでも大陸資本で自国政府を悪役にしたエンタメを撮るとは相変わらず大陸映画人は奔放です。それこそ中華民国の時代から日本人とは違って権力に諂わないから。ポリサス要素はともかくとして大金次ぎ込んだであろう派手で高クオリティのアクションで退屈させない。

 

ただ最近ハリウッド並み以上に高品質の大陸映画は増えているが映画としての力がある作品は香港の方が増えてる気がします。やはり栄えてる土壌よりも危機的状況にある土壌の方が傑作は生れ易い。そんな香港映画に比べると今作のような大陸大作は品質が高くてもイマイチ心に刺さらない。それにしても香港四天王といえば最近じゃアンディラウとアーロンクウォックばかり活躍しててレオンライってどんな顔してたっけ?って位に差が付いてしまった訳だが、この作品で久しぶりにユンファの腰巾着ことジャッキーチュンを見ました。この映画のキーとなる人物で大学教授という肩書で事件に関わってる訳だが、やはり知らないうちに随分と年を食ったって感じです。ただ「女性を殴ってはいけない」の件は相変わらずクール。