『団地』の感想from映画生活 | アキラの映画感想日記

アキラの映画感想日記

映画を通した社会批判

2019-02-24

団地

 

 

トンデモ展開

 

会長選挙に敗れ引きこもったら奥さんに殺されたのではないかと噂が立つ。いわゆる専業主婦が普通だった世代の頃からベッドタウンで井戸端会議をする奥様方は無責任なスキャンダルがお好きなようで。この手の根拠なき噂が情報技術革新の波に乗れば、それはそれはフェイクニュースだらけの便所の落書き状態なメディアの現状に至るであろう事は簡単に想像できます。この映画は阪順のちょっとしたSFコメディ。よくある団地の群像劇かと思いきやトンデモ展開。

 

息子を失って以来、薬局の仕事を止めて引きこもった夫婦を中心に団地のちょっとポンコツな面々の日常が描かれます。DVに苦しむ少年やら愛人に騙される会長やら殺人を疑うジャーナリストの妻やら様々な人間ドラマが阪順ならではのシニカル演出で自然な笑いに繋がります。ベタベタな関西人ならではのボケもあるけど、それによって周りがシラケる事で笑いを生むってなタイプ。それにしても宇宙船のシーンは最近の作品とは思えない特撮感があって妙に懐かしい。かつてはノワールアクションの印象ばかりが強かった阪順だが、むしろ人情喜劇路線の方が向いてる気がします。