映画『カンフーマフィア』の感想 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

カンフーマフィア

 

 

悪ふざけ

先に2作目である『ブラックタイガー』を見てたので順番が逆になってしまったが、それぞれに独立した話で伏線は皆無なので今作を見ていなくても2,3作目を楽しめます。ハードボイルドなノワールアクションと思わせつつ実はハチャメチャなナンセンスコメディって所は一貫していて今回も意味もなくトランスフォーマーやアイアンマンが登場したりします。とにかく楽屋ネタとか平然とかましまくる感じで終始なんちゃって状態で話が進みます。この主人公の設定は2作目ではスタントマンって事になっていたけど今作ではマフィアの下っ端。故郷の村を地上げしなければ殺されるって事で帰郷するが、そこで村を守り続けた伝説のカンフーマスターと出会いマフィアと闘う側に加勢する。そんな感じでマフィア相手のカンフーアクションが展開する訳だが、これが予告編を見ても分かる通り人の頭の上に飛び乗ったり殴った相手が空の彼方へ吹っ飛んだり少年マンガ的なバカ表現のオンパレード。そのノリはB級インド映画のアクションにも似ています。マレーシア映画なのでムスリム圏特有のヒジャブや帽子を被っていたりする訳だが、やはり開かれた文化圏の娯楽映画なので宗教道徳的な面は皆無です。ケンカが弱いチンピラである主人公がカンフーマスターの修行で強くなる訳でもなく口八丁でピンチを乗り切ろうと七転八倒して珍騒動を巻き起こしながらのマフィア退治。悪役のクライアントが日本人業者って所を見ると東南アジアでも戦後日本人の経済侵略は恨みを買っているのだろう。それこそ日米貿易戦争の頃も『ロボコップ』シリーズの悪役は日本企業で、わざわざ本国より先に日本公開していた。そんで今や日本は米国の草刈り場。同様に技能実習制度等の名目での奴隷売買で今アジアを搾取している日本は近い将来にアジア全域の最底辺で草刈り場になるだろう。このマフィアたちは相手が老人だろうと平気で殴り殺す。それは将来の自分の惨めな死に様だと思っておいた方が良い。