『西遊記1』の感想from映画生活 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

2019-12-31の投稿

西遊記~はじまりのはじまり~

 

 

禁欲的な妖怪ハンター

 

これって本当に西遊記なのか?と思わせる程に一般的な西遊記のイメージからかけ離れた所から始まって最後のワンショットで一気に西遊記のイメージにハマるチャウシンチー版。最初は『人形姫』と一緒に撮ったんじゃないかと思えるような海上バトルに始まる妖怪ハンターモノ。チャウシンチー演じる妖怪ハンターは優しいが弱くて彼に想いを寄せる女性妖怪ハンターに助けてもらってばかり。そんな感じで海上バトルで沙悟浄を倒し山中で猪八戒を倒し封印された孫悟空と対決。

 

今作の孫悟空は単なる小さなおっさんって感じなのだが、モブみたいな雑魚っぽいキャラが達人だったりするのは『カンフーハッスル』の頃からシンチー映画のお約束。桁外れの怪物ぶりを発揮し大猿に変身し最強の妖怪ハンターたちを一網打尽。日本の漫画ドラゴンボールを意識したような造形の大猿です。こいつが釈迦の力と対峙する所なんて正に鳥山明の世界。派手なCGで盛り上げています。ただシンチー映画はあくまでもコメディなので見所はむしろ女性妖怪ハンターが主人公を誘惑しようとして起こる珍騒動とかだろう。ここで登場する動きを模倣させる妖術グッツは続編の伏線にもなっています。こいつを張りつけると操り人形のように張られた人間と同じ動きをする。それを使って女首領に色っぽい動きをさせる部下の女性。彼女の方がヒロインより個人的には好みのタイプ。でも主人公は邪念を振り払うべく女首領の猛烈なアプローチを拒みながらも彼女に惹かれていく。その欲望を解放しろと師匠に教えられても頑なに禁欲を貫く。こんな生き方をすると色々と後悔する結果になります。