『アイムソーエキサイテッド』の感想from映画生活 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

2019-12-31の投稿

アイム・ソー・エキサイテッド!

 

 

原点回帰

 

アルモドバルといえば『ライブフレッシュ』から『私が生きる肌』あたりまではファッショナブルなヴィジュアルと深く土臭い人間ドラマで魅了してくれた訳だが今作では久しぶりに『バチ当たり修道院の最期』や『神経衰弱ぎりぎりの女たち』等の初期作品を思い出させるような垢抜けないヴィジュアルとバカバカし過ぎるラブコメという初期路線に原点回帰していました。ドラマの大筋としては矢口の『ハッピーフライト』みたいに機材トラブルで空港に引き返さざるを得なくなった飛行機に乗り合わせた人々の群像劇。

 

権力者たちの弱みを握ったSM嬢やら国外逃亡を試みる投資家やら殺し屋やら訳あり連中が結構いる訳だが、それ以上にゲイのCA三人組のインパクトで全て持って行かれちゃってる感じ。コイツ等のダンスショーは絵的に汚くて思わず消したくなりました。このまま下手をすると墜落するかもしれないという状況において乗客をリラックスさせる為に酒に催淫剤を持って乱交させたりして。デブの髭モジャ親父同士の絡みの多さにオエッとなります。それにしても、あえて今更ながらに昔のスタイルを見せられた事で気付いたが基本的に性を深く突き詰める事で昔から知られてたアルモドバル作品は今じゃ普通に見えるが、ほんの30年前にはかなりアブノーマルなキワモノに感じられていただけに、ある意味時代を先取りしていたって所だろうか。こんな風に普通に主要人物をLGBTが占める作品は昔は変態に寛容なアムステルダムを舞台にしたオランダ映画位だっただけに。アブノーマルなのは良いけど汚いオヤジのゲイが多過ぎるのは絵的に気持ち悪くて倫理的に許容したくとも生理的には拒否反応が出てしまいます。