『ラストサマーウォーズ』の感想from映画生活 | アキラの映画感想日記

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映画を通した社会批判

2019年12-31の投稿
ラストサマーウォーズ

 

 

満州レジスタンス


大東亜戦争の末期ヤルタ会談で同じ連合側の米国の依頼を受けたロシアは9月2日の停戦成立までの間に満州、樺太、千島と進撃して北方四島までを侵略した。これを日本国内では勝手に玉音放送があった8月15日を終戦の日として、それ以降の交戦を犯罪と呼んでいるが、そんなガキの屁理屈が通用するのは国内だけです。かつて冷戦時代には米国が駆け引きの為の方便として日本側の肩を持つ事もあったが北方四島の収奪が大東亜戦争の成果であるという事実は連合側の総意でもあり今となっては歪めようがない。オリバーストーンは日本のポツダム受諾の理由を原爆ではなく満州陥落だと語ったが、この作品に描かれているのは玉音放送から停戦に至るまでの局地戦。本土にいなかった日本兵の多くは玉音放送が届かずに停戦合意の告知を他国のプロパガンダだと認識する事も少なくなかったようだ。そりゃ戦時中は日本も中国に大量にプロパガンダビラを撒いたしロシアも欧米も様々な情報工作を行って日中の結託を阻止した訳だから俄かに停戦を信じられない兵士がいても当然だろう。どちらにせよ中国の地下組織とロシア軍の侵攻で四面楚歌だった日本軍は要塞に籠って徹底抗戦。玉砕覚悟で突っ込むしかない。そんな特攻作戦をロシア側の視点で描いてるってのが興味深い。それは効果的に多くのロシア兵を駆逐した訳だが、それに対してここに描かれるロシア軍の対応は結構冷静だったりします。ロシア兵の目の前で日本兵が不敵に笑いながら切腹しても「よし片付いた次行こ」って感じのトーンでスルー。せめて頭に銃弾撃ち込んで介錯位はして欲しい所だが基本的にメンタリティが大雑把な民族だから。ドヴジェンコが戦時中に撮った『航空都市』もこんなリアクションだった気がします。