幼馴染の発言と最近のゲイドラマを観て思うこと | アキ子じゃない!

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イオンのフードコートで制服を着た男子高校生2人が4人席で横並びに座って楽しそうに話しをしているのを見てホッコリした。

 

先月、高校時代の同級生と2人で飲みに行った。岡君という男だ。

岡君とは、複数人では飲みに行ったことはあったが、2人でというのは久しぶりだった。20年ぶりとかかも。

知り合ったのは高校1年生の時に同じクラスになったからだが、岡君はクラスで1番の陽キャグループの人気者だったので、陰キャなオレとはあまり接点は無かった。

しかし、社会人になってから急に仲が良くなり、よく飲みに行くようになった。

その頃は、終電を逃したらビジネスホテルのツインルームに一緒に泊まったり、カプセルホテルに泊まったりしたこともあり、当時は友人の中で一番仲が良かった。

そんな同級生と久しぶりに話しができてとても楽しかった。

 

懐かしい同級生との話しあるあるだが、同じクラスメイトの近況が聞けた。

オレの記憶から消えていた人の名前が出て、色々思い出すことがあった。

岡君の幼馴染で同じ高校で別のクラスに双子の兄弟が居たのだが、社会人になって間もない頃、ほとんど面識のない双子の弟と岡君とオレの3人で海に遊びに行ったことがあった。岡君と双子の弟は付き合いが長いから、3人だとオレが話しから外れてしまうだろうなと思っていたが、双子の弟は気を使ってくれて色々話しかけてくれてとても優しかったなぁ。

それで思い出したのが、高校の柔道の授業で寝技の練習の時、オレとその双子の兄弟どちらかと技の掛け合いをしていた。ランダムで当たっただけなので、話しをしたことは無い。オレは体力が無いのですぐに息が上がってしまって、ハァハァ言って組み合ったまま動きを止めてしまった。ちょっと休憩のつもりだが、我に返るとイケメン男と抱き合っている状態になっていることに恥ずかしくなってしまって逆に動けなくなってしまった。

あの時はドキドキしたなぁ。そんな双子の弟は今も独身とのことだ。

 

2人で飲んでいると、岡君が思い出したかのように笑いながら話し出した。同じクラスだったある男が『オカマ』だとわかったという。岡君の親から聞いた最近の情報らしい。

今どき『オカマ』って言葉にも驚いたが、親子でそんな話をして笑ってるんだと思うと正直ショックだった。

オレはゲイの人から見ても口調やしぐさでゲイってバレると何人にも言われているので、仲の良い岡君もオレがゲイだというのは気づいているんじゃないかと思う。そんなオレにこの話しをしてくるというのは、オレは試されているんだと思ったけど、この話しに笑って対応もできないし、カミングアウトのタイミングでもない。へーっていう対応で話しを変えた。

 

岡君には仲良くなった20代に何度もカミングアウトしようかと悩んだ。だって思わせぶりなんだもの。例えば、

  • どこかの駅前で祭りの出店があって、岡君が安い指輪を買ってオレにくれたことある。それもオレの左手の薬指に付けてくれた。特にかけてくれた言葉は無かったと思うけど、今でも何で指輪くれたのかは不明だ。
  • 電車で帰る時、2人で隣同士に座れると決まってオレの肩を枕にして寝る。
  • 当時、岡君とは家が同じ方向だった。オレは最寄り駅まで実家から車で通っていた。なので、一緒に帰る時はオレの車で岡君ちまで送っていってあげることがよくあった。その時、助手席に座ってた岡君はオレの左手をつかみ手をつないでくる。1度ではなくしょっちゅう。これも理由は不明だった。
  • ビジネスホテルで同じ部屋に泊まる時は、マッサージをしてくれという。オレはマッサージをしたこと無いのでうまくできないし、下手にマッサージすると筋を違えて傷めてしまうかもしれないので、気が乗らなかったが気持ちいいと言ってくれた。服の上からだけどドキドキした。今考えるとビジネスホテルに泊まるとなったら別々の部屋に泊まると思う。何で同じ部屋だったのかは不明だ。

 

ちょっと思い返すだけでもこんな感じで、ノンケ友達同士ではやらないようなことをやってくる。こんな岡君にならオレがゲイだってことを伝えたいと思った。真面目に受け止めてくれるかもって思ったから。でも勇気が無くカミングアウトはできなかった。

でも今回の話しでカミングアウトしなくて良かったと思った。他の友人に笑い話として広がっていた可能性大だと思うと恐ろしい。

 

で、思ったことがある。今秋に放送中のドラマ2つがたまたま男子高校生がノンケに告白するってストーリーだった。

TVerって『放送中のドラマ特集』ってバナーがあって、曜日ごとに日本で放送中のドラマがリストアップされている。大阪の放送局が作成して、関東では千葉テレビとかローカル局でしか放送してなくて今まで気づかなかったドラマも観ることができて面白い。

そこで気づいたのが、各季節に新しいドラマが始まる中、同性愛(BL)をテーマにしたドラマが多いということ。

今だと男子高校生が主人公のドラマは2つ。

 

 

・君には届かない。

 

 

【TVer紹介文】人気コミックを前田拳太郎×柏木悠(超特急)のW主演でドラマ化!前田が演じるのは、スタイル抜群で成績優秀、女子の憧れの的である高校生・ヤマト (大原倭斗)。柏木演じるカケル (芦屋架)は、成績はイマイチで平凡だが明るい高校生。幼馴染の相反する2人が惹かれ合うも伝えられないもどかしさと葛藤を、少女漫画のような繊細なタッチで描く、心かき乱される“ぴゅあキュン”ボーイズラブストーリー!

 

 

・君となら恋をしてみても

 

【TVer紹介文】あるトラウマから、真面目に人を好きになるのをやめた高校生の海堂天(大倉空人)は、祖母の住んでいる江の島に引っ越しをすることになり、そこで偶然同い年の山菅龍司(日向亘)と出会う。面倒見が良く、優しい龍司のそばにいるうちに、少しづつ彼の真っ直ぐなところに惹かれ、本気で人を好きになることは諦めていた天の気持ちは少しずつ変わり始めて…。

 

 

オレの大好きなドラマがシーズン2で帰ってきた

・きのう何食べた? season2

 

【TVer紹介文】シロさんとケンジがテレビ東京に帰ってくる!西島秀俊&内野聖陽の大人気ドラマ。待望のseason2が10月クールに放送決定!

 

『君には届かない。』と『君となら恋をしてみても』は、どちらも男子高校生が、同級生のノンケに告白するというもの。

やっぱドラマだなと思ったのは、どちらのドラマも肩にもたれて眠るシーンがあったこと。

優しく接してくれる同級生にすぐ恋してしまうことが共通点。相手は必ずノンケ。

『君となら恋をしてみても』は先日最終回だったが、ゲイの男子が同級生のノンケに告白し、相手はそんな気持ちで接してなかったと戸惑いながら返事を保留し夏休みに入る。お互い気まずいのか連絡が取れないでいた。告白の時に約束していた8月の花火大会までじっくり考えた相手の出した答えは一緒に居たいから付き合いたいというもの。ノンケがそういうのだからそれだけでも嬉しいが、なぜか2人はキスをした。しかもノンケの相手がもう一度キスしようと言い出し男と付き合うことに対して完全に受け入れていた。手をつないで夜が明けるまで語り合った。

 

これを見たゲイの高校生が、同級生のノンケに安易に告白とかしないかとおじさんは心配になる。閉鎖的な学校生活の中、1年生で意図せずゲイだと公になってしまうと卒業までの3年間、生き辛いことにならないか心配になる。ゲイ向けアプリは最低年齢が18歳だから使えない。そうなるとゲイの友達を探すは大変かもしれないけど、ゲイに対して好意的に受け止めない人も少なからずいるから気を付けて欲しい。

 

オレの会社員時代の後輩Tはゲイと気づいたのだがそのことには触れないでいた。

ある日、その後輩Tの同期の男がオレに忠告するように話してきたことがある。後輩Tはゲイでその同期の男は襲われそうになったらしい。だからあいつは危ないから仲良くならない方が良いということだった。とても迷惑そうな顔をしていた。

 

襲われそうになったってどういうことか聞けなかったからその時点でどちらも責められないけど、部外者のオレに「あいつはゲイだ気を付けろ」って言ってくるのって、アウティングっていってやってはいけないこと。過去に事件にもなっている。

 

 

他にもある。

 

 

 

こういうことになるから、カミングアウトをする相手は慎重にならざる負えない。上の上司に勝手に暴露された2件は自分ではどうにもならないことだから法律でしっかり守ってもらいたい。

 

オレは別に悪いことをしているわけではないので、『あいつは男が好きな奴だ』と職場で暴露されても平気だという気持ちもあったが、上に挙げたニュースで、上司がアウティングして、仕事相手に無視されたとか、職場の社員達が陰で当事者が誰に最初にカミングアウトするかの賭けをしていたというのだ。「彼女いないのか」って不自然なほど色々な社員から聞かれたのは賭けをしてたからかと後から気づいた時の当事者の気持ちを考えるとショックで会社を辞めたくなる。

こういうことが起こるのだと知ると、暴露されても平気という気持ちは完全に失せた。

 

『きのう何食べた? season2』の主人公シロさんは法律事務所の弁護士で職場では誰にもカミングアウトしていない。付き合っている人がいるとは言っているが詳しくは話していない。

世間的にはこういうタイプの人が大半。わざわざ会社で『男が好きだ』と言う必要がない。だって、『オレは女が好き』って公言する人はいないだろう。そういうのは業務に関係ないのだから。

職場恋愛ってあるけど、ほとんどの人は男女間で仕事をしていても恋愛感情を持たず仕事をしていると思う。それと同じで、ゲイだって男なら誰でも好きになるわけではない。しかも、大人になるとノンケを恋愛対象として見ないようにしている。どうせ叶わぬ恋で終わるとわかっているから。

ゲイが女を見て恋愛対象にならないのと同じで、ノンケ男もゲイは恋愛対象にはならない。

中には結婚して子供もいるけど、30代になってゲイだと自認したという人も知っているから、ノンケとも付き合えるかもという一縷の望みを持つ気持ちも分かるが、自分が傷つく確率の方がはるかに高いだろう。

 

なので、今放送している2つの男子高校生が主役のドラマのようなものがゲイの世界だと思われると、ゲイと関わるとエロい目で見られるんじゃないかと嫌がられそうで怖い。

 

LGBTQ人口割合は2023年の調査で9.7%だという。

 

 

ゲイ1.59%、バイ3.2%、レズビアン1.01%と細分化されており、ゲイの割合だけ見ると少なく見える。

でも例えば、1学年40人/クラス×6クラスあったとすると、1学年240人。すると、ゲイは1.59%だから3.8人。バイは7.68人いることになる。1クラスに1人以上いる計算。

 

日本の左利きの割合は11%だというので、街中で見かける左利きの人の数に近い人数のLGBTQがいると気づいた時は結構いるもんだなと思った。だからこれまでの社会ように無いものとすることができない数だとちゃんと認識しないといけないと思う。

 

 

LGBTに対する法整備を進めるのは良いと思うが、ゲイであることを隠したいという権利も尊重する国になって欲しい。

例えばLGBTに配慮するがあまり企業に就職する際、「LGBTに配慮するため、あなたの『性自認、性的指向』を教えてください。」なんて設問に答えなくてはいけなくなるなんてことになったらゾッとする。

 

女性に『結婚しないのか?』とか聞くとセクハラになるというのは今では常識になった。男性に言うのもセクハラになるという認識になりつつあるが、早くこれもセクハラになると常識になって欲しい。そして、周りにゲイがいても別に特別なことではないという社会になって欲しい。

ゲイやレズビアンだとわかると物珍しさから、からかう気持ちが出てくる今の時代が早く成熟して変わって欲しい。

前にゲイバーで隣の席にいたおじいちゃんが81歳だった。この人が若い頃はスマホも無いから情報を得られないし世間的にもゲイに厳しかっただろうな。

そう考えると現代は良くなってきているだろうが、まだゲイには生きにくい世の中なんだよね。

仕方ない部分もあるんだろうけど。

 

久しぶりの幼馴染との会話と最近見た高校生男子のドラマで改めてゲイの置かれている立場を考えさせらてしまった。