自分の考えを説明すると
友達との会話ではこんな感じのいい方になる。
- 健康のことを考えて、自炊しようと思ってるんだよねー
- 老害とか言われないように謙虚に生きていこうって最近、考えてるんだよー
って。
まあ、聞き手も相手がそう思ったり考えているんだって感じる程度でどうでもよい会話が成立する。
最近テレビを観ていて気になったのが、この個人の考えを仕事の場で発言しているということ。
例えば、
日本テレビ系ドラマ 『コタツがない家』予告篇
小池栄子演じるウェディングプランナーの発言
さらには、
キリン CM 『よろこびがつなぐ 病児保育士篇』
ヘルスサイエンス事業部 社員のインタビュー
どちらも仕事で発言していてお客さんであれ、インタビューであれ、会社を代表した発言と受け止められる立場。(小池さんは役だけど)
それが、『考えております』とか『思っていて』という言葉を使われると、ひろゆきさんの口癖
それって、あなたの感想ですよね!
って突っ込みたくなる。
『なんの根拠もなく、実証された裏付けのある話ではない私の個人的な意見です』って内容を顧客やインタビューで言うのってどうなんだろうか。
広告だと『No1』とか『日本一』って言ってはダメで、実際の広告では例えば、『6年連続買取台数日本一』と言うように、何に対して1番なのかを示さなければならない。
その広告の端には『○○リサーチ社調べ (2016年9月~2022年8月)』というように詳細が書かれている。
だから余計に適当なこと言っている感が出てくる。
「私、自分の考えはちゃんと持ってるの。すごいでしょ。共感できるでしょ?うなずいてちょうだい」って言っているようだ。
外国人のジェスチャー
最近、ディズニープラスという動画チャンネルのサブスクを契約したこともあり、色々海外映画やドラマを観ている。
前から思っていたけど、外国人のジェスチャーは日本人に無いタイプがある。いかにも外国人って感じがする。
首を小刻みに左右に振りながらしゃべる
『Love,ヴィクター』というアメリカのドラマ。シーズン1第10話
ゲイの高校生である主人公には彼女がいる。しかし、自分がゲイだと気づき、ひょんなことから同級生の男とキスをした。それを偶然見てしまった彼女が落胆しパーティ会場を後にする。
主人公が彼女を追いかけ声をかける。「アンドリューが何を言ったか知らないけど・・・」
すると彼女が振り向き「彼は何も言ってない。私・・・、見たの・・・。さっき、ベンジーと(あなたが)・・・。今まで少しでも(私の事)本気だった?」と神妙な面持ち。
男が好きなあんたが私と付き合っていたなんて。私の事、本気だったの?って感じで首を左右に小刻みに振って訴える。
主人公「もちろん。君は僕が一番好きな人だ。」とこっちも首を左右に小刻みに左右に振って言う。
結局彼女はさようならと言って立ち去っていく。
日本人だと首を横に振るのは否定になるけど、この場合そうじゃない。「ウソはついてないよ、自分の本当の気持ちを話しているんだ。」ってイメージ。
両手を顔の横に持って行き、人差し指と中指をくいっくいっと2回曲げるしぐさ
これもよく見る。何の意味かと思ってたら、ダブルクォーテーションを表現しているというのだという。
『“ ”』←これ。
文字にしたときには、注意を促したり、強調するときに使う方法。
それをしゃべっている時に使うのだ。皮肉の時にも使う。
『Love,ヴィクター』シーズン2第4話
恋人と二人っきりになりたいのに邪魔が入ってなかなかうまくいかないとぼやく友人がいう。「もし、あいつがまた教会の芝生を“私有地”と言ったら許さない」この“私有地”の所で、2本指をくいっくいっとさせる。
公共の場でいちゃつくカップルを追い払うために“私有地”と言ったのであろうことを、主人公に愚痴った時のシーンだが、実際は私有地じゃないのに私有地と言ったことを強調させるためにこのしぐさと一緒に言うと意味が伝わりやすい。
皮肉の時は、京都弁のような感じ。
『あらら、”洒落たモン”着とるなぁ』と言われたら悪い気はしない。だが、”洒落たモン”って2本指をくいっくいっとさせながら言うと逆の意味になる。単純に『ダサっ』ってこと。
内輪話でネタのアメリカンジョークとして、「だからアイツにこう言ってやったのさ。『”洒落たモン”着とるなぁ』ってね。」と話すと笑いが取れそうだ。
両手の平を開いて胸の前あたりで相手に向けて話す
ストップって感じのしぐさ。あなたの話しは聞かない!私の事はほっといてくれって感じの時にする。
『Love,ヴィクター』シーズン2第1話
主人公の誕生日に友達と彼氏を家に招待したが、息子がゲイであることに理解が追い付かない母親。息子が彼氏といちゃつくのを見てイラつきが収まらない。いたたまれなくなり、「ピザを食べたらムカムカして気分が悪い」と中座しようとする。
「1枚しか食べてないじゃない」という息子に振り向きざま母が大声で言う。「ヴィクター!気分が悪いと言ったら悪いの!いい?」と両手を息子に向けて叫ぶ。
彼氏や友人、妹は一気に興ざめ。誰も何も言えない重い雰囲気が流れる。
両手の平を開いて腰のあたりで相手に向けて話す
手の平の位置が違うパターン。
何々、ちょっと待ってよ!私にも言い分があるのよって感じの時のしぐさ。
『デスパレートの妻たち』というアメリカのドラマ。 シーズン1第16話
スーザンというバツイチ女性が夜帰宅すると数件隣に住んでいる彼氏が「話しがある」と駆け寄ってきた。
スーザンが言う。「マイク、今はやめて。酔っぱらってるし動揺してるから。」と軽くあしらう。
「何度も留守電入れたのに」と彼氏のマイクが憤って言う。
スーザンが返す。「(私たちはもう)別れたのよ。それははっきり言ったはず。(あなたは)ウソついてたくせに!警察であなたの記録を見せられたの。(あなたは過去に)人を殺してた。」
こんな重要なことを話してくれない彼氏なんて信じられない!と両手を腰のあたりで相手に向けて話す。
「僕が冷酷な人殺しに見えるか?」と彼氏が詰め寄る。
「もちろんそんなことは思ってない。元旦那に浮気されると思ってなかったし、親友が自殺するとも思ってなかった。思い込みで人を信じるのは禁物なの。」とまたもやジェスチャーで答えるスーザン。
会話にジェスチャーって重要かも
こんな風に、ジェスチャーがあれば、より相手に理解されると思う。
冒頭のドラマとCMで淡々と語っている姿は、独りよがりな感じがする。
両手の平を相手に向けて『まあまあ』って感じのしぐさで、
『最高のスタートを切れるかどうかで、結婚生活は大きく変わってくると考えております。』
って言ったら、会社を代表しての発言というより、私個人の考えですけどって印象が強くなるから何にも鼻につかない。
あるいは、首を左右に振りながら、少し口をへの字にして伏し目がちな格好で、
『免疫というのは、健康のベースとなるような組織だと思っていて・・・』
って話したら、自分の思っていることを素直に話しているというイメージが湧く。
日本人は表情や声のトーンで話すというけれど、今回の二人の表情からは詭弁(きべん)にしか聞こえない。
『考えております』、『思っていて』って言葉は気になるから、その言葉を使うならアメリカ人みたいなジェスチャーが必要なんじゃない?って考えております
って感じで終わります。