舟木一夫~3月8日に初出場の紅白歌合戦再放送

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舟木一夫

3月8日に第14回NHK紅白歌合戦再放送

初出場で「高校三年生」を歌う

 

 

 

NHKステラ臨時増刊号「紅白50回」から

 

 舟木一夫さんが初めて出場してデビュー曲の「高校三年生」を歌った1963年大晦日の第14回NHK紅白歌合戦(リマスター版)が3月8日(土)午前9時半から12時13分までNHKBSで再放送されることが正式に決まりました。NHKに番組の形として映像が残る紅白歌合戦の中で最も古いものです。過去最高の視聴率を誇る番組だけに、是非見てみたいですね。NHKは放送100年にあたって、映像に乱れが多かった紅白歌合戦を4K同等のクオリティーに再生して放送。これまでに第22回(舟木さんは「初恋」)と第20回(同「夕映えのふたり」)を再放送しています。

 

第14回NHK紅白歌合戦 NHKアーカイブス

 

 東京オリンピックを翌年に控えた第14回紅白歌合戦の司会は、紅組が初めての江利チエミさん、白組が前回から出場の宮田輝アナウンサーで、東京宝塚劇場から21時5分~23時45分の間、生放送されました。番組冒頭で五輪の聖火ランナーに扮した渥美清さんが登場し華やかに幕を開けました。フィナーレの曲は例年は「蛍の光」ですが、この回はNHK制作のオリンピックの歌「東京五輪音頭」で締めました。視聴率はいまだに破られることのない最高記録の81.4%。約8000万人が見たことになり、この頃の紅白はまさに国民的行事と言えます。勝敗は19対8で紅組の圧勝でした。

 

 

 合田道人さんの著書「紅白歌合戦の舞台裏」などによりますと、紅組の司会は女優の森光子さんに内定していました。ところが、森さんが新年2日目から東京・芸術座で主演する予定の「越前竹人形」の台本が遅れ稽古日が紅白歌合戦と重なる可能性が出てきたため、発表2日前になって急きょ降板することになりました。慌てたNHKは、この年に本邦初演のブロードウェイ・ミュージカル「マイ・フェア・レディー」の主人公・イライザ役が評判になった江利さんに白羽の矢を立てました。司会兼歌手としての紅白出場になりました。

 

CHIEMI SHOW TIME MY FAIR LADY/CHIEMI AT THE KOMA

 

 

 また、途中にNHKの人気バラエティー番組「ジェスチャー」の白組キャプテンをしていた柳家金五楼さんが宇宙服姿で登場し「こちらは金五楼テルスター宇宙局でございます。北極のシロクマが、今年は白組の勝ちだと言っております」とニュースを披露。さらに、日本レコード大賞で大賞を受賞した曲「こんにちは赤ちゃん」で初出場した梓みちよさんの応援では、この曲を作詞した永六輔さんが乳母車を引いて登場。中に乗っている赤ちゃん姿の渥美清さんが「こんにちはアカさん、あなたがマケよ」とたどたどしくしゃべって会場を沸かせました。

 

 

 紅組の初出場(登場順)は「リンゴの花咲く町」の高石かつ枝さん、「出世街道」の畠山みどりさん、「下町の太陽」の倍賞千恵子さん、「島のブルース」で日本レコード大賞新人賞を受賞した三沢あけみさん、「こんにちは赤ちゃん」の梓みちよさん。白組は「雲に聞いておくれよ」の田辺靖雄さん、「ギター仁義」の北島三郎さん、「運がよけりゃ」の立川澄人さん、「島育ち」の田端義夫さん、「高校三年生」で新人賞受賞の舟木一夫さん。北島さんはこれ以後、紅白歌合戦に計51回出場することになります。田端さんは20年を超える歌手生活で初めての出場で注目されました。新人賞コンビの舟木さんは学生服姿、三沢さんは奄美大島の衣装で登場しました。

 
 

 

 また、雪村いづみさん、江利チエミさん、美空ひばりさんの「元祖三人娘」のほか、中尾ミエさん、伊東ゆかりさん、園まりさんも「新三人娘」としてひと枠で出場しました。さらに、坂本九さんの「見上げてごらん夜の星を」、ザ・ピーナッツの「恋のバカンス」、越路吹雪さんの「ラストダンスは私に」など“昭和歌謡”を代表する曲が歌われたのも第14回の特徴です。梓みちよさんによると、越路さんは出番をロビーで待っている間、梓さんに「タバコちょうだい」と言って手をガタガタ震わせていたと言います。ベテランでも緊張するという紅白歌合戦を物語っています。 

 

 

 

 

 

 

 

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