自らに課したモノ
今朝早くの天気予報で、〝関東亜熱帯〟(お気に入りの造語)は本日、38度~40度の予報が出ていて、その南端に位置する私どもの住まいは大体でマイナス1度から1.5度。結果は37度だったようですが、いずれにしても「殺人的な暑さ」には違いなく、一日、おとなしくしておりました。
このところ仕事絡みとはいえ、観光気分も交えた東北遠征が続いたせいで、さすがに疲れも残っていたため、ちょうどいい休養になったのかなあ、と思います。
ということで今回は競馬の話題からは離れて……。
『山女』
先月末に書きました通り、今年は「最低でも月2本の映画館での鑑賞」をノルマにしていて、それが2月以降、6月までまったく達成できておりませんでした。それを7月にいくらか取り戻そうとして「3本いけるかな?」と思っていたのにダメでした。でも、とりあえず2本はクリアしました。
順序は逆になりましたが、『オレンジ・ランプ』と『山女』の新作2本を観ました。
(ともに新作のためネタバレ注意ということで)
『オレンジ・ランプ』は実話ベースで、若年性アルツハイマー型認知症を発症した夫が、献身的に支える家族と、周囲の理解のもとで前向きに生きようとする姿が描かれた作品。
40代になったばかりの主人公(スミマセン、39歳だったようです)が、症状を発症して10年ほどの期間、が描かれたんですかね。なので、まだ本当の意味で深刻な状況になる前、のようにも感じられて、若干、NHKのノンフィクションドラマ風の、予定調和的な部分があったかもしれません。病気の理解を促す、といった啓発モノ、と言いますか。
とはいえ、妻役の貫地谷しほりさんも、夫役の和田正人さんも悪くないですし、競馬関係では山田雅人さんがいい感じの老け役をされてるのが感慨深かったです。
そして『山女』です。
もう、なんと申しますか。
「大飢饉に襲われた18世紀末の東北の寒村」
というコピーだけで、暗いイメージが浮かぶわけですが、オープニングからラストまで……、あ、いや、このへんにしとかないといけませんね。
「こんだけかいっ」
という突っ込みは勘弁しておくんなさい。
ただ、いつもだと映画を観終わると、席を立つ前にスマホの電源を入れ、着信だメールだラインだを確認してからホールを出ますが、今回はしばらくその行為をする気にはまったくなりませんでした。とだけ書いておきます。
主人公の〝力強さ〟に打ちひし……あ、だからヤメとかないと。
共同で脚本を書かれたのが、現在、放送中の朝ドラ『らんまん』の脚本家である長田育恵さん。
最初はやはりNHKドラマの『旅屋おかえり』の人だな、くらいの認識で、「演劇畑の人」とは思いましたが、しっかり名前で検索することをしなかった。
ところが、推しである神木隆之介くんが主演なことはあるんですけど、それにしても『らんまん』が妙に嵌まるもんですから、改めて調べたら、「てがみ座の主宰」であると……。
「てがみ座?ん、てがみ座?……てがみ座!?」
2016年に三浦透子さん主演で、葛飾北斎の娘お栄に光をあてた『燦々ーさんさんー』て舞台があったんです。これ、観に行こうとしてて行けなかった。なんでだろ……と。
時間を戻せないもんかなあ、なんてことは、この年になると言っても詮無いことはわかってるんですけど、たまに思うことがありますね。いやもちろん、すっかり戻らなくていいんです。ちょっとだけ待って、みたいな。失敗したなあ、またやっちゃったなあ……。
〝権威〟に対する姿勢
『らんまん』について、「敵が出てこないハッピーな作品」なんて評をネットで読みましたが、あまりにそのライターさんとは鑑賞の仕方が違っていることに愕然としました。
高知時代、東京に出てきてから、そしてその後、とストーリーが展開する中で、主人公には一貫したポリシー……じゃないな、行動に通底するモノがありますよね。
実在の人物を演じる神木くんが、「さかなクンみたいだ」という意見があって、なるほどね、とは思いますが、さかなクンとは大きく違う部分も少なくない。
その是非はさておくとして、これからの2カ月は、そのことを確認しつつの視聴になるかなあ、と思っております。脚本家をしっかり認識した以上、そこは重要な部分として無視できない、と思いますので。
(「せかいのおきく」は来月以降に)