先日17日は、鹿児島市にある「天文館図書館」に研修に行ってきました。
鹿児島市立の「天文館図書館」は、鹿児島市内最大の繁華街である天文館地区の再開発ビルの商業施設センテラス天文館の4階(約1450m2)と5階(約670m2)に令和4年4月に開館。1年余りで来館者数が100万人を突破しています。
民間の指定管理者が運営される同図書館は、図書の貸出・返却など図書館としての基本的なサービスに加えて、子育て支援の要素を持つ空間提供、にぎわい創出につながるイベント開催など、市民交流の促進や創造活動の拠点づくりを支援するサービスを提供。カフェやイベントスペースを併設し、気軽に長時間過ごせる場となっており、中心市街地に人々を呼び戻す役割を果たしています。
子どもが遊べる空間が配置され、幅広い世代が楽しめるよう設計されていて、出入り口の仕切りがなくオープンなつくりが特徴。図書館と意識せず入館する人もいるほどとか。
館内には民間経営のカフェが併設され、ふた付きの飲み物であれば図書館に持ち込み可。会話の制限はなく、親子連れは子どもたちの声を心配しなくていいそうで、会話を楽しんだり、館内でくつろぐ子ども連れの姿は、見慣れた光景になっているそうです。
一般の図書館と比べて制約が少なく職員から注意を受けないことが、快適さにつながっているのでは、とのことです。
また平日の夕方は仕事や学校帰りに読書や勉強する人が目立つそうです。「街中で便利」「Wi-Fi環境がある」「疲れたらカフェで一休みできる」と利用者からも好評とのこと。
そして、館内の交流スペースでは講演会やワークショップ、コンサートなど多彩な内容のイベントを随時開催されています。
蔵書数およそ4万冊(鯖江市図書館37万冊)と決して図書館としては多くないです(施設立地性質上、同館には書庫もない)。(鹿児島市にはもうひとつ市立図書館がありそちらは蔵書80万冊超)。また、鹿児島市内にある県立図書館、市立図書館と入館者1人当たりの貸出数(2022年度)を比較すると、天文館図書館は0.3冊と、唯一1冊に満たないそうですが、それでも平日1000~1500人、休日2000~3000人が訪れているそうです。
同館では、まちなかの商業施設内にあること、交流ゾーンでのイベントなど「何かやっている」という期待感など、閲覧や貸し出しが目的でない人が足を運ぶきっかけになっていると分析されています。
中心市街地や駅ビルに立つ「まちなか図書館」は、全国で増えつつあります。天文館図書館の、図書の貸出・返却など図書館としての基本的なサービスに加えて、子育て支援の要素を持つ空間提供、にぎわい創出につながるイベント開催など、市民交流の促進や創造活動の拠点づくりを支援するサービスを提供する天文館図書館は、鯖江市の図書館運営や、にぎわいづくりにも大変参考となる貴重な事例を現地にて実地に感じ学ばせていただきました。
お忙しい中、研修に大変丁寧にあたたかくご対応ご教授いただきました関係各位に心から感謝申し上げます。