新居宮池の動静
穏やかな宮池の夕暮れ時。
沁みる言葉
心を通わせられる仲
親しい竹丘老人が五合庵にやって来た時の、良寛の漢詩の始まりである。
叟(そう)有り叟有り、三房に至る
三房、寂(じゃく)々日月長し
--- ご老人、ようこそのお運びじゃ、待っておりましたぞ。ここは別世界ゆえ、ゆっくりしてござれ。「叟(そう)有り叟有り」とは、「おうおう、来た来た」という感じだろう。
南窓の下(もと)、意に随(したが)って坐(ざ)す
君は瓜を喫(くら)い、われは觴(さかずき)を挙ぐ
--- ささッ、南の窓側がよろしかろう。お互い気の向いたところにくつろいで…。おお、ご老人はそこに落ち着かれるか。それでは、良寛はここに。/さても、ご老人は冷えた瓜を食べなさるか、いやいや、うまそうな瓜じゃ。でも良寛は、もとより酒でござる…。
竹丘と良寛は、それぞれの意に随い、好き好きにしている。会話もトツトツ、途絶えがちだったかも知れない。しかし、そうでありながらも、互いに心を通わせている風情を感じるが、まさに穏やかな時空だ。お互い意に随って、なお心を通わせられるのが友であろう。
Walking & Potteringの風景
海岸寺本坊の山門(二力士門)、海岸寺奥の院の文殊堂。(多度津町)
<Flower arrangement>
A seasonal flower
◇ウォーキングコースに咲いていた千日紅(せんにちこう)
熱帯アメリカ地方原産で17世紀頃に渡来した。夏から秋まで長い間、紅色が色あせないことからこの名前がついた。また、乾燥させても千日以上(3年以上)色あせないことから、ドライフラワーによく用いられる。
昔は中国では女性が簪(かんざし)に使った。赤い色が見事な花だが、写真に掲載したピンクや白もある。
◇ウォーキングコースに咲いていた葛(くず)
秋の七草の一つで開花時期は8月中旬~9月末頃。まわりの木々をつるで覆ってしまう程の生命力である。ひと夏で10mぐらい生長し、花は下の方から咲いていく。
大和の国(奈良県)の国栖(くず)というところが葛粉の産地であったところからの命名された。
因みに、秋の七草は萩(はぎ)・薄(すすき)・桔梗(ききょう)・撫子(なでしこ)・葛(くず)・藤袴(ふじばかま)・女郎花(おみなえし)である。
◇宮池の堤防に咲いていたガガイモ
ガガイモは神代(かみよ)の時代から日本に存在する花で、日本書紀には「一人の小男がカガミの皮で造った船に乗って…」とある。羅摩やカガミはガガイモの事であるとされており、果実が舟形をしているのでその鞘にのって小さな神が来たと言う事であろうか、真偽はともかく神話に登場する数少ない植物である。夏に他の植物に絡み付いて蔓を延ばし、花が咲くとその独特の姿で人目を引く。秋には神話にあるように舟形をした果実を付け、これを干したものを漢方で羅摩子(らまし)と呼び、滋養強壮の薬となる。この果実の中にはびっしりと長毛(絹毛)が詰まっており、実が割れるとタンポポの綿毛のように飛んで分布を広げるが、かつては、この毛を綿の代用として針刺しや印肉に使用した。
<Akijii展、想い出の風景-Ⅳ(里山の風景:57>
今報の想い出の写真は「中山の登山道から捨身ケ嶽禅定、中山の登山道から善通寺町の方面」です。
引き続き、Vol.423-1/2をご覧ください。