Vol.408-1/2に続けてご覧ください。
<さぬき/てつたび:ことでん駅周辺シリーズ>
13:《[志度線] S13 房前駅》
明治の讃岐人は志度湾岸を走るこの線路を境に海側を房前海水浴場、陸側を房前遊園地と名付けて遊興の地として利用した。東讃電鉄は開業当月の客寄せに高松の芸妓(げいこ)総出の「開通式」をここで行い、翌週は「寳(たから)さがし」大会も企画した。遊園地の場所を正確に知る人もすでにいない。
100年後の平成の讃岐人は、同じ愛染寺山を削って広大な房前公園と道の駅源平の里むれを出現させた。こちらは年間数十万人が訪れる人気スポットだ。そんな房前駅の界隈を取材した。
<駅メモ、所在地、駅名標と駅舎&ホーム>
単式ホーム1面1線を有する無人駅で、急カーブの途中にあり、ホームも琴電志度へ向かって大きく左に曲がっている。かつては相対式ホーム2面2線を有する構造で、ホームの遺構が北側に残る。
▼所在地図
▼駅名標と駅舎ホーム&電車
<周辺施設・地域メモ>
幡羅(はら)八幡神社や道の駅「源平の里むれ」などがある。
▼幡羅八幡神社
社叢は大きく立派である。参道手前の橋を渡ると第一鳥居、この鳥居の額を見ると「原八幡宮」と書かれていた。比較的長い石段を上り、社殿前で周辺を見て回ると、ここの百度石は四穴タイプだ。
この形状は壊れやすいせいか県内でも数は少なく珍しいという。
播羅八幡神社由緒(神社案内版)
古くは、三木郡播羅郷の氏神である。当社は奈良時代の藤前大明神に始まり、全国二百社の1つの大社であった。
長尾極楽寺因由記によれば、天暦五年に四度目の遷宮をしたと伝えられる。
三代物語には八幡宮の森に雌雄の白鳥が棲んでおり、里人は浅間鳥と呼び神の使いとして敬っていたと記されている。
また、源義経が戦勝を祈願して、社殿で夜を明かしたと伝えられる。
◇神社入口、案内板
◇第一鳥居、鳥居の額
◇階段、随神門
◇四穴タイプの百度石、八羅海の岩
◇拝殿と本殿
▼真言宗善通寺派「愛染寺(あいせんじ)」
2008年4月に完成した地域開放型の新しい寺院だが、元は幡羅八幡のふもとにあった。無住だったが、六万寺を再興した今雪真善師が再建に着手し、周辺住民の協力を得て移転竣工した。本尊は愛染明王(行基作)。本堂は集会所機能を持ち、簡潔な外観とオール電化、バリアフリーなど弱者向け設計も注目ポイントだ。
◇境内
◇南米移住者の慰霊碑
2011年6月に、南米移住物故者への供養の思いを込めた慰霊碑が愛染寺に完成した。
<名所・旧跡(遺跡)>--房前の鼻
志度側の隣の駅である房前駅との間は、志度線が志度湾に沿って急カーブで抜ける景勝地で、撮影の名所となっている。ここは、コトデンの電車だけが走れるすごい場所だ。
▼房前の鼻と電車-1(塩屋海岸の堤防から)
▼房前の鼻と電車-2(源平の里むれから)
<見もの・聞きもの>
◇道の駅「源平の里むれ」
2007年にオープンした道の駅「源平の里むれ」は県内最大級の施設で、房前駅から北へ徒歩3分だ。
物産館、お遍路休憩施設「真念堂」に四国初の地域防災拠点機能を備えている。
店内には海鮮食堂をはじめ、地域の採れたて食材や四国を代表する物産、食品を集める。
四国遍路の父と言われる真念の没地という特性から「お遍路さんの拠点」としている。
▼全景
▼物産館
▼お遍路休憩施設「真念堂」
◇高松市立 房前公園
「道の駅」「物産展示場」とともに一体整備されていて、東西住来の休憩地としてまた子様連れでも遊具遊び、芝生広場でのボール遊びなどお気軽に利用できる。東側に志度湾、西側に五剣山を望み正面には小豆島も見渡せる景観が目の前に広がっている。
▼公園
▼現代彫刻-1
▼現代彫刻-2
▼アスレチック広場
▼志度湾、五剣山
▼瀬戸内海(小豆島)
▼3000形電車
旧琴電の1926(大正15)年製「335号電車」が展示保存されている。同社の開業時に自社オリジナルとして日本車輛で新造した3000形電車(座席数40、定員96人)。
琴平線を振り出しに志度線、長尾線と転属し、2000年8月まで80年にわたって活躍した名車である。
▶▶▶▶▶▶ 今報了◀◀◀◀◀◀