Vol.397-2/3に続けてご覧ください。
◇県立体育館
香川県立体育館は平成26年9月30日をもって閉館した。
香川県立体育館は丹下健三氏の設計により1964(昭和39)年に竣工した。一度見ると忘れられない独創的な形が魅力である。同年には丹下氏の名作中の名作である代々木国立屋内総合競技場と東京カテドラルも竣工しており、丹下氏絶頂期の建築である。精緻に計算されたHP曲面の吊り屋根構造と船型の形状が特徴で、梁を支える巨大な4本の脚と下部の大きく反り返ったワッフルスラブの量感が印象的である。
丹下氏の代表作として名高い建築ではあるが、吊り構造という特殊性から耐震改修が難しく、2012(平成24)年7月から老朽化を理由にアリーナは使用中止、階下のトレーニング室のみ使用可という状況であった。
香川県は、耐震改修工事を計画し、丹下事務所がその実施設計を行って3回も入札にかけたが、全国的な職人不足と資材価格の高騰に加え、吊り構造などの特殊な構造の影響も指摘され、すべて不調に終わった。
この結果を受けて2014(平成26)年9月末でトレーニング室も使用中止して全面的な閉鎖が決定した。
今後の見通しは不明で、解体の可能性も否定できない。ただ、使用中止にもう一つ理由がある。それは、バレーボールやバドミントンなどの公式な大会を行うにはアリーナの天井高が不足している。これは竣工後にルールが変わったためで、決して設計ミスではないのだが、さすがに天井高の変更は建築的に対応できず、機能が不十分な施設に多額の改修費用をかけるくらいなら使用中止にするという判断には、一定の妥当性がある。(それ以外にも使い勝手の悪さを指摘する意見が出ている)
今後は、新たな体育館を建設した上で解体するか、改修して球技以外のスポーツ施設として使うか、それともまったく別の用途に変更するか等、いろいろな選択肢が考えられる。
当体育館の外観(構造)、迫り出し部分、ガーゴイルについて次のように(抜粋)解説されていた。
▼外観
様々な構造形式を当時の建築家達が模索する中、丹下氏はHPシェルの形をした屋根を吊り構造のケーブルで支えるという方法を香川県立体育館で採用した。シェル(shell)とは貝殻の意味で、建築においては貝殻を思わせる規則性を持った曲面で空間を覆う方法をいう。HPはその規則性の一種で双曲放物面(hyperbolic paraboloid)の略。例えるなら馬の鞍のような曲面である。ただ、普通は大空間を覆う屋根が見所となるよう外観はデザインするものだが、香川県立体育館の屋根はやや離れた位置から見える程度にとどまっていて、迫り出し部や側面の方が目立つ。
▼迫り出し部分
体育館の長辺側の梁は三角形の柱で持ち上げられ、両端は大きく迫り出している。
片持ち構造で23mも迫り出しているが、上に反った台形であることと格子梁の力強い造形のおかげで、片持ちの建築にありがちな不安定さは感じない。ピロティを多用した丹下氏は、この体育館でも4本足で全体的に浮いたようにデザインし、大胆な迫り出しはその浮遊感を一層強調している。
▼ガーゴイル
側面を見ると妙な突起物が目に留まるが、これは雨水の落とし口で建築用語ではガーゴイルという。
<見もの・聞きもの>
◇カレー専門大型店「チシティ」
創業20年のカレー専門大型店で、駅南へ徒歩8分にあり、5人のチベット人シェフが腕をふるうランチが人気らしい。ナンを焼くので少し時間がかかるが、「パキスタンインドカレー専門店」と書いてあるだけあって店内を見渡しているだけでも面白くて、時間はあまり気にならず壁に掛けられた大型液晶テレビで流れているインドミュージックの映像がやたら面白くて、DVDが欲しいくらいだったとのことだ。
◇お好み焼き「路地」
駅の南東、ラウンドワン高松店前の路地の中で、駅から徒歩で5分距離だ。
オリジナル創作メニューもふんだんのようだ。
◇小さなレストラン「キッチン・ラ・アンドウ」
イタリアンをベースとし、自慢のパスタを始めピザやリゾットが人気で種類が豊富な上、季節ごとに内容が変わるので何度来ても飽きない。昼はお得なランチがオススメで、中でも「パスタランチ」はセットとコースが選べて、どちらも内容が充実していて選べるパスタの種類も多い。夜になればレパートリーの幅は更に広がり、繊細な盛り付けと計算され尽くされた美味しさで多くの人を魅了するとのことだ。マスターと奥さんの二人で切り盛りしているので、小さい心配りも人気の理由の一つで、地味めの店構えが粋むである。
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