課題の分離 | 星の砂漠から愛にかえる旅

星の砂漠から愛にかえる旅

潜在意識を探求しながら ルーツにもどる旅の途中
光のタロット・ヒプノセラピー・レイキティ―チャー そしてユダヤの秘教カバラの実践者
『こころの平安』をテーマに様々な心理学やセラピーを開拓中

とうとうやってきました。春分です。
グレート・コンジャンクションから様々な節目でみずがめ座強調があり、少しずつ私たち人間も風の時代になじんでいけるように…空模様も動いているような気がします。
 
さて、前回の『境界線』では、ある心理学的なアプローチから私たちが引くべき境界線とはどういう概念かということについて書いてみました。そこにはもっと複雑な考え方や例外、感情や思いなどがあるのですがそこには簡略に触れています。
 
今回はアドラー心理学では境界線をどう考えるかという視点です。アドラー心理学では境界線という概念を越えて、実際にどういう行動をするのか具体的に考えていきます。
 
アドラー心理学では『課題の分離』という言葉で語られることが多いです。でも実は『課題の分離』は後からつけられた言い回しで、『嫌われる勇気』から有名になったのだそうです。

『課題の分離』とは?

なにか問題があってそれを解決する必要がある場合、まずは誰が解決すべき課題であるかを考えてみることだそうです。

 

問題=回答を必要とする問い、ですが、課題=解決しなければならない問題、となります。違いは簡単に言うと問題=事柄であり、課題=具体的なアクションをとるべきこと、と考えると、その問題に対して誰が具体的に行動をとるのか?てな感じでしょうか。

 

沢山の例が親子の問題であげられると思います。たとえば、子供がゲームばかりして勉強しない場合、子供が学習目標に対して達成することが出来ないと最終的にはどうなるか。行きたい学校に行けない、好きな職業につけないなど、将来的には子供が困ることになります。ですから子供の課題になります。

 

親は子供に勉強をしてほしい場合、何処まで踏み込めるのでしょう。もしかしたら心配することしかできないのかもしれません。

 

親の希望で子供をある学校、ある職業につかせたい場合、どんなに親が必至でもやがてその結果を背負っていくのは子供です。それで最終的に子供が幸せになるか、不幸になるか…それは場合によるので、本当に様々な形があるでしょう。いずれにしろ誰の課題かを見極めていくのが基本です。

 

『嫌われる勇気』ではこう定義しています。

 

誰の課題かを見分ける方法はシンプルです。

『その選択によってもたらされる結末を最終的に引き受けるのは誰か』

を考えてください。

『課題の分離』とは、自分と相手の課題を分けて考えることです。

 

自分の思い通りにならない時は、まずそれが誰の課題であるのかを考えます。そこでは、自分と相手を切り分け、それぞれの課題を整理してみることも必要になってくるでしょう。そしてお互いに他者の課題には踏み込まないことを意識すること。

 

会社の中での問題、家族や友人の問題、特に良くあるのが子供の進学、就職、結婚など。すべてこの考え方をとるのがアドラー流です。なんだか冷たく聞こえますか?そうかもしれません。

 

でも、まずは分離してみる。すると、自分が出来ることが見えてくるかもしれないですよ。まずは分離してみて、それからその問題に自分ができることは何かを考えて実行すること。その考え方が身についてくると、何処まで相手に関わったら良いのか自分なりの基準が出来てきて気持ちはすっきりするのではないかと思います。もしかしたら、親は心配しかできない、応援しかできない…のかもしれません。

 

その時々に、相手から相談があったり、頼まれたら手伝ってあげればよいのです。苦しんでいる時に声をかけるのは勿論ですし、自分で判断できない時(年齢や問題の難易度)に助けてあげることが必要な場合も沢山あるわけです。小さい頃の愛着等はまた全然別の問題ですよね…

 

課題の分離は、将来誰がその結末を引き受けるのか…遠くまで見通す視点…これが大事になります。

 

もし課題の分離を念頭に子育てが出来れば、最終的に自分で自分の人生に責任と自信を持つことが出来る人間が育っていく可能性は、とても高いと思います。そうしたら…究極的に被害者にならないような考え方が出来 自分の人生を切り開く勇気と自信がいつの間にか芽生えているかもしれませんね…これまでの子育て、特に昭和は、この点に置いて機能していなかった家庭が多いのではないかと思っています。

 

日本では、子育てに関しての教本というものはあったのでしょうか。その時々でこれが良い、あれが良い、と振り回されてきた感があり、そのうえ核家族になり、まるであたかも日本の昔からの伝統であるように終身雇用制を信じてきました。本当は生き方も育て方もその時代で変化していくはずです。

 

この子が幸せになるために、この学校に入れるのが父親の課題だ…本当でしょうか。

『あなたの為に…』

『良かれと思って…』

 

まあ、仕方がないですよね、今までの終身雇用制…何十年も機能してきちゃったからね。でもご存知の様に、今『地』の時代から『風』の時代に変わっていくのです。実際に今ピラミッド型社会の終焉の時期には、引きこもりや50/80問題が噴出してしまいました。

 

今、子育て中のお母さんやお父さん、そして子どもに関わる教育者の方々。是非アドラー心理学を一度は勉強していただきたいと思うのです。そこには、特に新しい時代、新しい子供達にあう子育てのヒントが沢山あると思います。たとえ子供が引きこもってしまっても、共同体に関すること、信頼に関する考えなどアドラー心理学のテーマには他にもヒントになる考え方は沢山あります。

 

そこにはもう成人してしまった子供達には、与えてあげられなかった沢山の贈り物が埋もれている気がします。

気が付くとクリスマスローズが満開です♪

 

自分と相手の領域から見る境界線、責任をとるのは誰かという考え方の課題の分離、どう感じましたか。これだけの情報では解りにくいですよね。

 

いずれにしろ、誰もが一度身近な人との距離、境界線、課題について考えてみることは、今後の人間関係を円滑にし、ストレス軽減になりそうです。そして、長い目で見れば、みんなが自分の人生を、被害者でなく創造者として生きて行けるようになる重要な一歩だと感じています。特にこれからの風の時代はね。

 

アドラー心理学の考え方は、幸せに生きるためにどうしたら良いかという哲学的な問いに答えてくれます。そのためには、課題の分離だけを取り出してみることではなく、アドラー心理学で取り上げられている様々なテーマを自分に引き寄せて実践してみることです。

 

アドラーの考え方全てを組み合わせていく、その先に幸せに生きるための処方箋があります。それは簡単ではありませんが、その考え方を採用してみて初めてどんな風に役に立つのかが解ってくるのだと思います。