話が前後しますが、入院前に先生から「出産後に赤ちゃんの絨毛検査をしますか?」という話をされた。
ただ、その必要性があまりわからず理解もしきれてなかったので、今後のことも含めて考えたいから不妊治療で診てもらっていた先生と話がしたいと伝えていた。
そしたら入院1日目に病室を訪ねてくれてゆっくり話ができました
(話の内容を書きますが、私の記憶なので間違っている部分もあるかもしれません。)
『絨毛検査って21トリソミーとか染色体異常を調べる検査ですよね…染色体異常がなかったら遺伝子異常で心疾患が出てきたんですよね?』
「絨毛検査は産まれてきた赤ちゃんの細胞を取って、それを培養して調べる検査です。費用は7万円程度で2~3週間結果が出るまでにかかります。約2割で培養ができず結果が出ないこともあります。調べてわかることですが…染色体と遺伝子の違いはわかりますか?」
『あー…わかってるようなわかってないような…』
「人は2本ずつ23組の合計46本の染色体を持ちます。その13番、18番、21番が2本ではなく3本あるのがトリソミーと呼ばれるよく聞く染色体異常です。遺伝子はその染色体の中にある人体の設計図のようなものです。染色体の中に口の遺伝子、骨の遺伝子、心臓の遺伝子…というように入っています。」
『染色体より遺伝子の方が細かい情報なんですね。』
よく見るこの1本1本が染色体で、最後のXYが性別の染色体ですね。
「で、絨毛検査ですが、トリソミーやモノソミーなどの染色体異常はわかります。遺伝子異常も転座という染色体の一部が入れ替わったようなものはわかりますが、すべての染色体の中にある遺伝子の数は膨大で、そのすべての遺伝子の異常を調べることは不可能なので、そこまではわかりません。」
『なるほど。私が転座を持ってて今回それが遺伝してるっていう可能性がないか心配なんですけど…』
「確かに児に転座が見つかったら親が転座を持っている可能性はあります。親の転座は児の結果が出れば血液検査で調べることはできます。ただ、親が転座の場合はかなりの高確率で流産します。今回あきさんは児がここまで大きくなっているので転座の可能性は低いと思いますが…」
ここまで不妊治療の成績や今回の心疾患で低確率に入ることを他人事とは思えなくなってはいるんですが…
でもその低い確率のために検査をするのか…
『確かにそうですねー。じゃぁ絨毛検査をする意味としては、染色体異常かそうじゃないかがわかるくらいということですか?』
「染色体異常が確認できた場合は偶発的なものなので次の移植に向けての心配はなくなると思います。染色体異常だったから心疾患が起こったと考えます。染色体異常じゃなかったときは遺伝子異常なので…心疾患の場合は次も心疾患の確率が2倍になります。」
心疾患を抱えて産まれる子どもが100人に1人…私のように重症で諦めてしまう子どもも考えると50人に1人ってとこかな…その確率が2倍…
やっぱりその確率に入らない気がしない
『でも「染色体異常でした。次には関係してこないからよかったよかった。」ってなるか、「染色体異常ではありませんでした。心疾患の確率が2倍になりました。」って心配が増えるかのどっちかってことですよね?転座の話は置いといて…』
「そうですね。今回の原因が何かというのははっきりわかりますが、次につながるかというと…」
ここまでの先生の説明で、検査はしないという気持ちになりました。
染色体異常とわかったところで私の子は帰ってこないわけですから…
あと心配だったのが、私が今回採卵した同じ周期の受精卵があと5個残っているということです。
ほかの受精卵も心疾患だったら…もうこんな辛い思いはしたくない…
それも先生に聞いてみました。