住む場所を台地エリアにするだけで、低地エリアに住むよりも、自然災害で「命を失う・ケガをする・家を失う」等のリスクは数分の1程度になると思われます。

 

と、何度か書いていますが、23区がちょうどすっぽりと入るくらいの四角形でハザードマップを切り取り、並べてみました。

 

 

土地条件図

国土地理院地図で、土地条件図を表示しました。

オレンジ色の場所が「台地」です。

右側の黄色やクリーム色の場所は、荒川や昔の利根川の流域に当たる低地です。

 

液状化予測図

東京都建設局が公開している「東京の液状化予測図」です。

黄緑色が液状化リスクの低い場所です。

台地エリアとほとんど重なっていることが分かります。

液状化リスクがある場所は、土地条件図の低地と重なっています。

 

表層地盤増幅率

J-SHIS Mapで「表層地盤」を表示しました。

これも、大地震が発生したら震度7となる可能性がある(高い)、紫色やえんじ色の場所は、土地条件図の低地と重なっています。

 

上記3つのハザードマップは、大地震が発生した場合のリスクを把握するためのものですが、右下の【洪水浸水想定区域】でも、リスクが大きい場所は、上の3つと重なります。

 

何度も書いていますが、東京都東部の低地帯は、災害リスクの高い場所なのです。

地震リスクも洪水リスクも高い、本来なら、徐々に住む人の数を減らしていかないといけない場所です。

 

京浜東北線の西側は安全である可能性が高い

上記4つの地図を見比べると、リスクの高い地域とリスクが比較的低く抑えられる地域は、京浜東北線で区切られていることが分かります。

そして、そのリスクが低い場所は、武蔵野台地エリアとほぼ重なっています。

 

住むのなら、

家族の命を守りたいなら、

東京都の西の方に目を向けていただきたい。

 

最初にも書きましたが、住む場所を『台地エリア』にするだけで、家族が怪我をする、家が損傷するといったリスクが数分の1になるでしょう。

 

 

 

を基に、区ごとの被害“率”を算出してみました。

 

建物倒壊率

倒壊数÷建物棟数=倒壊率

として、比率を出しました。

 

 

[倒壊率の高い区]

●荒川区:29.7%

●江東区:28.1%

●墨田区:27.4%

●足立区:23.5%

 

[倒壊率の低い区]

●千代田区:6.7%

●中野区:6.9%

●練馬区:6.9%

●新宿区:7.1%

 

やはり、東京都東部の低地帯にある区の倒壊率が高いです。

荒川区は、ほぼ3割の建物が全壊・半壊となる想定となっています。

 

 

上図は、J-SHIS Mapで東京都全体を表示したものですが、東京都東部の低地帯は、表層地盤増幅率が”1.8”より大きい濃いピンクやえんじ色となっています。

これは、表層面が非常に揺れやすいことを示しており、大地震が発生したら、深度“7”になる可能性が高い場所です。

 

当たり前ですが、地面が揺れるから、建物は壊れるのです。

住む場所は、揺れが大きくならない場所を選びましょう。

 

死傷者率

次に、被害想定での死傷者率も算出してみます。

 

死傷数÷昼間人口=死傷者率

として、比率を出しました。

※被害想定で夕方のケースを採用したので、昼間人口を母数としています。

 

 

[死傷者率の高い区]

●足立区:1.53%

●江東区:1.40%

●荒川区:1.32%

 

[死傷者率の低い区]

●新宿区:0.24%

●文京区:0.32%

●千代田区:0.33%

 

人的被害も、東京都東部の低地帯が大きいことが分かります。

 

元千葉大学理学部地球科学科教授 水谷武司先生は、ご自身のホームページで、
ゼロメートル低地の利用を抑え台地に市街を拡げていたとした場合、東京区部の自然災害リスクは5分の1程度になると算定される。
と書かれています。

 

これは、行政の立場からの全体的なリスク試算ですが、個人においても、同様だと思います。住む場所を台地エリアにするだけで、低地エリアに住むよりも、自然災害で「命を失う・ケガをする・家を失う」等のリスクは数分の1程度になると思われます。

 

東京で住まいを探すなら、東部の低地帯を避けましょう。

 

台湾地震で被害に遭われた方にお見舞い申し上げます。

台湾も本当に地震が多いですね。

 

地震の情報は、色々なところで流れているので、

今回、ニュースを見ていて初めて私が知ったことを書きます。

 

それは、

「台湾の下にあるプレートは非常に入り組んでいて、どのように重なっているのかの詳細は、まだ解明されていない」

ということです。

 

 

引用したサイトは、8年前の地震の話のことが書いてあるのですが、プレートの沈み込みを分かり易く表示した図が掲載されてるので、リンクを貼りました。

 

フィリピン海プレートが、一方ではユーラシアプレートの下に沈み込み、一方ではユーラシアプレートの上に乗りあげるという状況なのだそうです。

 

ただ、このどちらのプレートがどちらのプレートに“どう”沈み込んでいるか、ということの詳細は解明に至っていないそうです。

いまだに解明できないくらい、複雑な状況だということです。

 

地中のことは分からないことだらけ

分からないということで諦めてはいけなくて、勿論、地中のことを分かろうとすることは大切なんですが、現時点では、「分からないこと」が多いということは認識する必要があります。

 

これは、日本の、東京の地中でも同じようなものです。

まだまだ分からないことは多いのです。

 

ただでさえ分からないことが多いのですから、自分が住む場所を選ぶ際には、できるだけ安全であるという情報が確認できるところにして欲しいと思っています。

 

「住まい」は、利便性や眺望などよりも、『安全性』を第一に選んでいただきたいものです。