今回も、賃貸オーナーさんのお手伝いをしている話です。

大分、建設会社からのプランや価格が出揃ってきて、

容積率をほとんど消化してくれるプランで、総額5億円超の会社

シンプルな箱型のRC造で、総額4億円ちょっとの会社

エレベーターのない一番シンプルなプランで、総額3億円ちょっとの会社

に絞られてきました。

 

ここで、比較する項目としているのが、

1.部屋数 (専有面積合計or容積対象面積) → 総収入

2.建物の性能 (床スラブの厚さ、LH値・LL値やD値等)

3.価格

の3項目です。

#勿論、もっと細かくありますが、まずは、大まかに把握するために、項目を絞っています。

 

これらを一覧表にした上で、比較します。勿論、その他の条件、施工管理を第三者がやってくれるか、同業者の評価が高いか、デザインはどうか、等も判断材料にします。

また、駐車場や駐輪場を何台用意してくれたか、も見ます。

 

最終的には、上記3社については、30年ほどのシミュレーションをし、収益性を確認します。

「価格を重視する方向に変わったのですか?」

上記のような状況なのですが、本日、ハウスメーカーの某社から突然電話がありました。

ここは、ここ数ヶ月の間、「建築費を出してください。」とお願いしているのに、のらりくらりと噛み合わない話ばかりして、全然出してこない会社なのです。

 

そもそも「話が噛み合わない会社」には、マンション建設なんて大事業を依頼できないですよね。

建物は契約したら終わりではなく、そこから更に意思の疎通を図りつつ建設的な議論を重ね、建物の完成を目指すプロジェクトなのですから、都合が悪いことには答えないという姿勢では、どんなに価格が安くても付き合えないと思います。

#ここは、安くないですが。むしろ、鉄骨プレハブなのにRCより高くてビックリなのです。1割~2割も高い。。。

 

その会社の営業担当から電話があり、「私はオーナー様にずっと寄り添ってきました。あなたがこのプロジェクトに関わるようになるずっと前から、相談に乗り、頼りにされてきました。」と言い始め、「オーナー様は価格を重視する方向に変わったのですか?」というのです。

 

この言葉に強烈な“違和感”を感じました。

マンション建設を考えているオーナーで、「価格を重視」していない人がいるんですか?

と逆に問いたいです。

 

前も触れたことですが、収入(賃料)はマーケットで決まるため、建築費という大きなコストを抑えることが、賃貸経営の成否を決します

 

「建築費は?」と数ヶ月前から問い続けたのに出さず、久し振りに連絡してきたと思ったら「価格を重視する方向ですか?」と。

そりゃ、前半でも触れたように、建築費だけでは決まりません。建物の性能も非常に大切です。

ですが、できる限りの性能を求めた上で、建築費は安くしてもらわないと困ります。

 

借金をするのもオーナーなら、その借金が返せなくなったら土地まで銀行に取り上げられてしまうのもオーナーなので。

 

「価格はできる限り安くして欲しい」ということを前提に、その会社のプランや性能を比較したいのに、「価格」を出してくれなかったら、コストパフォーマンスを比較できないじゃないですか。

 

コストは考慮せず、パフォーマンスだけを追い求めるなら、それが許されるのなら、隈研吾さんや安藤忠雄さんに依頼しますよ。

ALCのプレハブ工法の会社が、RC造よりも1割~2割も高い価格を提示してきて、もっと安くならないの?と訊いたら、数ヶ月後に「価格重視ですか?」って訳分らないです。

 

そういう意味では、ある木造アパートメーカーさんも、ブランドは超有名であるものの、建築費を聞いたら、これまたRC造より高かったんで、「これ、売れているんですか?」って思わず言ってしまったことがあります。

木造だと、賃料がアパートのものになるので、RC・鉄骨と比較すると低くなります。

つまり、収入が低くて、建築費が高い、という最悪の組み合わせなので。

 

オーナーさんの中には、コストを度外視する方が多いんですかね。

「価格を重視する方向に変わったのですか?」ということを普通に言ってしまうということは、普段、あまり価格を重視していないオーナーさんと付き合っているということなのかもしれません。

まぁ、自分の財産なので、どう使おうが、食い物にされようが、知ったこっちゃありませんが、私の考える“普通”では、同じ性能のものならば、できる限り安いものを選びたいですし、オーナーさんにも勧めたいです。

 

アメリカはやっぱりスケールが違うなぁ、と思わされた記事の紹介です。

 

 

広さは、約574平方キロメートルとのことなので、、東京23区から足立区を除いたくらいの広さ。

足立区を除くことに他意はありません。ちょうどいい面積だったので。

 

[東京23区の広さ] 627.6平方キロメートル  [足立区の広さ] 53.25平方キロメートル  574平方キロメートル

 

足立区を除くとはいえ、ほとんど23区と同じ広さの土地、ってすごい広いですよね。

「近所の友達の家まで遊びに行ってくる~!」なんて、家を飛び出しても、自転車ですら数十分掛かりますもんね。

 

 

売られているのは牧場ですか。

これだけの広い土地を手に入れたら、何をしましょうか。

 

というか、絶対に管理できるレベルの広さじゃないですよね。

固定資産税もいくらかかるか心配。。。

アメリカの固定資産税に詳しくないですが、テキサス州の固定資産税率は1.9%ほどで、固定資産税評価額というようなものはなく、ほとんど時価に乗ずる形式のようなので、控除額等がどのようになるか分かりませんが、単純に売買希望価格に固定資産税率を乗じると、

 

200億円 × 1.9% = 3.8億円

 

と、固定資産税だけでも毎年 4億円近く必要となるとは、、、

「こんな広い土地、ワクワクしますねぇ」って書こうと思っていたのですが、白昼夢から覚めました。。。

 

ARUHIが「本当に住みやすい街大賞2021」を発表しました。

 

 

ニュースにもなっていたので、ご覧になった方もいると思いますが、こういうのって、

アンケート集計なのか?

データ集計なのか?

専門家の判断なのか?

が、まずは気になります。

そして、「発展性」「住環境」「交通の利便性」「コストパフォーマンス」「教育・文化環境」の5項目で判定しているようですが、その判定基準も気になります。

公開されている情報を基にした客観的な数値の裏付けがあるか?

どうかですね。

 

こういう点からすると、この「本当に住みやすい街大賞」は客観性には乏しいランキングです。

なぜ、このランキングになったのかの理由がハッキリしない。

 

似たようなランキングに、「住みよさランキング2020」というのがあります。

こちらは、「データ」かつ「客観的な数値の裏付けのある」ランキングです。

「住みよさランキング2020」全国総合トップ50

 

まぁ、こっちの「住みよさランキング2020」も、どの指標を採用するかという部分では恣意的なものが入り込まないとは言えないですが、東洋経済が「住みよさ」というのを、こういう指標で判断できると思っているんだなという点が参考になります。

 

土地条件図から見える問題点

これは職業病というか、不動産鑑定士はやっぱり「土地」をまず見てしまいます。

その観点からいうと、ARUHIの「本当に住みやすい街大賞2021」は、「住んでもいい街」とは必ずしも言えません。

 

いつものように、国土地理院地図の「土地条件図」を見てみましょう。

 

第一位 〔川口〕

まず、「本当に住みやすい街大賞2021」で第一位に選ばれた『川口』。

上は「土地条件図」のキャプチャ画像です。(以下、同じ。中心の印が川口駅)

これを見ると、もうほとんどが荒川沿いの低地です。

土地条件図の凡例を見ると、黄色い「自然堤防」が所々にあるものの、ほとんどのエリアが「盛土地・埋立地」であることが分かります。

しかも、川口駅付近の標高は「2.6m~3.0m」ほどしかありません。

荒川の堤防が万が一決壊したらひとたまりもありません。

川口市のハザードマップである「荒川洪水浸水想定区域図」でも、駅の周辺は3.0m~5.0mの浸水が想定されています。

防災本(川口市防災ハンドブック)/川口市ホームページ (kawaguchi.lg.jp)

 

私も実は10ヶ月間ほど、川口市に住んでいたことがあります。駅周辺の栄えた場所ではありませんでしたが。

確かに、川口は、高低差が少なく、自転車や車いす利用者などには優しい街という面もあります。

ただ、それは河川敷(の延長)だからであり、住むにはリスクもある街であることを忘れないで欲しいと思います。

また、このランキングでは「交通利便性」が4点となっていますが、東京には、橋を渡らないと行けません。

そのため、朝の通勤時間帯の新荒川大橋の車の渋滞はすさまじいです。車を使う方で、東京で活動することが多い方は、橋を一つまたぐことのデメリットも考慮した方がいいでしょう。

 

第二位 〔大泉学園〕

そして、第二位に選ばれた『大泉学園』。

こちらも中心の印が「大泉学園駅」です。

標高は、48mほどあり、オレンジ色の武蔵野台地の上に乗っています。周辺には、谷地もありますが、それはどこでも一緒です。

高台の平坦地を選べば、安心できるエリアです。

別の言い方をすれば、判断基準はハッキリしないものの、大泉学園が本当に「本当に住みやすい街」なのであれば、安心できる立地でもあるので、お勧めですね。

 

第三位 〔辻堂〕

こちらは、海の近くだけあって、「砂州・砂堆・砂丘」が拡がっています。

これも地盤が良いとはいえない土地です。

標高は12mちょっと。津波の心配はないと想定されています。

 

第四位 〔有明テニスの森〕

ここについては、何も言うことはありません。

ここが本当に「本当に住みやすい街」なのでしょうか。

正直、ここを4位に選んでしまう選者の見識を疑うレベルです。

 

第五位 〔大井町

大泉学園同様、こちらも駅近の高台立地を選ぶことのできる、安心なエリアです。

場所によっては、数路線を徒歩圏として利用でき、大きめのスーパーも、飲み屋街もあり、「本当に住みやすい街」とされても納得感のある、私も好きな街の一つです。

 

と、ケチを付けるのも、BEST5までにしておきます。

本当に住みやすい街大賞」は、選考基準がハッキリしないので、あまり参考になりません。

でも、まぁ、こうやってケチを付けたりできるのも、ランキングとして発表してくれるからなので、ランキング自体は大歓迎です。(^_^)