「分譲賃貸」とは、分譲(新築時に販売)されたマンションの部屋が賃貸のマーケットに出るということです。

「分譲賃貸」というと、売り文句であるかのように扱う不動産屋さんもありますが、これも良し悪しがあると思っています。

概ねですが、ファミリータイプの賃貸の場合は「分譲賃貸」はメリットが大きい場合が多く、単身者向けの賃貸の場合は、あまりメリットを感じられないことが多いです。

 

■メリット■

●建物がしっかりしている(可能性が高い)

新築時に何千万という価格を付けて販売するので、建物のエントランスや外壁もかっこよくしています。ファミリータイプの分譲ですと、床や戸境壁等に比較的厚いコンクリートが使われている可能性も高いです。

●設備の性能や仕様が高い(可能性が高い)

数千万円の価値をアピールするために、床や扉等の内装がおしゃれなものである可能性が高いです。また、シンクや洗面台等の設備も高機能でかっこいいものが使われていることが多いです。

 

■デメリット■

●管理にリーダーシップがない(可能性が高い)

分譲マンションの管理は、マンションの住民が持ち回りで理事を務める「管理組合」が担います(清掃等の実際の管理業務は組合が委託した管理会社が担当します)。建物のオーナーさんが一人であることが多い賃貸専用マンションと比較して、意思決定が遅く、水商売の方や反社会的勢力の入居やAirBnBへの対応などで後手を踏む例が見られます。

●部屋ごとにオーナーが異なる

部屋ごとにオーナーが異なるので、その部屋への投資意欲も異なります。設備の更新の時期を迎えたマンションなら、更新された設備は部屋ごとに異なることになります。中を見るまで、その部屋がどうなっているか分からないことがあります。

●隣りや上階の部屋の状況を入居時に聞けない

入居を考えた際に「隣の部屋の方はどんな方なのですか?」と質問するのは普通だと思うのですが、分譲賃貸の場合、貸主側業者もこの部屋だけを扱っているので、隣人や上階の人などのことは把握していないのです。

●購入して住んでいる人と賃貸の人が混在している

大まかな傾向として、数千万円で物件を購入して住んでいる方は、そのマンションに対する思い入れもありますし、管理に対する意識も高いです。対して、賃貸で一時的に住む人は、そこまでの意識は正直持てません。この意識のズレが、ゴミ捨てや景観等に関してトラブルになる場合があります。

●分譲で買っている人だけ、ペット等が“可”

最近の分譲マンションは、「ペット可」であることが多いです。ただ、賃貸でペットをOKにするかどうかは、その部屋のオーナーが決めるので、賃貸では「NG」であることが多いです。ペットNGの物件だから、と思って住んでみると、他の部屋ではペットをうじゃうじゃ飼っている、なんて事態もありえます。楽器等についても同様のことがあり得ますので、建物全体としてどうなのか、をよく確認しましょう。

 

以上のように、そこのマンションに住むことを前提に購入されることが多い「ファミリータイプ」は、建物や設備の性能・仕様が高いことのメリットを受けられる可能性が高く、投資用に販売されたマンションは、建物自体は賃貸専用マンションとさほど変わらない性能であることも少なくないので、デメリットの方が大きいことがあります。

よく「不動産屋に騙される」と言いますが、正直、業者でも見抜けないことは多々あります。

1.未公開物件

売買で「専任媒介」の場合、物件はREINSに登録しないといけないことになっていますが、登録のない「専任媒介」物件が存在します。
問合せても、専任の場合、物件登録は7日以内となっているので、「まだお客様から依頼されて1週間経っていない」と言われると、売主と直接コンタクトを取らない限り、嘘かどうかを見抜けません。
→1週間後にREINS登録がなければ、「釣り広告」だったと分かります。

2.内見が多い

これも買主側業者は分かりません。「他からも内見来てますか?」と聞けば、99%の業者が「多いです。昨日も1組~。。。」と答えます。
→焦らせようとする売主側業者の言葉の多くはハッタリです。ただ、相場より安い価格でマーケットに出てきた物件の場合は、この限りではありません。
内見している物件がお買い得か否か、その見極めが大事です。相場並みの物件で焦る必要はないです。

3.他からも買付証明書が入っている

これも、買主を焦らせようとする定型ワードです。もう必ず言われるといってもいいくらいです。
これも相場を把握した上で、現時点の価格が納得できていることが前提ですが、


「どうしてもこの物件がいい」→売り価格
「基本的には気に入っている」→もっと納得できる価格まで値切る。
「他でもいいかな」→チャレンジ価格を提示


という対応になると思います。

結局、相場観とその物件の希少性を専門家の立場から判断できて、かつ買主をサポートしてくれる業者を選ぶしかないと思います。できれば、その地域でやっている地場で。
この点からも、両手(売主と買主の両方から手数料を貰うこと)を必ず狙う大手は止めた方がいいと思うんですが。売主側の立場も兼ねているので、悪いことはいいにくいですもん。

未公開物件についての補足

「未公開物件」好きな方、多いですよね。この「自分だけが知っている」感がいいのでしょうか。
これ、我々のところにも、ちょこちょこメールやFAXで送ってくださる業者さんがいます。

でも、別にお買い得な物件ではないです。「未公開物件」というのは、あくまでも、REINS等に「未公開」というだけの意味です。それ以上でもそれ以下でもありません。

・少し郊外の粗利回り8%程度の一棟マンション
・築古のマンション

が送られてくることが多いですが、公開されている物件とスペックは変わりません。

でも、お客様の中にも「未公開物件」を求めている方がいらっしゃるのも事実です。
ネットや本で、未公開物件で収益を上げた、という話を読んでのことだと思うのですが、いきなり最初からいい物件を紹介していくれる業者なんてないですからね。

却って「未公開物件」という名目で、自社の売れ残りをうまいこと言いくるめられて買わされちゃうのがオチでしょう。

そろそろ「未公開物件」に期待するのはやめましょう。何度も取引をしている業者以外から、急にお得な「未公開物件」を紹介してもらえる訳がありません。


公開されている物件でも、きちんと探していればいい物件に出会えます。先日も、相場(7,000万円程度が妥当)より1,000万円近く安い中古マンションがこの界隈でも出ました。
あっという間に、買い手が付きましたけどね。

継続的に業者と付き合いのある方以外は、地道にネット等で情報を集めるのが一番です。
そして、その見付けた物件が安いのは、「その物件に問題があるから」なのか「売主が売り急いでいるからなのか」を物件評価をメインにしている業者に頼むのがいいと思います。

そういう意味では、嘘をついていちいち買わせようとする業者でなく、ニュートラルな評価をしてくれる業者は探しておいた方がいいかもしれません。自分の希望のエリアで。

最近、借地権の相談が続いて、そのうちの一件(これは相談というほどのレベルじゃないですが)が、

 

Q:底地権者(土地の貸主)が、借地権者(土地の借主:今回の相談者)に底地(その土地の所有権)を買って欲しいと言ってきた。価格は、安い価格を提示してくれたので、前向きに考えたいのだけど、弁護士とか不動産屋とかに頼まないといけないの?

 

という相談でした。

結論から言えば「不動産屋も弁護士も通す必要はない」です。

 

土地も、他の商品と同じように、価格が折り合えば、相対で売買できます。

では、なぜ不動産屋は必要なのでしょうか?

1.買い手(売り手)を見付けるため。

これは、身近に自分の不動産を希望価格で買ってくれる人がいない(売ってくれる人がいない)ため、不動産情報を広く扱っている不動産屋を必要とする訳です。適正な価格を査定してもらうこともここに含まれます。

納得のいく価格で売買できる相手を自分で見付けられるなら、不動産屋に頼む必要はないです。

 

2.適正な取引のため。

言い換えれば、「騙されないため」です。

売り手は本当にその物件の所有者なのか、詐欺取引じゃないのか、物件に瑕疵はないのか、等々を担保してもらうために、間に不動産屋を介在させます。

でも、もう何十年も住んでいる土地で、大家さんとも長い付き合いがある仲ならば、問題ない可能性の方が高いでしょう。

#大家さんが本当にその物件の所有者なのかという点と売買する土地の範囲の認識にズレがないかという点は、登記簿等できちんと調べた方がいいですが。

 

以上より不動産屋は必要ないですが、取引の安全(代金授受と登記の同時履行等)のため、司法書士さんには頼んだ方がいいと思います、と伝えました。

借地権というと、弁護士さんを思い浮かべる方もいるようですが、地代や更新料・○○承諾料等の金額や有無につきトラブルになった場合にお願いする存在なので、何のトラブルもないのに、弁護士さんに相談してもしょうがないです。