「駆逐艦 フォレストPシャーマン」青島文化教材 | 「模型探偵団」明石小五郎の昭和のプラモデル

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昭和のプラモデルが好きなタダのジジイです、上から目線で書いてます、日本初のプラモデルメーカー、㈱日本プラスチックなど、真実のプラモデルの歴史を書いてます。

千葉支部より、

 

今回は、そんなことどうでもいいじゃん、と言われそうなことなのですが、

私にはどうしても気になって仕方がないので敢えて掲載させていただきます。

 

それは、昭和34年頃に青島文化教材研究所から発売になった「フォレストP

シャーマン」という駆逐艦です。

私の小学生だった当時にこれを作りました。その時は全く気が付かなかったのですが、

今になってこれには1型と2型があるということが判明しました。

調べてゆくうちに疑問点が増えて行きました。

まず、実物の「フォレストPシャーマン」には1型、2型は存在しません。

実艦の要目は、3,920t 全長127.5m、DD-931 1955年(昭和30年)

就役となります。

次に、1型は縮尺1/400で31㎝、2型は縮尺1/354で36㎝でその差は5cmになります。

図面にも印刷されている通り最初から1型、2型とされており、後から2型が追加せてた

というわけではありません。では、なぜたった5cmの差で1型2型2種類を発売する必要

があったのでしょうか?

 

 

画像は実際の「フォレストPシャーマン」級駆逐艦(ウィキペディアより)と、当時私が作

った「フォレストPシャーマン1型」です。

 

 

まず、昭和34年3月5日付日本模型新聞には、青島文化教材研究所の広告に

FPシャーマン1型、FPシャーマン2型が掲載されています。

 

 

1型が100円位、

 

 

2型が150円位となっています。大きさから言えば当時30cmではどちらもC級

に入ります、その上のB級は40cmからとなります。大きさからはあまり差は出な

いでしょう。値段差、50円を出すためだったのでしょうか?これもあまり理由に

はならないようです。

 

では、1型と2型細部を比較してみましょう。

 

まず、1型の箱は残っていませんので比較はできません。

船体を比較して見ます。実際に作ってみると5cmの差は意外と大きいことに

気が付きます。

 

 

では次に図面を比べてみましょう。最初の図面が1型で次が2型です。

 

                        (1型)

 

                        (2型)

 

よく見ると部品が違っていたり図面全体のニュアンスが微妙に違うような気

がして、図面制作者が違うのではないかという気がします。

 

しかし、図面を眺めていてもなぜ1型と2型を二つ出す必要があったのか理由

ははっきりしません。モーターや電池を入れるスペースが不足しているようで

もなく、うまく水上走行できないようにも見えません。

 

結局なぜ1型と2型の二つが発売されたのか、その理由はわかり

ませんでした。もっと別の理由があったのかもしれません。

例えば材料の木材の寸法とか、或いは青島の会社の事情があったの

かもしれません。この辺りは直接事情を知る方から伺うより他ない

でしょう。資料集めの限界ではありますが、資料集めをしているか

らこそ気が付けたともいえるでしょう。

ご存知の方がいらっしゃいましたら是非ご教示いただきたいところ

です。

 

画像は図面の1型完成写真と1型のレストア完成時のものです。