静岡勢でのプラモデル参入の第一号はタミヤ模型?
静岡勢のメーカーの中で一番早くプラモデルに参入したのはタミヤ模型だとされている、
僕もそれで間違いないと思うが、ひょっとしたらそうではないかも、という見方もあるので念の為に検証してみた、
実は、タミヤ模型以外のメーカーで先に参入したのは「渥美産業」かもしれない、という見方がある、そう、あの洋上模型1/1000の連合艦隊シリーズがそうではなかったのかと、
つまり、渥美産業の木製の洋上模型のプラ化が先ではなかったのか、という疑問があったので検証してみた、
結論を先に言うと、やっぱりタミヤ模型のほうが一番であった、昭和34年後期には、渥美産業は静岡勢の中ではいち早くプラ化を考えていたようであるが、結局は木製模型にこだわり断念していたようである、プラ化に移行するのは昭和36年1月に入ってからであった、
(昭和35年新年号 日本模型新聞 ㈱ジートッププレス監修済み)
(昭和35年新年号 日本模型新聞 ㈱ジートッププレス監修済み)
渥美産業の渥美さんは年頭の挨拶で、1/1000の洋上模型をプラスチックで作りたいと考えていたが、やっぱり木製メーカーなので木製にこだわりたい、と仰っている、
今井科学もそろそろプラ化へと考えていたようで、とりあえずはセミプラ化を先に計画していたようである、
(昭和35年2月15日 日本模型新聞 ㈱ジートッププレス監修済み)
その新製品の計画の中に、セミプラの「水陸用戦車」を6月頃に発売の計画、しかし、実際は発売までには至らなかったようである、そう、今井科学のプラモ第一号は「戦艦榛名」であった、
もちろん、タミヤ模型もオールプラの前にはセミプラの艦船模型を発売した、
(昭和35年3月25日 日本模型新聞 ㈱ジートッププレス監修済み)
(昭和35年4月25日 日本模型新聞 ㈱ジートッププレス監修済み)
(昭和35年4月25日 日本模型新聞 ㈱次トッププレス監修済み)
もちろん、この渥美産業の連合艦隊シリーズは木製模型、
セミプラの艦船模型を発売したタミヤはその1,2ヶ月後にはオールプラの「戦艦大和」を発売、
(昭和35年5月25日 日本模型新聞 ㈱ジートッププレス監修済み)
(昭和35年5月25日 日本模型新聞 ㈱ジートッププレス監修済み)
これらの模型新聞の資料からタミヤがオールプラの「戦艦大和」を5月に発売したことは間違いない、
(昭和35年12月25日 日本模型新聞 ㈱ジートッププレス監修済み)
結局、渥美産業が1/1000 艦隊シリーズのプラ化を開発製造を始めたのは昭和35年12月頃だった、年内にはイ号潜水艦2隻を発売予定と記事には書いてあるが実際に12月中に発売されたかどうかは確認できない、
(昭和36年新年号 日本模型新聞 ㈱ジートッププレス監修済み)
この昭和36年の新年挨拶では今年はプラへ移行したいと、
その後の1月、2月の記事には発売したような記事はない、
(昭和36年2月5日 日本模型新聞 ㈱ジートッププレス監修済み)
この2月5日の記事の製品リストにはこのように伊号潜水艦2隻が載っている、
これらの模型新聞の記事から総合的に判断すると、昭和36年1月に発売された可能性が高いと考えられる、
(昭和36年2月15日 日本模型新聞 ㈱ジートッププレス監修済み)
これは、昭和36年2月11日、12日に開催された静岡での見本市の写真、
そう、旭日旗は渥美産業のシンボル的なマークでもあった。