週刊アカシックレコード -29ページ目

地検 vs. 公明党 [1/2]:週刊アカシックレコード080908

■東京地検 vs. 公明党~週刊アカシックレコード080908■
東京地検特捜部は2008年中にも、新銀行東京の不正融資に関与した容疑で公明党関係者多数を逮捕する可能性がある。公明党はその前に衆議院の解散・総選挙をやらせるために、給油法案に反対して福田康夫首相を退陣に追い込んだが、いま(2008年9月)から1年後の与党は「自公」ではあるまい。
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【次は自民党の番?】
小池百合子元防衛相は、政界入りして以降、日本新党、新進党、自由党、保守党、保守新党、自民党の6つの政党に所属しましたが、このうち自民党を除く5つはすでにこの世から消えております。
ということは、次はいよいよ自民党が消滅する番かな、と。
(^^;)
いまのところ民主党支持者である筆者から小池さんにお願いです。どうか、民主党にはいらないでください。政界再編で自民党が崩壊したあと、どこかにはいりたくなったら、ぜひ公明党か社民党におはいりください…………って、さすがにそれはムリか。
m(_ _)m
【ラマダン中のサッカー】
小誌2008年6月30日号の“トップ下”のコラム「アラーの神風!?」で指摘したとおり( <
http://ameblo.jp/akashic-record/day-20080630.html > )、案の定、ラマダン(イスラムの断食月)中のバーレーン代表のサッカー選手は弱かったですね。
2008年9月6日(日本時間7日未明)に行われた2010年南アフリカワールドカップ(W杯)サッカーのアジア地区最終予選A組「バーレーン対日本」は、バーレーン側のホームゲームだったにもかかわらず、バーレーン代表選手には体調を崩して足がつったり、動きが鈍くなったり、それを補うために反則に走ったりする選手が続出し、後半40分まで日本に「3-0」と一方的にリードされるありさま。
それもそのはず。ラマダン中のイスラム教徒は日の出から日没まで、食事も水も薬も一切口にできないため、事実上昼間の練習が一切不可能で、体調が狂っていたから。
同時に行われたA組の「カタール対ウズベキスタン」戦をVTRで見たサッカー解説者の中西哲生・日本サッカー協会特任理事は「カタールもウズベキスタンもバーレーンより強い」と分析しましたが(2008年9月7日放送のテレビ朝日『Get Sports』「サッカー日本代表 ワールドカップアジア地区最終予選開幕SP」 <
http://www.tv-asahi.co.jp/getsports/ > )、それはどうでしょう。
カタールとウズベキスタンはイスラム国同士なので、その対戦は平等だから、両チームとも動きがよく見えるのは当然。
9月6日のバーレーンがとりわけだらしなく見えたのは、昼間から水分を十分に摂取して体調十分な非イスラム国と対戦して、「体調の差」がもろに出たからでしょう。
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【北朝鮮のわがまま】
北朝鮮の2008年9月現在の国内法では、1950年の朝鮮戦争で敵国だった韓国と米国、および、米国の同盟国であり、かつての植民地支配者である日本は「敵国」とされ、北朝鮮人民はこの韓米日3か国の国旗、国歌に敬意を表してはいけないことになっています。
このため、2008年3月26日に行われた南アW杯アジア地区三次予選「北朝鮮対韓国」戦は、北朝鮮のホームゲームであるにもかかわらず、第三国・中国の上海で開催されました。国際サッカー連盟(FIFA)は、国家代表同士の国際試合では、必ず事前に両国国旗の入場と国歌の演奏(斉唱)を行うよう義務付けているため、北朝鮮は絶対に国内開催は困ると言い張ったのです。
FIFAはこの上海での試合のあと、「このようなわがままは二度と認めない」と言っていたにもかかわらず、結局、2008年9月10日の最終予選B組の「北朝鮮対韓国」戦も上海で行うことになりました。
思い起こせば、2005年6月のドイツW杯最終予選「北朝鮮対日本」戦も、その前の試合で北朝鮮代表選手が審判に暴行してFIFAの制裁を受け「第三国(タイ)での無観客試合」に変更されていましたが、あれも「韓米日の国旗、国歌に敬意を表せない北朝鮮の国内問題」を解決するために、北朝鮮選手がわざと暴れて制裁してもらった可能性もあるわけで、いやはや北朝鮮というのは、なんとも扱いにくい国ですわ。
(^^;)
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【拙著に関する個人ブログの虚偽宣伝】
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http://www.akashic-record.com/angel/cntnt.html > )など著者や出版社が直接内容紹介を行っているWebページをご参照のうえ、ご判断下さい。小誌の記事を無断で何行も転載(コピー&ペースト、コピペ)する違法な個人ブログ、ホームページが多数あり、その転載(盗用)箇所の前後には、ロボットSF『天使の軍隊』をはじめ、拙著の紹介文を含む「解説」が付けられていることが少なくありませんが、その種の解説の大部分は不正確なものです(どれも例外なく「小説と小誌は基本的には関係がない」という注意書きは転載されていません)。一般に、読者の皆様がそのようないい加減な解説を信じて書籍を購入なさった結果、その内容が「期待はずれ」だったとしても、その責任はその書籍の著者にも出版社にもありません(無責任な無能者たちはしばしば自ら読んでいない書籍について事実無根の紹介文を書きます)。
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m(_ _)m
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■東京地検 vs. 公明党~福田首相退陣は政界大再編の前兆?■
東京地検特捜部は2008年中にも、新銀行東京の不正融資に関与した容疑で公明党関係者多数を逮捕する可能性がある。公明党はその前に衆議院の解散・総選挙をやらせるために、給油法案に反対して福田康夫首相を退陣に追い込んだが、いま(2008年9月)から1年後の与党は「自公」ではあるまい。
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【小誌2007年9月13日「開戦前倒し?~シリーズ『中朝開戦』(9)」は → <
http://www.akashic-record.com/y2007/moveup.html > 】
【小誌2007年10月22日「軽蔑しても同盟~シリーズ『中朝開戦』(11)」は → <
http://www.akashic-record.com/y2007/despis.html > 】
【小誌2007年12月21日「大賞受賞御礼~メルマ!ガ オブ ザ イヤー 2007」は臨時増刊なのでWeb版はありませんが → <
http://ameblo.jp/akashic-record/day-20071222.html > 】
【小誌2008年3月6日「中朝山岳国境~シリーズ『中朝開戦』(13)」は → <
http://www.akashic-record.com/y2008/ckmbdr.html#02 > 】
【小誌2008年6月30日「機密『宣伝』文書?~『対北朝鮮・中国機密ファイル』の笑撃」は → <
http://www.akashic-record.com/y2008/cxfile.html#02 > 】
【前回「星野続投反対!!~シリーズ『北京五輪』(4)」は → <
http://www.akashic-record.com/y2008/hjlost.html#02 > 】
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小誌は安倍晋三政権発足前の2006年9月の時点で「次に福田康夫を首班とする2年限定の『暫定』政権ができる」と予言(でなくて科学的に予測)していたので(小誌2006年9月18日「ポスト安倍~10か月後に『2年限定政権』へ」 <
http://www.akashic-record.com/y2006/pstabe.html > )、福田政権が短命でもさほど驚かないが、それでも1年で終わるとは思っていなかったので、2008年9月1日の福田首相の辞任表明は、エイプリルフールが9月1日に移ったかと思うほど驚いた。
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               コメディー
             かつての上司を逮捕せよ!?
                 ↓
       
http://www.akashic-record.com/oddmen/cntnt.html

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【NHKで絶賛】 <
http://www.nhk.or.jp/book/review/review/2004_b_0704.html >
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●公明党の「給油法案」妨害●
なぜこんなことになったのかと考えてみると、その直前に、福田首相(自民党総裁)に対して、自民党と連立政権を組む与党、公明党が、少数政党のくせに急にかなり「生意気」になっていたことに思い当たる。
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安倍は2007年9月の日米首脳会談でジョージ・W・ブッシュ現米大統領から「拉致問題で協力してほしかったら、テロ特措法に基づくインド洋上での米軍などの艦船への海上自衛隊の給油活動を、切れ目なく継続してくれ」と要求され、民主党が同法案の延長に反対する中、安倍自身が無責任に臨時国会の召集時期を9月にまで遅らせ、同法案が期限切れになる11月までに延長法案が成立するように国会会期を設定できなかったことが原因で退陣した(小誌2007年10月6日「拉致問題依存症~安倍晋三前首相退陣の再検証」 <
http://www.akashic-record.com/y2007/abepd.html > )。
当時もいまも、連立与党は2007年夏の参議院通常選挙に惨敗した結果として参議院では過半数を持たないものの、衆議院では2/3以上の多数を持っているので、憲法59条の規定により、衆議院で延長法案を可決して参議院に送ってしまえば、それが参議院で否決された場合はもちろん(憲法59条第2項)、その後60日間参議院で採決されなくても、衆議院で再可決して成立させることができる(59条第4項の「60日規定」)。
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つまり、安倍が2007年8月上旬に早々と臨時国会を開いてさっさと延長法案を衆議院で可決しておけば、11月の期限切れまでに同法案を成立させて、切れ目なく給油活動をすることは簡単にできたのに、無能で無責任な安倍はそうはしなかったのだ。
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その安倍が、その無責任さを米国に突かれて退陣したあとに出て来たのが福田政権なのだから、福田にとって、テロ特措法の延長が失敗したあと、給油活動を再開させるために作った法案「給油法案」は何よりだいじなはずだ。安倍と違って日米同盟を重視する福田は、テロ特措法と同じ趣旨で1年ごとの時限立法になっている給油法案を2009年1月の期限切れ前に、衆議院で連立与党が持つ2/3以上の議席を使って延長すべく、臨時国会を8月中に召集して会期を90日とし、開会から30日以内に給油法案を衆議院で可決して、「60日規定」を使って(2/3の再可決で)成立させようと考えた。
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ところが、公明党は、給油法案の延長継続に反対し、衆議院で公明党が賛成しなければ2/3に達しないことを背景に、臨時国会の召集を9月12日に遅らせ、会期を70日に短縮するように自民党に求め、むりやり呑ませてしまった(共同通信2008年7月23日「対テロ法案先送り検討を 公明幹部、来年通常国会へ」 <
http://topics.kyodo.co.jp/feature55/archives/2008/07/post_167.html > )。
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臨時国会の開会冒頭には、首相の施政方針演説や各党幹部の代表質問が行われることになっており、9月下旬には日本の首相は国連総会で演説する予定もあるので、たとえ9月12日に召集しても、給油法案の延長法案の審議入りは、会期が20日近く経過したあとの10月上旬になると予想された。つまり、70日の会期では憲法59条(の「60日規定」)を使った延長法案成立のメドは立たないのだ。
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公明党が(2008年1月の給油法案には賛成したくせに)2008年7月になって急に反対し始めたのはなぜか。
これには諸説あって、「公明党は元々、宗教法人の創価学会を支持基盤とする『平和の党』であって、軍事活動の法案に賛成したくないから」などという偽善的なタテマエ論から、「長く国会を開いていると、創価学会の腐敗を告発する矢野絢也(じゅんや)元公明党書記長を民主党が国会に参考人招致して『宗教の政治介入』を追及される恐れがあるから」というホンネに近いと思われる説までが語られている(産経新聞Web版2008年8月19日「元公明党委員長・矢野問題 『徹底追及』を指示、民主・小沢代表」 <
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/080819/stt0808191902004-n1.htm > )。
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          恥を知れ、ぬすっとブロガー

         小誌記事をコピペすることは違法です

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●新銀行東京スキャンダル●
しかし、公明党にはもっと特異な事情があったように思われる。
2008年3月、石原慎太郎東京都知事の発案で2005年に設立された「新銀行東京」が、巨額の赤字を抱えて破綻寸前であることが判明し、その原因として東京都議会議員たちの紹介による(地元選挙区の中小零細企業への)融資、いわゆる「口利き融資」が取り沙汰された。そこで、読売新聞が都議全員に「口利き」をしたかどうかアンケート調査をしたところ、自民党6人、民主党2人のあわせて8人の都議が口利きを認める回答をしたが、公明党都議は22人全員がアンケートへの回答を一切拒否した(読売新聞2008年3月21日付朝刊39面「新銀行東京の都議アンケート 再建計画、自民も懐疑的 『十分可能』2人だけ」)。
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新銀行東京は慎太郎の発案で生まれたが、べつに「トップダウン」で決まったのではない。都民の税金を原資に「都営銀行」を設立するには、そのための予算案が都議会が可決されなければならないからだ。そして、2005年の設立前の都議会で、設立を認める予算案、条例案に都議会の自民党、公明党、民主党が賛成している。
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その後、民主党は慎太郎(息子2人は自民党国会議員だが、本人は無所属)と距離を置き、2007年の都知事選では、慎太郎を支持せず対立候補を立てた。が、少なからぬ民主党都議会議員はかつては自民党、公明党の都議とともに「石原与党」であり、新銀行東京の設立(2005年4月)に賛成したことを自らの手柄として、設立3か月後(2005年7月)の都議会議員選挙で有権者に訴えていた。
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その際、自公民3党の少なからぬ都議、および衆参両院議員が自らの支援者に「新銀行を紹介できる」と請け合い、実際に融資を斡旋(あっせん)した、という自民党衆議院議員の暴露証言がある(『サンデー毎日』2008年3月30日号 p.p 26-28 「都議選向け『デタラメ口利き融資』が浮上 『ゴーマン石原銀行』は即刻退場せよ!」 <
http://www.mainichi.co.jp/syuppan/sunday/news/20080315-181915.html > )。
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【このほかに、慎太郎知事(無所属)周辺の秘書ら側近や、知事の息子の宏高衆議院議員(自民党)による口利きも少なくない、という週刊誌報道もあった(『週刊朝日』2008年7月17日号 p.p 17-22 「内部記録は語る『石原都知事ファミリー』 『口利き案件』 追及、新銀行東京」)。】
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筆者は、2008年3月当時、これらの報道を見て思った、
「もし東京地検特捜部がこの口利き融資に違法性を見出して本気で摘発すれば、自公民3党の都議、国会議員が多数逮捕されて3党とも国民の支持を失うから、口利きに関与した議院が大量に離党するか、口利きに関与しなかった『潔白な』議員たちが離党して新党を作るしかなく、結果的に『政界再編』が実現するだろう」と。
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2007年秋頃、筆者が福田政権の実現に尽力した永田町関係者Zに会った際、Zは、2007年夏以来の、衆参両院で国会の多数派が異なり、法案が容易に通らない「ねじれ国会」の現状について、「答えははっきりしてるんだ。もう政界再編するしかないだろう」と言っていた。
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Zは検察にもパイプのある人物である。
2008年にはいって、上記の新聞や週刊誌の報道を読んだ筆者は「それなら、検察に頼んで、新銀行東京の口利き融資を摘発してもらえばいいいではないか」と思った。が、同時に、それは無理だろうとも思った。
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慎太郎が2007年の都知事選立候補に際して「2016年夏季五輪の東京招致」を公約に掲げて(連続3期目の)当選をはたしているからだ。彼は2007年以降、公約どおり、五輪招致活動を活発化させ、2008年6月、東京都は国際オリンピック委員会(IOC)から、施設面などで最高の評価を得て正式に候補都市に選ばれた(JOC Web 2008年6月4日「2016年オリンピック招致活動の紹介」 <
http://www.joc.or.jp/2016/charter.html > )。
五輪招致の中心人物が都知事であることはだれの目にも明らかなので、検察(政治家の汚職をおもに担当する東京地検特捜部)が、慎太郎を逮捕すれば、それは全世界のスポーツ関係者に衝撃的なニュースとして流れ、その瞬間に東京五輪実現の可能性はなくなる。
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五輪には国威発揚から経済振興までさまざまな「国益」がつきまとうので、検察は自らの一存でその可能性を断つことを躊躇するのではないか…………というか、慎太郎は検察が国益を考えて逮捕を逡巡することを期待して、いわば「五輪招致を人質にとる」ことで、自らの逮捕を免れようとしているのではないか。
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2016年夏季五輪の開催地は2009年10月、コペンハーゲンで開かれるIOC総会の投票で決まる(JOC Web 前掲記事)。したがって、東京地検特捜部が慎太郎や自公民3党の議員を逮捕するのは2009年10月以降だろう、と筆者は思っていた。
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        2009年以降、北朝鮮は豹変する
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http://www.akashic-record.com/angel/cntnt.html

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【桶狭間】 → <
http://www.akashic-record.com/angel/okehaz.html#mail >
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【次回 < http://ameblo.jp/akashic-record/day-20080910.html > へ続く。】
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【この記事へのご意見等は、ブログの「コメント」としてではなく、なるべくメールマガジン( <
http://www.akashic-record.com/admin/regist.html > )への返信としてお寄せ下さいませ。スタッフ(「週刊アカシックレコード」編集部)はメールマガジンを最優先に対応しておりますので、返信メールのほうが、佐々木敏本人の目に触れる確率が高くなり、目に触れる時機も早くなります。ただ、なにぶん頂くファンメールの数が非常に多いので、すべてにお返事を差し上げることはできません。あしからず御了承下さいませ。】

星野続投反対!![2/2]:週刊アカシックレコード080831

■星野続投反対!!~週刊アカシックレコード080831■
北京五輪野球日本代表の星野仙一監督は、五輪開幕前、日本をライバル国のチームに対して圧倒的に有利な立場に置くことのできる機会を得られたにもかかわらず、自らそれを放棄した結果、逆に不利になり、メダルをのがして、4位に終わった。
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<Beijing'08>
■星野続投反対!!~シリーズ「北京五輪」(4)■
北京五輪野球日本代表の星野仙一監督は、五輪開幕前、日本をライバル国のチームに対して圧倒的に有利な立場に置くことのできる機会を得られたにもかかわらず、自らそれを放棄した結果、逆に不利になり、その結果メダルをのがして、4位に終わった。
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【前回 <
http://ameblo.jp/akashic-record/day-20080901.html > から続く】
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●「人選批判派」の敗北●
北京五輪開幕前、星野が代表メンバーに2008年シーズン中に大不振で2軍落ちしていた上原浩治投手(読売巨人軍)らを選んだことを批判し、今シーズンの成績のよい選手をもっと選べと主張していたジャーナリストや野球解説者の意見は、すべて間違いだった。上原は台湾戦、カナダ戦で完璧な投球をしたし、シーズン中不振だった成瀬、涌井もそれぞれ先発した試合では7イニング投げて無失点という好投を見せた。
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逆に筆者が(シーズン中に何本本塁打を打とうが)五輪では「どうせ本塁打は打てないし、エラーをする」と予測していた村田修一三塁手(横浜ベイスターズ)はそのとおりになった(小誌2008年7月7日「星野JAPAN 1.1~シリーズ『北京五輪』(1)」 <
http://www.akashic-record.com/y2008/hj11r.html#02 > )。
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つまり、筆者が常々に言っているとおり、国内試合と国際試合とはまったく別のものなのだ。選んだ監督は言い難いだろうから、代わりに筆者が言おう、極端な話「代表選手なんて全員二流でもかまわないのだ」と。
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北京五輪で金メダルを取った韓国代表選手の大半は、日本の1軍ではほとんど通用しない二流選手ではないか。
韓国プロ野球のレベルは明らかに低い。それは、2006年までKBOのリーグで通算打率3割以上の大活躍をし(10年間で1435安打、134盗塁)、走攻守三拍子そろった安打製造機、「韓国のイチロー」と呼ばれていたイ・ビョンギュ(李炳圭)外野手が、2007年に中日に入団したものの、その年は打率.262、盗塁0に終わった事実を見れば明らかだ(2008年シーズンは8月30日まで.248、盗塁1。Yahoo!プロ野球2008年8月31日「中日-李炳圭プロフィール・総合成績」 <
http://baseball.yahoo.co.jp/npb/player?t=db&id=600126 > )。
この数字は、韓国の投手たちが牽制球を投げるのが相当に下手で、そういう二流投手相手なら年間何十盗塁もできる選手でも、牽制球を投げるのがうまい日本の投手が相手だと、まったく盗塁ができないということを意味している。
それぐらい日韓の野球技術には差があるのだが、国際試合になると(たとえ韓国の選手層がどんなに薄くても、ある程度日本に通用しそうな選手を24人だけ集めさえすればいいので)その差がほとんど出ないのである(日本にはその24人と同レベルの選手は数千人いるが、数千人にいても結局そのなかから24人しか選べない)。
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いままで小誌は、シドニー五輪野球で金メダルを取ったMLB傘下のマイナーリーグ(2A、3A)の選手を集めて優勝した米国代表が豪州国内で事前に2週間合宿していたという事実、および、同五輪で4位に終わった日本代表(のちに大リーガーになる松坂大輔投手や田口壮外野手を含む)が全員そろった事前の合宿練習を2日しかしなかったという事実に基づいて「2日間しか合宿をしない一流選手のチームより、2週間合宿をした二流選手のチームのほうが強い」と言って来た。が、今回の北京五輪の結果を踏まえて若干修正する。これからは「2試合以下しか(対外)練習試合をしない一流選手のチームより、3試合以上練習試合をした二流選手のチームのほうが強い」と言おう。
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キューバ代表は北京五輪本番とほとんど同じメンバーで、五輪前の7月、オランダで開かれたハーレムベースボールウィークという国際大会に参加し、一次Lから決勝Tまで7試合戦ったが、決勝戦で米国に敗れて2位に終わった(全日本大学野球連盟Web 2008年7月13日「第24回 ハーレム・ベースボールウィーク 」 <
http://www.jubf.net/game/special/haarlem2008/2008haarlem.html > )。
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実はこのとき優勝した米国代表は、大学生のチーム(collegiate team)なのだ(Durham Bulls 球場Web 2008年「Team USA Schedule / Tickets」 <
http://www.durhambulls.com/schedule/team_usa_schedule.html > )。もしもこの大会の「米国学生代表」が北京五輪に参加していたら、星野JAPANに勝っていたかも知れないのだ。
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             コメディー
        警察小説・刑事ドラマ史上、初
               ↓
  
http://www.akashic-record.com/fort/cntnt.html

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TEL/FAXで宅配(本体\1800+α) → <
http://www.kinokuniya.co.jp/04f/d03/tokyo/01.htm >
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●不毛の采配批判●
事前に「金メダルしか要らない」と公言して銅メダルも取れなかったのだから、星野監督の采配に批判が出るのは当然だが、はたして采配批判などできるだろうか。
筆者も、3位決定戦の米国戦でダルビッシュ有(日本ハム)が先発または二番手で、つまり勝負がつく前に登板しなかったのは不思議だった。それは、その2日前の一次Lの米国戦で彼が2イニング打者6人を完全に抑えており、事前に収集した米国打者のデータがどうであろうと、その時点でダルビッシュが米国に通用することは証明されていたからだ。
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しかし、これ以外は、実は批判のしようがないのだ。
たとえば、準決勝の韓国戦の8回裏、この回先頭の二番打者イ・ヨンギュ(李容圭)に打順がまわった時点でなぜ岩瀬が登板したのか、それ以前にこの試合になぜダルビッシュが先発しないのか、という疑問を抱いたTV視聴者は少なくないだろうが、もしも星野の手元に「ダルビッシュは韓国の打者、とくに二番打者李容圭、三番打者のキム・ヒョンス(金賢洙)らに弱い」というデータがあったとしたら、どうだろう。
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どんなに優秀な投手にも「相性」というものがある。
星野はアジア予選でも、北京五輪本大会一次Lでも、韓国戦にはダルビッシュを登板させていない。
これはアジア予選終了後の韓国メディアの見方だが、星野はダルビッシュのような「力で押すタイプの投手」は韓国の打者に打たれやすいと判断して、韓国戦での登板を回避したのではないだろうか(朝鮮日報日本語版2007年12月3日付「北京五輪野球:韓国戦に臨む日本の姿勢に変化」 <
http://www.chosunonline.com/article/20071203000056 > )。
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もし岩瀬が二番から四番のイ・スンヨプ(李承ヨプ)までの3人の左打者を無失点で切り抜けたら、続く五番打者、右打ちのキム・ドンジュ(金東柱)のところでダルビッシュが登板するはずだった(が、李承ヨプに2点本塁打が出て、涌井に変更された)という大野豊・日本代表投手コーチの証言があるので、筆者の推測は正しい可能性がかなりある(デイリースポーツWeb版2008年8月23日「岩瀬、決勝弾献上…炎上ブルペン大混乱」 <
http://www.daily.co.jp/olympic/peking/peking_baseball/2008/08/23/0001368086.shtml > )。
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マスコミや球界関係者のだれが星野を糾弾する場合でも、星野采配の是非を論じようとすると、星野JAPANのスコアラーが持っている「ダルビッシュはどの打者に弱いか」というデータをすべて出してもらわけなければならない。しかし、そういうデータを出すことは、日本のエースの弱点を全世界にさらすことであり、明らかに国益に反するので、やらないほうがいい。
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●韓国が日本に勝った理由●
筆者は小誌上で「韓国と五輪の準決勝あたってはいけない」と言って来た。理由は、韓国の男子スポーツ選手は五輪で銅メダル以上を獲得すると兵役免除の権利が得られるが、準決勝に勝った時点でそれが確定するからだ(小誌2008年7月7日「星野JAPAN 1.1~シリーズ『北京五輪』(1)」 <
http://www.akashic-record.com/y2008/hj11r.html#02 > 、朝鮮日報日本語版2008年8月25日付「北京五輪:メダリスト22人が兵役免除に」 < http://www.chosunonline.com/article/20080825000043 > )。
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だから、兵役免除が決まる直前の韓国代表は世界でいちばん強い。彼らが強いのは「韓民族が優秀だから強い」のではなく、韓国政府のまつりごとがあまりにも悪いので、韓国の若者がその害悪から逃れるために必死になるから強いのだ。
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【一次L最終戦の米国戦で日本が勝っていれば、日本は一次L 3位になり準決勝で一次L 1位韓国と対決することはなかっただろう。練習試合が不足していたので、代わりに一次L 2位のキューバと戦っても負けたとは思うが、少なくともその試合にダルビッシュを先発させることはできたので、できればそうしてほしかった。】
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したがって、WBCでも、各国は兵役免除が決まる直前の韓国との対戦は避けたほうがいい。二次Lは単純に全勝することをめざすべきでなく、決勝Tの組み合わせを考えながら戦う(場合によってはわざと負ける)必要がある。
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【この準決勝の最中、5回から、日本のベンチとブルペンを結ぶ電話が故障して、首脳陣と控え投手の意志疎通が困難なり、「8回裏無失点のままならダルビッシュ、点がはいったら涌井」というベンチの指示が伝わらず、涌井が十分に肩を作らずにマウンドに上がって決定的な追加点を奪われた、という事実がある(デイリースポーツ前掲記事)。このとき韓国選手は「勝てば兵役免除」という「命懸けの戦い」をしていたのだから、工作員を頼んで電話線を切ってもらうぐらいのことをやっても不思議ではない。
もちろん「破壊工作」の証拠はないが、これと同じようなことは、WBCでもありうると考えなければならない。WBC日本代表監督には、この種の工作とも戦う能力が要求される。
2006年のフィギュアスケートグランプリファイナルにおける浅田真央ら日本選手3人の「謎の体調不良」、2008年7月のサッカー日本代表候補選手・遠藤保仁の「謎のウィルス感染」という「先例」があるので、今回も工作員の「テロ」だった可能性は排除できない(小誌2008年7月28日「謎のウィルス感染~シリーズ『北京五輪』(2)」 <
http://www.akashic-record.com/y2008/leendo.html#02 > )。】
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●韓国がキューバに勝った理由●
準決勝で、岩瀬は韓国代表の「李承ヨプごとき」に本塁打を打たれて、それで日本が負けたが、あの試合、第3打席までは、李承ヨプは完全なブレーキで、2三振、1併殺打だったし、初回には走塁妨害までしでかして日本の先取点に貢献していた。
この第3打席まで、彼の北京五輪本大会通算打率は1割台で、キューバ戦、カナダ戦、日本戦ではノーヒットだたったから、そこまでは筆者の予測(李承ヨプは安全パイ)は完全にあたっていた(小誌2008年8月4日「イ・スンヨプの謎~シリーズ『北京五輪』(3)」 <
http://www.akashic-record.com/y2008/hj11r.html#02 > )。
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結局、第4打席で本塁打が出たのは、岩瀬の「練習試合の不足による国際審判への不適応」が原因なのだろうが、あそこでヒットを打たなかったら、李承ヨプは、兵役免除のかかった若い選手たちから「あんたのせいでオレが兵役に行って殺されたらどうしてくれる」と突き上げられ、集団リンチに遭いかねなかっただろう。だから、あそこで彼が異常な集中力を発揮し、実力以上の打撃ができたのはそういう事情だろう。
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が、翌日の決勝戦のキューバ戦でも、分不相応に本塁打を打っている。
というか、韓国代表自体が分不相応に格上のキューバに勝ってしまった。すでに、兵役免除という「究極のニンジン作戦」は終わっており、韓国政府は「金メダルを取ったら1人10億ウォン(約1億円)」という「第二のニンジン」を用意していたとはいえ(2008年8月23日放送のNHK-BS1『北京五輪中継』)、こんどはもう命懸けの戦いではない。いったいなぜだろうと、筆者はしばらく理由を考えていた(まさか、決勝戦でも電話線を切ったのか)。
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そして、わかった。
決勝Tに進んだ4か国のうち、韓国だけが、3月に台湾で行われた世界最終予選に出ていたのだ。
日本はアジア予選で、米国とキューバは米大陸予選で五輪本大会出場を決めてしまったため、そのあと予選がなかったが、韓国はアジア予選で本大会出場を決められなかったため、他の7か国とともに世界最終予選に出て、五輪本大会一次Lとまったく同じ8か国総当たりのリーグ戦を、五輪本大会と同様の国際審判のもとで戦っていたのだ。
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これは最高の予行演習になる。五輪をどう戦えばいいか、事前にシミュレーションしているのと同じことだ。
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2007年のセ・リーグのペナントレースで巨人は1位になり、中日は2位になったため、中日は阪神とのクライマックスシリーズ(CS)第1ステージ(2勝先取制)にまわった。
中日はこれに勝ったため、巨人と第2ステージ(3勝先取制)を戦ったが、なんと第2ステージでは中日が勝ってしまった。
CSの前身は2004~2006年にパ・リーグが単独で実施していた同じ方式のプレーオフだが、2004~2005年にペナントレースで1位になったソフトバンク(2004年は福岡ダイエーホークス)が2年連続で日本シリーズ出場をのがしたため、その当時から言われていたことだが、第1ステージの間、ペナントレース1位のチームは試合をしないため「試合のカン」が鈍るので、不利なのだ。他方、2位のチームは第2ステージのシミュレーションを第1ステージで行うことになるから、結果的に有利になる。
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つまり、事前に本番さながらのシミュレーションをしていたことが、韓国が北京五輪本番で全勝優勝できた最大の要因なのではあるまいか。
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韓国代表選手たちは、2007年12月に国際審判のストライクゾーンにとまどったあと、2008年2月の春季キャンプ開始と同時に、国内のストライクゾーンに対応した。が、世界最終予選に備えて2月下旬に台湾にはいり、練習試合から外国人の審判のもとで「国際ストライクゾーン」を経験して、3か月前の記憶を取り戻し、それが終わって3月中旬に韓国に戻ると、また国内のストライクゾーンに対応し、8月上旬になると、また外国人の審判のもとで五輪直前の強化試合に臨んで4か月前の記憶を取り戻した……ということかも知れない。
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8か月前の記憶を完全になくして、五輪本番で審判に抗議した星野JAPAN 1.1とは大違いだ。
(>_<;)
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          恥を知れ、ぬすっとブロガー

         小誌記事をコピペすることは違法です

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●読売の陰謀?●
小誌で以前述べたとおり、米国を除く世界のほとんどのプロ球技では、国内リーグより、国を代表するナショナルチームの出場する国際大会を重視しており、したがって当然「A代表」「五輪代表」が最大の人気チームである。日本サッカー界(Jリーグ)はこれに倣っている。
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他方、日本野球界、とくにセ・リーグは、永年、巨人というただ1つの超人気球団が牛耳って来たので、そういう構造になっていない。巨人(の親会社である読売新聞社)は、シドニー五輪野球にプロの参加が認められた際、五輪代表が巨人を上回る超人気チームになることを恐れ、セ・リーグの有力選手が五輪に出場することを徹底的に妨害した(この結果、日本でいちばん愛国心のない新聞が読売新聞であることが判明した)。
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しかし、シドニー五輪野球で日本が銅メダルも取れずに惨敗すると、読売に非難が殺到し、結局読売は、日本代表監督の座に巨人関係者を送り込み、日本代表の人気を利用して巨人の人気を補強するという方針に切り替えたようだ。2004年アテネ五輪と2006年WBCの日本代表監督にはそれぞれ、巨人OBの長嶋、王を就任させている。
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しかし、2人ともいまや健康問題を抱え、もはや代表監督就任は不可能な情勢だ。そして、この2人を除くと、もはや名監督と呼べそうな巨人OBの監督経験者はほとんどいない。
そこで、読売はもう巨人OBにこだわっていられなくなり、2003年に阪神タイガースをセ・リーグで優勝させた監督として人気のある星野を日本代表監督にして、五輪かWBCのどちらかで優勝させ、「国民的英雄」にしてから巨人の監督に迎えて巨人人気を補強しようと考えた、らしい(そういう推測記事が一部メディアにある)。
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しかし、星野が北京五輪でメダルをのがし、アテネで銅メダルを取った中畑以下になってしまったため、読売のシナリオは狂った。
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短期間ながら選手として巨人に在籍したことがあり、かつ、2007年の日本シリーズとコナミカップ(コナミ杯)アジアシリーズを制し、国際大会の優勝経験もある中日の落合博満監督が(読売の意向を受けた)NPB関係者から打診されて断ったため、読売は社を挙げて応援できる唯一の日本代表監督として、また星野を推さざるをえなくなった。
だから、ナベツネこと、渡辺(渡邉)恒雄・読売新聞グループ本社会長は「ほかにいるか?……星野君以上の人がいるならいい。でも、いるかね? オレはいるとは思わない」などと暴言を吐いて、星野をWBC日本代表監督に就任させようとするとするのだろう(スポニチWeb版2008年8月26日「渡辺会長がWBC指揮官に星野監督後押し」 <
http://www.sponiochi.co.jp/baseball/news/2008/08/26/01.html > )。
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【読売グループのスポーツ新聞は「星野JAPAN惨敗の理由」と題する記事を連載し、でたらめな、あるいは、重要でない原因を挙げている。
たとえば、「大会前はほとんど生じないと思われていた延長十一回(TB制)への突入が、大会が始まると、台湾対中国、韓国対中国など、明らかに力の差があるチーム同士でも実現したため、大会の途中から、TB制にはいった場合十一回のマウンドはバント処理のうまい藤川球児(阪神)に任せると決めたため、ほかのリリーフ投手陣、とくに川上憲伸(中日)、岩瀬への負担が重くなった」という指摘は明らかに事実に反する(スポーツ報知Web版2008年8月26日「[星野JAPAN惨敗の理由](下)タイブレークの影に怯え継投ミス」 <
http://hochi.yomiuri.co.jp/beijing2008/rensai/news/20080826-OHT1T00043.htm > )。
じっさいに日本がTB制に突入した一次L米国戦の十一回表のマウンドに上がったのは藤川ではなく岩瀬だったではないか。
この連載の意図は明白で、でたらめな敗因を挙げておいて「これらの問題は監督が反省すれば解決できるから、星野続投でいいでしょう」と言いたいのだろう。しかし、このようにすぐバレるウソを平気で書く記者は、即座に辞表を出すべきだ。記者たる資格がない。】
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ナベツネのいう「星野君以上の人」というのは、「読売新聞の販売拡張戦略にとって星野以上に役立つ、明るいイメージの人」であって、野球の監督として星野以上の能力や実績を持つ知将、たとえば、南海ホークス、ヤクルトを優勝させた実績のある楽天の野村監督のことではない。
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野村はそれがわかっているから、2009年WBCへの星野「続投」を支持したうえで、自ら「星野改造内閣」にヘッドコーチとして入閣したいなどと言い出したのだろうし(スポニチWeb版2008年8月27日「ノムさん“物言う日本代表ヘッド”に立候補」 <
http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2008/08/27/04.html > )、読売と新聞拡販戦略で争う中日(ドラゴンズの親会社、中日新聞社)は続投に反対なのだろう(スポニチWeb版2008年8月26日「中日社長『WBC星野監督』を拒絶!!」 < http://www.sponiochi.co.jp/baseball/news/2008/08/31/01.html > )。
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とはいえ、星野が続投するとは限らない。
読売は新聞の拡販につながると思うから星野を続投させたいのであって、そうでないと思えば、つまり、たとえば、星野続投に反対する読者が不買運動を起こせば、星野続投はなくなる。
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だから「星野続投反対」の方は、この件名で、読売新聞のサイト「お問い合わせフォーム」から「投票」して頂きたい(読売新聞Web「お問い合わせフォーム」 <
https://app.yomiuri.co.jp/form/ > )。10万票も集まれば、さすがのナベツネも考えを変えるだろう。
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なんとなく、読売が中日を押し切って「星野監督 + 野村ヘッド」の連立政権、というか、事実上の野村政権を実現させてしまうような気がするが……それは「敗戦責任」のけじめがつかないので、はなはだ好ましくないが……星野監督にせよ、野村ヘッドコーチにせよ、野村監督にせよ、「(事実上の)次期日本代表監督」は必ずこの記事を読んで、電話線を切られた場合の対策までやって、WBCに臨んでもらいたい。
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実はこの記事はそのために書いたのだ。
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(敬称略)
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【一度投票したらもうできないと勘違いしている方がおられるようですが、「score!」は前回投票された方でも何度でも、記事ごとに投票できます(最新のscore!は投票後にWebでご覧頂くことができ、最新順位は翌月下旬に発表されます)。この記事がよい(悪い)と思ったら(ホームページランキングとは別に)「追伸」「Copyright」「メルマ!PR」の下、メルマガのいちばん下をクリックして「score!」ページの3段階評価もお願い致します。】
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星野続投反対!![1/2]:週刊アカシックレコード080831

■星野続投反対!!~週刊アカシックレコード080831■
北京五輪野球日本代表の星野仙一監督は、五輪開幕前、日本をライバル国のチームに対して圧倒的に有利な立場に置くことのできる機会を得られたにもかかわらず、自らそれを放棄した結果、逆に不利になり、メダルをのがして、4位に終わった。
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【ヒラリーのホンネ】
え、共和党の副大統領候補がオンナ! しかも44歳!? わたしより16歳も若いじゃない!
冗談じゃないわよ。もし、2008年11月の米大統領選で共和党のマケインが当選して、任期中にポックリ逝ったら、あの女が合衆国史上初の女性大統領じゃない?
よーし、こうなったら、何がなんでもマケインに勝ってもらって、4年間生きてもらって、2012年の選挙でわたしが勝つのよ。だって、その選挙にはオバマはもう出ないんだから。
それにしても、このオンナ(サラ・ペイリン・アラスカ州知事)子供5人も産んだの!? よっぽど好きなのねえ。ウチのダンナみたい。
(^^;)
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【拙著に関する個人ブログの虚偽宣伝】
小誌の筆者・佐々木敏の著書を購入される方は必ず事前に、小誌サイト( <
http://www.akashic-record.com/angel/cntnt.html > )など著者や出版社が直接内容紹介を行っているWebページをご参照のうえ、ご判断下さい。小誌の記事を無断で何行も転載(コピー&ペースト、コピペ)する違法な個人ブログ、ホームページが多数あり、その転載(盗用)箇所の前後には、ロボットSF『天使の軍隊』をはじめ、拙著の紹介文を含む「解説」が付けられていることが少なくありませんが、その種の解説の大部分は不正確なものです(どれも例外なく「小説と小誌は基本的には関係がない」という注意書きは転載されていません)。一般に、読者の皆様がそのようないい加減な解説を信じて書籍を購入なさった結果、その内容が「期待はずれ」だったとしても、その責任はその書籍の著者にも出版社にもありません(無責任な無能者たちはしばしば自ら読んでいない書籍について事実無根の紹介文を書きます)。
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【日揮情報システムから投票】
福井医大8、図研8、ニコン4、三興プログレス(ロシア貿易)、日揮情報システム(SI)、東洋ビジネスエンジニアリング6、松下電器5……小誌Web版にご投票下さった方のドメインは(一般の個人サイトと違って)職場(大学)が多く、海外にまでおよんでいます。皆様、有り難うございました。とくに福井医大、図研、ニコン、東洋、松下からは複数のご投票、有り難うございました。
「ホームページランキング」はこのページ <
http://www.akashic-record.com/ > のいちばん上の行をクリックしてご参照下さい。
m(_ _)m
【ご注意】
小誌へのご意見、投書は、投稿者氏名等の個人情報を伏せたうえで、小誌上で紹介させて頂くことがございます。あらかじめご了承下さいませ。本メールマガジンは筆者(佐々木敏)のサポートスタッフにより運営されており、本号は創刊第287号です。
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<Beijing'08>
■星野続投反対!!~シリーズ「北京五輪」(4)■
北京五輪野球日本代表の星野仙一監督は、五輪開幕前、日本をライバル国のチームに対して圧倒的に有利な立場に置くことのできる機会を得られたにもかかわらず、自らそれを放棄した結果、逆に不利になり、その結果メダルをのがして、4位に終わった。
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【小誌2007年9月13日「開戦前倒し?~シリーズ『中朝開戦』(9)」は → <
http://www.akashic-record.com/y2007/moveup.html > 】
【小誌2007年10月22日「軽蔑しても同盟~シリーズ『中朝開戦』(11)」は → <
http://www.akashic-record.com/y2007/despis.html > 】
【小誌2007年12月21日「大賞受賞御礼~メルマ!ガ オブ ザ イヤー 2007」は臨時増刊なのでWeb版はありませんが → <
http://ameblo.jp/akashic-record/day-20071222.html > 】
【小誌2008年3月6日「中朝山岳国境~シリーズ『中朝開戦』(13)」は → <
http://www.akashic-record.com/y2008/ckmbdr.html#02 > 】
【小誌2008年6月30日「機密『宣伝』文書?~『対北朝鮮・中国機密ファイル』の笑撃」は → <
http://www.akashic-record.com/y2008/cxfile.html#02 > 】
【小誌2008年7月7日「星野JAPAN 1.1~シリーズ『北京五輪』(1)」は → <
http://www.akashic-record.com/y2008/hj11r.html#02 > 】
【小誌2008年7月28日「謎のウィルス感染~シリーズ『北京五輪』(2)」は → <
http://www.akashic-record.com/y2008/leendo.html#02 > 】
【小誌2008年8月4日「日本の陰謀?~シリーズ『北京五輪』(3)」は → <
http://www.akashic-record.com/y2008/leetb.html#03 > 】
【前回は臨時増刊なのでWeb版はありません。】
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星野仙一監督率いる北京五輪野球日本代表(小誌の呼称で「星野JAPAN 1.1」)は、五輪本大会にはいってから、一次(予選)リーグ(L)4勝3敗で4位、決勝トーナメント(T)では2連敗で4位に終わった。
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星野JAPANは、実は2つある。小誌では2007年の北京五輪アジア地区予選に登場したほうをバージョン1.0、2008年の五輪本大会に登場したほうをバージョン1.1と呼んで区別している。
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なぜ1.0と1.1であって、1.0と2.0と言わないのかと言うと、メンバーがほとんど同じだからだ。1.1にいて、1.0にいなかった選手は24人中たったの5人しかない。
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筆者は、五輪本大会の「星野JAPAN 1.1」の戦いをTV観戦しながら、8か月前の「星野JAPAN 1.0」を思い出していたのだが、両者を比較すると非常に不思議な感じがした。
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1.0と1.1は監督、コーチ、スコアラーはまったく同じ、選手もほとんど同じ、対戦相手も2か国は同じ、審判もだいたい同じなのに、1.0は打線のつながりがよく、エラーが少なく、監督も選手も審判の判定に一切抗議をしない、非常に完成度の高いチームであり、逆に1.1は打線のつながりが悪く、エラーが頻発し、監督や選手が頻繁に審判の判定への不満をあらわにする、完成度の低いチームだったからだ。
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それぞれに象徴的な場面がある。
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「1.0」は対台湾戦の七回表無死一塁、「1-2」と日本が1点リードされている場面だったので、七番打者の稲葉篤紀(北海道日本ハムファイターズ)は当然バントで一塁走者を二塁に進めて「まず同点」を狙うと考えられた。
ところが、左打者の稲葉は台湾の右投手、ヤン・ジェンフゥ(陽建福)の球を、まったくバントの構えもせずに強振して右前安打を放ち、無死一、二塁とチャンスを広げる(これは、星野JAPANのスコアラーが対戦相手の特徴を完全に把握していて「この投手なら稲葉はヒットを打てる」と断定した結果だろう)。
続く八番打者の里崎智也(千葉ロッテマリーンズ)はバントをしたが、打球は投手の正面にころがってしまった。陽建福はこれを捕球して三塁に送球したが、日本の二塁走者に代走ではいっていた宮本慎也(東京ヤクルトスワローズ)が台湾の三塁手の足首を狙ってスライディングし、転倒させたため、里崎のバントミスでついえかけた日本のチャンスは逆に広がり、無死満塁の絶好機になった。
そして、続く九番打者、サブロー(ロッテ)に打順がまわると星野は完全に相手の裏をかいてサブローにスクイズをさせ、同点にする。
あとは、完全に日本ペースで、同点にして心の余裕のできた日本打線は台湾投手陣に次々に襲い掛かり、この回だけで合計6点を奪って、結局「10-2」で大勝した。
この七回の攻撃は、このチームが、データの収集、分析から選手間の連携、機動力(走塁、スクイズ)まで完璧に出来上がってチームであることを示している(アジア地区予選中、日本の盗塁は3つ。日本の失策はフィリピン戦の1つだけ。五輪本大会出場権を争ううえで重要な韓国戦、台湾戦のエラーはなし)。
この試合に勝った結果、日本はアジア予選最終Lで3勝0敗で1位になって、北京五輪本大会出場を決めたが、この予選はフィリピン、タイなど、(北京五輪開催国の中国を除く)アジアのすべての野球国が(一次Lに)参加した「アジア野球選手権」でもある。サッカーのアジアカップ(アジア杯)と同じ「カップ戦」であり、星野はそれに全勝優勝したのである。
この瞬間、事前にささやかれていた「星野は日本シリーズで優勝したことがないから、(五輪のような)短期決戦に向かない」という批判は払拭されたと筆者は考えた。
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【日本シリーズなどというのは、しょせん、明るい照明、イレギュラーバウンドのないグランド、優秀な審判の安定したストライクゾーン、よく知られた対戦相手、というラクな条件のもとで行われる、おんば日傘の「国内試合」にすぎないのだから、そんなもので優勝した経験など、国際試合ではまったく役に立つまい。「星野は日本シリーズで優勝していないから…」などという批判こそまさしく、国際試合のなんたるかを知らない、2008年現在60歳以上の「ナイターでビール」世代の言いぐさだ(小誌2008年7月7日「星野JAPAN 1.1~シリーズ『北京五輪』(1)」 <
http://www.akashic-record.com/y2008/hj11r.html#02 > )。】
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ところが、これが「1.1」になると、なさけないほど打線のつながらない、機動力の使えない、選手間の連携の悪いチームになってしまう(9試合で7盗塁したが、エラーは6つもあった)。
象徴的な場面は、北京五輪本大会一次Lの対米国戦の延長十一回表。今大会で初めて導入されたタイブレーク(TB)方式のため、十一回以降はいきなり無死一、二塁で米国の攻撃、というピンチが来る。日本にとっては初めてのTB制だ。
この試合の日本投手陣は好調で、延長十回まで米国打線を0点に抑えていた。十一回表のマウンドに上がった岩瀬仁紀(中日ドラゴンズ)も十回表はみごとに抑えていた。
しかし、十一回表、彼をマウンドに送った星野は、バントのしぐさをしてみせた。おそらく米国のバントを警戒せよと言ったのだろう。タイブレーク制にはいると、五輪本大会ではどのチームもバントで二塁走者を三塁に進めることから始めていたからだ。
星野も岩瀬も、捕手も内野陣も、まったく同じ考えだった。
そこで、岩瀬は十一回表、走者への牽制も、牽制の擬投もせずに、先頭打者に対して不用意にバントをさせるための甘い球を投げてしまう。
一方、米国側はまったくバントの構えもせずに、その初球を強打してヒットにしたので、これで、日本側は投手も捕手も内野陣もベンチも一気に浮き足立ち、一気に4点を奪われる。11回裏の日本の攻撃で2点はいっただけに、日本のだれか1人が岩瀬に事前に「バントじゃないかもしれないから慎重に」と声をかけられなかったのか、と悔やまれる。
事実上の内野守備コーチとして内野手の守備位置を指示する役割を任されていた宮本慎也(主将)も、試合後のインタビューで「(準備段階で)タイブレーク(でバントをされないケース)を考えてなかった。(試合に)スッと入ってしまったのが選手もベンチも反省点」と、なんともなさけない告白をし、TB対策のお粗末さを認めている(日刊スポーツWeb版2008年8月21日「初タイブレーク準備不足で打たれた/野球」 <
http://beijing2008.nikkansports.com/baseball/p-bb-tp0-20080821-399299.html > )。
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【TB制導入は五輪開幕2週間前に急遽決まったため、参加8か国はどこも不慣れであり、その点では条件は同じであった(中日新聞Web版2008年7月27日「五輪野球『タイブレーク制』導入 星野監督怒った」 <
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/baseball/news/CK2008072702000087.html > 。但し米国は、日本戦の前に、一次Lのキューバ戦ですでに経験していた)。】
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明らかに五輪本大会の星野JAPANは、アジア予選のときと違って、相当に完成度の低いチームになっていたのである。
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1.0と1.1は、なぜこんなにチームの完成度が違うのだろう。
とくに「1.0」でチームメイトのバント失敗を補う好走塁を見せ、守備コーチとしても完璧だった宮本は、なぜ「1.1」の米国戦ではあんなまぬけなコメントをしたのだろう。
なぜ、こんな奇妙なことが起きたのだろうか。
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               コメディー
             かつての上司を逮捕せよ!?
                 ↓
       
http://www.akashic-record.com/oddmen/cntnt.html

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【NHKで絶賛】 <
http://www.nhk.or.jp/book/review/review/2004_b_0704.html >
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●突然、準備不足?●
そこで、推測される原因は「1.1」の「準備不足」だ。
「1.0」は2007年11月に、九州と台湾であわせて実質約2週間の合宿を行ったが、「1.1」は2008年8月に8日間合宿しただけで北京入りしているので(北京入り後の練習は3日間)、合宿期間が足りなかったのではないか、という気がする(1.0と1.1の準備期間の違いは[星野JAPANの直前合宿と練習試合] <
http://www.akashic-record.com/y2008/hjlost.html#table_hjhj > を参照)。
_
星野自身、合宿開始前に、合宿の短さについて「(準備は)普通は1カ月欲しい。2週間でも自信はある。1週間では(完ぺきにまとめるのは)ムリだろう」と発言している(デイリースポーツWeb版2008年7月12日「星野監督 金獲りへ球宴で“予行演習”要請」 <
http://www.daily.co.jp/olympic/peking/peking_baseball/2008/07/12/0001226775.shtml > )。
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この発言はかなり本気のようで、星野は、8月2日から始まる合宿期間の短さを補うために、7月31日~8月1日のオールスター戦で、星野JAPAN 1.1に選ばれている投手に限っては、国内使用球でなく、五輪使用球で投げさせてほしいと日本プロ野球組織(日本野球機構、NPB)に要請したいという発言さえしている(デイリー前掲記事)。
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おそらく、この「1.1」の合宿期間の短さを補うために、2007年11月に2週間以上合宿して、北京五輪アジア地区予選3試合を戦い、選手間の連携や国際試合への「慣れ」を確立した「1.0」のメンバーから(24人中)19人を再度選び、「同じメンバーだから8か月前のことを覚えているだろう」ということで、星野は折り合いを付けようとしたのだろう。筆者も、この合宿期間の短さを考えれば、これしか方法がないと思っていた。すなわち、いくら2008年のプロ野球ペナントレース(シーズン)前半戦の成績がいいからといって、「1.0」に参加していなかった「国際試合の素人」を大勢「1.1」に入れるのは危険だと思ったのである。
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ところが、今回、北京五輪本大会を見てわかったことは、どうやら「野球選手は(どんな貴重な経験をしても)8か月経つと忘れるらしい」ということだ。
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          恥を知れ、ぬすっとブロガー

         小誌記事をコピペすることは違法です

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●3当2落●
やっぱり、北京入り前の合宿がたった8日間だけでは、8か月前の国際試合の感覚は思い出せないのか、と筆者は一瞬思ったが、念のため、国際大会で星野JAPAN 1.1よりよい成績を上げた過去の日本代表や、今回の北京五輪本大会で日本代表より上の成績を上げた各国代表が、事前にどのような準備をしたのかを調べてみた(小誌Web版2008年8月31日[野球各国代表の直前合宿と練習試合] <
http://www.akashic-record.com/y2008/hjlost.html#table_rivals > )。
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すると、星野JAPAN 1.1の合宿期間は、必ずしも短いとは言えないことがわかった。
銅メダルを取った2004年アテネ五輪の長嶋JAPAN(長嶋茂雄監督、中畑清監督代行)は7月中旬のキューバとの強化試合2試合のあと、直前合宿をイタリアのパルマで5日間(合宿中にイタリア地元チームと練習試合2)行っただけだから、代表選手が全員顔を合わせたのは現地(ギリシャ)入り前には合計7日しかなかったことになる(ギリシャ入り後の練習期間は4日)(これを「合宿期間=7+4日」とする)。
2006年ワールドベースボールクラシック(WBC)で優勝した王JAPAN(王貞治監督)は、九州での合宿(合宿中に練習試合が3試合)が7日と東京ドームでの壮行試合が1試合なので、広義の事前合宿期間は8日である。
2008年北京五輪のキューバ代表は2008年5月に代表チームを結成し、同年7月にオランダのハーレムで開かれたアマチュア野球の国際大会、ハーレムベースボールウィーク(一次Lから決勝Tまで7試合)に出場し、日米蘭の大学生チームなどと戦ったあと、韓国で約3週間の合宿にはいり、韓国の地元プロチームや韓国代表と練習試合を行って北京入りしている。合宿期間は五輪参加国中最長の「約3か月」だが、優勝はのがし、銀メダルに終わった。
同五輪の米国代表は7月31日にチームを結成し、8月4日まで米国内で合宿し、その間カナダ代表と4試合の練習試合(強化試合)をしたあと、北京に飛び、以後は中国国内で練習しているので、事前合宿は長めに見積もっても「5+6日」しかない。結果は3位決定戦で日本を倒して銅メダルだった。
もっとも注目すべきは、韓国代表で、その事前合宿期間は、実は日本と同じ8日間しかないが、北京五輪本大会での結果は金メダルだった。
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北京五輪本大会の韓国代表は2008年8月1日に召集され、全員そろっての練習は2日からだが、7日は休みで10日は北京への移動日で、北京現地練習は2日だから、事前合宿期間は休日を入れても「8+2日」しかない(韓国プロ野球応援サイト ストライクゾーン 2008年8月「韓国代表五輪までの日程」 <
http://www.strike-zone.jp/beijing08.html#korea0808 > ):
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8月1日(金) 召集
 2日(土) 練習(ソウル・チャムシル球場)
 3日(日) オールスター戦(インチョン・ムナク球場)(出場選手以外はソウルで練習)
 4日(月) 強化試合・対オランダ代表(ソウル・チャムシル球場)
 5日(火) 強化試合・対キューバ代表(ソウル・チャムシル球場)
 6日(水) 強化試合・対キューバ代表(ソウル・チャムシル球場)
 7日(木) 休日
 8日(金) 練習(ソウル・チャムシル球場)
 9日(土) 練習(ソウル・チャムシル球場)
10日(日) 移動日
11日(月) 北京現地練習
12日(火) 北京現地練習
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実はこの「韓国代表2008.8」の日程は、以下の星野JAPAN 1.1の日程とほとんど同じである(毎日新聞Web版2008年8月2日「北京五輪:野球 延長戦備え連係に重点 - 星野J合宿」 <
http://mainichi.jp/enta/sports/08olympic/news/20080802ddm035050140000c.html > ):
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8月1日(金) 召集
 2日(土) 練習(読売ジャイアンツ球場)
 3日(日) 練習(読売ジャイアンツ球場)
 4日(月) 練習(読売ジャイアンツ球場)
 5日(火) 練習試合(対巨人2軍)が雨で中止になったので、室内練習(読売ジャイアンツ球場)
 6日(水) 休日
 7日(木) 練習(東京ドーム)
 8日(金) 強化試合・対パ・リーグ選抜(東京ドーム)
 9日(土) 強化試合・対セ・リーグ選抜(東京ドーム)
10日(日) 移動日。夜から北京現地練習(雨のため室内練習)
11日(月) 北京現地練習
12日(火) 北京現地練習
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日本側はこの日程を2007年11月に早々と決めているので、韓国側が日本側のまねをした可能性が高い。
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韓国代表が日本代表と同じく、国内ではたった8日間の合宿しかせずに金メダルを獲ったところを見ると「強い選手を五輪直前に集めてちょっと練習すれば勝てるなんて甘いものではない。1年以上前から五輪チームを組織し、合宿をして連帯感を持たないと勝てない」という福田富昭・北京五輪日本選手団長の批判は間違いだったということになる(サンスポWeb版2008年8月24日「福田団長、野球とサッカー男子を痛烈批判!」 <
http://www.sanspo.com/beijing2008/news/080824/obc0808241521004-n1.htm > )。福田は即刻日本球界関係者に対して謝罪してもらいたいし、二度と「団長」はしないでもらいたい(事実関係も確認せずに、軽率な発言をする者が「団長」なら、日本の金メダルがアテネの16個から9個に急減したのもうなずける)。
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が、結果的に見ると、練習試合(強化試合、壮行試合)の数が日韓間の唯一最大の違いとなった。
8月5日、巨人の2軍との練習試合が中止になったあと、「1.1」のメンバー、稲葉はこう述べている:
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「シーズン中にバントやエンドランをやっていない。打者にサインを出すタイミングとか、チームプレーを確認したかった」(日刊ゲンダイWeb版2008年8月6日「●ぶっつけ本番に選手の戸惑い」 <
http://gendai.net/?m=view&g=sports&c=040&no=30362 > )
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この時点で、雨で中止になった試合の代替試合は予定されていないものの、8月8~9日に、絶対雨で中止になるはずのない、東京ドームでの壮行試合(強化試合)がセパ両リーグ選抜を相手に残されていた。にもかかわらず、稲葉がこのような不安を口にしたということから見て、また、アテネ五輪、WBC、北京五輪の各国代表の練習試合の数と最終順位から見て、国際大会で3位以上にはいり、満足な成績を上げるには「練習試合は2試合では足りず、3試合なら足りる」という「3当2落」の法則が成り立つと言えそうだ。
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        2009年以降、北朝鮮は豹変する
               ↓
    
http://www.akashic-record.com/angel/cntnt.html

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【桶狭間】 → <
http://www.akashic-record.com/angel/okehaz.html#mail >
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●絶好機をパス!?●
それなら、星野JAPAN 1.1が北京五輪で4位と惨敗した原因は、8月5日に川崎市に降った雷雨、あるいは、巨人との練習試合中止後に代替試合を用意しなかったNPBにあるのであって、星野の責任ではない…………かというと、そうではない。
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実は、この練習試合をの不足を補う絶好のチャンスがあったのだ。
中国代表が、8月11日か12日に練習試合をしたいと申し込んでくれたのだ。これについては星野自身、当初は「投手のやりくりがつけば、やってもいいかな。現地で練習試合をやれるメリットは大きい」と語っていた(毎日新聞前掲記事、スポニチWeb版2008年8月1日「中国から星野ジャパンに“挑戦状”」 <
http://www.gslb.sponichi.co.jp/baseball/flash/KFullFlash20080801095.html > )。
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もしこの試合をしていれば、星野JAPAN 1.1の北京五輪本大会前の練習試合の数は、韓国代表と同じ3試合になるから、稲葉が抱いていた不安は払拭される。
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そのうえ、この練習試合の会場は、五輪本番で使う球場なので、ここで練習試合をすれば、事前に会場の照明の暗さや芝の状態、外野フェンスのクッションボールのはね返り方やファウルグランドの広さ(狭さ)を体感できることになる。これは開催国中国以外では、日本だけに与えられた「特権」となり、日本を、韓国、キューバなどのライバル国に対して圧倒的な優位に立たせる好材料となったはずだ。
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にもかかわらず、星野JAPAN 1.1は、この練習試合の申し込みを断った。
理由は明かされていない。もしかすると、NPB関係者(あるいは、アマチュアも含めた日本球界全体の組織である全日本野球会議)が手続き上の理由で反対したのかもしれない。
しかし、星野JAPAN 1.1は元々11~12日に北京のグランド(五輪主催当局が本番で使う五カ松球場、五カ松第二球場のすぐそばに建設した練習用球場)で練習するはずだったのだから、日程上はなんの問題もない。だから、星野が「どうしてもやりたい」と言えば、日本球界関係者が反対するはずはない。
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上記の星野の発言には気になる箇所がある。それは「投手のやりくりがつけば、やってもいいかな」という部分である。
もし星野が本番(五輪一次L初戦のキューバ戦)の前々日に試合をすると、投手が疲れるのでやめたほうがいい、と思ったのなら、国際試合のなんたるかを知らないと言わざるをえない。
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王JAPANを見よ。2006年3月3日のWBC一次L開幕の前々日に、巨人と練習試合をしているではないか(一次L終了後も二次Lとの間に、試合カンを維持するために米大リーグの単独チームと前々々日まで試合をしている)。
そもそも、練習試合は投手のためにするものではない。稲葉が言うように、野手が選手間の連携を確立するためにするものだ。
2004年の長嶋JAPAN(指揮は中畑清「監督代行」)は、キューバとの練習試合を、五輪本番の1か月前に2試合組んだが、シーズン中のため、投手の登板間隔が詰まっており「投手のやりくり」がつかなかった。そこで、当時の社会人野球の投手を3人ほど借りて登板させている。
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つまり、星野は中国から練習試合を申し込まれた時点で、プロの2軍やアマチュア球界に声をかけて、練習試合用の投手を借りればよかったのだ。
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たとえそれができなくても、11日の練習試合で投げた投手は14日の台湾戦まで中2日、15日のオランダ戦まで中3日、16日の韓国戦まで中4日、18日のカナダ戦まで中7日登板間隔があく。日米のプロ野球では先発投手は最低中4日の登板間隔が必要とされるが、1995年の米大リーグ(MLB)のオールスター戦で先発して2イニング投げた野茂英雄投手が中1日でシーズン中の先発ローテーションに戻ったように、2イニング以下の投球なら、本番のローテーションには影響はないはずだ。台湾戦先発の涌井秀章(埼玉西武ライオンズ)、オランダ戦先発の杉内俊哉(福岡ソフトバンクホークス)、韓国戦先発の和田毅(同)、カナダ戦先発(13日のキューバ戦にテスト的にショートリリーフ登板)の成瀬善久(ロッテ)の合計4人の投手に2~3回ずつ投げさせれば、なんの問題もない。
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もし投手を3人にしたいなら、「練習試合だから7回までにしよう」と申し込めばいいし、TB制の練習をしたいなら、「6回までは普通にやって、7回からは点差に関係なくTB制にしよう」と頼めばいい。中国代表監督は日本のロッテオリオンズでプレーしたことのある親日家のジム・ラフィーバーなので、たぶんなんでも聞いてくれたはずだ。
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そして、この「場所が中国で相手も中国」という練習試合をやれば、自動的に審判は外国人ということになる。つまり、本番前に、日本選手は国際試合の審判の判定に慣れることができたのだ。
この機会をのがしたことが、結果的に非常に痛かった。
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星野JAPAN 1.1が惨敗した原因が星野監督の采配にあると議論している連中のほとんどは、国際試合の素人だ(どうもサッカーと違って、野球の場合は、かなり経験豊富な元選手の解説者でも、国際試合のことは知らないらしい)。
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星野自身と国際試合に精通したアマチュア球界関係者の発言を見れば、敗因は明らかだ。
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星野は帰国後の記者会見で、ポイントになった試合は初戦(8月13日の一次Lキューバ戦)であり、「(初戦で)非常にバッターがストライクゾーンというものに不信感というか、怖さを感じた」と述べている(サンスポWeb版2008年8月24日「星野監督『責任者として本当に申し訳ない』」 <
http://www.sanspo.com/beijing2008/news/080824/oaa0808241942008-n1.htm > 、同25日「星野監督トーク『勝ったものが強い」』」 < http://www.sanspo.com/beijing2008/news/080825/oaa0808250431002-n1.htm > )。
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ロサンゼルス五輪野球日本代表の監督を務めた松永怜一は、全員プロの日本の選手や監督たちがアマチュアの審判を知らなさすぎると酷評する。
たとえば、初戦のキューバ戦で里崎のハーフスイングの判定をめぐって星野が球審に抗議したことを指して、松永は「アマチュアでは考えられない(暴挙)」と批判する(サンスポWeb版2008年8月24日「『プロ感覚』抜けず…審判も敵に回していた」( <
http://www.sanspo.com/beijing2008/news/080824/oaa0808240440004-n1.htm > )。
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また、日本のプロ野球では、捕手はストライクゾーンぎりぎりで投球を捕球した際、微妙に手首を内側に返してストライクに見せようとするが、これを国際試合でやると「審判の技能をばかにしたことになり、10人目の敵を作ることになる」にもかかわらず、日本の捕手は最後までこれを続けた(サンスポ前掲記事)。
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審判は試合後にミーティングを開くので、その場で審判たちが「日本はいったいなんなんだ!!」と非難し合ったことは確実で、「ストライクゾーンなど日本へのジャッジが最後まで辛めだったことは、決して偶然ではないだろう」(サンスポ前掲記事)。
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しかし、8か月前はこうではなかった。
星野JAPAN 1.0は、2007年11月22~23日に、オーストラリア(豪州)代表を福岡ヤフードームに招待して強化試合を2試合行ったが、この際、豪州人の審判を2人に招き、星野の希望で、2試合とも豪州人に球審を務めてもらった。
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このため、11月22日の初戦の一回裏、一塁走者の西岡剛(ロッテ)が、日本では完全にボークになる形での牽制球でアウトにされ、日本代表選手全員がショックを受けたのだ。
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そしてこのショックが、2007年12月1~3日のアジア予選(決勝L)では最後まで有利に作用した。
つまり、国際試合の審判なんてこんなもの(へたくそ)だ、と監督も選手も事前にわかっていたので、本番中、監督も選手も一度も抗議をしていないのだ。このときの韓国戦では、岩瀬は日本と違う不安定なストライクゾーンにかなり苦しんだが、事前に「国際試合の審判なんてどうせこんなもの」と思っていたので、2イニング以上投げて1点しか取られなかった。
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            中 国 解 体
               ↓
  
http://www.akashic-record.com/dragon/cntnt.html

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【桶狭間】 → <
http://www.akashic-record.com/dragon/okehaz.html#mail >
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●偽装スタメンの背景●
同じ頃韓国はどうだったか、というと、その準備の仕方は日本の正反対だった。
キム・ギョンムン(金卿文)監督率いる「韓国代表2007」は韓国内と沖縄と台湾国内であわせて約4週間の合宿をしたが、その間に行った対外練習試合は、なんとゼロ。チーム内のレギュラーと準レギュラーの試合、つまり、日本でいう「紅白戦」を7試合やっただけだった(朝鮮日報日本語版2007年11月12日付「北京五輪野球:韓国代表、キャンプ地沖縄に到着」 <
http://www.chosunonline.com/article/20071112000007 > )。
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星野JAPAN 1.0は豪州代表との2試合のほか、巨人などとも3試合の練習試合をし、合計5試合の練習試合をこなして開催地の台湾にはいっているので、その差は歴然としていた。
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おそらく金卿文は、アジア予選開幕直前に、韓国代表の、国際審判への対応や練習試合の回数が、日本とあまりにも違いすぎることを知って、「このまま普通に日本と戦うと、単に負けるだけでなく、ボロ負けする恐れすらある」と気付いただろう。
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そこで、彼はボロ負けを防ぐために何かしないわけにはいかなったのだろう。
彼は、アマチュア野球のルールでは、試合開始1時間前に(球場の電光掲示板表示を準備するために)交換した先発メンバー(スタメン)表を、故障した選手が出た場合に備えて試合開始直前に変更してもいい、というルールを悪用して、直前に投手も含めて6人も入れ替え、打順も大幅に変えたのだ(朝鮮日報日本語版2007年12月3日付「北京五輪野球:先発変更への不満は日本の無知」 <
http://www.chosunonline.com/article/20071203000055 > )。
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大会前の各国代表の監督会議では「1時間前にメンバー表を交換したあとはもう変更しないことにしよう」という紳士協定が結ばれていただけに、この「猫だまし」のような作戦は明らかに姑息、卑怯であり、大会後、国際野球連盟(IBAF)から問題視され、韓国は北京五輪に審判を派遣することを禁じられた(中央日報日本語版2008年8月8日付「野球:北京五輪、韓日戦は心理戦からスタート」 <
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=103316&servcode=600&sectcode=670 > )。
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全世界が呆れる「偽装スタメン」は、韓国側が「練習試合ゼロで日本にボロ負けしそう」と焦ったことが原因と考えると理解できる。
この作戦はある程度奏効し、星野JAPAN 1.0は明らかに動揺し、先発投手、左投げの成瀬は、1時間前のメンバー表では下位打線にいたものの5分前のメンバー表で二番打者になった右打者のコ・ヨンミン(高永民)に本塁打を打たれて先制点を許した。
それでも練習試合と国際経験の不足はどうしようもなく、韓国は「2ストライクと追い込まれてからの(打者の)対応能力」の差がもろに出て、韓国守備陣のエラーもあって、「ワンランク上の戦力」を相手に敗れた(朝鮮日報日本語版2007年12月4日付「北京五輪野球:韓国が越えられなかった日本の壁」 <
http://www.chosunonline.com/article/20071204000025 > 、同3日付「北京五輪野球:韓国、決定打不足に泣く」 < http://www.chosunonline.com/article/20071203000002 > 、同3日付「北京五輪野球:日本、科学的トレーニングで韓国戦制す」 < http://www.chosunonline.com/article/20071203000012 > )。
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日本選手団長の福田に言いたい。「国際試合は強い選手を直前に集めてちょっと練習すれば勝てる甘いもの」なのである。「韓国代表2007」を見てもわかるとおり、だらだらと4週間も合宿をしたところで、意味はない。合宿は1週間で十分である。但し、その期間中に、対外練習試合を3試合以上、その練習試合のなかに外国人審判が球審を務める試合を2試合以上行う必要がある。
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●けじめ●
星野JAPAN 1.1の、最大にして、ほとんど唯一の敗因は練習試合の不足である。
その責任は、代表合宿期間中に外国人審判を招いて強化試合をせず、雨で中止になった巨人2軍との練習試合の代替試合を組まなかった、NPBら日本球界関係者の「マッチメイク」能力の不足にある。これは、2008年に限っては、キューバ、オランダから「A代表」を招いて3試合も強化試合を組んだ韓国野球委員会(KBO)のほうが上だったと言える。
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しかし、最大のポイントは、代表監督である星野自身が、これらの練習試合不足を補って余りある「本番で使う球場での練習試合」という好条件を中国から提示されたにもかかわらず、断ったことにある。
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この点について星野自身の口から説明しない限り、星野が日本代表監督として、北京五輪に続いて2009年3月のWBCにも臨むという、いわゆる「続投」は論外である。
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だいたい、サッカー日本代表監督なら、A代表であれ五輪代表であれ、国民の期待を裏切った時点で即解任ではないか。アジア予選で台湾代表監督を務めた郭泰源(元西武ライオンズ投手)は、韓国戦1試合に負けたことを理由に代表監督を辞任している(朝鮮日報日本語版2008年2月25日付「北京五輪野球:台湾、韓国との練習試合を拒否」 <
http://www.chosunonline.com/article/20080225000011 > )。それが国際スポーツビジネスの常識だろう。星野が惨敗後に代表監督として続投することは、星野自身にとって恥なのは言うまでもないが、日本にとっても恥である。もし星野がWBCでも韓国に負けたら、日本は世界の笑いものだ。
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それに、星野は、他の代表監督とは練習試合に対する考え方が違うように見える。
長嶋JAPAN、王JAPAN、北京五輪本大会の韓国代表、米国代表はいずれも、合宿開始(代表選手全員の初招集)後かなり早い段階で練習試合をし、「先に試合をし、あとで練習(をして弱点を修正する)」という方針をとっているが、星野JAPANは逆で、「1.0」でも「1.1」でも、「先に練習をして、あとで試合をする」という方針をとり、最大の練習試合は合宿最終盤に持って来ている(小誌Web版2008年8月31日[野球各国代表の直前合宿と練習試合] <
http://www.akashic-record.com/y2008/hjlost.html#table_rivals > )。
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上記の如く「1.1」では星野は、8月2~4日に(北京の暑さに慣れるために?)炎天下で練習し、そのあと5日にその成果を試すために巨人2軍と練習試合(雨で中止)、そのあと1日休んで7日に東京ドームで練習し、8~9日に最後の強化試合という日程をNPBに提案されて了承している。もしも星野が長嶋や王のように「先に試合」の方針をNPBに強く訴えて、8月3日頃に練習試合を組んでおけば、それが雨で流れることはなかったわけで、結果論だが、星野の練習試合に対する考え方が仇になったと言える。
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ちなみに「先に試合」という考えを持つ代表監督、長嶋(中畑)、王、金卿文および北京五輪米国代表のデーブ・ジョンソン監督は全員、野手出身なのだ。野村克也・東北楽天ゴールデンイーグルス監督が「投手出身の監督は視野が狭い」と星野を批判していたが、そのとおりかもしれない(デイリースポーツWeb版2008年8月25日「ノムさん 星野JAPANをメッタ斬り」 <
http://www.daily.co.jp/baseball/2008/08/25/0001373327.shtml > )
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【次回 <
http://ameblo.jp/akashic-record/day-20080902.html > へ続く】
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追伸:
本メールにご意見等を投書されたい方は本メールに返信する形で投書を下されば、スタッフ(編集部)によるセキュリティ等のチェックを経て、数日後に筆者に転送されます。
但し、melma.comのシステム上、誠に申し訳ございませんが、本メールに返信されても「退会」手続きは成立しません。
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Copyright (C) 2001-2008 by Satoshi Sasaki
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【この記事へのご意見等は、ブログの「コメント」としてではなく、なるべくメールマガジン( <
http://www.akashic-record.com/admin/regist.html > )への返信としてお寄せ下さいませ。スタッフ(「週刊アカシックレコード」編集部)はメールマガジンを最優先に対応しておりますので、返信メールのほうが、佐々木敏本人の目に触れる確率が高くなり、目に触れる時機も早くなります。ただ、なにぶん頂くファンメールの数が非常に多いので、すべてにお返事を差し上げることはできません。あしからず御了承下さいませ。】

日本の陰謀?:週刊アカシックレコード080804

■イ・スンヨプの謎~週刊アカシックレコード080804■
北京五輪野球「タイブレーク制」導入は日本の陰謀か。また、2008年4月に絶不調で2軍落ちし、7月に1軍復帰して本塁打を打ったイ・スンヨプ(巨人)が北京五輪野球韓国代表チームに参加するが、彼は日本代表(星野JAPAN)の脅威になるのか。
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【お礼(1位)とお詫び】
前回「小誌の配信を代行しているmelma.comが『相次ぐ食品偽装』という題で2008年7月現在の日本の世相を批評する投稿を募集したので応募したところ、『なりきりコメンテーター:食品偽装問題』( < http://melma.com/contents/comment/food_labeling_scandals.html > )というページの、かなり下までスクロールしたところで『[歓迎すべき偽装告発] 評論者:佐々木 敏さん』として掲載されました」ので投票をお願い致しました。御投票下さった皆様には、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。有り難うございました。
が、投票締め切りが日本時間2008年7月28日であり、前回記事の配信が同日午後8時でしたので、投票締め切りまであと4時間しかありませんでした。
実はそのことを記事中に書こうと思っていたのですが、配信前日まで本業の小説の執筆で忙しく、当日は未明から18時間ぶっ通しでメルマガの記事を書いていたため、疲労のあまり締め切りについて書くのを忘れてしまいました(メルマガの件名を「謎のウィルス感染」に替えるのも忘れてしまいました)。このため29日以降に投票を試みた方々には「無駄足」となり、大変申し訳ございませんでした。
が、皆様のご支持により、拙稿が「相次ぐ食品偽装」の投稿記事中最高の27.8%の支持率を頂き、1位になりました(2位は支持率8.7%。 < http://melma.com/contents/comment/food_labeling_scandals_fix.html > )。
ご投票有り難うございました。
m(_ _)m
【猛獣使い】
2008年5月、日本政府は中学生向け学習指導要領の竹島に関する記述改訂は穏便にこっそりやろうとしたのに、読売新聞(Web版2008年5月18日)がスクープしたため、日韓間の外交問題に発展。
洞爺湖サミット中の7月9日の日韓首脳会談で、竹島を独島と呼んで実効支配する韓国のイ・ミョンバク(李明博)大統領が福田康夫首相に「いまはは困る。待ってほしい」などと記述改訂を容認するような発言をしたことを、また読売(7月15日付朝刊)がスクープしたため(両国政府関係者は否定)、韓国で反日感情と同時に大統領批判が沸騰。
韓国政府は駐日大使の召還や竹島近海での軍事演習などの強い措置に出ざるをえなくなり、騒ぎが十分に大きくなったところで、7月27日、米政府機関(地名委員会)が竹島の帰属を韓国領から「主権未確定」に変更した、と米国務省が発表。
韓国は「米国にも見捨てられた」と大騒ぎし、韓国中が絶望…………したところで、7月30日、ブッシュ米大統領が「元に戻す」と発表すると、一転して韓国中は、乞食が千両箱をもらったかのように大喜び。
もし米国政府が、韓国人の「独島(竹島)と聞くと条件反射的にバカ騒ぎをする」習性を利用して、読売を動かして上記の記事を書かせてから、地名委員会の帰属表示を、あとで元に戻すつもりで、一時的に変えたのだとすれば…………ぜんぶ説明がつきます。
米国から見ると、地図上の単語を2つ3ついじるだけで、何も失わずに韓国に恩を売れるので、8月5~6日の、ブッシュ米大統領訪韓の際には、米国産牛肉の輸入解禁問題でもなんでも、別件で韓国に米国の要求を呑ませやすくなります。
一連の騒動で韓国が得たものは何もないのに。
まるで、もらえるエサの量が変わらないのに喜ぶ「朝三暮四」のサルみたい。
単細胞な国民は損ですね。
(^^;)
【拙著に関する個人ブログの虚偽宣伝】
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■イ・スンヨプの謎~シリーズ「北京五輪」(3)■
【小誌2008年7月7日「星野JAPAN 1.1~シリーズ『北京五輪』(1)」は → < http://www.akashic-record.com/y2008/hj11r.html#02 > 】
【前回「謎のウィルス感染~シリーズ『北京五輪』(2)」は → < http://www.akashic-record.com/y2008/leendo.html#02 > 】
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イ・スンヨプ(李承ヨプ)は韓国プロ野球界(韓国野球委員会、KBO)のサムスンライオンズでは年間50本以上の本塁打を打ったことのある「大砲」だったので(1999年に54本、2003年に56本)、2003年シーズン終了後、自信満々で米大リーグ(MLB)に自らを売り込んだ。ところがMLBの球団はどこもまともに相手にせず(極めて安い年俸でマイナーリーグ選手として契約してもいいと言った球団が1つあったが、あまりに屈辱的だったのでそれは断り)、仕方なく2004年から日本プロ野球組織(日本野球機構、NPB)パ・リーグの千葉ロッテマリーンズ(ロ)に入団した。2006年にはセ・リーグの読売巨人軍(巨)に移籍し、こんにちに至っている。
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以下は、彼の日本での、シーズン中(ペナントレース)の年度別打撃成績である(2008年度は7月29日まで):
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【イ・スンヨプの年度別打撃成績(1軍公式戦)】
年 団 試合 打数 安打 打点 本塁 打率
04 ロ _100 _333 __80 __50 _14 .240
05 ロ _117 _408 _106 __82 _30 .260
06 巨 _143 _524 _169 _108 _41 .323
07 巨 _137 _541 _148 __74 _30 .274
08 巨 __18 __64 ___9 ___5 __1 .141
[資料:NPB Web 2008年7月29日「個人年度別成績 李承ヨプ(読売ジャイアンツ)」( < http://bis.npb.or.jp/players/51455119.html > )]
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●アジアの大砲?●
ロッテ入団当初、イ・スンヨプはパ・リーグの1軍投手がまったく打てず、ファーム(2軍)に落とされた。その後なんとか這い上がって1軍の試合に出たものの、祖国で活躍したときのように四番打者やクリーンアップトリオを務めることはできず、七番打者に甘んじた。彼は2年間ロッテに在籍し、2年目には成績も向上したが、それでも打率.260、82打点、本塁打30本に留まり、2005年のシーズン終了後、彼はロッテを退団した。
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その彼を、なぜかセ・リーグの巨人が獲得した。
その移籍決定後に開催された2006年3月のワールドベースボールクラシック(WBC)では、彼は韓国代表チームの三番打者として出場し、日本代表(王貞治監督率いる王JAPAN)の投手を相手に、一次リーグ(L)、二次L、準決勝の3試合で対戦した…………が、結果は(11打数)1安打しか打てずに終わった(日本野球機構Web 2006年3月20日「'06年 WORLD BASEBALL CLASSIC 試合結果」 < http://www.npb.or.jp/wbc/2006score_fn.html > )。
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理由は単純明快だ。王JAPANには、イ・スンヨプのロッテ時代の同僚、里崎智也捕手(現在もロッテに所属)がいたからだ。当時、里崎がTVカメラの前で
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「スンちゃんは、どこに投げれば打たれないか、完全に(弱点が)わかっているので、そこ(弱点のコース)ばかり狙って(投手に)投げさせればいいんだ」
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と豪語したことでも明らかなように、イ・スンヨプはほぼ完璧に王JAPANの投手陣に抑え込まれた。イ・スンヨプが王JAPANの投手陣から打ったただ1本のヒットが本塁打だったので「日本に強い」と誤解している野球ファンもいるが、実は、そのとき打たれた石井弘寿投手(東京ヤクルトスワローズ)は怪我をしており、その登板を最後に王JAPANを離脱している。
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つまり、イ・スンヨプは、怪我人の失投を本塁打にしたのを除くと、他の打席はすべて打ち取られたのであり(とくに準決勝では4打数0安打3三振に終わり、ほとんどまともにバットに当てることもできなかったのであり)、「日本のプロ野球で通用する実力がない」と言われても仕方がないほどのレベルだった。
が、日本戦以外ではヒットを量産し、WBCのベストナインに選ばれたため、この時点では一部の専門家以外、その真の実力には気付かなかった。
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案の定、イ・スンヨプは、2006年の日本のプロ野球シーズンが始まると、巨人の四番打者として起用されたにもかかわらず、すぐにレベルの低さを露呈した。2006年4月は、前半こそ高打率を記録したものの、後半に失速して打率が急降下し、祖国の新聞には(セ・リーグ各球団に弱点を見破られた結果)「絶不調に陥った」と書き立てられた。
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韓国の新聞、朝鮮日報は、スポーツ報知の記事を引用し、王JAPANで里崎のチームメイトだった広島東洋カープの黒田博樹投手が、膝元に落ちるスライダーと外角高めの速球でイ・スンヨプを2打席連続三振に仕留めた例を挙げ、「膝元に落ちる変化球を決め球にされる」と弱いようだと紹介した(朝鮮日報日本語版2006年4月28日付「野球 弱点バレた? イ・スンヨプ絶不調」 < http://www.chosunonline.com/article/20060428000054 > )。
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しかし、5月になると、イ・スンヨプはの打率は再び上がり始める。
そして、5月後半なると、セ・リーグとパ・リーグの交流戦が始まり、彼の所属する巨人も、2005年まで彼が所属していたロッテと対戦することになった。
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となると当然、ロッテは里崎を先発捕手に起用し、里崎は自軍の投手をイ・スンヨプの弱点、つまり絶対に打てないコースを突く投球をするようにリードする。両球団の交流戦は巨人側の本拠地、東京ドームでの3連戦が最初だったが、里崎にはイ・スンヨプを抑える自信があったはずだ。
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ところが、その3連戦の初戦、5月26日、意外なことにイ・スンヨプは打てないはずのコースの投球(筆者の記憶では外角高めの速球)をもののみごとに打ち返し、二塁打を放った。そしてその翌27日、翌々日28日には2日連続で本塁打すら放った。つまり、2006年4月まで打てなかったコースが、2006年5月以降、突然打てるようになっていたのだ。
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その後の2006年のシーズンでは、イ・スンヨプはそのまま打ち続け、シーズン終了時には、年間本塁打が41本に達し(打率.323、108打点)、押しも押されもせぬ、巨人の四番打者になっていた。この年、巨人の試合はほぼ全試合、韓国でTV中継されていたので、彼は祖国のファンに対して十分に面目を保つことができた。
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この年のシーズン終了後、巨人はイ・スンヨプと、2010年までの4年間で年俸などの総額が30億円という、松井秀喜外野手(現ニューヨークヤンキース)の巨人時代の年俸をも上回る破格の契約を結んだ(スポーツナビ+スポーツ病療養記2006年11月6日「イ・スンヨプの大型契約に物申す!!」 < http://www.plus-blog.sportsnavi.com/bestat/article/8 > )。
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【スポーツナビ+気になるスポーツ情報2006年12月7日「年俸についての不平等」( < http://www.plus-blog.sportsnavi.com/suportsreform/article/2 > )は、MLBで標準化されている「守備位置別の打撃成績評価」を紹介しつつ、守備の簡単な一塁しか守れないイ・スンヨプが4年で30億円もらえるなら、守備の難しい遊撃手を務める巧打者の井端弘和(中日ドラゴンズ)などはそれ以上の金額がもらえるはずだ、と述べており、興味深い。】
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ところが、2007年シーズンが始まると、イ・スンヨプは2006年ほどには打てなくなった。打率が低迷し、打順を四番から六番に下げられ、夏にはとうとう2軍に落とされた。その後、1軍に復帰し、打順も四番に戻ったが、チャンスに弱く、とくに一流投手に弱く、2006年に見せたような打棒を披露することはできないままに終わった。
2007年シーズン終了時の成績は、打率.274、74打点、本塁打30本に終わり、パ・リーグにいたとき、つまり七番打者だったときの成績に戻ってしまった。
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つまり、イ・スンヨプが巨人の四番打者にふさわしい打力(打率.300、本塁打40本前後)を持っていたのは、2006年5月からシーズン終了までの、たった5か月間だけなのだ(これを「一流時代」と呼ぶことにする)。それ以外の期間(「二流時代」とする)は、打率.280以下、本塁打30本以下の、六番打者か七番打者にふさわしい力しか発揮していない。
この理由は至って簡単で、「二流時代」の彼は、制球力のある日本の一流投手に、内閣低め(膝元)と外角高め(ボールになるコース)に、変化球と速球を投げ分けられると、いとも簡単に三振する「扇風機」だからだ。
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          恥を知れ、ぬすっとブロガー

         小誌記事をコピペすることは違法です

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●世界の大砲?●
2007年のシーズンを「二流」として終えたイ・スンヨプは、怪我を理由に、2007年12月に台湾で行われた北京五輪野球アジア地区最終予選(アジア野球選手権)では、韓国代表としての出場を断った。
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が、イ・スンヨプは、アジア最終予選で2位になった韓国が出場した、2008年3月7~14日の世界最終予選には、韓国代表チームの四番打者(または三番打者)として参加した。
台湾で行われたこの大会には、韓国、台湾のほか6か国(地域)が出場し、合計8か国で残り3か国になった北京五輪本大会出場枠を争ったが、韓国は南アフリカ共和国、オーストラリア(豪州)、メキシコ、スペイン、ドイツに5連勝してあっさり本大会出場権を獲得した(国際野球連盟Web 2008年3月14日「2008 FINAL OLYMPIC QUALIFYING TOURNAMENT HOME」 < http://www.ibaf.org/tournaments/21 > )。
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イ・スンヨプも、最終戦の台湾戦を含むほとんどすべての試合でヒットを打ち、23打数11安打12打点、打率.478、本塁打2本(二塁打3本、4三振)の好成績を上げた(国際野球連盟Web 2008年3月14日「2008 FINAL OLYMPIC QUALIFYING TOURNAMENT TEAMS KOREA」 < http://www.ibaf.org/tournaments/rosters/71 > )。
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しかし、ただ1試合、カナダ戦ではまったく打てず、4打数0安打3三振と、まさに「扇風機」状態だった(国際野球連盟Web 2008年3月13日「2008 FINAL OLYMPIC QUALIFYING TOURNAMENT SCORES BOX_SCORE KOREA 3-4 CANADA」 < http://www.ibaf.org/tournaments/box_score/224 > 、中央日報日本語版2008年3月14日付「野球 韓国、カナダ本塁打2本で6連勝ならず」 < http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=97366&servcode=600&sectcode=620 > )。
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●星野JAPANの脅威?●
世界最終予選のあと、イ・スンヨプは巨人(1軍)に合流し、2008年シーズンの開幕戦から先発メンバー(スタメン)として試合に出た。
が、また「絶不調」に陥った。開幕から13試合の成績は、52打数7安打2打点、打率.135、本塁打0本(12三振)という惨憺たるもので、結局4月14日からスタメンをはずされ、同時に2軍に落とされた(NPB Web 2008年7月29日「個人年度別成績 李承ヨプ(読売ジャイアンツ)」 < http://bis.npb.or.jp/players/51455119.html > )。
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2軍に落ち、2軍のリーグ、イースタンリーグの試合に出ると、イ・スンヨプの打棒は復活(?)した(中央日報日本語版2008年7月22日付「野球 李承ヨプが本塁打…五輪控え打撃感戻す」 < http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=102720&servcode=600&sectcode=620 > 、同7月23日付「野球 李承ヨプ、2軍で2試合連続の本塁打」 < http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=102768&servcode=600&sectcode=620 > )。
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彼は2008年シーズンは、7月24日まで37試合に出場し、117打数38安打22打点、打率.325、本塁打7本を記録し(NPB Web 2008年7月29日「2008年度 読売ジャイアンツ 個人打撃成績(イースタン・リーグ)」 < http://bis.npb.or.jp/2008/stats/idb2_g.html > )、まさに「2軍の四番」にふさわしい大活躍だった。
(>_<;)
この「大活躍」を巨人(1軍)の原辰徳監督が評価したのかどうかはよくわからないが、7月25日、巨人はイ・スンヨプを1軍に上げ、対ヤクルト戦のスタメン、六番一塁で起用した。
すると、復帰初日と翌26日はヒットがなかったが、27日にはセンターオーバーの大きなソロホームランを放った。
28~29日の対広島戦は先発投手が左投手だったため、原監督が「左対左は打者が不利」という野球のセオリー(常識)を考慮したのか、左打者のイ・スンヨプはスタメンをはずされた。
復帰後、この29日までのイ・スンヨプの成績は、5試合で、12打数2安打3打点、打率.167、本塁打1本だった。
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しかし、スポニチWeb版(2008年7月28日)は、7月27月の大本塁打をイ・スンヨプの打棒復活ととらえ「星野ジャパンにとって大きな脅威」になると報じた(中央日報日本語版2008年7月28日付「日本メディア『李承ヨプ、星野ジャパンの大きな脅威に』」 < http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=102920&servcode=600&sectcode=620 > )。
彼はまた、その翌日の28日の広島戦には代打で出て、2点タイムリーヒットを打っているので、たしかに27日の本塁打をきっかけに「かつての打棒が復活した」と解釈してもいいのかもしれない。
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このイ・スンヨプが、北京五輪野球韓国代表チームに参加し、2008年8月16日、五輪本大会一次L(予選L)で、星野仙一監督率いる日本代表(星野JAPAN)と対戦する。
では、2008年8月現在のイ・スンヨプが、星野JAPANの脅威になるかというと…………答えは「NO」だ。
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たしかに彼の打力は復活した。しかし、2006年の「一流時代」の打棒が復活したわけではない。その証拠に、相手投手の左右にかかわらずほぼ1年間スタメンで出場し続けた2006年当時と違って、今年2008年は、原監督は、対戦相手が左投手を出して来ると、イ・スンヨプをベンチに引っ込める。
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おそらく、復帰後のイ・スンヨプは1年間120試合ぐらいスタメンで出れば、2005年や2007年と同様に、本塁打30本ぐらい打つ力はあるだろう。但し、その30本の大半は、2008年7月27日のヤクルト戦の本塁打のように、試合の勝敗にあまり関係ない、どうでもいい場面での、主としてエース級でない投手の投球を打ったもの、あるいは、2006年WBCの日本戦の本塁打のように、失投を打ったもの、ということになるだろう(Yahoo!プロ野球 - 2008年7月27日「巨人vs.ヤクルト 成績」 < http://baseball.yahoo.co.jp/npb/scores/20080727/box_2008072701.html > )。
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そして、その程度の打力なら、制球力のある、日本球界のエースを揃えた星野JAPANの一流投手陣にとっては、なんの脅威にもならない。なぜなら、星野JAPANには、「二流時代」のイ・スンヨプの弱点を知り尽くした里崎がいるからだ。
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【筆者は、イ・スンヨプ復帰後の5試合のうち4試合をTVで見たが、なんとなく、原監督は、もうイ・スンヨプをほとんど使いたくないのではないか、という気がした。
つまり、「左対左」を理由に仕方なくときどき引っ込めているのではなくて、(元々1試合も出したくないのだが、巨人が韓国のTV局から巨人戦の中継放送権料を受け取ってしまっているので)仕方なく右投手のときにはスタメンや代打で出すもの、「左対左」などの口実がみつかると、「これ幸い」とばかりにベンチに引っ込めているように見えるのだ。
その証拠に、7月26日のヤクルト戦では、五回表ヤクルトの攻撃中、巨人の先発投手エイドリアン・バーンサイド(豪州)を降板させて、リリーフ(救援)投手の越智大祐と替える際、バーンサイドの打順(九番)に三塁手の二岡智宏を、一塁手のイ・スンヨプの打順(六番)に越智を入れ(三塁手だった小笠原道大を一塁手にまわし)、「守備固め」を口実にしてイ・スンヨプを引っ込めてしまったからだ(この時点で、ヤクルトの投手は右投げの増渕竜義だった(Yahoo!プロ野球 - 2008年7月26日「巨人vs.ヤクルト 成績」 < http://baseball.yahoo.co.jp/npb/scores/20080726/box_2008072601.html > )。】
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      2008年北京五輪、開催不可能!
               ↓
   http://www.akashic-record.com/dragon/cntnt.html

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【桶狭間】 → < http://www.akashic-record.com/dragon/okehaz.html#mail >
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●2006年の謎●
ところで、2008年のイ・スンヨプにはなぜ「一流時代」の打棒が復活しないのだろう。いや、それ以前に、そもそも2006年5~10月に限っては、なぜ彼は別人のように打棒が爆発したのだろう。
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この謎を解くカギは、意外に思われるだろうが、北海道日本ハムファイターズ(日)のフェルナンド・セギノール内野手(2002年はオリックスブルーウェーブ、2008年8月から東北楽天ゴールデンイーグルス)にある。
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彼の年度別打撃成績は以下のとおり:
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【セギノールの年度別打撃成績(1軍公式戦)】
年 団 試合 打数 安打 打点 本塁 打率
02 オ __ 89 _280 __ 57 __47 _23 .204
04 日 _125 _443 _135 _108 _44 .305
05 日 _133 _544 _141 __86 _31 .288
06 日 _132 _540 _143 __77 _26 .295
07 日 _134 _546 _117 __68 _21 .249
[資料:NPB Web 2008年7月29日「個人年度別成績 セギノール(北海道日本ハムファイターズ)」( < http://bis.npb.or.jp/players/91895115.html > )]
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セギノールはパナマ人だが、2006年WBCにパナマ代表として出場することはなかった。
彼は2006年シーズン中は上記のように、日本ハムの四番打者として、打率.295、77打点、本塁打26本の成績を上げ、チームをリーグ優勝、日本シリーズ制覇に導いた。
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日本シリーズに勝ったチームは、11月に行われるコナミカップ(コナミ杯、アジアシリーズ)に出場し、韓国や台湾の国内リーグのチャンピオンと戦うことになる。が、なぜかセギノールは日本シリーズ後に家族に会うために渡米し、当初はコナミ杯前に再来日するはずだったのに、「パスポートの期限切れが判明、発給手続きに時間がかか」っているという理由で再来日せず、コナミ杯を欠場した(北海道新聞2006年11月8日付朝刊21面「プロ野球 アジアシリーズあす開幕 日ハムファイターズ 八木で行く」)。
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【日本ハムはセギノールを欠いたが、結局コナミ杯で優勝した(読売新聞Web版2006年11月10日「ラニュー対日本ハム 詳細情報:試合結果:アジアシリーズ」 < http://www.yomiuri.co.jp/sports/asia06/results/20061110_02.htm > )。】
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翌2007年、セギノールは引き続き日本ハムに在籍したが、打率、打点、本塁打ともに2006年を下回り、2007年のシーズンおよび日本シリーズが終了すると、日本ハムから解雇された(2007年のコナミ杯には、日本シリーズで日本ハムを倒したセ・リーグの中日が出場し、優勝)。
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さて、なぜセギノールは2006年のコナミ杯を「パスポートが期限切れのため、母国でない米国で発給申請中」などという珍妙な理由で欠場したのか…………渡米する前に、日本にいる間にパスポートを一度も見なかったのか…………。
ほかにもっと合理的な理由があるのではないか。たとえば、2006年のシーズン中の試合や日本シリーズのような国内試合とは異なり、国際試合であるコナミ杯では、国際試合につきものの「ある手続き」が行われるが、それこそがセギノールのコナミ杯欠場の真の理由ではないのか。
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この「手続き」は2006年当時は、NPBでは国内試合では実施しないことになっていた(MLBはそれ以前から国内試合でも実施していたが、あまり厳格ではなかった)。だから、2006年のセギノールは、この「手続き」を免れた状態で、4~10月に日本国内の試合でガンガン打ちまくっていたのだろう。
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これはイ・スンヨプについてもあてはまる。
彼が2006年3月に出場したWBCは、MLBの主催だが、国際試合なので、上記の「手続き」が行われた。韓国代表としてWBCに出たイ・スンヨプも、この「手続き」を意識しつつ、日本と3試合戦った結果、上記の如く、11打数1安打(4三振。打率.091)の「扇風機」状態だった。
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この「手続き」のない、NPBのシーズン中の国内試合では、イ・スンヨプは既述のとおり、2006年5~10月に巨人の四番として大活躍した。
が、巨人が優勝しなかったため、彼は同年11月のコナミ杯には出場しなかった。
また、同年12月には、カタールのドーハでアジア大会という国際試合が行われたが、その野球競技の韓国代表として、彼が参加することもなかった。
つまり、2006年11~12月に、彼は「手続き」のある試合には出ていないのだ。
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その後、NPB、MLBともにこの「手続き」についての方針を、より厳格な方向に変えたため、2007年以降は、これはかなり厳格に実施されることになった。そのせいか2人とも、2007年の成績が2006年に比べて大きく悪化している(とくにセギノールの打率は、2006年の.295から2007年の.249へと下がっており、凋落が著しい)。
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つまり、2006年4~10月は、イ・スンヨプにとってもセギノールにとっても、この「手続き」に煩わされることなく(自由に?)活躍することのできた最後のチャンスだったのだ。
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2008年3月の世界最終予選は、国際試合なので、当然この「手続き」が行われたが、その際、イ・スンヨプは南アフリカやドイツが相手の試合では打ちまくったものの、MLB傘下のマイナーリーグの3A、2Aなど、大リーガーになれそうな潜在力のある投手を多数擁するカナダとの試合では、4打数0安打(3三振)だった。
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その後、イ・スンヨプは日本の2軍の試合では3割以上の高打率をマークしているが、2軍の試合は1軍の試合ほど緻密ではないので、この高打率は彼の打棒の復活を意味しない。つまり、2軍では、1軍のように、大勢の「先乗りスコアラー」が次の対戦相手の試合を偵察して、相手打者の弱点を探る、といったことは行われないので、イ・スンヨプは自分の弱点を知らない2軍の投手を相手にヒットを量産することができたのだ。
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他方、カナダ代表チームは、代表チームである以上、国家の威信を賭けて勝利をめざすために、対戦前にスコアラーを日本や韓国に派遣して、対戦相手の打者のデータを収集する。したがって当然、カナダ代表チームはイ・スンヨプの弱点を探り当てることができ、それを制球力のある3Aクラスの投手たちに教えてマウンドに送り出せば、彼を4打数0安打に抑えることぐらいはできる。というか、じっさい、そうしたに違いないのだ。
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そして、もちろん北京五輪本大会も国際大会なので、問題の「手続き」はある。
過去の例を見る限り、イ・スンヨプは、前後にこの「手続き」のある試合が控えている場合は、先乗りスコアラーから対戦相手の情報を得ているチームの、制球力のある投手を打つことはできない(彼はWBCの米国戦では打っているが、このときの米国代表チームはろくに合宿もしない「寄り合い所帯」であり、元巨人内野手のデーブ・ジョンソン監督が率いる北京五輪野球米国代表チームのような、綿密なチーム作りは行われていなかった)。
したがってイ・スンヨプは、北京五輪本大会一次Lの、日本戦、カナダ戦はもちろん、米国戦、キューバ戦でも、ほとんど打てないだろう(中国戦、オランダ戦ではガンガン打てるだろう)。
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では、その「手続き」とはいったい何か…………それは筆者にはもちろんわかっているが、それをここで書くと、名誉毀損になる恐れがあるので、書けない。
(>_<;)
【2007年11月某日配信の小誌記事で示唆したように、星野監督はこの問題を見破る目を持っている。筆者が星野監督を、日本代表の、つまり国際試合の監督にふさわしいと考える理由は、まさにこれなのだ。だから、星野JAPANの「イ・スンヨプ対策」について、筆者は心配していない。】
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【いまや、野球は、サッカーと同様に、国境を越えて大勢の選手が移籍する国際スポーツビジネスの1つになったのだから、この「手続き」のことを知らないようでは、元プロ野球選手の評論家といえども、国際試合の解説を的確に行うことはできない。だから、星野監督の采配を批判したい評論家や記者は、まずその前に、こういった「国際スポーツビジネスの基礎」を学んでもらいたい。】
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【巨人は2007年1月、「育成コーチ」(のちに打撃コーチに配置転換)としてKBOのサムスンでイ・スンヨプのチームメイトだったキム・キイテ(金杞泰)元内野手を招聘した(読売新聞2007年1月18日付21面「巨人の新育成コーチに金氏/プロ野球」、スポーツ報知2007年10月30日付5面「巨人・金杞泰育成担当コーチが打撃コーチに配置転換」)。
2008年4月、イ・スンヨプが2軍落ちした直後には、「研修コーチ」(2軍打撃担当)として同じくサムスンでイ・スンヨプのチームメイトだった、キム・ジョンフン(金鐘勲)元外野手を迎えると発表した(読売新聞2008年4月15日付朝刊25面「巨人の研修コーチに金氏/プロ野球」)。
この2人のコーチが通訳なしで話せる選手がイ・スンヨプしかいないため、彼らは事実上、イ・スンヨプ個人の「専属コーチ」だが、これはNPBでもMLBでもほかに類例のない、一般の野球ファンから見ると、ほとんどカネの無駄としか思えない、破格の待遇である。
が、その専属コーチの役割が、イ・スンヨプが例の「手続き」を無事に切り抜けられるように「あることをやめるタイミング」や「それをやめたあとの練習方法」を助言すること、あるいは「手続きに必要なものを本人に代わって提出すること」だとすれば、非常によく理解できる(万一イ・スンヨプが「タイミング」を間違えると、巨人の歴史に傷が付くのだから)。】
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●こわいのはバントだけ●
もしも筆者が韓国代表チームの監督なら、北京五輪本大会の日本戦(とカナダ戦)では、イ・スンヨプをスタメンからはずす。
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あるいは、万が一スタメンで出す場合でも、彼にはバントをしてもらう。ノーアウト(無死)で一塁に走者がいる場合の送りバントや、無死または一死で走者が三塁にいる場合のスクイズは当然だが、走者がいない場合でも、彼にはセフティバントを命じたい。日本の三塁手が、国際試合慣れした宮本慎也(ヤクルト)ではなく、村田修一(横浜ベイスターズ)や中島裕之(埼玉西武ライオンズ)である場合は……日本人にはイ・スンヨプがセフティバントをするというイメージがまったくないだけに……案外成功するのではあるまいか。
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そうなった場合、日本内野陣があわててエラーをしては困るが、彼のバントそのものは、なんとなく見てみたい気もする。
(^^;)
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●おびき出し作戦●
さて、北京五輪を終えて巨人に戻ったあと、2008年シーズンの後半戦でイ・スンヨプはどのような「活躍」を見せるであろうか。
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これを予測するうえで、興味深かったのが、2008年7月29日の「広島対巨人」戦における、広島のマーティ・レオ・ブラウン監督の投手起用だ。
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七回表巨人の攻撃中、無死一、二塁の好機に、打順が九番(投手)にまわると、原監督は、代打に左打ちの亀井義行を送った。すると、ブラウン監督は、左打者を抑えるにふさわしい左投手がいたにもかかわらず、敢えて左打者に不利とされる右横手投げの梅津智弘を救援投手としてマウンドに送り出した(この時点で、亀井がバントで走者を二、三塁に進めたあと、左打者のイ・スンヨプが代打で出て来ることが予想された。理由は後出)。
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結局、亀井は、バントの構えはしたものの、バントはせず、レフトフライに倒れて、一死一、二塁となった。
マウンドには左に弱いはずの梅津がおり、打順は一番、この日3打数0安打2三振の鈴木尚広にまわっている。そして、巨人は韓国のTV局から多額の放送権料をもらっている。となると、原監督は、ここで左打ちのイ・スンヨプを代打に出さないわけにはいかない。
そして、彼が鈴木尚広の代打で出て来た。しかし、ブラウン監督は、梅津を左投手と交代させることはなく、続投させた。
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梅津の広島カープの先輩には黒田博樹投手(現ロサンゼルスドジャース)がいる。黒田は既述の如く、2006年4月にイ・スンヨプから連続三振を奪っており、そのときの配球データは確実に広島球団に蓄積されているはずだ。
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そして、案の定、このときの梅津も、かつての黒田と同じように、膝元の変化球と外角高めの速球を左右に投げ分けてイ・スンヨプを三振に仕留めた(Yahoo!プロ野球 - 2008年7月29日「広島vs.巨人 成績」 < http://baseball.yahoo.co.jp/npb/scores/20080729/box_2008072903.html > )。
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とすると、巨人と対戦するチームは、イ・スンヨプを抑えるために左投手を出さないほうがいいだろう。なまじ左投手を出すと、原監督は「左対左」を口実にイ・スンヨプを引っ込めて、たとえば二岡のような、力のある右打者と替えてしまう恐れがあるからだ。
上記のブラウン監督の采配のように、巨人戦には、わざと右投手を多めに起用して、なるべく多くイ・スンヨプを打席に立たせて、彼に三振の山を築いてもらったほうがトクではないか。
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【日本語の俗語では、こういう選手のことを「安全パイ」と呼ぶ。】
(^^;)
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この「おびき出し作戦」は、当然、星野監督にも参考になる。
すなわち、イ・スンヨプを抑えるには左投手は必要ないのであり、「日本対韓国」戦の日本のピンチで、マウンドに右投手がいて、イ・スンヨプに打順がまわった場合に、星野監督が敢えて右投手を続投させたり、右投げの救援投手を投入したりする可能性は当然ある。
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だから、オリンピックをTV観戦する日本の野球ファンの皆さん、たとえ星野監督が韓国戦でそういう采配をしても、けっして「ほしのーッ、ダメだー!」「○○を引っ込めろー!」などと思ったり怒鳴ったりしないように。
(^_^)
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●日本の陰謀?●
話は変わるが、国際野球連盟(IBAF)は、北京五輪野球参加国すべてが代表選手を発表したあとの2008年7月25日、北京五輪本大会開幕のわずか2週間前になって突然、本大会のルールを改正してタイブレーク(TB)制を導入すると発表した。
これは、延長10回を終えて同点の場合、攻撃側は10回終了時点のオーダーから任意の打者を選んで、その直前の打順の2人がその順番に出塁した状態、つまり無死一、二塁の状態で攻撃を開始する、というものだ。目的は、延長11回以降に得点のはいりやすい状況を作って、試合時間を短縮し、TV放送時間枠の設定をやりやすくすることにある(中日新聞Web版2008年7月27日「五輪野球『タイブレーク制』導入 星野監督怒った」 < http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/baseball/news/CK2008072702000087.html > )。
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星野JAPANの場合、10回終了時点のオーダーが「九番川崎宗則(福岡ソフトバンクホークス)、一番西岡剛(ロッテ)、二番宮本慎也(ヤクルト)、三番青木宣親(ヤクルト)」であって、日本が先攻なら(日本は、本大会一次Lのキューバ、台湾、カナダとの試合では先攻)、九番と一番を塁に出して、二番にバントさせて、一死二、三塁にしてから攻めるだろうし、後攻でも(点差が2点以内なら)同じようにするだろうし、他のチームもそうするだろう。
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この場合、内野のバントシフトがカギになる。もし、星野JAPANが代表選手24名を発表する前にTBルールの導入が発表されていたら、星野監督は三塁手としての守備も、打者としてのバントもあまりうまくない中島裕之(西武)をはずし、代わりにその両方が得意な井端弘和(中日)を(小誌の事前の予測どおりに)選んでいたのではあるまいか(中島は7月31日のオールスター戦でも三塁手としてエラーをしている)。選手のモチベーションの問題があるので、いまさら井端と交代させるわけにはいかないだろうが、気になる。
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ただ、北京五輪のTBは、日本の社会人野球のそれのように「一死満塁」から始めるのでなく、「無死一、二塁」から始めるというところがミソだ。「一死満塁」方式だとバントをする必要がないので、バントの下手なチームも不利にならないが、「無死一、二塁」ではバントの失敗が命取りになる。
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また、ソフトボールのように「無死二塁」から始めるのでなく「無死一、二塁」つまり、走者2人から始める点も重要だ。星野JAPANでは、上記のように、川崎、西岡、宮本、青木、荒木雅博(中日)など俊足でバント(スクイズ)のうまい選手が多く、しかも彼らの打順が3~4人連続すると考えられるので、俊足の選手で塁上を埋めることができ、先攻なら大量点も狙えるが、他のチームはそうはいかない。
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ちなみに、2006年WBCの各チームの盗塁数は、日本13、米国1、キューバ3、カナダ2、韓国2、台湾3なので(NPB Web 2006年3月20日「'06 WORLD BASEBALL CLASSIC 国別チーム成績」 < http://www.npb.or.jp/wbc/2006stats_team.html > )、「足」がものをいう方式なら、明らかに日本に有利である。これが、もしも「無死二塁」方式なら、俊足の選手は1人いればよいので、他チームにも平等だったはずだ。
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実は、TB方式を(2008年4月に)IBAFの会議で紹介したのは、IBAF第一副会長でもある全日本アマチュア野球連盟会長なので(朝日新聞Web版2008年7月29日「タイブレーク、日本が紹介? 野球連盟『まさか五輪で』」 < http://www.asahi.com/sports/update/0728/TKY200807280364.html > )、もしかすると、このルール改正を考え出したのは、五輪の日本向けTV放送権を取り扱う、日本の某大手広告代理店ではあるいまいか。
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五輪野球には大リーガーが出ないので、米国やカナダや(キューバを除く)中南米諸国は関心がないし、欧州では元々野球は人気がない。とすれば、五輪野球中継の最大の「市場」である日本には、相当な発言力があるはずだ。
そもそも(人気競技同士が互いに裏番組にならないようにするために)「放送時間枠の設定」に苦労する国は、もっとも試合に時間のかかる野球を含むあらゆる競技にエントリーしている日本ぐらいしかないわけで、日本人以外にこんなことを考え出す者がいるとは思えない(米国で人気の水泳と陸上は競技実施日がほとんど重ならないし、米国人は卓球、柔道、サッカーにはあまり関心がないが、日本はこれらすべてに加えて体操、バレーボール、レスリングにまで関心がある)。
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野球のタイブレーク方式は、サッカーで言えばペナルティキック(PK)戦である。国際サッカー連盟(FIFA)主催試合のアジア向けTV放送権も扱う某広告代理店が考え出したとしても、不思議ではない。

いや、待てよ。
星野監督は、当初は日本代表の投手陣は11人と言っていた。これは、TB制がなく、事実上「延長回数無制限」で大勢の投手が必要になりそうだったアテネ五輪本大会で投手コーチを務め、今回星野JAPANでも同じ役を務める大野豊コーチの意見でもあったはずだ。
しかし、星野監督は、TB制導入発表前の7月7日、突如「投手を10人にするかもしれない」と言い出している(デイリースポーツWeb版2008年7月8日「先発5人→4人へ…星野監督が明かす」 < http://www.daily.co.jp/olympic/peking/peking_baseball/2008/07/08/0001213240.shtml > )。
理由は、アテネ五輪本大会のときの記録を見直したら11人のうち2人はほとんど投げていなかったから、とされているが(デイリースポーツ前掲記事)、それはたまたま、アテネで「延長18回」まで続くような試合がなかったから、そうなっただけのことだ。TB制の導入がなければ、投手が11人でも足りない事態が北京でもありえたのに、星野監督はなぜTB制導入発表前の7月17日に「投手10人」の陣容を決定して発表したのか。
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7月17日に投手10人を含む24人の最終メンバーを発表した際、星野監督は、新井貴浩(阪神タイガース)ら野手に怪我人が多いので野手を1人増やすため投手を1人減らした、という趣旨の説明をした(スポーツ報知Web版2008年7月17日「星野ジャパン、新井・稲葉故障で野手枠1人増へ」 < http://hochi.yomiuri.co.jp/feature/baseball/japan/news/20080717-OHT1T00065.htm > )。が、新井の腰痛が深刻であることが判明したのは7月14日であり(デイリースポーツWeb版2008年7月15日「新井、腰痛深刻…それでも『試合出る』」 < http://www.daily.co.jp/baseball/2008/07/15/0001235902.shtml > )、星野監督が初めて「投手10人」を口にした7月7日より1週間もあとだ。
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もしかすると、星野監督も事前に知っていたのか(つまり、井端を選ばなかったのは、井端の怪我などのほかの理由か)。
もしも事前に知っていながら「五輪の2週間前になって(突然)ルールを変えるなんて、おかしいにもほどがある!」などとマスコミの前で怒ってみせたのなら(中日新聞前掲記事)、彼は相当な役者だ。
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【ちなみに、韓国、台湾、キューバも投手を10人にしているので、彼らも(IBAFや某広告代理店から聞き出して)事前に知っていた可能性がある。他方、米国、カナダの投手は11人なので、こちらは事前に知らなかったと見てよかろう(IBAF Web 2008年7月「2008 Olympic Games」 < http://www.ibaf.org/tournaments/19 > )。】
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いずれにせよ、この日本の陰謀(?)のお陰で、韓国の試合が延長11回までもつれこんだ場合には、イ・スンヨプのスクイズが見られる可能性が高くなった。
(^^;)
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(敬称略)
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追伸:
本メールにご意見等を投書されたい方は本メールに返信する形で投書を下されば、スタッフ(編集部)によるセキュリティ等のチェックを経て、数日後に筆者に転送されます。
但し、melma.comのシステム上、誠に申し訳ございませんが、本メールに返信されても「退会」手続きは成立しません。
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【この記事へのご意見等は、ブログの「コメント」としてではなく、なるべくメールマガジン( < http://www.akashic-record.com/admin/regist.html > )への返信としてお寄せ下さいませ。スタッフ(「週刊アカシックレコード」編集部)はメールマガジンを最優先に対応しておりますので、返信メールのほうが、佐々木敏本人の目に触れる確率が高くなり、目に触れる時機も早くなります。ただ、なにぶん頂くファンメールの数が非常に多いので、すべてにお返事を差し上げることはできません。あしからず御了承下さいませ。】

李忠成と遠藤保仁:週刊アカシックレコード080728

■李忠成と遠藤保仁~週刊アカシックレコード080728■
日本に帰化した李忠成選手が北京五輪サッカー日本代表の一員として活躍することは、韓国にとっては悪夢だ。五輪で彼のチームメイトになるはずだった遠藤保仁選手が謎のウィルスに感染して出場辞退に追い込まれたのはなぜか。
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【ご注意】
小誌へのご意見、投書は、投稿者氏名等の個人情報を伏せたうえで、小誌上で紹介させて頂くことがございます。あらかじめご了承下さいませ。本メールマガジンは筆者(佐々木敏)のサポートスタッフにより運営されており、本号は創刊第285号です。
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■李忠成と遠藤保仁~シリーズ「北京五輪」(2)■
【前回「星野JAPAN 1.1~シリーズ『北京五輪』(1)」は → < http://www.akashic-record.com/y2008/hj11r.html#02 > 】
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年齢23歳以下(U-23)で構成される北京五輪サッカー日本代表(反町康治監督率いる反町JAPAN)は、2007年8~11月に行われたアジア地区最終予選で強豪サウジアラビアと同組になりながら、それに競り勝って五輪出場権を獲得した。
北京五輪本大会では23歳を超える「オーバーエージ選手」(OA)の出場が3人まで認められるため、2008年6月、反町監督はA代表のミッドフィルダー(MF)であり、フリーキック(FK)の名手でもある遠藤保仁(2008年現在28歳。ガンバ大坂)をOA枠で五輪代表18人に加え、攻守の要、司令塔を務めさせることに決めた。
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●謎のウィルス●
ところが、その遠藤が、2008年6月30日に突如原因不明の高熱に襲われ、入院する。彼の所属するクラブ、ガンバ大阪は、7月6日になって彼の病名を「ウィルス感染症」と発表した。からだの複数の器官にウィルスがはいり込んで発熱を引き起こしたというのだ。
が、奇妙なことにこのウィルスには名前がない(日刊スポーツWeb版2008年7月7日「遠藤、五輪事実上アウト…退院メド立たず」 < http://beijing2008.nikkansports.com/soccer/p-sc-tp2-20080707-380890.html > )。つまり、インフルエンザウィルスでもC型肝炎ウィルスでもないのである。
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なら、未知の新興感染症かというと、そうでもない。
自然界には未知のウィルスが無数にあり、遺伝子レベルで進化しながら、つまり突然変異でDNAの塩基配列を変えながら、大部分はヒトに感染することなく存在しているが、ある日突然ヒトに有害な形に突然変異してヒトに感染すれば、それは新興感染症となる。エイズウィルスはその典型だ。
ところが、遠藤を突如襲ったウィルスは彼1人に感染し、それ以外のだれにも感染していない。ということは、空気感染(厳密には空気中を飛ぶ唾液などを通して感染するので、飛沫感染)はしないし、おそらくエイズのような、性交渉による感染もないのだろう。
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となると、このウィルスは飲食や薬品の服用を通じて遠藤の体内にはいり込んだ、という可能性がもっとも高いということになる。
もしそうなら、この謎のウィルスは(潜伏期間をN日とすると)「6月30日マイナスN日」のある日、遠藤が摂取した飲食物や薬物の内部に存在し、それ以外のところにはほとんど存在しなかったことになる。
自然現象として、そんなことが、ありうるのだろうか。
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【このウィルスが、特定の遺伝子を持つごく少数の人のみに症状を引き起こすウィルスであり、かつ遠藤がその遺伝子を持っていた可能性はもちろんある。その場合は、遠藤以外のすべての日本人(あるいは全人類)の周囲に常に存在していて、大勢に感染しつつも症状を引き起こさないでいる、ということになる。が、後述の理由で、ここでは、それは考えないことにする。】
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●謎の体調不良 Part 2●
実は、似たような出来事が過去にもあった。つまり、重要な国際試合を前に、有力な日本人選手が突然謎の体調不良を起こし、本来の能力を発揮できなくなるケースは、これで二度目なのだ。
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その「一度目」は、2006年12月のロシアのサンクトペテルブルグで開催されたフィギュアスケートグランプリファイナル(GPF)である。
初日のショートプログラム(SP)を終わった段階で、優勝を狙える位置にいた日本の3選手、女子シングルの安藤美姫、浅田真央、男子シングルの高橋大輔がいずれも、2日目のフリーの演技の直前に急に原因不明の体調不良に襲われて、3人とも優勝を逃している(小誌2006年12月19日「●謎の体調不良」 < http://www.akashic-record.com/y2006/krsp.html > )。
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あのときは、女子シングルで、安藤、真央を抑えて韓国のキム・ヨナ(金妍児)が逆転優勝し、日本が「男も女も金メダル」という事態は阻止された。その直前に、カタールのドーハで開かれていた2006年アジア大会の野球では、全員プロの韓国代表チームが全員アマチュアの日本代表チームに敗れるという前代未聞の屈辱を味わい、韓国中がまるで「この世の終わり」とでも言わんばかりに落胆していたため、この金妍児の優勝で韓国は面目を施すことができた(小誌2006年12月19日「韓国スポーツ汚染~国辱直後のフィギュアGPファイナル」 < http://www.akashic-record.com/y2006/krsp.html > )。
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このときも、安藤や真央の急病の理由はまったく謎だった。
仮に、安藤や真央を襲った病原体(ウィルスや細菌など)が、人為的に作られたものであるか、または、元々自然界に存在したものだとしても安藤や真央の摂取する飲食物や空気の中の人為的に投与されたものであるならば、それは正真正銘の「生物兵器」ということになる。
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今回、遠藤を襲ったウィルスはどうだろう。
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【韓国は日本と同様に生物兵器禁止条約(BWC)を批准しているが(外務省Web 2008年7月「生物兵器禁止条約(BWC)締約国等一覧」 < http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/bwc/bwc/teiyakukoku.html > )、この条約には査察受け入れ義務がない。
各国は査察義務を伴う「BWC検証議定書」の締結、批准を目指したが、2001年7月に米国政府が「国家安全保障上の機密や米国のバイオ産業の企業秘密が漏洩する恐れがある」(当時のジョン・ボルトン米国務次官)という理由で拒否したため(外務省Web 2006年7月「生物兵器禁止条約(BWC)の概要」 < http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/bwc/bwc/gaiyo.html > )、検証議定書交渉は中断し、2008年現在国際法として成立していない。】
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          恥を知れ、ぬすっとブロガー

         小誌記事をコピペすることは違法です

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●世界一だらしない支配階級●
「一回目」と「二回目」の関連を見極めるには、まず、韓国はいまどういう状態にあり、その韓国にとってスポーツや五輪はどういう意味があるか、を検討しなければならないが、それには韓国の歴史を見る必要がある。
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日本の植民地支配を受ける前、韓国には長い歴史を持つ王朝(李氏朝鮮、大韓帝国)があり、ヤンバン(両班)という支配階級がいて、その子孫は現在も韓国で「わが家は両班の家系です」などと称している。が、彼らは「世界一だらしない支配階級」である。
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これは筆者の差別的偏見ではなく、韓国人自身の評価である。大韓民国第5代大統領のパク・チョンヒ(朴正煕)は大統領在任中の1977年に上梓した自著『国家と革命と私』の中で
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「『われわれのもの』といえるものは、ハングルのほかに何かはっきりあるといえるものはあるか」(鄭大均『韓国のナショナリズム』岩波現代文庫2003年刊、p.135)
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と述べたのを始め、政治、経済、社会制度、科学、技術、産業などあらゆる面で、韓国人はこの李氏朝鮮誕生以来の約600年間、ほとんどなんにもやっていない、という趣旨の罵詈雑言を浴びせている。それは国民に奮起を促すためのものではあるが(鄭大均前掲書)、世界で通用する人材や輸出品を生み出すために、韓国の支配階級が何もしていなかったことを認める「証言」でもある。
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韓国出身のエッセイスト、オ・ソンファ(呉善花)も、李氏朝鮮の歴代の権力者たちは、国防と外交は中国に任せ、自分たちは政争に明け暮れ、文化的にはひたすら中国の模倣をするばかりで、自国の言語も芸能も軽視していた、と嘆いている(呉善花『スカートの風 - 日本永住をめざす韓国の女たち』角川文庫1997年刊)
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1910年の「日韓併合」で、朝鮮半島が日本の植民地になると、日本は半島史上初めて学校制度を作り、日本語を公用語として教えると同時にハングルも準公用語として教えるなど、全面的な「近代化」に乗り出した。
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【1392~1897年の李氏朝鮮時代でも、その後の大韓帝国時代でも、支配層は、中国文化の模倣にうつつを抜かすばかりで自国独自の文化を振興することに無関心だっため、つまり、庶民に対して「中国の尻馬に乗って威張る」ことにしか関心がなかったため、半島史上最初のハングル辞書を編纂発行したのは、大日本帝国朝鮮総督府だった(大礒正美研究室 大礒正美コラム 2006年1月27日「よむ地球きる世界『続・憂慮すべき韓国の夢想事大主義』」 < http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Cafe/5562/column/column076.html > )。】
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日本は半島で、学校のほか、鉄道も郵便局も港も道路も作ったため、半島の韓国(朝鮮)の一般庶民たちは「はてさて、両班と日本人と、国造りがうまいのはどっちだろう」と比較するようになった。もちろんほとんどの庶民は「日本人のほうがうまい」と判断しただろう。
だからこそ、大勢の朝鮮人が、日本本土への移住が禁止されていた時代でさえ、法を犯してでも自主的に日本に移住したのだ(第二次大戦の末期に、戦時徴用で日本本土の労働に動員された朝鮮人労働者の大半は、日本国内に生活基盤がないので、終戦後に朝鮮半島に帰った。李策ほか『別冊宝島: 嫌韓流の真実! ザ・在日特権』宝島社2006年刊)。
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この自主的に日本に移住した朝鮮人たちがこんにちの在日朝鮮(韓国)人の起源であり、彼らは「強制連行」などされていない(鄭大均『在日・強制連行の神話』文春新書2004年刊、前掲『別冊宝島』)。
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【東京大学(帝国大学)や京都大学(京都帝国大学)など長い歴史を持つ大学の昔の卒業生名簿を見ると、戦前生まれの卒業生のなかに明らかに朝鮮半島出身とわかる名前が無数にある。彼らが「半島から強制連行されて日本に来て、むりやり日本語を押し付けられて、いやいやながら帝国大学の入試を受けたら合格した」などということはあえりない。いやいや勉強してはいれるような大学ではないからだ。
個人(朝鮮人)の幸福は国家(朝鮮民族主義)より大事なのであり、戦前の向学心溢れる朝鮮人は当然、半島の教育水準の低さに嫌気が差して、自ら進んで日本語を学び、喜ん勇んで日本の大学に入学したに違いないのである。】
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1945年に日本が第二次大戦で米国に敗れ、米軍当局(GHQ)が戦後の日本を占領統治した際、朝鮮半島を日本本土から切り離して独立国(半島南部は大韓民国、北部は北朝鮮こと朝鮮民主主義人民共和国)にすることに決めたため、日本国内には、戦時徴用とは関係なくビジネスや進学のために、自らの意志で日本に移住していた大勢の朝鮮半島出身者が取り残された。
そこで、GHQは、日本国内の朝鮮人を戦勝国民でも敗戦国民でもないという意味で「(第)三国人」という尊称(敗戦国民より上位に置くための呼称なので、絶対に蔑称ではない)で呼んで区別し、外国人登録制度の対象とし、その国籍欄の記載を、本人または親が旧植民地朝鮮の出身という意味で「朝鮮」とした(ここで「在日朝鮮人」が誕生する)。
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当然彼らは日本国籍を選びたかったはずだ。が、彼らのうち大勢が「大韓民国と日本国とを、じっさいに両方に住んでみて比較した結果、日本を選んだ」となると、そもそも大韓民国はわざわざ日本から独立して建国する理由がない(ずっと、日本の一部でいたほうがいい)ということになってしまう。
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そこで、1948年に発足したばかりの韓国政府は、1952年にGHQにねじ込んで、日本の外国人登録の国籍欄に「朝鮮」と記載されている者は、本人の希望でそれを「韓国」に変更できるようにした(ここで初めて「在日韓国人」が誕生するが、韓国支持の朝鮮人が全員、国籍欄の記載を変更したわけではない)。
その後、韓国政府は大韓民国居留民団(民団)、北朝鮮政府は朝鮮総連という組織を日本国内に作って、在日韓国・朝鮮人を監視し、韓国籍や朝鮮籍の維持を奨励し、陰に陽に彼らの日本への帰化を妨害した。
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つまり、21世紀初頭のこんにちに至るまで、数十万人の在日韓国・朝鮮人が日本国籍を持たずに日本にいるのは、彼らが「韓国(朝鮮)人として誇りを持っているから」ではなく、日本が好きで日本に移住した彼ら(の祖先)に対して韓国(北朝鮮)政府が「いやがらせ」を行った結果なのだ。
大勢の日系ブラジル人が日本文化に興味を抱きつつも、ブラジル国籍を持ち、ブラジル風の名前を持ち、日本とブラジルのサッカーの試合ではブラジルを応援することで明らかなように、民族的な誇りを持つことと居住国の国籍をとらないこととの間には、なんの関係もない。
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しかし、在日韓国(朝鮮)人の少子化や、日本人との結婚によって毎年約1万人ずつ、彼らの人口は減っており、このままだと、あと約40年で消滅するはずだ(2005年の国勢調査推定値によると、特別永住権を持つ在日韓国・朝鮮人の総人口は46万6637人)。
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その一方で、21世紀の韓国の支配層は、国家の存立にかかわるもっと深刻な2つの問題に直面している。
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その1つは、日本以上のペースで少子高齢化が進んだ結果、世界最低水準にまで落ち込んだ韓国の出生率である(一生涯に1人の女性が産む子供の人数を示す合計特殊出生率は、2007年は、日本1.34、韓国1.26。両国とも最悪の2005年には、日本1.26.韓国1.08であり、戦後の韓国の出生率の低下は日本より急激である。社会実情データ図録2008年「合計特殊出生率の推移(日本と諸外国)」 < http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/1550.html > )。
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もう1つは、韓国の若者の潜在的な日本移住願望である(WOW! KOREA2006年6月16日「海外就職希望1位は国家は日本」。2006年1月29日放送のNHKスペシャル『シリーズ 同時3点ドキュメント(2)移民漂流 10日間の記録』 < http://www.nhk.or.jp/special/onair/060129.html > では、就職難や学歴社会に疲れた韓国の若者のあいだに海外への「移民ブーム」が起きていることが紹介された)。
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そのおもな原因は、韓国の初任給にある。
韓国は日米を上回る80%以上の大学進学率を誇る国だが(小誌2007年4月23日「●在日と韓国の終焉」 < http://www.akashic-record.com/y2007/skimgc.html > )、長引く経済不振の影響で、とくにソウル首都圏以外の地方では、大学を出てもその学歴にふさわしい職は少なく、仮に就職できてもその初任給は安い。
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韓国では大卒初任給の平均月給は、実は韓国のアパートの1か月分の平均家賃に満たないのだ(これは韓国の家賃が日本以上に高いことにも原因がある。朝鮮日報日本語版2006年7月9日付「『韓国は日本より貧しいが、生活は日本より豊か』なのか?」 < http://www.chosunonline.com/article/20060709000017 > )。
このため、韓国の若者の多くは就職後も親と同居し親のすねをかじり続ける(中岡龍馬『韓国人につけるクスリ - 韓国・自覚症状なしのウリナライズムの病理』オークラ出版2005年刊)。
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他方、日本に来ればコンビニエンスストアでバイトするだけで月に十数万円は稼げるから、家賃数万円のアパートを借りれば当然親元から自立して生活できる。日本への観光旅行などを通じてこのことを知った韓国人は「日本ではバイトで自活できるのか!」と驚き「韓国で正社員になるより日本でバイトするほうがトクだ」と悟って、不法滞在してでも日本(のコンビニなど)で働こうとする。このため、日本国内で摘発される不法滞在外国人の国籍は、韓国がダントツ1位である(中岡前掲書)。
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2008年7月、日本の中学生向けの学習指導要領の解説書に、従来の日本政府の主張に従って、竹島(韓国が独島と名付けて実効支配中)は日本の領土であるという趣旨の記載をすると決めた。
すると、韓国政府とマスコミは国を挙げて反日世論を盛り上げ、外交ルートや民間レベルの日韓間の交流を次々に中止した(毎日新聞Web版2007年7月15日「新学習指導要領:『竹島』問題の中学校解説書記載 韓国、大使を召還」 < http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080715ddm001010029000c.html > 、朝日新聞Web版2007年7月27日「竹島問題、交流に影 韓国、子どもの訪問中止次々」 < http://www.asahi.com/edu/news/TKY200807270193.html > 、中央日報日本語版2008年7月27日「『日本に対馬返還要求すべき』賛成50.6%」 < http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=102897&servcode=400&sectcode=400 > )。
他方、同月、北朝鮮の観光地、金剛(クムガン)山で韓国人観光客が北朝鮮警備兵によって射殺され、その真相究明調査に北朝鮮政府が十分に応じないという理不尽な事件があったが、韓国政府は、外交ルートで抗議するわけでもなく、マスコミも反北朝鮮世論を盛り上げる報道をほとんどしなかった(産経新聞Web版2008年7月16日「金剛山射殺『警告射撃後に3発狙い撃ち』北朝鮮説明」 < http://sankei.jp.msn.com/world/korea/080716/kor0807161344002-n1.htm > 、中央日報日本語版2008年7月27日「北朝鮮にもてあそばれた柳明桓外相」 < http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=102895&servcode=A00&sectcode=A00 > )。
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●人口流出の恐怖●
韓国支配層がこのように対照的な対応をする理由は明白だ。北朝鮮に移住したい韓国人は1人もいないが、日本に移住したい韓国人は大勢いるからである。
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それでなくても、日本を上回る少子化で、韓国の若年人口はどんどん減っているのだから、このうえ韓国のマスコミが反日的でない報道をすれば、つまり「日本は経済も文化も民主主義も発達したすばらしい国」だという真実の報道ばかりしていれば、韓国中の若者は大挙して日本に移住し、韓国社会は崩壊してしまう。それは、「やっぱり両班は日本人より国造りが下手だった」という事実が最終的に証明され、主として両班を祖先とする韓国の支配層が決定的に面目を失うことを意味する。
それはすなわち、大韓民国が存在する理由がほとんどなくなる、ということでもある。
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【「竹島反日騒動」の直前、2008年5~6月頃は、米国産牛肉の輸入解禁に反対する反米世論が沸騰し、首都ソウルでは、ろうそくを持った群集が連日連夜デモや集会をしていた(日経ビジネスWeb版2008年6月27日「韓国、長期化するろうそく集会のなぜ」 < http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20080626/163726/ > )。
1950~1953年の朝鮮戦争では、北朝鮮軍の侵略を撃退して韓国を守った国連軍の主力は米軍で、韓国にはまともな軍隊はなかったので、韓国の一般庶民は「両班(の子孫)と米国人と、国防の役に立ったのはどっちだ」「たぶん米国人だ」と思っているはずだ。
そのうえ、日本と同様に「バイトでも自活できる」豊かな先進国である米国も、韓国の若者にとって憧れの移住先なので、韓国の支配層は、自身のメンツを守り若者の移住を阻止するために、しばしばマスコミを用いて反米世論を煽っている。】
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いわゆる「韓国の反日感情」の原因は、日本の過去の植民地支配とはほとんど関係がない。しばしば狂信的に吹き出す反日感情の原因は「若者がこの国にいたい」と思うような国を創ることに韓国の支配層が失敗したことにある(2006年の韓国の失業率は3%台だが、15~29歳の失業率は7.2%もある。日経ビジネス前掲記事)。
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【1970~1980年代の韓国では、夫が妻に「おまえみたいな女は離婚だ!」と言うと、妻が「いいわ。日本に行く(日本に行ってホステスやる)から」と言い返すような夫婦喧嘩が盛んにあった、と呉善花は自著で暴露している(呉善花前掲書)。つまり、当時からすでに、いや、当時を含めて戦後一貫して、韓国人の、とくに若い女性にとっては、日本は憧れの移住先であり続けたのだ。】
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とすると、若者の日本への移住を防ぐには、韓国が日本に勝つしかない。韓国が日本に勝って、日本に移住しなくても希望の持てる生活ができると思い込ませるしかない。
しかし、GDP世界第2位(4兆5340億ドル)の経済力と、自然科学分野だけで9人のノーベル賞受賞者を持つ日本に、同12位(7913億ドル)、同0人の韓国が、経済や科学技術の分野で挑んで勝つのは容易ではない(朝鮮日報日本語版2008年7月19日「米国4029人日本258人、韓国は3人=ISI 『世界的に論文が引用されている研究者数』調査」 < http://www.chosunonline.com/article/20080719000020 > )(GDPは2005年の名目値で、韓国銀行が集計。中央日報日本語版2007年5月16日「韓国のGDP、世界12位」 < http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=87535&servcode=300&sectcode=300 > )。
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となると、手っ取り早く、韓国が日本に勝つには、スポーツの国際試合で勝つぐらいしか手がない、ということになる。
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●韓国サッカーの限界●
韓国はスポーツ小国である。
韓国語には草野球という言葉がなく、高校野球をやっている高校は全国で約50校しかない(日本は約4000校。小誌2005年11月28日「日韓野球格差」 < http://www.akashic-record.com/y2005/jkball.html > )。野球に限らず、実際にからだを動かしてスポーツをやっている韓国人は極めて少ない。フィギュアスケートの競技人口は100人に満たず、スキーもほぼ同様である。
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但し、サッカーだけは例外で、男は全員、2年間の兵役期間中に軍隊で経験する。だから、韓国最大の人気スポーツはサッカーである。
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ところが、そのサッカーのA代表、五輪代表の実力が近年急速に低下しつつある。
A代表は、南アフリカ・ワールドカップ(W杯)三次予選で苦戦し、「格下」であるはずの北朝鮮と、2008年3月8日と6月8日に2戦して、ともに「0-0」の引き分けに終わり、同じく格下のはずのヨルダンとは2008年5月31日のホームゲームで、後半3分までに2点リードしながら、後半28分以降に追い付かれて「2-2」の引き分けに終わっている(FIFA Web 2008年6月8日「2010 FIFA WORLD CUP SOUTH AFRICA」 < http://www.fifa.com/worldcup/preliminaries/asia/matches/index.html > 、中央日報日本語版2008年7月8日付「ヒディンク『私が率いても2002神話の再現は難しい』」 < http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=102200 > )。
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五輪代表もかなり弱い。北京五輪アジア地区最終予選の前に行われた日韓の強化試合で、日本が「3-0」で圧勝したため、韓国内では相当な危機感が広がった(朝鮮日報日本語版2007年10月15日付「サッカー:躍進する日本、後退する韓国」 < http://www.chosunonline.com/article/20071015000038 > 、同2007年10月15日付「北京五輪サッカー:韓国、親善試合で日本に大敗」 < http://www.chosunonline.com/article/20071015000006 > )。
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韓国にとって唯一の救いは、韓国人の国際サッカー連盟(FIFA)副会長、チョン・モンジュン(鄭夢準)が、2007年にFIFA五輪組織委員長に就任し(五輪サッカーの主催者はFIFA)、2008年北京五輪、2012年ロンドン五輪のサッカーの予選と本選を取り仕切ることになったことだ(朝鮮日報日本語版2007年6月29日付「鄭夢準氏がFIFA五輪組織委員長に」 < http://www.chosunonline.com/article/20070629000003 > )。
そのせいかどうか、各組の1位しか五輪出場権を得られない北京五輪アジア地区最終予選では、日本は強豪が多く不利なC組(サウジ、カタール、ベトナムと同組)に、オーストラリア(豪州)も不利なA組(北朝鮮、レバノン、2007年アジア杯優勝のイラクと同組)に、そして韓国は韓国自身以外は強豪のいないB組(バーレーン、シリア、ウズベキスタンと同組)にはいったので、韓国が五輪に出場し、日本は出場できない可能性がおおいにあった。
が、(鄭夢準の期待に反して?)日本はサウジに競り勝って五輪出場権を得てしまった(小誌2002年5月28日「組分け抽選の不正~2002年W杯サッカーのディープスロート」 < http://www.akashic-record.com/y2002/wcup.html#01 > 、スポーツナビ2007年11月21日「北京五輪への道 サッカー アジア最終予選 日程・結果 男子」 < http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/beijing/pre/data/m_result.html > )。
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そのうえ、北京五輪本大会に限らず、今後の国際大会で日本が韓国を上回る成績を上げる可能性は、潜在的にかなり高い。
なぜなら、兵役時代に行うサッカーは「先輩のシュートを後輩が防ぐと、後輩がリンチにかけられる」という、スポーツの名に値しない下劣なサッカーであり、とてもサッカー競技人口の底辺拡大にはつながらないからである(チュ・チュンヨンほか『韓国陸軍、オレの912日 - いま隣にある徴兵制』彩流社2004年刊)。
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実は、サッカーでも、日韓間には途方もない格差がある。
日本の競技人口(480万5150人)は韓国(109万4227人)の約4倍、日本のクラブチーム数(1000)は韓国(96)の約10倍だ(朝鮮日報日本語版2007年8月22日付「サッカー:日本の競技人口は韓国の4倍」 < http://www.chosunonline.com/article/20070822000049 > )。
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とくに深刻なのはトッププロを支える、アマチュアやプロのユースチームにおける選手数の差だ。18歳以下のサッカー人口は、日本の62万9140人に対して韓国の1万8205人で、実に35倍もの差がある(朝鮮日報前掲記事)。
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おそらくこれは韓国の急速な「少子高齢化」によって、ただでさえ少ない韓国の競技人口がますます減った結果だろう。
いずれにせよ、この事実は、近い将来韓国がサッカーで日本にまったく歯が立たなくなる日が来ることを意味している。
とくに、23歳以下の「若年層」だけで戦う五輪ではその「Xデー」はより早く、より劇的に到来するだろう(というか、U-23では、すでに韓国は2003年9月以降一度も日本に勝っていない。朝鮮日報前掲記事「サッカー:躍進する日本、後退する韓国」)。
たとえば、北京五輪本大会の一次(予選)リーグ(L)で、日韓は組が違うので直接対戦することはないが、普通にやれば、韓国がカメルーン、イタリア、ホンジュラスに全敗(して一次L敗退)する可能性は高いし、日本が1勝以上(あるいは一次Lを通過)する可能性はさほど低くないはずだ。
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上記の如く、鄭夢準が五輪本大会を仕切っていて、北京五輪本大会の一次Lでは、日本は米国、ナイジェリア、オランダ、という強豪揃いの「死の組」にはいっているから、そう簡単に一次Lを通過して決勝トーナメント(T)に進むことはできないだろう。
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が、それでも、五輪代表を支える「底辺」の拡大に成功した日本は、伸び盛りの若手を次々に繰り出してどんな成果を収めるかわからない。
そうした日韓のサッカー格差、つまり、韓国のスポーツ大国としての国造りの失敗を露呈させないために、何がなんでも日本には北京五輪本大会一次Lでは全敗してもらいたい、と韓国の支配層は思っているはずである。
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●李忠成の帰化●
実は、韓国の支配層には、北京五輪サッカーで日本を勝たせたくない理由がもう1つある。
それは、在日韓国(朝鮮)人の李忠成が帰化して日本五輪代表の一員になっていることだ。
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いままで、韓国の支配層は、経営コンサルタントのシン・スゴ(辛淑玉)など、日本に帰化しない在日韓国(朝鮮)人の文化人に、日本のTVなどで以下のように語ってもらっていた:
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「われわれ在日韓国(朝鮮)人は、日本人から差別されているので、もし帰化して在日社会を裏切ったあと、日本に受け入れられない、となっても、もう在日社会には戻れないので、そう簡単には帰化できないんです」
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ところが、李忠成が帰化したいまとなっては、こんなデタラメはもう通用しない。
李忠成は、東京朝鮮第9初級学校を出ているので(ある程度)韓国(朝鮮)語を話せるうえ(北朝鮮系の新聞、朝鮮新報日本語版2006年5月18日付「Jリーグの舞台で活躍する民族学校出身選手」 < http://www1.korea-np.co.jp/sinboj/j-2006/07/0607j0518-00002.htm > )、18歳の時、韓国サッカー界に才能を認められ、ワールドユース大会を前に韓国代表の合宿に参加したにもかかわらず、日本国籍を取得する道を選んだからだ。
実は、この合宿が、彼に日本への帰化を決意させることになった。彼はスポーツ報知の取材にこう答えている:
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「自分は在日として[合宿に]行った。同じ韓国人として見られてなかった。日本に帰るとき、親と『うちらは日本人でもないし、韓国人でもないし、在日人だね』みたいな話をしたのをすごく覚えている。韓国が嫌いになったとかじゃないけど、そういうふうに見られてるんだって初めて体験した。それが一番大きかった」(スポーツ報知2008年7月15日付28面「[Road to 北京五輪]サッカー・李忠成 日本の『李』が在日の見本に」)
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つまり、彼は韓国と日本と、2つの国を比較した結果、「在韓韓国人はホンネでは自分たち在日韓国人を同胞とは思っていない(差別している)」と感じて、日本を祖国として選んだのである。この「韓国代表合宿をきっかけに帰化を考え始めた」というエピソードは、NHKでも報道されたので、在日韓国(朝鮮)人社会にも広汎に知れ渡っているはずだ(2008年6月29日放送のNHK『サンデースポーツ』)。
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しかし、韓国の新聞、朝鮮日報はこのスポーツ報知の記事を以下のように「引用」して報道した:
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「その時は在日韓国人として合宿に参加した。自分は韓国人だと思っていたが、実際は韓国人というにはあまりにも違うという事実を悟った。韓国がきらいなわけではないが、在日韓国人の限界ははっきりと感じた」(朝鮮日報日本語版2008年7月16日付「北京五輪サッカー:李忠成『在日の手本になりたい』」 < http://www.chosunonline.com/article/20080716000010 > )
「在日韓国人である自分が日本の国籍を取得するのは簡単なことではなかった。しかし五輪を前にして自分は韓国人でも日本人でもないということを悟ったので、帰化することにした」(朝鮮日報前掲記事)
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「同じ韓国人として見られてなかった」つまり「差別された」という部分は削除されているし、「日本の国籍を取得するのは簡単なことではなかった」という、スポーツ報知の記事にはまったく存在しない発言が勝手に挿入されている(この記事を書いた朝鮮日報の記者は、李忠成本人に直接取材せず、スポーツ報知の記事を読んだだけだ)。これは「引用」ではなく「歪曲」である。
彼の在日韓国人社会へのメッセージの部分になると、歪曲はもっとエスカレートする。スポーツ報知では
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「(日本名が必要なときに使っていた)大山というのも(選択肢に)あったけど、在日で帰化した人たちで李とか金とかで出た人はたぶんすごく少ない。自分が李で五輪に出て、結果を出せば、在日の人でこれからどうするか悩んでいる人たちの一つの見本みたいな感じにもなれると思った」(スポーツ報知前掲記事)
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となっている。これが朝鮮日報にかかるとこうなる:
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「五輪がなかったらこれほど注目されることもなかっただろうし、帰化することもなかっただろう。五輪出場をきっかけとして、在日韓国人として悩む人たちに1つの手本のような存在になりたいと思う」(朝鮮日報前掲記事)
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五輪に出ることと、在日韓国人の手本になることとは、なんの関係もない。彼は、「在日韓国人が日本に帰化した場合の名前の名乗り方の手本になりたい」、すなわち、「韓(朝鮮)民族の名前(や誇り)を持ったまま日本国籍をとって日本国民になることもできますよ」と在日同胞に向かって言いたいのだ。
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おそらく、韓国の支配層は、また、朝鮮日報の幹部は、ほんとうは「韓国人の血を引く自分が五輪で活躍することは、韓国人の民族的優秀性の証明になりますから、在日の皆さん、さまざまな分野で頑張りましょう」などと李忠成に言ってほしかったのだろう。しかし、代表合宿に招待されながら「在韓韓国人」に差別されて日本への帰化を決意した者がそんなことを言うはずはない。そこで、上記のスポーツ報知の記事のような発言になったのだが、朝鮮日報は「引用」にあたって微妙に言葉を入れ替えて、なんとか自分たちの希望するニュアンスを持たせようと四苦八苦したのだ。
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●韓国の危機●
さて、この李忠成というフォワード(FW)を擁するサッカー北京五輪日本代表が、MF遠藤を司令塔に迎えて北京五輪で快勝し(て、同時に韓国五輪代表が惨敗し)たら、いまは日本人サッカーファンにしか知られていない李忠成は、一躍国民的英雄になり、多くの日本国民に知られることになり、それはやがて必ず韓国にも知れ渡る。日本人が国を挙げて李忠成を熱狂的に応援する事態になれば、「在日韓国(朝鮮)人は日本人に差別されながら民族の誇りを守って来た」などという「不幸神話」は雲散霧消してしまうだろう(小誌2007年4月23日「●在日と韓国の終焉」 < http://www.akashic-record.com/y2007/skimgc.html > )。
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そうなると、在日韓国人はもちろん、在韓韓国人のなかにも「私も李忠成のように日本に住んで日本人になりたい」と考える若者が急増する可能性がある。
「韓国と日本を比較した結果日本を選んだ韓国風の名前の持ち主」が胸に日の丸を付けて、大勢の日本国民に応援されて戦うことのインパクトは極めて大きいので、おそらく李忠成が韓国代表チームと対戦することを恐れて、鄭夢準は日本と韓国が、国と国との真剣勝負である、五輪やW杯の予選や本大会で同組にならないよう、できる限りの努力をしているはずだ(小誌2002年5月28日「組分け抽選の不正~2002年W杯サッカーのディープスロート」 < http://www.akashic-record.com/y2002/wcup.html#01 > )。
じっさい、1998年フランスW杯のアジア地区最終予選で同組になって以来、日本と韓国は、W杯と五輪の予選、本大会で対戦したことがない)。
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さらに、「外国人参政権問題」にも決着が付く。李忠成の活躍を知った日本の保守良識派が「特別永住権を持つ在日外国人(旧三国人)の皆さんは、李忠成選手を見習って日本国籍を取るべきだ。そうすれば外国人参政権など必要なくなる」と主張した場合、韓国政府やそれに同調する日本のリベラル(左翼)系の勢力は、おそらく反論できまい。
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李忠成は、筆者のような生まれながらの日本人と異なり、自分の意志で、敢えて選択して日本人になったので、だれよりも「日本のために貢献したい」(貢献することによって真の日本人になりたい)という思いが強いはずだ。
だから、たとえ遠藤がいなくても、たとえ相手が強豪のオランダやナイジェリアでも、彼が驚異的な精神力を発揮して日本を勝利に導く可能性はないとは言えない。
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そして、彼が五輪代表やA代表でがんがんゴールを決めて大スターになると、民団は完全に存在意義を失う。
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●テロ対策●
ここから先は単なる仮説であり、筆者としても断定的に主張するつもりはない。しかし、日本の公安関係者およびサッカー関係者が読めば必ず参考になるので、そういう方々にだけお読み頂きたい(それ以外の方は読まないで頂きたい)。
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韓国の支配層に、(李忠成を擁する)北京五輪サッカー日本代表が五輪本大会で快勝することは阻止したい、という事情がある中で、もしも筆者が「被害者を殺しはしないが一時的に弱らせることのできる生物兵器」を扱う権限を持つ韓国諜報機関の幹部であれば、どの兵器をだれに投与するかは慎重に選ぶ。
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その際、絶対に日本の五輪代表チーム全体を狙うことはしない。大勢の感染者が出れば社会問題になり、日本中の医者が「謎のウィルス」の研究に乗り出して来るので、アシが付く恐れがあるからだ。とくに、北京入りしたあとの五輪代表チームを狙うことは、五輪そのものへのテロとなり、国際オリンピック委員会(IOC)と中国を敵にまわすことになる。もしそうなれば、中国政府はその威信を賭けて犯人探しに乗り出すと予想されるので、韓国政府としては絶対にそれだけは避けなければならない。
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となると、ターゲットの人数は少なければ少ないほどよい。
その場合、「はしっこ」の選手を狙うのは効率が悪い。FWやディフェンダー(DF)の左右のサイドバック(SB)、ゴールキーパー(GK)などを一時的に体調不良にしたところで、元々選手層の厚い日本のこと、すぐに伸び盛りの若手が出て来てその穴を埋めてしまうので、チームの戦力は大きくは落ちない。
したがって、狙うべきは、前後左右の多くの選手と連動して動くMFの司令塔またはボランチ(守備的MFの要)、あるいはDFのセンターバック(CB)となる。この種の選手は文字どおり「中心選手」であり、容易に入れ替えが利かないからだ。
2006年ドイツW杯本大会のフランス代表チームが、FWシセを開幕前の骨折で欠きながら決勝進出をはたしたものの、決勝で司令塔のMFジダンが「頭突き」でレッドカードを受けた結果退場して敗退した、という事実から見ても、そう考えるしかない(読売新聞Web版2006年6月8日「仏にジダンの悪夢再び、FWシセ骨折で出場絶望」 < http://www.yomiuri.co.jp/wcup2006/news/20060608iew5.htm > )。
つまり、MF遠藤は狙われやすく、FW李忠成はそうでない、ということだ。
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また、生物兵器の投与は、代表チームが中国にはいる前に行い、かつその効果は、代表チームが合宿や壮行試合(強化試合)を通じて選手同士の連携を確立するのを十分に妨害できるぐいらい、長く持続しなければならない。2006年のフィギュアGPFで安藤美姫や浅田真央を一時的に体調不良にした程度の、弱いウィルス兵器では役に立たない。
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幸か不幸か、遠藤はOA枠の五輪代表候補選手であった。彼はU-23の五輪代表選手とは合宿が始まるまで別行動をとることが多いので、彼1人を狙い撃ちにして感染させるのは容易であり、彼が生命の危険のない病状で、たったひとり感染しても、医学界の注目は集まらない。
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かくして遠藤は代表合宿開始直前の6月30日に発熱して7月2日に入院し、7月7日からの合宿参加を断念させられ、彼の名前のない北京五輪代表チームメンバーのリストが発表された7月14日に退院したが、入院中に体力が落ちたため、日本五輪代表が豪州五輪代表との壮行試合を行う7月24日になってもまだ試合に出られない状態が続いていた。したがって、彼の感染したウィルスが人為的に撒かれた生物兵器であるならば、その目的は完全に達せられたことになる。
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もしこのような生物兵器が実在するならば、「人を殺すことはないが、その健康状態を自在に操ることができる」特異な兵器ということになる。
このような生物兵器が存在しうるのかどうかについて、日本の医学界および公安関係者は研究すべきではないだろうか。なぜなら、これは今後も使用される可能性があるからだ。
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たとえば、2010年南アフリカW杯アジア地区最終予選である。李忠成がA代表入りしそうな場合や、日本が南アフリカW杯本大会出場権を得られそうなのに、韓国が得られそうもない場合などに、このウィルスは再度(?)使用される恐れがある。
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●帰化妨害の証言者●
これとは別に、李忠成個人が、単独で、脅迫などの古典的な手口で狙われる可能性も否定できない。
彼は帰化を決意したときは、「直接聞いたわけではないが、[親戚知人から]反対の声がかなりあった」と述べ(2008年7月27日深夜、28日未明放送のテレビ朝日『Get Sports』「サッカー北京五輪代表 李忠成 背負いしもの」 < http://www.tv-asahi.co.jp/getsports/contents/week/index.html > )、筆者が常々指摘している、在日韓国(朝鮮)人同士の「帰化妨害」という人権侵害が実在することを「証言」してしまった(「在日」にとっての最大の人権問題は、日本人による在日への差別ではなく、在日同士の帰化妨害なのだ)。
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おそらく韓国の支配層は、殺したいほど彼を憎んでいるはずだ。
もし彼が脅迫や暴行などの被害を受けたら、たとえ実行犯の国籍が日本と判明しても、司法当局やマスコミは真っ先に韓国政府関係機関の関与を疑うべきだ。
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李忠成は単なる日本国民ではない。日本の名誉のために戦う愛国者である。愛国者を守れない国家は国家ではない。これは日本サッカー界の問題ではなく、日本国全体の問題だ。
彼に手を出すことは日本国民全員を敵にまわすことになる、ということを、「敵」にわからせなければならない。
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(敬称略)
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星野JAPAN 1.1 :週刊アカシックレコード080707

■星野JAPAN 1.1~週刊アカシックレコード080707■
国内のプロ野球の試合と五輪のような国際試合とはまったく別のものであることを理解できない「自称野球通」の方々は、北京五輪野球日本代表(星野JAPAN)の戦略や選手選びを見て、見当違いの一喜一憂をしている。
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■星野JAPAN 1.1~シリーズ「北京五輪」(1)■
【前回「機密『宣伝』文書?~『対北朝鮮・中国機密ファイル』の笑撃」は → < http://www.akashic-record.com/y2008/cxfile.html#02 > 】
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2004年、日本のプロ野球のパシフィック・リーグで、旧近鉄バファローズと旧オリックスブルーウェーブの合併構想が浮上し、球界全体が「球団数削減→1リーグ化→プロ野球界縮小」の危機に瀕したとき、評論家の田原総一朗(1934年生まれ)は、自身が司会を務めるテレビ朝日の番組(『朝まで生テレビ』か『サンデープロジェクト』)に球界関係者を招いて、このプロ野球の問題を議論した(結局両球団は2004年中に合併して「オリックスバファローズ」になったが、東北楽天ゴールデンイーグルスの新規参入で球団数は維持)。
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当時のプロ野球界では、読売巨人軍の試合のTV中継の(関東地区の)視聴率が低下の一途を辿っていて、視聴者の「野球離れ」がささやかれていたので、田原はゲストに「いままで日本のプロ野球界は全国区の超人気チームの巨人にぶら下がってやって来たのに、その巨人の人気が低下したら、どうやって稼げばいいんだ」と質問した。
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それに回答したのが田原とほぼ同世代の球界関係者だったせいか、野球界のみを視野に入れた「地域密着」「ファン重視」などの優等生的な処方箋しか出なかったが、筆者は、田原の質問自体に耳を疑った。
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なんでそんな質問をするのか。日本の(プロ野球界ではなく)スポーツビジネス界はとっくに答えを出しているではないか。
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プロサッカー界、Jリーグを見よ。
周知のとおり、Jリーグだって、各チームはたった1つの超人気チームにぶら下がっている。もちろん、その超人気チームとは「日本代表」というチームである。
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これは世界のスポーツビジネスの基本である。
欧州、中南米、アジアのプロスポーツでは、クラブチーム対抗の国内リーグと同時に、それ以上に重要なイベントとして、各国代表のナショナルチームが国家の威信を賭けて戦うワールドカップ(W杯)などの国際大会を重視する。たとえば、各国のサッカーファンは自国のサッカーが世界でどのくらいの水準にあるか知りたいし、高い水準になければ納得できない。自国のA代表(フル代表)や五輪代表(U23)が国際大会で不調だと、国内リーグの人気も下がる。だから、各国の国内リーグはW杯などの国際イベントにおける勝利、優勝を最優先にして、国内のスポーツビジネスを組み立てる。
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だから、日本国内のプロ野球人気を盛り上げるのは簡単だ。特定のクラブチーム(巨人)に球界全体が依存するいびつな構造を捨て去って、Jリーグと同様に、「A代表の国際試合を最優先」にする経営態勢に改めればいい。
これはべつに『朝まで生テレビ』などで何時間もかけて議論するような複雑な問題ではない。
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●愛国心なき世代●
ところが、日本のプロ野球界およびマスコミ界には「サッカーなんぞ知るか」とか「若い頃から毎晩巨人戦ナイターを見ながらビールを飲むのが楽しみだったんだ」とか言い募る年寄りが巣食って権力を握っており、「プロ野球を普通のスポーツビジネスとみなさない」傾向があるようだ。
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たとえば、産経新聞の山根聡記者(生年月日不詳)は、2008年12月の北京五輪野球アジア地区最終予選の日本代表の韓国戦(関東地区TV視聴率23.7%)の試合展開の面白さはペナントレース中の試合と大差ない、という非常識な個人的感想を披露しつつ、TV各局は(日本代表の試合よりも)ペナントレースの中継をこそ重視すべきだ、などと愛国心薄弱な意見を述べているので、おそらく彼も「ナイターでビール」世代なのだろう(産経新聞2008年12月4日付朝刊27面「週間視聴率トップ30」)。
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【産経は社説「正論」で繰り返し「愛国心」を説く新聞なのに、なんで山根はこんな暴言を吐くのか。こんな意見の野球ファンが大勢いるから、日本のプロ野球界はいつまで経っても「代表の試合のために国内リーグのシーズン(ペナントレース)を中断する」という世界のスポーツ界であたりまえのことができないのだろう(とくにひどかったのはアテネ五輪本大会の日本代表に「シーズン中なので、代表選手は1球団から2人ずつ選出」という枠を設け、ベストメンバーを組ませなかったことだ)。
ちなみに、筆者は巨人ファンでもアンチ巨人ファンでもない(巨人という一地方の単なるクラブチームの勝ち負けにはなんの関心もない)。野球でもサッカーでも、「日本代表」など、世界と戦う日本人選手の出る試合を中心に見ることにしており、「ナイターでビール」世代の感覚はまったく持ち合わせていない。】
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要するに、この「ナイターでビール」世代(1950年以前生まれで、2008年現在60歳前後かそれ以上)は、日本最大の新聞社である読売新聞グループ、つまり巨人の親会社によって、自国の最大の人気スポーツの国際的地位にあまり関心を持たないようにマインドコントロールされた、世界史的に見て稀有な世代なのだ。世界スポーツ史における「失われた世代」と言っても過言ではなかろう。
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          恥を知れ、ぬすっとブロガー

         小誌記事をコピペすることは違法です

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●時代錯誤の野球解説●
2006年に野球のW杯とも言うべきワールドベースボールクラシック(WBC)が始まって(日本が優勝し)、他方、ペナントレースの巨人戦の関東地区TV視聴率が下降の一途を辿って1桁(10%未満)があたりまえになり、地上波TVのゴールデンタイムからほとんど消えたことで、ようやく日本のプロ野球界も、欧州サッカーなどと同じような経営態勢に移行せざるをえなくなったようだ。
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現在の日本のプロ野球界、マスコミ界ではA代表(星野仙一監督率いる北京五輪野球日本代表、「星野JAPAN」)の比重がかなり高くなっている。そして星野JAPANの選手選考では、アテネ五輪本大会のときのような「1球団2人ずつ」の枠は撤廃され「正常化」されることになった(が、五輪期間中のシーズン中断は依然として実現していない)。
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他方、A代表の戦力や勝敗を予測するマスコミの側は依然として正常化されていない。
A代表(星野JAPAN)の試合は、国内リーグの試合とはまったく違うということを理解していないジャーナリストや解説者が、マスコミでしきりに的外れな分析や予測を流しているのだ。おそらくその理由は、野球を分析するマスコミの現場で依然として「失われた世代」が力を持っているから、だろう。
直木賞作家の海老沢泰久の批判などはその典型だ。海老沢は一度も日本シリーズで優勝していない星野は短期決戦に弱いので、五輪のような短期決戦に向かないと指摘するが(Sports Graphic NUMBER Web 2007年2月22日『スポーツの正しい見方 星野ジャパンへの懸念。』 < http://number.goo.ne.jp/others/column/20070222-1-1.html > )、星野が解説者としてアテネ五輪の日本代表(長嶋茂雄監督率いる「長嶋JAPAN」)を現地で見極め、その一員だった大野豊・投手コーチを星野JAPANに迎えたという事実を見落としている。
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筆者は最近、マスコミのあからさまなウソや間違いを見ると、放っておけない気持ちになる。前回の富坂聰編『対北朝鮮・中国機密ファイル』(文藝春秋社2007年刊)の軍事的非常識も、そういう動機で指摘したのだが、今回は星野JAPANの分析報道についての誤りを正すことにしたい。
尚、あらかじめ「ナイターでビール」世代の方々に警告しておくが、シーズン中の各球団の戦い方に関する知識だけではA代表の戦力や戦術の適否は判断できないので、「オレは野球通だ」といった類の「根拠のない自信」は捨てるように。
(>_<;)
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●村田<荒木●
さて、上記の「ナイターでビール」世代を生み出した元凶の読売の雑誌、『読売ウィークリー』の記事が、星野JAPANの北京五輪本大会におけるベンチ入りメンバーと先発メンバー(スタメン)を予測しているのだが、いくら「元凶」でも、アテネ五輪や第1回WBCを経た2008年になってもなお、国際試合の意味をほとんど理解していないのには驚いた(『読売ウイークリー』2008年6月22日号 p.25 「故障者続出『星野ジャパン』 昨冬と激変の“新スタメン”」 < http://info.yomiuri.co.jp/mag/yw/archive/08_6_22yw_moku.htm > )。
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上記の予測記事が、スタメンに村田修一内野手(横浜ベイスターズ)を入れ、ベンチ入りメンバーから荒木雅博内野手(中日ドラゴンズ)も森野将彦内野手(同)もはずしていたからだ。
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たしかに村田は強打者だ。2008年シーズンでは前半戦(7月6日現在)だけで打率.280、本塁打19本を打っている。しかし村田は、上記記事がスタメンに入れている新井貴浩内野手(阪神タイガース)と一緒で、守備は一塁と三塁しか守れない。
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その守備も、村田はあまりうまくない。2007年に開催された北京五輪野球アジア地区予選(兼アジア野球選手権)の第1戦のフィリピン戦に三塁手として出た村田はエラーをし、翌日の韓国戦では指名打者(DH)にまわされている(野球日本代表公式サイト2007年12月1~2日「アジア野球選手権2007(北京オリンピックアジア予選)試合結果」 < http://www.japan-baseball.jp/nationalteam/2007/asia/result.html > )。
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ペナントレースの1軍登録枠は28人で、怪我人が出れば2軍選手と入れ替えればいい。WBCの出場選手枠も30人で、入れ替え可能だ(日本野球機構Web 2006年3月10日「2006年 WORLD BASEBALL CLASSIC 日本代表メンバー」 < http://www.npb.or.jp/wbc/2006roster.html > )。日本シリーズでは入れ替えは不可能だが、出場選手枠は40人もある(ベンチ入り枠は25人。日本野球機構Web 「2007年度 日本シリーズ 開催要項」 < http://www.npb.or.jp/nippons/2007information.html > )。しかし、五輪代表の枠はたった24人で、しかも、いったん大会が始まってしまうと、いかなる理由でも入れ替えができない。
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そのうえ、首脳陣は監督を入れて4人に限定されており、監督、投手コーチ、打撃コーチ、守備走塁コーチだけで定員に達してしまうので、ブルペンコーチも置けない。
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もっと厳しいのは、ブルペン捕手の同行が禁じられていることだ。
星野はブルペンでは、リリーフ(救援)投手は、右投げのと左投げのと、同時に2人がウォーミングアップできる態勢が必要と考え、ベテランの矢野輝弘捕手(阪神タイガース)をブルペンコーチ兼任の第3の捕手として同行させる「捕手3人制」を決め、アジア予選で実践した(『読売ウィークリー』の上記記事はこの点を完全に失念して、北京五輪本大会の捕手を2人と予測している)。
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その結果、ブルペン捕手の問題を事前に深刻に考えていなかったため「捕手2人制」で苦労した長嶋JAPANに比べて、星野JAPANでは、内外野を守る選手の数が1人減り、たった10人になってしまった。
星野JAPANは、3試合しかないアジア予選では「投手9、捕手3、内外野12」で構成されていたが、五輪本大会は11日間で9試合戦うため投手を増やし「投手11、捕手3、内外野10」となる(長嶋JAPANは本大会では「投手11、捕手2、内外野11」)。
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プロ野球の内野手は、本業が遊撃手である場合は、二塁でも三塁でも一塁でも簡単に守れる。現に宮本慎也遊撃手(東京ヤクルトスワローズ)は、2003年のアテネ五輪アジア地区予選では二塁、2006年のWBCでは三塁を守っている。しかし、本業が三塁手の場合は、一塁は守れても二塁や遊撃はこなせない場合が多い。村田と新井はともにそういうタイプの選手で、10人しか選べない内外野の枠の中にそのような「使い勝手の悪い」選手を2人も選ぶことは考えられない。
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しかもただ「守れればいい」というレベルではだめだ。国際大会は短期決戦なので、たった1つの試合のたった1つのミスが命取りになる可能性がある。つまり試合の後半に「守備固め」の選手と交代しなければならないような選手は……たとえば、元一塁手だが肩をこわして一塁手を断念した松中信彦外野手(福岡ソフトバンクホークス)のような選手は……守備に就かせるわけにはいかない。
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それならそういう選手はDHで起用すればいい、と思われるかもしれないが、それもだめだ。
なぜなら、五輪では、怪我人が出ても入れ替えが利かないからだ。24人枠の中に守備の下手な選手を入れた場合、彼が故障しなくても、不幸にして守備のうまいスタメンのほかの選手が故障すると、その下手な選手は怪我人に替わって守備に就くことはできないから、たちまちチーム全体の守備が崩壊の危機に瀕する。
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したがって、ベンチ入りする野手は全員、守備固めがまったく必要のないレベルの、守備の名手でなければならない。
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となると、新井(7月6日現在、打率.344、本塁打8本)が怪我でもしない限り、村田を選ぶ理由はない。いや、たとえ新井が怪我をしても、本業が遊撃手の中島裕之(埼玉西武ライオンズ)のほうが、ほかの内野手の怪我人の替わりも務まるので好都合だ(7月6日現在、中島の2008年シーズンの成績は打率.339、本塁打15本)。
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ただ、その中島よりも荒木や森野のほうが貴重な存在だ。少なくとも星野はそう思っている(デイリースポーツWeb版2008年6月16日「星野監督 改めて金メダル獲得を誓う」 < http://daily.co.jp/baseball/hoshinojp/2008/06/16/0001144496.shtml > )。なぜなら、この2人は内外野すべての守備位置を守れるからだ。
荒木はシーズン中はほとんど二塁しか守らないが、2007年11月のオーストラリア(豪州)代表との壮行試合(強化試合)では外野も守っている(日本代表公式サイト2007年11月23日「日豪親善 野球日本代表最終強化試合 試合結果」 < http://www.japan-baseball.jp/nationalteam/2007/friendlymatch/result/1123.html > )。森野はシーズン中に三塁、外野のほか、二塁を守ることもある。
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この2人は、たとえシーズン中の成績が打率.240であっても、「打率.350でも一塁しか守れない強打者」などよりはるかに価値がある(2008年6月20日に発表された日本代表最終候補選手には、星野は怪我を理由に森野は選ばなかったが、荒木は選んだ。他方、この時点では、まだ新井がどうなるかわからないからだろうが、村田も候補に残っている。野球日本代表公式サイト2008年6月20日「北京五輪 日本代表最終候補選手」 < http://www.japan-baseball.jp/nationalteam/2008/olympic/player_final_nomination.html > )。
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【尚、星野は、内外野に怪我人が予想外に多く出た場合は、2軍時代の経験に基づいて捕手の矢野に三塁、外野を守らせる可能性を示唆し、同じく捕手の里崎智也(千葉ロッテマリーンズ)も一塁、三塁の守備もするつもりでいるというから(デイリースポーツWeb版2007年6月27日「矢野“仙闘指令”に「二刀流」やる!!」 < http://daily.jp/olympic/peking/peking_baseball/2008/06/27/0001176656.shtml > )、やはり新井が怪我をしない限り、村田が選ばれることはないだろう。】
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星野は内野4、外野3のあわせて7つの守備位置を10人で守る方針なので、内外野それぞれに「1人怪我して控えと交代してもまだ控え(荒木)がいる」状態にしたいはずである。
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また、星野は、2007年のアジア地区予選3試合とその前の豪州戦2試合、あるいはその前の2週間にわたる長期合宿に参加した選手のなかからなるべく多く、本大会の代表選手を選びたいはずだ(予選のメンバーからはもれたが、千葉ロッテマリーンズの渡辺俊介投手や横浜の相川亮二捕手も、豪州戦やその前の合宿には出ている)。
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なぜなら、星野はこの5試合と2週間を通じて代表選手たちに、「四番打者にもバントを命じる戦術」や「国際試合の審判のムラのある判定に慣れること」を徹底させたからだ(2007年の豪州戦は日本で行われたが、球審は2試合とも豪州人が務めた)。星野JAPANは、五輪本大会の直前、8月8~9日に、パシフィック・リーグ選抜、セントラル・リーグ選抜を相手に、国際審判を招聘して壮行試合2試合を行うが、相手が日本人であるだけに「国際試合のシミュレーション」としては不十分だ。
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この「身内」相手の2試合と、その直前の、8月2~7日のたった6日間の合宿だけで、「代表初召集」の選手が星野の方針や国際試合独特の条件を完璧に理解できるとは思えないので、2007年の合宿参加者の「再召集」は多ければ多いほどよい。
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実は、サッカーや野球では、「2日間しか合宿をしない一流選手のチーム」と「2週間かけてじっくり(外国のA代表との強化試合を含む)合宿をした二流選手のチーム」とが戦うと、二流選手のほうが勝つのだ。なぜなら、クラブチームと違って、代表チームの選手同士はお互いの特徴を(味方としては)よく知らないので、連係プレーがスムーズにできるようになるためには、長期間一緒に過ごさなければならないからだ(小誌2004年8月5日「最強と一流の違い~シリーズ『アテネ五輪』(1)」 < http://www.akashic-record.com/y2004/strong.html > )
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野球の場合は、このほかに、国内試合と国際試合とでは、使用するボールや審判の判定基準(ストライクゾーンやボーク)が違うといった問題もあり、したがって当然、国内リーグのシーズン中の成績が国際大会の成績に比例するとは限らない。星野が、巨人の上原浩治投手を、2008年シーズンにおける彼の成績の悪さ(7月6日現在、1勝4敗1S、防御率5.97)を無視して選ぼうとしているのは、そのためだ。逆に、今シーズン絶好調の投手でも、「国際試合の公認球で投げさせたら、急に二流投手になってしまった」などという事態は当然起こりうる。2004年シーズン中前半に8連勝しながら、同年のアテネ五輪本大会でオランダにKOされた岩隈久志投手(当時近鉄。現楽天)がまさにその典型だ(詳論後出)。
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つまり、アジア予選のときの「星野JAPAN 1.0」が五輪本大会に向けてバージョンアップしても、大幅に選手を入れ替えて「星野JAPAN 2.0」になることはなく、せいぜい「Version 1.1」止まりだろうと思われるのだ。
そういう発想でメンバーを予測すると、だいたい以下のようになる(▲は、投手は左投げ、打者は左打ち。△は両打ち。[]は怪我人等が出た場合の代役):
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先発投手:
_ダルビッシュ有(日本ハム)
_岩隈久志(楽天)[or田中将大(楽天)]
_渡辺俊介(ロッテ)
▲和田毅(ソフトバンク)
_涌井秀章(西武)[or▲成瀬善久(ロッテ)]
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先発/中継ぎ投手:
_川上憲伸(中日)[or吉見一起(中日)]
▲岩田稔(阪神)[or▲杉内俊哉(ソフトバンク)]
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中継ぎ投手:
_久保田智之(阪神)[or久米勇紀(ソフトバンク)]
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抑え投手:
_上原浩治(巨人)
_藤川球児(阪神)
▲岩瀬仁紀(中日)
_
捕手:
▲阿部慎之助(巨人)[or相川亮二(横浜)]
_
捕手/一塁手/三塁手:
_里崎智也(ロッテ)
_
捕手/三塁手/外野手/ブルペンコーチ:
_矢野輝弘(阪神)
_
一塁手/三塁手:
_新井貴浩(阪神)[or村田修一(横浜)]
_
二塁手/三塁手/遊撃手:
△西岡剛(ロッテ)
▲川崎宗則(ソフトバンク)
_井端弘和(中日)[or中島裕之(西武)]
_
二塁手/三塁手/遊撃手/内野守備コーチ:
_宮本慎也(ヤクルト)
_
二塁手/三塁手/遊撃手/外野手:
_荒木雅博(中日)
_
外野手:
▲青木宣親(ヤクルト)[or▲赤星憲広(阪神)]
▲稲葉篤紀(日本ハム)[or▲高橋由伸(巨人)]
_サブロー(ロッテ)
_G・G佐藤(西武)[or和田一浩(中日)]
_
したがって、上記のだれも怪我をしなかった場合のスタメンは以下のようになるだろう:
_
△二)西岡(ロ)
_三)井端(中)
▲中)青木(ヤ)
_一)新井(神)
▲右)稲葉(日)
_指)G・G佐藤(西)
▲捕)阿部(巨)
_左)サブロー(ロ)
▲遊)川崎(ソ) 
_
●エースは第2戦に●
ついでに先発投手のローテーションも予想してみたい。星野JAPANは8月13日の一次(予選)リーグ(L)のキューバ戦を皮切りに、以下のような日程で戦う(時刻は試合開始時刻で、現地時間。日本時間は+1時間):
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13日(水)19:00 キューバ vs. 日本
14日(木)19:00 台湾 vs. 日本
15日(金)19:00 日本 vs. オランダ
16日(土)19:00 日本 vs. 韓国
17日(日)全チーム休
18日(月)10:30 カナダ vs. 日本
19日(火)18:00 日本 vs. 中国
20日(水)19:00 日本 vs. 米国
21日(木)全チーム休
22日(金)準決勝10:30(一次L 1位 vs. 4位)or18:00(一次L 2位 vs. 3位)
23日(土)10:30 3位決定戦
18:00 決勝
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日本のエース、ダルビッシュ有(北海道日本ハムファイターズ)が13日のキューバ戦に投げると、中4日で18日のカナダ戦、さらに中4日で23日の決勝に投げることができるので、それでいいと思う方が少なくないであろう。
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が、たぶんそれはない。なぜならその「中4日」方式だと、ダルビッシュがいつ投げるかが明白で、相手チームが対策を立てやすくなるからだ。
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それともう1つ。18日のカナダ戦にダルビッシュが投げることは考え難い。
なぜなら、カナダは左打者が異常に多い特異なチームだからだ。
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アテネ五輪本大会のカナダ代表は、スタメン9人のうちなんと8人が左打者だった。
その理由はアイスホッケーにある。カナダはアイスホッケーが国技なので、男の子はみな子供の頃から冬場はこれをやるのだが、アイスホッケーのシュートは、右利きの場合、右足を前に出して左打者のようなフォームで打つことになっている。このため、カナダの野球チームには右投げ左打ちの選手がやたらに多く、反対に、左投げ左打ちはまずいない(左投げ右打ちはいる)。
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【一般的に、左打者は左投手の投球が見づらいので、「左投手対左打者」は投手が有利とされる。他方、左打者は右投手の、とくに下手投げ、横手投げの投球は見やすく、反対に右打者はどちらも見づらいので、「右下(横)手投げ対左打者」は打者が有利、「右下(横)手投げ対右打者」は投手が有利とされる。】
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したがって、カナダ戦には左投手を先発させるべきである。現にアテネ五輪本大会の一次Lと3位決定戦のカナダ戦では、長嶋JAPAN(の中畑清監督代行)は2試合とも左投手の和田毅(ソフトバンク)を先発させて圧勝している(スポーツナビ2004年8月25日「アテネ五輪 野球 日程・結果(本選)」 < http://sportsnavi.yahoo.co.jp/baseball/jpn/athens/data/result > )。
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そこで、18日のカナダ戦の先発を左投手と想定すると、中4日以上の休養を必要とする先発投手のローテーションから考えてダルビッシュの先発の機会は2回のみとなる。初戦のキューバ戦に先発させてから中8日で準決勝、あるいは中9日で決勝に投げさせる、という手もなくはない。が、一次Lで1位になってもあまり意味がないことは、アテネ五輪の長嶋JAPANが準決勝で苦手の豪州(一次L 4位)に当たって敗れてしまったという先例で明らかなので、ダルビッシュを一次Lのキューバ戦に使う意味はあまりない。
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一次Lで4位までにはいれば決勝トーナメント(T)に進めるのだから、それを確実にするには5勝すればいい。星野は「(一次Lで)5勝するまではしっかり勝ちにこだわる」と言っているので(デイリースポーツWeb版2008年6月1日「星野監督、上原の精神面に注目」 < http://daily.co.jp/baseball/hoshinojp/2008/06/01/0001096621.shtml > )、逆に、負けてもいいという構えで戦う「捨てゲーム」は当然作るだろう。
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一次Lで対戦する7チームのうちいちばん強いのは米国、二番手はキューバとし、この2チームとの対戦を「捨てゲーム」とし、逆にいちばん弱い中国とオランダ、その次に弱いカナダとの対戦では国際経験の乏しい投手でもなんとかなると考えると、第2戦の台湾戦と第4戦の韓国戦には、それぞれ国際経験豊富なダルビッシュ、和田らを先発させるべきである。
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ちなみに韓国もそれなりに左打者がいるが、カナダほど多くはない。逆に、キューバと台湾には左の大砲が少ない。
アテネ五輪本大会でも2006年WBCでも、キューバ代表のスタメンには左打者は3人以下で、打順は四番~七番(野球日本代表公式サイト2004年7月14日「野球日本代表壮行試合 試合結果」 < http://www.japan-baseball.jp/nationalteam/2004/send_off/result.html > 、日本野球機構Web 2006年3月20日「2006年 WORLD BASEBALL CLASSIC 試合結果(決勝)キューバvs.日本」 < http://www.npb.or.jp/wbc/2006score_jpn8.html > )。
アテネ五輪本大会の台湾代表のスタメンは常に全員右打者だった。北京五輪アジア予選の台湾代表の日本戦のスタメンには3人の左打者がいたが、打順は二番、六番、七番で、右投げ先発投手のダルビッシュに対して3人ともノーヒットだった(野球日本代表公式サイト2007年12月3日「アジア野球選手権2007(北京オリンピックアジア予選)試合結果」 < http://www.japan-baseball.jp/nationalteam/2007/asia/result.html > )。
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【2007年12月2日のアジア予選の韓国戦で、星野が左投手の岩瀬仁紀(中日)をリリーフで2回1/3も投げさせて疲れさせ、「翌日の台湾戦に投げられないようにし、左のリリーフ陣を手薄にした」ことを批判する「自称野球通」(年齢不詳)が大勢、試合当日の夜にネット上で議論していたが(スポーツナビ編集部blog 2007年12月2日「星野ジャパン、激戦制し北京へ前進! (北京五輪アジア予選・第2日)」 < http://www.plus-blog.sportsnavi.com/bbl_jpn_tb/article/1#comment1433 > )、彼らは、当時の台湾代表に左の強打者がおらず、岩瀬を台湾戦に投げさせる必要がなかったことを知らなかったようだ。DNA鑑定の実態も知らずに「横田めぐみさんの遺骨」は偽物だと騒いでいる連中と同じだ(小誌2007年7月3日「『ニセ遺骨』鑑定はニセ?~シリーズ『日本人拉致被害者情報の隠蔽』(2)」 < http://www.akashic-record.com/y2007/dnamgm.html > )。】
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【日本が一次Lに全勝すると、1位日本、2位米国、3位キューバ、4位韓国になる可能性が高く、この場合、日本は準決勝で韓国と対戦することになる。韓国代表選手は「五輪でメダルを取れば兵役免除」であり、準決勝で勝てばメダルが確定するので、死に物狂いで日本に向かって来るだろう。したがって、日本は一次Lで1位になるべきでない。】
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おそらく星野は、中継ぎ兼任の川上憲伸(または吉見一起。ともに中日)を含めて6人以上先発可能な投手を五輪本大会のメンバーに選ぶだろうから、その人数をの多さをフルに使って、極端な話、一次L 7試合はすべて違う先発投手を起用する可能性もある。
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以上のことを踏まえ、上記のリストのだれも怪我をしないと仮定すると、先発ローテーションはだいたい以下のようになるのではないか(時刻は現地時間):
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13日(水)19:00 _渡辺(ロ) vs. キューバ
14日(木)19:00 _ダルビッシュ(日) vs. 台湾
15日(金)19:00 _岩隈(楽) vs. オランダ
16日(土)19:00 ▲和田(ソ) vs. 韓国
17日(日)全チーム休
18日(月)10:30 ▲岩田(神) [or▲成瀬(ロ)] vs. カナダ
19日(火)18:00 _渡辺(ロ) vs. 中国
20日(水)19:00 _岩隈(楽)[or捨てゲーム] vs. 米国
21日(木)全チーム休
22日(金)準決勝 10:30 or 18:00 _川上(中)[orダルビッシュ(日)or▲和田(ソ)or岩隈(楽)]
23日(土)10:30 3位決定戦
18:00 決勝 _ダルビッシュ(日)[or▲和田(ソ)or岩隈(楽)]
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シーズン中の成績がイマイチ(7月6日現在、6勝4敗、防御率4.55)の渡辺を第1戦の先発に起用するのは、まさに国際試合の発想であって、「この試合は負けてもいいから、大崩れせずに6回ぐらいまで投げてくれれば、それでいい」という意図である。
右下手投げの渡辺は、左打者の少ないキューバに強いはずだ。2006年WBC本大会決勝では、3回4安打3失点とキューバに打ち込まれているが(日本野球機構Web 2006年3月20日「2006年 WORLD BASEBALL CLASSIC 試合結果(決勝)キューバvs.日本」 < http://www.npb.or.jp/wbc/2006score_jpn8.html > )、国際経験が豊富なので(負けてもいい試合なら)「なんとかしてくれる」と期待できる。
逆に、岩隈は2008年のシーズン中の成績はよいものの(7月6日現在、12勝2敗、防御率2.07)、アテネ五輪本大会ではメンバーに選ばれながら体調不良でオランダ戦の1試合、1回2/3しか登板しなかったので(しかも3安打4四死球3失点、ボーク1。野球日本代表公式サイト2004年8月16日「オリンピックアテネ大会 試合結果 対オランダ戦」 < http://www.japan-baseball.jp/nationalteam/2004/olympic/game_result/0816.html > )、国際経験はほとんどなく、プレッシャーのかかる第1戦の先発も、また、第1戦のキューバ戦を日本が落とした場合の第2戦の先発も、とても任せられない。
同じオランダ相手にまた岩隈が先発することなどあるのか、と思われるかもしれないが、「国際経験豊富な味方のエースが最初の1勝をあげてくれるまで待つ」とすれば、オランダ戦に使わざるをえない。アテネ五輪のときは、まだコナミカップアジアシリーズ(日本野球機構Web 2007年「KONAMI CUP アジアシリーズ 2007」 < http://asia.npb.or.jp/2007/past/ > )が始まっておらず、日本球界のボークの基準が国際化されて(諸外国に合わせて変更されて)いなかったので、岩隈は国内基準の「二段モーション」の投球フォームで五輪に出てボークを取られてKOされたが、今回はそういう心配はないだろう。
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●理想は高校野球!?●
上記の『読売ウィークリー』の予測記事(プロ野球ジャーナリストの務台達之)は、星野がアジア予選を、ホームランバッター(大砲)に頼らず、盗塁、バントなどの機動力を重視した「スモールベースボール」で勝ち抜いた理由を、「日本には大砲が少ないから」としている。つまり、12球団の四番打者はほとんど外国人選手で、日本人には本塁打を量産できる選手がほとんどいないので、そこで星野は「仕方なく」機動力野球を選んだ、というのだ。
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とんでもない。たとえ各球団で四番を務める外国人選手が日本に帰化してくれたとしても、彼らが星野JAPANに選ばれることはない。なぜなら、どうせ彼らは強豪相手の国際試合ではホームランなどほとんど打てないからだ。
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五輪本大会には米大リーグ(MLB)のメジャーリーガーの出場が禁止されているため、米国代表、カナダ代表の主力選手はマイナーリーグの3A、2Aクラスの選手だ。そして、日本のプロ野球で三番、四番、五番を打てる強打者であれば、3A、2Aクラスの投手なら、3試合10打席ぐらい対戦すれば、3安打(うまく行けば1本塁打)ぐらいは打てるだろう。1回目、2回目の打席で球筋を読みそこなって打てなかったとしても、3~4打席目までには球筋を読めるようになるからだ。
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ところが、国際大会では、同じ投手とそんなに多くの打席で対戦するわけではない。多くて3打席、たいていは1~2打席だ。つまり、球筋が読めるようになる前に大会は終わってしまうので、日本の強打者陣が、3A、2Aクラスの投手を次々に繰り出す継投策で完封されることはありうる。現に2004年アテネ五輪本大会準決勝で、長嶋JAPANは豪州代表の3Aクラスの投手たちに完封されている(野球日本代表公式サイト2004年8月24日「オリンピックアテネ大会 試合結果 準決勝 対オーストラリア戦」 < http://www.japan-baseball.jp/nationalteam/2004/olympic/game_result/0824.html > )。
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【高卒後プロ入りした1年目に、1軍の先発投手としてはほとんど通用しなかった、元巨人の桑田真澄は(2年目からは先発投手のエースとして大活躍したものの)、「1年目は、(当時の阪神の四番のランディ・バースなど)各球団の主力打者は第2打席まではなんとか抑えられたが、(試合に勝つために)だいじな第3、第4打席になると必ず打たれた」と述べている(2008年6月28日放送のNHK『NHKアーカイブス』)。つまり、「まだ1軍で通用しないレベルの高卒ルーキーでも、日本の強打者を2打席ぐらいは抑えられる」のだから、ラミレス(巨人)やウッズ(中日)が星野JAPANの四番になっても、五輪の米国戦やキューバ戦でホームランを打つことは期待できない、ということになる。】
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結局、A代表の参加する国際大会では、優勝のかかった重要な試合は、高校野球のような試合になる。つまり、少ないチャンスを機動力を使って確実に得点に結び付け、それを堅い守備で守り抜くような試合をせざるをえないのだ。
現に星野JAPANが五輪本大会出場を決めたアジア予選のもっとも重要な試合、韓国戦は「4-3」の1点差ゲームになり、日本と違ってエラーをした韓国が負けている。
日本が最終的に本大会を出場を決めた台湾戦でも、星野JAPANは最終的に10点取っているものの、一時はリードを許し、同点スクイズを決めたあと、台湾投手陣の混乱に乗じて、短打を連ねて大量点を取ったにすぎない(野球日本代表公式サイト2007年12月3日「アジア野球選手権2007(北京オリンピックアジア予選)試合結果」 < http://www.japan-baseball.jp/nationalteam/2007/asia/result.html > )。
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「日本代表!!」と聞くと、日本を代表する強打者が大勢集まって、外国チーム相手にガンガン本塁打を打つのだろう期待する「ナイターでビール」世代が少なくないようだが、そんな試合は……相手が中国やオランダならともかく……米国、キューバ、韓国との試合ではまず期待できない。
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A代表は国家の威信を背負って短期決戦を戦うので、勝つことが至上命題であり、「ファンを魅了する野球」などやっている余裕はない。
2006年のWBCの一次Lアジアラウンドを観戦した米国人記者が「米国の高校生レベル」と酷評した中国代表との試合でさえ、5回を終わって「0-0」である可能性もある(2006年WBC一次Lの中国戦は、4回を終わって「2-2」、最終的には「18-2」で日本の8回コールド勝ちだった。日本野球機構Web 2006年3月3日「2006年 WORLD BASEBALL CLASSIC 試合結果(一次リーグA組)中国vs.日本」 < http://www.npb.or.jp/wbc/2006score_jpn1.html > )。
だから日本代表選手の華々しい打棒を見たい方々には、五輪本大会では、対中国戦の後半を見逃さないように、とご忠告申し上げたい。
(^_^)
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●山本浩二コーチ●
尚、星野JAPAN最大のの弱点は山本浩二守備走塁コーチだという説があるので、それについてひとこと。
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2006年、まだ日本プロ野球組織(日本野球機構、NPB)が北京五輪日本代表監督を決められずにいたとき、「早く代表の監督、コーチを決めないと、アジアや北中南米のライバル国の選手の情報収集が間に合わない」と焦るアマチュア球界が、代表監督に推したのは山本浩二だった、という事実がある(日本代表は、プロ野球界だけでなく、アマも含めた日本球界全体の代表なので、その監督人事には、アマ側も発言権がある。スポーツニッポン2006年5月24日付1面「北京五輪 野球日本代表『山本浩二監督』急浮上 -- 長船編成委員長打診」)。結局、代表監督は星野に決まったが、星野がアマ側が推していた山本をコーチ陣に加えたことの意味は大きい。
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アテネ五輪日本代表では、巨人で優勝経験のある長嶋茂雄監督が、監督経験のない3人のコーチを選んだため、長嶋本人が五輪前に急病で倒れると同時に「監督経験のある指揮官不在」に陥り、結局五輪本番で金メダルを逃した(とくに、監督経験のない中畑監督代行が「捨てゲームを作る」という英断を下せず、「全試合勝ちに行く」という当初の方針を途中で変えられなかったのが痛い)。日本球界にはこの苦い経験があるのだから、星野は万一自分が倒れても自分に代わって監督を務められる、監督経験のある者をコーチにする必要があった。
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星野は、山本のほか、福岡ダイエーホークスで監督経験のある田淵幸一も首脳陣(ヘッドコーチ兼打撃コーチ)に選んでいるが、田淵の監督としての成績は惨憺たるもので、とても監督代行は務まらない。その点、広島東洋カープで通算10年の監督経験と1回の優勝経験を持つ山本は監督代行に最適だ(とアマ側は思っているはずだ)。山本は(田淵もそうだが)大学時代からの星野の盟友で、お互いの考えがよくわかっているからコーチにもいいだろう。
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問題は「守備走塁コーチ」という役割にある。山本は現役時代は外野手だったので、相手チームの打者に応じて内野手の守備位置の変更を指示することができない。だから、2007年のアジア予選では、代表チームの主将でもある宮本が内野手の守備位置を指示した。『夕刊フジ』の江尻良文編集委員などは、この点を指摘して山本は守備コーチにふさわしくない、と酷評する(『サンデー毎日』2008年6月22日号 p.p 130-131 「北京真夏の悪夢か 『シーズン0勝』上原頼みで予選落ちもある『星野ジャパン』」 < http://www.mainichi.co.jp/syuppan/sunday/news/20080610-145144.html > )。
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しかし、星野は山本が内野手の守備位置を指示できないことは織り込み済みで、事前に「宮本は首脳陣の1人(事実上のコーチ兼任)」と公言していた。だから、江尻のように宮本がコーチ役を務めたことをもって「山本はダメだ」と鬼の首でも取ったように騒ぐのは筋違いだ。
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たしかに、走塁コーチとしても経験のない山本が「守備走塁コーチ」として三塁側コーチャーズボックスにはいることを危険視する意見は、上記の直木賞作家の海老原を始め、多々あった。たとえば、監督のサインを走者に伝える際にミスが出るのではないか、といった指摘である(『日刊ゲンダイ』2007年11月26日「山本三塁ベースコーチを切れない星野の温情が命取りになる」 < http://gendai.net/?m=view&g=sports&c=040&no=27761 > )。
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しかし、山本は、アジア予選の台湾戦では三塁コーチとしてスクイズのサインを出して成功させている。また、その後も「采配のカンを鈍らせたくない」と考える星野、田淵、大野とともにプロ野球2軍のウェスタンリーグの試合で何試合か首脳陣を務め、星野監督のもと、コーチとしてサインや指示を出す「実戦練習」を繰り返している(デイリースポーツWeb版2008年6月28日「悔しいんや! 星野監督初黒星」 < http://daily.jp/olympic/peking/peking_baseball/2008/06/28/0001179903.shtml > )。
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だから、「山本浩二が(三塁)コーチだったから負けた」という事態は、たぶんない。
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●最大の敵は怪我●
最大の問題はむしろ「内野守備コーチ兼任」の宮本が五輪開会前に大怪我をした場合だ。怪我を理由に宮本をはずすと、内野守備コーチがいなくなり、怪我に目をつぶって宮本をメンバーに選ぶと、二塁手・遊撃手の控えが、外野手兼任の荒木1人だけになってしまう。
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宮本の所属するヤクルトの本拠地である神宮球場は人工芝なので怪我をしやすいし、現に彼は2008年シーズン中にも怪我で欠場したことがある。
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『サンデー毎日』は、2008年シーズン開幕後、星野JAPANの候補選手のなかに怪我人が続出していることを指して、五輪本大会で「予選落ち(一次L敗退)もある」などと茶化したように述べているが(『サンデー毎日』前掲記事)、茶化している場合ではない。怪我人が多いのは、ドーム球場を含め、人工芝の球場が多すぎるからだ。
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【広島、阪神に在籍して連続試合フル出場の世界記録(904試合)を樹立し、その後も更新中(2008年7月6日現在)の金本知憲外野手は、在籍した2つの球団の本拠地がともに天然芝球場だったため、からだの消耗が少なかったことが幸いした、と考えられる。】
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この人工芝の弊害に、MLBはいちはやく気付き、1990年代に次々に新設された、グランドが人工芝のドーム球場はいまはほとんど球団本拠地ではなくなり、天然芝の球場が主流になっている(産経新聞2005年3月31日付「メジャーリーグ:さらば人工芝野球 『本物』が戻って来た」によると、MLB30球団のうち27球団の本拠地は天然芝)。
他方、都心の一等地に「雨の日に使えないイベントスペース」「コンサートや展示会に転用できない土のグランド」を構えることを嫌がる日本の球場オーナーたちは、人工芝の球場を天然芝に戻そうとしない。このため、日本の多くの野球選手の足腰が、人工芝の下にある硬いアスファルトの影響で、すっかり傷付いて故障がちになってしまっている(報知新聞2006年9月30日付「滝鼻オーナーにインタビュー『東京ドーム 屋根外し天然芝に が巨人の理想』」 < http://narinari.com/Nd/2006096540.html > )。
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その典型が、老朽化した東京ドームの硬い人工芝に二度もからだを打ち付けて重傷を負って、俊足から鈍足に変わってしまった、巨人の高橋由伸外野手だ(報知新聞前掲記事)。彼が広島か阪神に在籍していれば、いまより数段偉大な選手になっていただろうに、と悔やまれる(おそらく彼はドームの人工芝に痛め付けられたせいで北京五輪本大会に出られない)。
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星野JAPANの候補選手にやたらに怪我人が多いのは、必ずしも選手個人の問題ではない。これは、星野JAPAN以後も、日本球界全体にずっと付いてまわる問題なのだ。
マスコミには、茶化すより、もっとだいじな仕事があるはずだ。
(>_<;)
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(敬称略)
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但し、melma.comのシステム上、誠に申し訳ございませんが、本メールに返信されても「退会」手続きは成立しません。
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機密宣伝文書?:週刊アカシックレコード080630

■機密宣伝文書?~週刊アカシックレコード080630■
北朝鮮を分析した中国政府の「機密文書」として日本で出版されているものは、軍事常識に反する非論理的な記述が多い。それを読んでも、米国が北朝鮮の「テロ支援国家」指定を解除する理由はわからない。
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【アラーの神風!?】
2008年6月27日に行われた2010年南アフリカ・ワールドカップ(W杯)サッカー・アジア地区最終予選の組み分け抽選会の結果、A組にオーストラリア(豪州)、日本、バーレーン、カタール、B組に韓国、イラン、サウジアラビア、北朝鮮、アラブ首長国連邦(UAE)がはいりました(スポーツナビ2008年6月27日「FIFAワールドカップ2010 アジア最終予選」 <
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/japan/data/wc08_q_final.html > )。
おそらく最終予選リーグ(L)終了時点で各組2位以内にはいってW杯本大会出場を決めているのは、豪州、日本、イラン、サウジでしょう。韓国はB組3位になって、アジア5位決定戦でA組3位を破って、さらにオセアニア地区1位(たぶんニュージーランド)を大陸間プレーオフで破って、結局本大会に出るでしょう(但しアジアサッカー連盟会長はカタール人なので、カタールがA組3位になると鬼門)。
ちなみに、2008年9月6日の最終予選L第1戦、「バーレーン対日本」戦は日本が有利です。なぜなら、直前の8月31日から(9月29日まで)イスラム諸国はラマダン(断食月)にはいり、バーレーンなどのイスラム教徒の選手は昼間水分をとることを一切禁じられるため、昼間の練習ができず、体調が狂っているはずだからです。
この時期イスラム国と対戦してこの恩恵に浴する非イスラム国は、日本と豪州と北朝鮮だけなので、まるで「日豪はさっさと本大会出場を決めなさい」と言わんばかりの日程です(韓国はとんだ貧乏くじ)。
日本にとってはまさに、アッラー・アクバル(神は偉大なり)!
m(_ _)m
【マケイン陣営、テロを待望?】
2008年米大統領選で米共和党の候補者指名が確定したジョン・マケイン上院議員の選挙参謀のチャーリー・ブラック氏が米『フォーチュン』誌のインタビューに答えて、昨2007年末にパキスタンのベナジル・ブット元首相が暗殺された際、同議員が演説で有権者に事件の背景をうまく説明できたことで共和党予備選で有利になったと指摘したうえで、もし今後米国本土でテロが発生すれば、安全保障に強いマケイン氏が大統領選の本選で「非常に有利になる」と答えていたことが判明(朝日新聞Web版2008年6月24日「テロが起きれば『非常に有利』 マケイン陣営幹部が失言」 <
http://www.asahi.com/international/update/0624/TKY200806240097.html > )。
本選のライバル、民主党のバラク(バラック)・オバマ上院議員が黒人だからじゃなくて、参謀の名前が名前だけに、これはブラック・ユーモア?

(^^;)
でも、もし今後米国本土でマケイン議員本人が大失言をすれば、オバマ議員が「非常に有利」なので、どっちもホンネは同じ?
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【拙著に関する個人ブログの虚偽宣伝】
小誌の筆者・佐々木敏の著書を購入される方は必ず事前に、小誌サイト( <
http://www.akashic-record.com/angel/cntnt.html > )など著者や出版社が直接内容紹介を行っているWebページをご参照のうえ、ご判断下さい。小誌の記事を無断で何行も転載(コピー&ペースト、コピペ)する違法な個人ブログ、ホームページが多数あり、その転載(盗用)箇所の前後には、ロボットSF『天使の軍隊』をはじめ、拙著の紹介文を含む「解説」が付けられていることが少なくありませんが、その種の解説の大部分は不正確なものです(どれも例外なく「小説と小誌は基本的には関係がない」という注意書きは転載されていません)。一般に、読者の皆様がそのようないい加減な解説を信じて書籍を購入なさった結果、その内容が「期待はずれ」だったとしても、その責任はその書籍の著者にも出版社にもありません(無責任な無能者たちはしばしば自ら読んでいない書籍について事実無根の紹介文を書きます)。
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【日本ユニシス、日立、都築電気から投票】
福井医大10、都築電気4、図研10、三興プログレス(ロシア貿易)、松下電器7、ニコン、東洋ビジネスエンジニアリング5、日立、日本ユニシス2……小誌Web版にご投票下さった方のドメインは(一般の個人サイトと違って)職場(大学)が多く、海外にまでおよんでいます。皆様、有り難うございました。とくに福井医大、都築電気、図研、松下、東洋、日本ユニシスからは複数のご投票、有り難うございました。
「ホームページランキング」はこのページ <
http://www.akashic-record.com/ > のいちばん上の行をクリックしてご参照下さい。
m(_ _)m
【ご注意】
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■機密「宣伝」文書?~『対北朝鮮・中国機密ファイル』の笑撃■
【小誌2007年9月13日「開戦前倒し?~シリーズ『中朝開戦』(9)」は → <
http://www.akashic-record.com/y2007/moveup.html > 】
【小誌2007年10月22日「軽蔑しても同盟~シリーズ『中朝開戦』(11)」は → <
http://www.akashic-record.com/y2007/despis.html > 】
【小誌2007年12月21日「大賞受賞御礼~メルマ!ガ オブ ザ イヤー 2007」は臨時増刊なのでWeb版はありませんが → <
http://ameblo.jp/akashic-record/day-20071222.html > 】
【小誌2008年3月6日「中朝山岳国境~シリーズ『中朝開戦』(13)」は → <
http://www.akashic-record.com/y2008/ckmbdr.html#02 > 】
【前回「媚日派胡錦濤~『福田康夫は親中派』報道のデタラメ」は → <
http://www.akashic-record.com/y2008/hjtdff.html#02 > 】
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富坂聰編『対北朝鮮・中国機密ファイル 来るべき北朝鮮との衝突について』(文藝春秋社2007年刊)の副題を見たとき、筆者は「ようやく中朝戦争の可能性に言及した本が出たか」と喜んだ。が、それについての編者の言葉をWebで読んだとき、がっかりした。「北朝鮮建国の父である故キム・イルソン(金日成)が、1950~1953年の朝鮮戦争の最中に、北朝鮮を援助する中国人民解放軍の司令官から平手打ちを受けた」などという、地政学上なんの意味もないエピソードを編者が重視していたからだ(文藝春秋『本の話』2007年9月号「来るべき北朝鮮との戦争に備えよ~自著を語る 富坂聰編『対北朝鮮・中国機密ファイル』」 <
http://www.bunshun.co.jp/jicho/taikita/taikita.htm > 小誌2007年10月22日「軽蔑しても同盟~シリーズ『中朝開戦』(11)」 < http://www.akashic-record.com/y2007/despis.html > )。
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しかしまあ、拙著『天使の軍隊』( <
http://www.akashic-record.com/angel/cntnt.html > )は小説なので、現時点では、富坂前掲書はノンフィクションのなかでは唯一の「中朝戦争」に関する書籍である。そこで、機会があったら読みたいと思っていて、最近ようやくその機会を得た。
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で、じっさいに読んでみて、やっぱり失望した。
(>_<;)
筆者は他人の書籍出版の邪魔をするのは嫌いなので、批判する前によい点を挙げたいのが、上記の「平手打ち」のエピソードや、中朝国境の確定交渉(富坂前掲書 p.51 第1章第7節「金日成にも大きな借りができた」)、さらに「朝鮮人」の女性が中国国内で結婚詐欺などの犯罪をやりまくっている話(富坂前掲書 p.p 145-147 第2章第6節「脱北者の昨今」)など、興味深い下りは多々ある。だから、読み物として面白い。
が、同書には、同書全体の信憑性を疑わせる記述が散見されるため、それが結果として面白いエピソードの信憑性をも落としてしまっている。
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          恥を知れ、ぬすっとブロガー

         小誌記事をコピペすることは違法です

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●日本は最大の被害国になる!?●
たとえば、「朝鮮の現政権が危機に瀕したとき、軍事的に暴走するとしたら、おそらく日本は最大の仮想敵国として最大の被害国になるだろう」(富坂前掲書 p.298 第5章第6節「永遠の敵 - 日本人と朝鮮人」)という下りである。これはカバー(ソデ)の宣伝コピーにも使われており、2002年の小泉純一郎元首相の訪朝以降、北朝鮮による日本人拉致事件の処理(拉致問題)をめぐって昂揚している日本国民の「反北朝鮮感情」を刺激し購買意欲をかきたてる役割を担っているのは明らかだ。が、その論拠は、上記の「平手打ち」と同様の、以下のような感情論であって、地政学的な根拠は一切挙げられていない:
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「日本に対する感情はまさしく敵に対する気持ちである。歴史的に見ても、また現実的な意味でも、いじめられて裏切られたという深い恨みの感情を抱えている」(富坂前掲書 p.298 第5章第6節「永遠の敵 - 日本人と朝鮮人」)
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しかし、北朝鮮の支配階級が具体的に日本の何についてどう恨んでいるかという記述は一切ない。
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【1970~1980年代、韓国がまだ日本文化解禁前の頃、日本の民間団体が訪朝したら、北朝鮮側が日本の歌を歌って歓迎してくれて、たいそう驚いた、というエピソードが朝日新聞で報道されたことがあるので、この「恨み説」はかなり怪しい。韓国は日本と同じ資本主義体制をとっているのに国力で日本に勝てない、という劣等感があるが、北朝鮮にはそれがないからだ。】
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小誌既報のとおり、北朝鮮が日本人から見て軽蔑すべき三流国家なのは間違いない(小誌2007年10月22日「軽蔑しても同盟~シリーズ『中朝開戦』(11)」 <
http://www.akashic-record.com/y2007/despis.html > )。しかし、その問題と「北朝鮮が日本にとって脅威である」かどうかという問題とは、まったく関係がない。
北朝鮮と日本の間には領土問題はない。現に北朝鮮軍は佐渡島や隠岐諸島を占領するのに必要な上陸用舟艇をほとんど持っていないので、軍事技術的に見ても間違いない(もちろん、日本側にはも北朝鮮の領土を欲する理由は一切ない)。
となると、北朝鮮が日本を攻撃してなんのトクがあるのか、さっぱりわからない。北朝鮮が日本に望むものは、経済援助などのカネしかない。そしてそれは、2002年の小泉訪朝以来明らかなように、日朝間で国交を結びさえすれば簡単に手にはいるのだ。北朝鮮にとって日本を攻撃することは、日本から得られるはずの援助を失うだけで、百害あって一利もない。
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「日朝開戦」という、もし実現すれば世界情勢を一変させるような重要な軍事問題の予測の根拠が地政学でも軍事技術でもなく「感情論」であるという機密文書など、ありうるだろうか。
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        2009年以降、北朝鮮は豹変する
               ↓
    
http://www.akashic-record.com/angel/cntnt.html

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【桶狭間】 → <
http://www.akashic-record.com/angel/okehaz.html#mail >
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●素人同然!?●
筆者がいちばん驚いたのは、以下の記述である:
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「二〇〇三年末から中国政府は、延吉や丹東、琿春などの朝鮮と国境を接する一部地域に鉄条網を張り巡らした。鉄条網の高さは一メートル八十センチ、三メートル間隔で『T』形のコンクリートの柱を打ち付けてつなげてある。これは三十八度線の朝鮮・韓国国境にある鉄条網にそっくりのものである。十数キロメートルの距離にわたって張り巡らせている地域もある。二〇〇六年九月には、長白山(白頭山)の麓の図們江(豆満江)の源流で、数十キロメートルにわたる鉄条網が完成している」(富坂前掲書 p.p 120-121 第2章第5節「国境での犯罪」)
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これを読むと「中朝の国境線は(少なくとも要所要所では)鉄条網でしっかり区切られているので、38度線と同じように明確だ」という印象を受ける方が少なくないであろう。
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しかし、38度線が朝鮮半島の南北間の明確な境界線として機能するのは、鉄条網があるからではない。鉄条網の両側に韓国、北朝鮮双方の兵力が多数配備されていて、越境しようとする者をいつでも射殺できる態勢がとられているからである。
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鉄条網そのものには大した意味はない。なぜなら、鉄条網はペンチを使えば簡単に切れるからだ。
そして、1300kmにおよぶ中朝国境の場合、その相当部分が急峻な山間僻地を走る「山岳国境」なので、38度線のように常時大量の警備兵力を張り付けておくのは困難だ。38度線の両側の土地はほとんど平地だが、中朝国境の両側の土地は、大半が山岳地帯なので、あちこちで斜めになっている。
警備兵が登山家のような訓練を受ければ、クライミングロープ(ザイル)やピッケルを使って平らでない地面や岩肌や氷壁の上を進むことはできるが、斜面に足を踏ん張って長時間ライフルを構えていることなどできない。エベレスト登頂途中の登山家のように、クリフハンガーを使って山肌にぶらさがることはできるが、その場合は銃などほとんど撃てないし、だいいち銃弾や食糧の補給に膨大なコストがかかるので、急峻な山岳国境地帯では、38度線で行われているような「常駐警備」は不可能である。
結局、そんな山岳地帯に鉄条網を張り巡らせたところで、警備兵のいないときにペンチで切られるのが関の山だ。つまり、中朝国境を明白に区切る「標識」は山岳地帯では事実上存在しないのである。
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上記の中朝国境についての記述は、軍事常識、というより、一般常識に照らして、かなりおかしい。「砲弾や手榴弾で吹っ飛ばされても車両の走行を阻止することのできる、伸縮性のある最新式の軍事用鉄条網でさえ、時間をかければペンチで切断できる」という専門知識がなくても(2008年5月10日放送のディスカバリーチャンネル『フューチャーウェポン 21世紀 戦争の真実』)、1985年の米国映画『ランボー 怒りの脱出』(ジョージ・P・コスマトス監督)で、ランボー(シルベスター・スタローン)が鉄条網のいちばん下の有刺鉄線を素手でつかんで、超人的な筋力で引っぱり上げて、その下をくぐって囲みを抜け出すシーンを思い出せば十分だろう。
(^^;)
鉄条網は、大坂の冬の陣のときの「大坂城の濠」とは違って、それ自体では敵の出入りを遮断する機能を持っていないのである。
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つまり、上記の記述は、「中朝の国境線は鉄条網で区切られていて、ちゃんと存在するんだよ」ということを宣伝するための、中国政府の「大本営発表」なのであって、およそ「機密文書」などと言える類のものではない(ほんとうに価値のある機密文書なら、どこが脱北者のおもな通り道になっているか、といった「不都合な真実」が書かれていなければならない)。
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現実の中朝間には、国境はあるが、国境線はない。朝鮮人たちは大昔から「国境」沿いの鴨緑江・豆満江の両岸に住んでいて、日常的に行き来して来たのだ(小誌2008年3月6日「中朝山岳国境~シリーズ『中朝開戦』(13)」 <
http://www.akashic-record.com/y2008/ckmbdr.html#02 > )。
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●朝鮮人と朝鮮族●
「機密文書」は、朝鮮人すなわち北朝鮮国民が、北朝鮮全土から中国に密入国し、窃盗、強盗、密輸、売春、ニセ札取り引き、覚醒剤密売などを盛んに行っている、と記しているが(富坂前掲書 p.p 121-124 「国境での犯罪」)、中朝国境地帯の中国側(旧満州)に住む朝鮮人は「朝鮮族」と呼んで区別していて、後者についての犯罪の記述はほとんどない(例外は、第2章第6節「脱北者の昨今」 p.146 6~7行目の「[人身売買による結婚を仲介する]悪徳業者たち(中国籍朝鮮族が多い)」という記述)。
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たとえば、上記の「朝鮮人」の女性が中国国内で結婚詐欺などの犯罪をやりまくっている話(富坂前掲書 p.p 145-147 「脱北者の昨今」)を読むと、ある疑問が湧く。
若くて美しい「朝鮮人女性」が、中国籍朝鮮族の悪徳結婚仲介業者とグルになり、闇市で買ったニセの「農村戸籍」と身分証明書を用意して結婚紹介所に登録し、「都市で暮らしたいから『都市戸籍』を持つ男性と結婚したい」とウソをついて、都市中国人の男性から仲介料を巻き上げて姿を消すという手口なのだが…………よーく考えてみると、中国籍朝鮮族の悪徳業者は、必ずしも北朝鮮から密入国した朝鮮人女性とだけ組む必要はないのだ。
_
農村戸籍は都市への移住を原則的に禁じられた約9億の「農村中国人」(筆者佐々木敏の造語)が持つ戸籍であり、都市戸籍は都市居住権のある約4億の「都市中国人」(同)が持つ戸籍である。朝鮮族の多くが住む吉林省延辺朝鮮族自治州など東北地方(旧満州)の大半は農村地域なので、そこに住む中国籍朝鮮族の女性、約96万人は当然農村戸籍を持っている(2000年の全国国勢調査によると、朝鮮族の総人口は約192万。富坂前掲書 p.51 第1章第7節「金日成にも大きな借りができた」)。
「機密文書」は、
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「結婚相手を探す[都市中国人の]男性は、この罠に簡単に引っかかってしまう。三千元から五千元の仲介料を払い、『貧しい農村から玉の輿を夢見てやってきた朝鮮族の花嫁』と結婚する」(富坂前掲書 p.146 第2章第6節「脱北者の昨今」)
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と記すが、中国籍朝鮮族の悪徳業者は、ほんものの朝鮮族の女性と組めば、闇市で買わなくてもタダで農村戸籍も身分証明書も手にはいるのだから、元手がかからず好都合なはずだ。あるいはまた、朝鮮族の女性のなかには自分の農村戸籍を闇市で売るより、自分でそれを繰り返し使って結婚詐欺で儲けたほうがトクだと気付く者だっているはずだ。なんで悪徳業者の共犯者が朝鮮人に限定されなければならないのか。
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どうやらこの文書の原著者は「朝鮮人の女性には悪人が多いが、朝鮮族の女性はみな善人である」と言いたいらしい(んなアホな)。
(^^;)
たとえば、
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「朝鮮族であれば中国語は朝鮮語と同様に話すことができるのだが、彼女たち[自称朝鮮族]は片言の中国語しか話すことができず、朝鮮語の発音も明らかに朝鮮族のものとは違っていた」(富坂前掲書p.145 第2章第6節「脱北者の昨今」)
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という下りは、「中国政府は国境の内側を完全に統治していて、国境付近に住む朝鮮族にも完璧な中国語教育を施しているから、『朝鮮族』は『朝鮮人』とは違う」ということを言いたいのだろう。
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しかし、すでに自ら、朝鮮族の悪徳業者の存在を認めていることで明らかなように、朝鮮人と朝鮮族を区別する意味はほとんどない。小誌既報のとおり、2005年にじっさいに中朝山岳国境を踏破した筆者の知人からの情報では、山岳国境地帯に住む朝鮮族には、電気も学校も、軍人や警官や共産党員の監視の目も届かない地域で、まったく中国語を話せないまま、中国国民という自覚もないままに暮らしている者がほとんどだ(小誌2008年3月6日「中朝山岳国境~シリーズ『中朝開戦』(13)」 <
http://www.akashic-record.com/y2008/ckmbdr.html#02 > )。
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要するに、中朝山岳国境地帯の中国側は、いかなる国の政府もほとんど管理することのできない、パキスタン-アフガン国境にまたがるテロリストの温床、トライバル・エリア(部族地域)と同じ「無法地帯」なのだ。
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          恥を知れ、ぬすっとブロガー

         小誌記事をコピペすることは違法です

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●日本へのお願い!?●
ところで、この「機密文書」の原著者は、中国共産党中央対外連絡部亜洲局(対北朝鮮外交の窓口)の官僚、外交部(外務省)亜洲司の官僚、中国社会科学院世界政経研究所の研究者、中国軍事科学院の研究者(鉄条網の意味も知らない軍事的素人?)だそうだ(富坂前掲書 p.1 「はじめに」)。
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彼らはなぜかある日突然「禁を侵して北朝鮮の実態を世に問おう」とし、まず中国国内でも権威のある某政府系出版社に、次いで新華出版社に持ち込んだが、両社ともに「北朝鮮の暗部を書きすぎている」という理由で「最後の最後の段階になって」出版を自粛し、最終的には日本での出版を選択した、という(富坂前掲書 p.p 2-3 「はじめに」)。
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富坂は「彼らが、どうやって国内での処罰という可能性を克服したのかについてはいま一つ判然としなかった」と心配しているが(富坂前掲書 p.3 「はじめに」)、もちろんそんな心配は無用である。
この「文書」は、元々国内向けに、「部族地域」に対する中国政府の恥ずべき統治能力の欠如を糊塗するために作成されたに違いない。
あるいは、「朝鮮族の男には(追放すべき)悪徳業者がいるが、朝鮮族の女はみんな善良だ(から結婚してもよい)」などと、中国政府の人口政策上誠に都合のいいウソを宣伝するという目的もあっただろう。
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上記の顛末を素直に読めば、以下のように解釈できる:
「中国の役人が国内向けに宣伝文書をまとめたものの、その内容たるや典型的な『お役所仕事』の産物で、旧満州に住む中国人が読めばすぐにウソとバレるので、国内の出版社に出版を断られたものの、かかったコストを回収したい役人たちが、旧満州の現状を知らない日本の出版社をうまくだまして、機密文書だということにして出版させた」
_
おそらく、日本での出版前に「中国国内向け」の文書を「日本向け」に仕立て直す作業は行われているはずだが、元々が中国人の「朝鮮人」と「朝鮮族男性」に対する敵意をかき立てる目的で書かれた文書なので、北朝鮮が日本の軍事的脅威になる理由に「感情論」しか挙げられないなど、お粗末さが目立つ。
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つまるところ、中国がもっとも恐れている外国は北朝鮮であり、近い将来「中朝戦争」が勃発する可能性が現実にあるので、「勃発した場合は、日本は北朝鮮の味方をしないで下さい」という思いを込めて、取っ手引っ付けたように不自然に、「[北朝鮮の現政権が軍事的に暴走したら]日本は[中略]最大の被害国になる」(富坂前掲書 p.298 第5章第6節「永遠の敵 - 日本人と朝鮮人」)などという根拠薄弱な結論を突っ込んだのだろう。
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この「機密文書」は、軍事常識や地政学的教養のある者が読めば、原著者のウソがわかるし、逆に中国政府のホンネが透けて見えるので、それなりに価値がある。その意味では、版元(文藝春秋社)はいい本を出してくれたと思う。
(^_^)
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      2008年北京五輪、開催不可能!
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【桶狭間】 → <
http://www.akashic-record.com/dragon/okehaz.html#mail >
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●絵に描いた餅●
ところで、「機密文書」には、朝鮮族の現状に関する以下のような記述がある:
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「地理的な問題もあり、中国に暮らす朝鮮族のほとんどは出身地が北朝鮮で、親戚も北朝鮮に集中している」(富坂前掲書 p.51 第1章第7節「金日成にも大きな借りができた」)
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これだけを見ると、中国領内の朝鮮人は本来「よそ者」であるから、場合によっては北朝鮮に移住する(帰る)ことになってもさほど気の毒ではない、と読める。これは、「部族地域」を中国人の手に取り戻したい中国政府の地政学的な願望と合致する。
_
しかし、中国と朝鮮を仕切る緑鴨江、豆満江などの河川は上流では川幅が狭く、簡単に歩いて渡れるので、朝鮮族は数百年、いや、数千年前から旧満州南東部に住んでいる。彼らの「親戚が北朝鮮に集中している」はずはなく、現中国領内にも確実に分布しているはずだ。
_
この見え透いたウソの宣伝を、2002年に中国政府が始めた「東北工程」プロジェクトとあわせて考えると、中国政府の一貫した意図が読み取れる。
東北工程とは、紀元前37年~紀元後668年に旧満州南東部から現北朝鮮北部にかけて存在した古代国家・高句麗を(朝鮮の王朝ではなく)中国古代の地方政権と位置付けて中国史に編入するプロジェクトで、中国外交部はこの方針に基づいて2004年に、外交部のホームページの朝鮮史の項から高句麗を削除している(小誌2007年2月22日「北朝鮮の北~シリーズ『中朝開戦』(1)」 <
http://www.akashic-record.com/y2007/cvsnk.html > 、朝鮮日報日本語版2004年7月14日付「中国大使館呼び『高句麗削除』抗議」 < http://www.chosunonline.com/article/20040714000067 > )。
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上記のように、山岳国境は防衛が困難であるため、防衛政策としては、国境山岳地帯の手前(山の麓)まで支配したところで諦めるか、国境を越えて山を降りた向こう側の麓まで支配するか、の2つに1つしかないが、現在の中朝国境の中国側における防衛態勢は前者の状態に留まっている。中国政府がこれを完全に解決しようとすれば、中朝戦争を起こして北朝鮮領の一部を侵略併合するしかないのだから、「東北工程」はそのための大義名分作りにほかなるまい。
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中国政府は歴史を歪曲して「古代高句麗は中国領」と主張することで、将来中朝戦争を戦う際には、堂々と北朝鮮北部を侵略して自国領に編入し、「朝鮮族」を旧満州から根こそぎ追放して、鴨緑江・豆満江の向こう側の「占領地」、あるいは、そのもっと先の現北朝鮮領中央部にまで追放して「すっきり」したいと願っているのではあるまいか。
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【但し、中国の農村では、「一人っ子政策」の悪影響で、後継ぎに男児を望む夫婦の「女児殺し」(間引き)が横行したこともあって、男性人口が過剰になり「嫁不足」が起きているので、それも解決しなければならない(『R25』2007年7月5日「中国の『一人っ子政策』 30年がもたらした現象とは? 極端な女子不足が深刻化?」 <
http://r25.jp/magazine/ranking_review/10001000/1112007070502.html > )。そこで、「朝鮮族の女性」は上記のとおりみな善人だということにして、中国が中朝戦争に勝ったあとも旧満州に残しておいて「農家の嫁」に充当しよう…………などという、まったく人をばかにしたような、実現不可能なムシのいい計画を、中国政府の現役官僚のだれかが考えて文書にまとめて出版しようとしたものの、その内容のあまりの「身勝手さ」に新華出版社らが呆れて二の足を踏んだのだろう。】
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上記の「中国に暮らす朝鮮族のほとんどは出身地が北朝鮮……」の下りからは、朝鮮族(の男性)を中国領内から追い出して「民族浄化」政策を実施したい中国政府のホンネが読み取れる。
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●「拉致」<「中国の脅威」●
これで逆にはっきりした。中朝戦争が勃発したら、日本は絶対に北朝鮮の味方(戦後復興援助の約束)をすべきなのだ。それで、北朝鮮は(外国の援軍がなくても単独で)安心して国土を焦土にする覚悟で中国をたたけるし、「部族地域」を実効支配していない中国は旧満州南東部での戦闘では呆気なく大敗し、国家的威信を喪失するだけでなく、「北京政府の戦争」に巻き込まれて北朝鮮のミサイル攻撃を受けることを恐れる、元々独立心の強い上海市や広東省が分離独立を志向するため、国家として機能しなくなるだろう。
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さすれば、東シナ海の海底油田はすべて日本のものになるし、日中間の尖閣諸島領有権争いはなくなるし、台湾は半ば自動的に対中国独立宣言をするし、中国という巨大な脅威は半永久的に日本(と米国)の前から消えてなくなるし、それでいて、「人口13億の巨大市場」はいくつかの中小国家に分かれてそのまま残る。日本人がどんなに北朝鮮を嫌いでも、北朝鮮をたたくのは、これらすべての問題が日本に有利に解決したあとにすべきだ。
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これらの問題に比べると、拉致問題はあまりにも小さい(拉致問題が解決したからといって、中国の脅威がなくなるわけではない)。だから2008年6月、米国政府は北朝鮮に対する「テロ支援国家指定」を解除することを決め、日本政府(福田康夫首相)もそれを容認したのだ(毎日新聞Web版2008年6月25日「福田首相:北朝鮮のテロ支援国家指定解除、容認を示唆」 <
http://mainichi.jp/select/world/news/20080625k0000m010156000c.html > )。
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そもそも、いまだに帰国していない日本人拉致被害者のうち、日本国民の大半が生きていると思い込んでいる者の大半はすでに死んでいるので、その身柄(?)を取り返すことを、自国の安全保障より優先する政治家など(よほどの売国奴でない限り)ありえない(小誌既報のとおり、拉致被害者が生きているとする根拠は元々、ほとんど存在しない。日本国民が拉致被害者生存の「根拠」と思っているものの大半は、安倍晋三前首相や彼に近い勢力によって、日本の国益ではなく、中国の国益のために捏造された疑いがある。小誌2007年3月18日「すでに死亡~日本人拉致被害者情報の隠蔽」 <
http://www.akashic-record.com/y2007/dead.html > 、6月14日「安倍晋三 vs. 福田康夫 vs. 中国~シリーズ『中朝開戦』(8)」 < http://www.akashic-record.com/y2007/acvsf.html > 、7月3日「『ニセ遺骨』鑑定はニセ~シリーズ『日本人拉致被害者情報の隠蔽』(2)」 < http://www.akashic-record.com/y2007/dnamgm.html > )
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●どうでもいい「北の核」●
米国が北朝鮮をテロ支援国家指定から公式に解除し、北朝鮮が世界銀行などの国際金融機関からの融資を受ける道が開かれるのは、2008年6月26日の、ブッシュ米大統領による解除手続き開始(議会への通告)の翌日から45日後の、8月11日なので、この45日間を使って米国や国際機関は、北朝鮮の「核開発計画」だけでなく、現在すでに保有している「核兵器」をも慎重に検証し、廃棄させるべきだ、という正論が世界中のマスコミに溢れている(毎日新聞Web版2008年6月27日「北朝鮮:米『テロ指定』解除 6カ国協議再開へ 日朝2国間、模索も」 <
http://mainichi.jp/select/world/news/20080627ddm001030005000c.html > 、読売新聞Web版2008年6月24日「北テロ指定解除 核申告の検証を徹底せよ(6月25日付・読売社説)」 < http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20080624-OYT1T00731.htm > )
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しかし、それほど慎重な検証は必要ない。なぜなら、北朝鮮は2006年10月の「核実験」後も、核兵器など持っていないからだ。あれは核実験ではなくただの宣伝だ(小誌2006年10月16日「北朝鮮『偽装核実験』の深層~最後は米朝同盟!?」 <
http://www.akashic-record.com/y2006/fakenk.html > )。たとえその後の「核兵器開発」計画によって、北朝鮮が現在使用可能な核兵器を獲得したとしても(どうせ弾頭の小型化には成功していないからミサイルに搭載することはできず、したがって)単に、軍用機に載せて中国に落とすことができるだけなので、当面日米の脅威にはならない。
_
というか、そもそも、「核開発計画」の放棄、つまりニョンビョン(寧辺)地区のプルトニウム抽出施設の無能力化のみを記し、ウラン濃縮施設やシリアへの核開発協力などの「核兵器開発計画」の放棄を一切記さない北朝鮮の「核申告」を米国政府(ブッシュ米大統領)が了承したのは、「もしかすると北朝鮮は中国を核攻撃するかもしれない」と中国(の一般市民)に思わせて、中朝戦争勃発時に上海市民や広東省民の「北京の戦争に巻き込まれたくない」という厭戦気分を引き出し、中国の分裂を促すための伏線とも考えられる。
_
尚、この場合は、北朝鮮の核保有について中国の一般市民をだませばよいので、中国の軍人たちが真実を見破っていたとしても関係ない。中朝開戦後に米国政府高官がひとこと「北朝鮮にはまだ核兵器があるかもしれない」と言いさえすれば、上海市全体はパニックになって、北京と縁を切りたがるはずだからだ。上海市政府のように、北京中央政府の援助なしで自力で豊かな経済を運営できる地域は、税金(基本的に国税はなく、地方政府単位で徴税)を北京の中央政府に渡さずすべて地元で遣いたいと思っているので、上海市民の「民意」を口実に分離独立に動くはずだ(日中投資促進機構 Web 2004年『投資機構ニュース』No.100「中国における今後の会計制度と税制、さらにM&Aについて」 <
http://www.jcipo.org/shiryou/tax_m&a.html > )。
_
ブッシュ現米大統領はイラク戦争でつまづいたので、任期中になんらかの外交的成果を上げたい一心で、焦って「北朝鮮の非核化」をまとめようとして、北朝鮮に対して大甘な、見かけだけの「核廃棄」を進めている、という批判が世界中に溢れているが(AFPBB 2007年6月25日「『北朝鮮外交』で成果狙うブッシュ政権」 <
http://www.afpbb.com/article/politics/2244494/1719211 > 、産経新聞2008年6月21日付朝刊1面「背信の論理 テロ指定解除(上) 拉致軽視『欠格の融和策』」 < http://komoriy.iza.ne.jp/blog/entry/616380 > )、この批判はそれ自体矛盾している。
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北朝鮮政府は2008年6月27日、寧辺の核施設の冷却塔を爆破し、全世界にTV中継させたが、事前に外国のマスコミに冷却塔内部を撮影させて、塔内部の冷却装置がすでに運び出されている(から冷却塔は簡単に再建できる)ことも全世界に報道させている(毎日新聞Web版2008年6月27日「北朝鮮:寧辺核施設の冷却塔爆破 『政治ショー』の見方も」 <
http://mainichi.jp/photo/archive/news/2008/06/27/20080628k0000m030104000c.html > )。ブッシュ政権がこの冷却塔爆破を核廃棄への動きと評価したことをもって、「ブッシュは外交上の成果を焦っている」という批判報道が主流だが、世界中で「爆破はショーにすぎない」と報道されていることが「外交上の成果」にならないことぐらい、ブッシュ本人にも当然わかっている。
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2008年のブッシュは「北朝鮮の非核化」を達成した大統領として歴史に記録されたいのではなく、将来中朝戦争によって米国の脅威である「邪悪な中国」が粉砕された際に、その前提条件となる米朝接近の道筋を付けた大統領として歴史に名を残したいのだ(つまり、1980年代の中ソ対立、米ソ対立の前提となる米中接近を最初に実現させた、1971年のニクソン大統領やキッシンジャー大統領補佐官のようになりたいのだ)。
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【中朝戦争勃発のときの米大統領がだれであるかは不明だが、米国内の「中朝戦争賛成派」(米議会上下両院で多数を占める米民主党の主流派)は、明らかに自分たちの同志であるヒラリー・クリントン上院議員が2008年6月に次期大統領選から撤退したため、中朝戦争を可能ならしめる前提条件の整備を加速するよう、ヒラリーに代わってブッシュをたきつけたに違いない。おそらくその作業はブッシュ現大統領の任期中に終わるだろう。】
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たとえどんなにジョージ・W・ブッシュが愚かだとしても、彼のまわりには軍事常識や地政学をわきまえた側近や顧問が何十人もいる。大統領が血迷って冷却塔の「爆破ショー」を核廃棄と言い募るのを、彼らが地政学上の理由もなく許すはずがない。
いやしくも合衆国大統領ともあろう者が「成果を焦った」ぐらいのことで、自ら「悪の枢軸」と呼んだ仇敵に「なし崩し的な譲歩」をすることなどありえない。マスコミはもう少し常識をもって報道してもらいたい。
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【「北朝鮮は中国の属国だから、中朝戦争などありえない」という「常識」は、中朝間の国境防衛が完璧であることを前提にした虚構である。】
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(敬称略)
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媚日派胡錦濤:週刊アカシックレコード080526

■媚日派胡錦濤~週刊アカシックレコード080526■
2008年5月、中国の胡錦濤国家主席は訪日し、福田康夫首相から「北京五輪開会式に出席する」という言質を取るために日中首脳会談に臨んだが、福田は拒否し、意図的に胡錦濤のメンツを潰した。
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【読者アンケート】
小誌が読者の皆様にとってよりよき記事を配信することができますように、皆様の世代、性別、受信地などに関する「読者アンケート」( <
http://ad.melma.com/to?id=27454 > )を実施中です。アンケートWebページ冒頭の挨拶文の「メルマ!で発行されているメールマガジン」とは「週刊アカシックレコード」のことです。ご回答頂けますと、抽選でプレゼントが当たります(プレゼント対象期間は2008年5月30日まで)。
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【拙著に関する個人ブログの虚偽宣伝】
小誌の筆者・佐々木敏の著書を購入される方は必ず事前に、小誌サイト( <
http://www.akashic-record.com/angel/cntnt.html > )など著者や出版社が直接内容紹介を行っているWebページをご参照のうえ、ご判断下さい。小誌の記事を無断で何行も転載(コピー&ペースト、コピペ)する違法な個人ブログ、ホームページが多数あり、その転載(盗用)箇所の前後には、ロボットSF『天使の軍隊』をはじめ、拙著の紹介文を含む「解説」が付けられていることが少なくありませんが、その種の解説の大部分は不正確なものです(どれも例外なく「小説と小誌は基本的には関係がない」という注意書きは転載されていません)。一般に、読者の皆様がそのようないい加減な解説を信じて書籍を購入なさった結果、その内容が「期待はずれ」だったとしても、その責任はその書籍の著者にも出版社にもありません(無責任な無能者たちはしばしば自ら読んでいない書籍について事実無根の紹介文を書きます)。
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【横浜ゴム、都築電気、都築通信技術から投票】
福井医大3、別川製作所(本社石川県白山市、配電盤)、ハマゴムエイコム(横浜ゴムグループ、情報処理)、都築電気2、都築通信技術、日本IBM、三興プログレス(ロシア貿易)、ニコン、図研2……小誌Web版にご投票下さった方のドメインは(一般の個人サイトと違って)職場(大学)が多く、海外にまでおよんでいます。皆様、有り難うございました。とくに福井医大、都築電気、図研からは複数のご投票、有り難うございました。
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m(_ _)m
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■媚日派胡錦濤~「福田康夫は親中派」報道のデタラメ■
【小誌2007年9月13日「開戦前倒し?~シリーズ『中朝開戦』(9)」は → <
http://www.akashic-record.com/y2007/moveup.html > 】
【小誌2007年10月22日「軽蔑しても同盟~シリーズ『中朝開戦』(11)」は → <
http://www.akashic-record.com/y2007/despis.html > 】
【小誌2007年12月21日「大賞受賞御礼~メルマ!ガ オブ ザ イヤー 2007」は臨時増刊なのでWeb版はありませんが → <
http://ameblo.jp/akashic-record/day-20071222.html > 】
【小誌2008年3月6日「中朝山岳国境~シリーズ『中朝開戦』(13)」は → <
http://www.akashic-record.com/y2008/ckmbdr.html#02 > 】
【前回「読者の皆様の平均年齢~より充実した記事のため『読者アンケート』にご協力を」は臨時増刊なのでWeb版はありませんが → <
http://ameblo.jp/akashic-record/day-20080520.html > 】
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日本のマスコミによると、福田康夫首相は「親中国派」なんだそうである。
だから、中国嫌いの保守派メディアの福田評は総じて手厳しく、2008年5月6日に始まった胡錦濤(こ・きんとう)中国国家主席の訪日と、それを迎える福田政権の「成果」についての報道には端的にそれが現われている。胡錦濤来日直後に発売された『週刊文春』(2008年5月15日号 p.p 30-33 <
http://www.bunshun.co.jp/mag/shukanbunshun/shukanbunshun080515.htm > )のトップ記事の見出しはその典型だ:
_
「新聞・TVが報じない『訪日』全内幕」
「胡錦濤の笑顔にスリ寄る福田政権『大パニック』」
「フランスワインにダメ出し 首相のコビへつらい」
_
実はこの「5月15日号」は5月8日に発売されているが、印刷、製本、配送の時間を考えると、原稿の締め切りは5日あたりだったはずだ。胡錦濤は6日に来日し、7日に福田との日中首脳会談に臨んで日中共同声明に調印したあと、天皇皇后両陛下と会談し、8日に早稲田大学で講演し、9日に横浜の山手中華学校などを訪問し、10日には奈良の唐招提寺、大阪府門真市の松下電器産業本社を訪問して大阪空港(関西空港ではなく、兵庫県伊丹市の空港)から離日しているから、どう考えても上記の記事に「『訪日』全内幕」が載っているはずはない。
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●見込み記事●
上記の記事のすぐあとには「櫻井よしこ×富坂聰 徹底討論 首脳会談は『大失敗』 もはや中国にモノは言えない」と題する対談記事が続くのだが、この対談の参加者2名は明らかに、まだ行われてもいない日中首脳会談の「成果」について「徹底討論」したことになる(『週刊文春』2008年5月15日号 p.p 33-35 「首脳会談は『大失敗』」 <
http://www.bunshun.co.jp/mag/shukanbunshun/shukanbunshun080515.htm > )。
んなアホな。
(^^;)
しかし、この「見込み記事」は胡錦濤訪日の「中日」である5月8日に店頭に並び、その日の朝、電車の中吊り広告には上記の「全内幕」「スリ寄る福田政権」「コビへつらい」の見出しが登場し、マスコミ業界人を含む大勢の電車通勤者の目に触れることになったから、多くの日本国民は「胡錦濤訪日の日本にとっての成果はなかった」と思い込んだに違いない。
_
なるほど、こんな宣伝ばかり目にしていれば、だれでも「福田は親中国派」と思うはずだ。
筆者はとくに自民党や福田康夫現政権を支持しているわけではないし、「日本が真の民主主義国家になるためには、たとえ『政権交代のための政権交代』でもかまわないから、政権交代が必要」すなわち「いつかは民主党が政権を取ることが必要」と考えている。が、マスコミのウソは糾さなければならない。
_
いったいマスコミは何を根拠に、福田を「親中国派」と呼ぶのか。
福田が靖国神社に参拝しないからか。それなら、安倍晋三前首相だって首相在任中は参拝していないのだから、同じことだ。
あるいは、東シナ海のガス田開発をめぐって中国が日本の権益を侵犯している問題で、福田が中国に対して「公然と」厳しい態度をとらないからか。これも、安倍と同じではないか。
日本の民間企業、帝国石油に試掘権を与えて国益を守る姿勢を見せた小泉純一郎内閣(中川昭一経済産業相)と違って、安倍内閣は何もしなかった。
それなのに、保守系マスコミは安倍を「反中派」の愛国者、福田を「親中派」の売国奴のように報道する。いったいその理由はなんなのだ。
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        2009年以降、北朝鮮は豹変する
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●ゼロ回答●
この胡錦濤訪日の最中、福田の「正体」が暴露された瞬間があった。
訪日前の3月、中国南西部のチベット自治区で暴動が起き、中国政府が軍、警察などを動員して武力で鎮圧したため、西側諸国から非難を浴びていた。
フランスのニコラ・サルコジ大統領がこの問題を理由に2008年8月の北京五輪開会式を欠席する可能性を示唆したのを筆頭に、ドイツ、チェコ、ポーランド、エストニア、スロバキアの5か国が首脳の開会式欠席を表明したのだ(共同通信2008年4月5日付「サルコジ大統領 五輪開会式出席へ3条件」 <
http://www.sponichi.co.jp/olympic/flash/KFullFlash20080405079.html > 、産経新聞Web版2008年3月29日「EU チベット弾圧中止を要求」 < http://sankei.jp.msn.com/world/china/080329/chn0803292327010-n1.htm > )。
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チベットは元々中国領ではなく、1959年に中国が武力で併合してチベット仏教の最高指導者のダライ・ラマ14世をインドへの亡命に追い込み、1960年代には、悪名高き破壊活動、「文化大革命」の紅衛兵を大量に送り込んでチベット仏教寺院を多数破壊させ、僧侶を含むチベット人多数を虐殺させた。この侵略の歴史は欧米では周知のことなので、チベット人が中国政府に抗議して弾圧されたと聞くと、人権意識の高い欧米人は容赦できないのだ。
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だから、2008年米大統領選に立候補しているヒラリー・クリントン上院議員もバラク(バラック)・オバマ上院議員も「ブッシュ米大統領は(北京)五輪開会式を欠席すべきだ」と表明したのだ(読売新聞Web版2008年4月10日「オバマ氏、大統領に五輪開会式欠席の検討を要求 大統領選」 <
http://www.yomiuri.co.jp/olympic/2008/news/topic/world/news/20080410-OYT1T00228.htm > )。
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中国にとって北京五輪の成功は悲願である。その国家的行事の開会式に本来出席するはずだった世界各国の首脳が次々に「ボイコット」を表明し、五輪を汚されたのではたまらない。たとえ五輪自体が無事に開催されても、世界各国が祝福しない形での開催は成功とは言えず、五輪後に手にはいると中国が期待していた国家的威信の向上も望めない。
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そこで、中国は当然、欧米諸国に比べて人権意識が希薄である(と中国が考える)日本に狙いを付け、この「反中国人権問題包囲網」を打破しようとする。2008年5月上旬に予定されていた胡錦濤の訪日は、3月のチベット暴動発生後、初めての西側諸国への外遊であり、初めての西側諸国首脳との会談の機会となった。この訪日、首脳会談に当初どんな目的があったにせよ、フランスを始めEU諸国の多くがチベット問題を理由に「首脳の五輪開会式欠席」というスタンスをとり続けている以上、胡錦濤の訪日の最大の目的は、日本の首脳、福田康夫を直接説得して「(日中友好のため)北京五輪開会式に出席します」と言わせることにあったはずだ。
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5月7日午前中、胡錦濤は首相官邸で福田と日中首脳会談を行った。もちろんその席で胡錦濤は「ぜひ開会式に出席を」と求めたはずであり、福田も外交儀礼上「前向きに検討します」ぐらいのことは言っただろう。胡錦濤は、日中友好を演出するため、第二次大戦までの日本の中国侵略の歴史を厳しく問う「歴史認識問題」は持ち出さず、いわゆる「日本軍国主義批判」はほとんどせず、この7日に署名した日中共同声明には以下の文言を入れることに同意した:
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「中国側は、日本が戦後60年あまり平和国家としての歩みを堅持し、平和的手段により世界の平和と安定に貢献してきたことを積極的に評価。日本の国連における地位と役割を重視、国際社会で一層大きな建設的役割を果たすこと望む」
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これは事実上、中国が日本の国連安保理事会常任理事国入りに反対しないことを表明したのと同じだ(産経新聞Web版2008年5月7日「胡錦濤氏訪日:日中共同声明の要旨」 <
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080507/plc0805071247002-n1.htm > )。
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この2008年の日中共同声明は、1972年の(日中国交回復時の)日中共同声明、1978年の日中平和友好条約、1998年の日中共同宣言に続く「第4の政治文書」と位置付けられており、通常の合意文書より拘束力が強いので(産経新聞Web版2008年5月7日「日中共同声明を発表 ガス田開発問題など解決への道筋明示できず 日中首脳会談」 <
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080507/plc0805071031000-n1.htm > )、上記の国連に関する下りは、けっして単なるリップサービスではない。すなわち、今後中国政府は、2005年に見せたような、日本の国連安保理常任理事国入りを阻止するための露骨な行動をとることはできなくなったのだ(日経BP SAFETY JAPAN [古森 義久氏] 2005年12月5日「惨憺たる結果に終わった小泉政権の国連外交」 < http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/i/12/index1.html > )。
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歴代の中国首脳は、中国のマスコミが政府の統制下にあることを利用して、中国が日本から円借款などの多額の経済援助を得ていたことを中国国民に対してはひた隠しにしていた。「偉大なる中国は自力更生で発展して来たのであって、日本ごときの助けなど得ていない」と中国国民に言いたかったからだ(政府の円借款どころか、民間の合弁投資についてさえ、中国人は可能な限り隠そうとして来た。拙著、小説『龍の仮面(ペルソナ)』 <
http://www.akashic-record.com/dragon/cntnt.html > を参照)。が、この点でも胡錦濤は日本側にスリ寄った。5月8日に早稲田大学で行った講演会で胡錦濤は「日本の対中円借款はインフラなど中国の近代化建設に積極的な役割を果たした」と語って、その講演をそのまま中国全土にTVで生中継させたのだ。
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これは共産中国建国以来初めての、中国国民への「告白」であり、国民レベルでの日本への「感謝の表明」だが(2008年5月11日放送のTBS『サンデーモーニング』における岸井成格・毎日新聞特別編集委員のコメント、産経新聞Web版2008年5月8日「胡錦濤氏訪日:早稲田大学での講演要旨」 <
http://sankei.jp.msn.com/world/china/080508/chn0805082035012-n1.htm > )、もちろんそのセリフ、シナリオは訪日前に固まっていて、事前に日本側に伝達してあったから、この講演会も、福田に五輪開会式出席を決断させる材料になると胡錦濤は読んでいたはずだ。
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さらに、訪日が(都合よく)中国から日本に贈られた上野動物園のパンダ、リンリンが死亡した直後だったことをとらえて、胡錦濤は、リンリンの「後継者」になるパンダをあらたに貸与することも決めてその旨を前日(5月6日)に表明していたので、これも福田を五輪に引っ張り出すのに役立つ、と判断していただろう(日テレニュース24 Web版2008年5月7日「胡錦濤国家主席、雌雄のパンダ提供を表明」 <
http://www.news24.jp/108824.html > )。
_
ところが、5月7日正午すぎ、会談終了後の日中共同記者会見で、日本側の記者から「北京オリンピックの開会式には、どのように対応されるか」と質問された福田はこう答えたのだ:
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「出席するかどうかというお尋ねですが、考えてみたらまだ先なんですね。ですから、これはですね、前向きに検討するということ。事情が許せば前向きに検討してまいりましょうということであります」(産経新聞Web版2008年5月7日「胡錦濤氏訪日:日中共同記者会見詳報(6) 福田首相『事情が許せば前向きに検討する』北京五輪開会式出席」 <
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080507/plc0805071413010-n1.htm > )
_
事実上のゼロ回答だ。事情が許さなければ「前向きに検討」すらしないのだから。
この答えを聞いたときの胡錦濤の顔は、日本ではNHKなどで生中継されていたが、だれが見ても、明らかにショックを受けたとわかる表情だった(前掲『サンデーモーニング』における岸井成格のコメント)。国連、円借款、パンダまで持ち出した胡錦濤の「媚日外交」に対して、福田は「まだ先の話だから」と回答を避け、日中両国の政官界が注目する晴れ舞台で胡錦濤に恥をかかせたのである。
_
胡錦濤はここまで福田にバカにされたにもかかわらず、翌8日の早大での講演会では当初のシナリオどおり、日本の円借款などの経済援助に感謝を表明し、それを中国全土に生中継させた(ここまで来ると、筆者は「痛快」を通り越して「哀れ」を覚える)。
(>_<;)
もし福田が「親中国派」ないし「媚中派」なら、7日の記者会見では当然「五輪に行きます」と言うはずである。が、そう言わなかったのはなぜか。
理由はもちろん、福田は親中国派ではないからだ。
_
中国側は今回の日中首脳会談では、東シナ海のガス田開発問題など、日中の国益が露骨にぶつかる問題では(表面上は)なんの譲歩もしなかった(産経新聞Web版2008年5月7日「日中共同声明を発表 ガス田開発問題など解決への道筋明示できず 日中首脳会談」 <
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080507/plc0805071031000-n1.htm > )。そうであるならば、こちらもここで「出席します」などと尻軽に答える必要はない。福田は明らかに、北京五輪の成功を悲願として念じる中国の弱みに付け込んで、「五輪出席」を外交ゲームのカードに使ったのだ。
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          恥を知れ、ぬすっとブロガー

         小誌記事をコピペすることは違法です

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●実は親台湾派●
上記の『文春』の対談記事のあとには、福田がひそかに台湾独立派に接近して(反中国的な行動をとって)いたとする記事が載っている。題して:
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「スクープ 福田康夫『台湾外相』極秘入国を認めていた! 『インチキ外交』を暴く」。
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日本政府は1972年に中国(中華人民共和国)と国交を回復し、台湾(中華民国)と断交して以降、台湾を自国領と主張する中国に遠慮して、現役の台湾総統(大統領、国家元首)、副総統、行政院長(首相)、外交部長(外相)、国防部長(国防相)を来日させないという原則を設けたが、福田が官房長官であった2003年秋、台湾独立を掲げる民主進歩党(民進党)の陳水扁総統政権の現役の外交部長、簡又新を、日本外務省に内緒で極秘入国させて(衛藤征士郎元防衛庁長官に案内役を務めさせて)いた、というのだ(『週刊文春』2008年5月15日号 p.p 36-37 「『インチキ外交』を暴く」 <
http://www.bunshun.co.jp/mag/shukanbunshun/shukanbunshun080515.htm > )。
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どうやら『週刊文春』は「福田は親中国派のように振る舞っているくせに、その陰で台湾独立派とつながりをもっているからインチキだ」と言いたいらしい。しかし、なぜそれが「インチキ」なのか。
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『文春』は、福田が外務省に内緒で、本来入国できないはずの台湾外交部長を極秘に入国させた「秘密主義」を問題視する(『週刊文春』前掲記事)。しかし、外交には秘密はつきものである。中国と台湾が対立していて、日本と台湾の間に国交がない以上、日本政府高官が台湾で人脈を築こうと思えば、中国にバレないようにやらざるをえない。もしバレたら、中国に進出している日本企業が不利益を受ける恐れさえあるわけで、そういう国益を考慮してウソをついたり沈黙を通したりするのは、外交の常道だ。いったい、この福田の秘密主義のどこがいけないのか。
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『文春』は「親中国派」が嫌いなはずだ。中国に媚びへつらうのは悪いことと思っているはずだ。だったら、福田が中国をだまして中国と対立する台湾独立派とパイプを築いたことについては、むしろ称賛すべきではないのか。
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福田は1998年に夫人同伴で訪台し、台湾独立派の急先鋒、李登輝総統(当時)夫妻と会食している。福田が2007年に首相になった際には、台湾のマスコミは福田を「台湾を三度訪問したことがある人物」と報道して祝福し、福田自身、台湾の事実上の大使館である「台北駐日経済文化代表処」のパーティにも参加したことがある(『週刊文春』前掲記事)。つまり、福田は元々「親台湾派」(反中派)なのだ。
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すなわち、将来、中国が弱体化して、台湾の国連加盟が避け難い情勢になったとき、福田がそれに賛成しても、べつに福田は台湾国民から「変節した」と言われることはないのである。
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【他方、安倍が首相在任中に靖国神社に参拝しなかったのは、明らかに変節だ。安倍は誠実な愛国者ではない。】
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たしかに福田は「親中国的」な言動をとったことが何度かある。たとえば、2001年8月15日の終戦記念日に予定されていた小泉純一郎首相(当時)の靖国神社参拝を2日前倒しさせた「終戦記念日をはずせばなんとかなる」という助言がその典型だろう(読売新聞2001年8月14日付朝刊3面「靖国前倒し参拝 盟友説得、折れた小泉首相 『慙愧の念に堪えない』」)。しかし、それは「国益のためにウソをつく」ことが常識である外交の世界では、当然許される範囲の芝居ではあるまいか。
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【2001年8月の小泉首相は、予定どおり15日に参拝を強行したほうが日中関係にとってはかえってよかっただろう、と筆者は考えている。日本が「脅しに屈しない国」であることを一度示しておけば、今後中国からのこの種の圧力は弱まるはずだからだ(「やっても無駄」な外圧をかけ続けるほど中国人はバカではない)。が、福田が自身を「親中国派」と見せかける手段としてこの問題を使いたかったのだとすれば、ある程度は理解できる(しかし、靖国神社のあり方に問題があるというのなら日本人同士で議論すべきであって、基本的に中国人の口出しを許すべきでないので、筆者はこのときの福田の態度に賛成はできない。小誌2006年7月27日「靖国神社の財政破綻~『靖国問題』は20年以内にすべて解決」 <
http://www.akashic-record.com/y2006/ysknbr.html > も参照されたい)。】
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「インチキ」なのは、福田の外交ではない。日本のマスコミが、確たる根拠もなく、福田の表面的な言動をとらえて「親中国派」のレッテルを貼ったことこそ「インチキ報道」なのだ。
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【そもそも、福田の側近中の側近が衛藤であり、その衛藤が筋金入りの親台湾派であることは、政治記者ならだれでも知っていることだ(衛藤は台湾政府から、台湾系華僑の王貞治ソフトバンクホークス監督が授与されたのよりも格上の勲章、「中華民国大綬景星勲章」を授与されている。『週刊文春』前掲記事)。その福田が「親中国派」的な言動をとったのなら、それは衛藤と主従2人で役割分担をして、中台双方と外交上のパイプを作ろうとした、と考えるのが自然ではないか。】
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      2008年北京五輪、開催不可能!
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●もし大望があるなら●
小誌既報のとおり、福田は「中朝戦争賛成派」である(小誌2007年6月14日「安倍晋三 vs. 福田康夫 vs. 中国~シリーズ『中朝開戦』(8)」 <
http://www.akashic-record.com/y2007/acvsf.html > )。ひとたび北朝鮮が中国を攻撃すれば、元々統一性が薄く、税制すら地方政府ごとにばらばらで、チベット自治区や新疆ウイグル自治区など各地に分離独立運動の火種を抱える中国は、たちまち分裂含みで弱体化し、以後半永久的に日本の軍事的脅威にならないことが確実になるからだ(日中投資促進機構Web 2004年『投資機構ニュース』No.100 「中国における今後の会計制度と税制、さらにM&Aについて」 < http://www.jcipo.org/shiryou/tax_m&a.html > )。
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しかし、この「中国の弱点」については、日本の政治家は口が裂けても、その日が来るまで公言してはならない。たとえば、日本の国会議員が国会でこのことをひとことでも言えば(中朝戦争が起きると朝鮮半島が不安定化して韓国から外国資本が逃げ出すと予想されるので)、韓国の株式市場ではたちまち大暴落が起き、韓国経済は一夜にして壊滅してしまう。だから、世界中の政治家や外交官は、中朝戦争の可能性に気付いていながら、絶対にそれを公言することはない(小誌2007年4月14日「国連事務総長の謎~シリーズ『中朝開戦』(4)」 <
http://www.akashic-record.com/y2007/unsg.html > )。この問題を民主的に議論することは許されないのだ。
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つまり、もし福田が「大望」を抱いているのなら、当然「秘密主義者」になるはずなのだ。「開戦Xデー」直前まで「親中派」のフリをすることも必要だろう。
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●マスコミ嫌い●
福田は政界屈指のマスコミ嫌いとして知られている。
NHKの『総理に聞く』に出演したのを除くと、福田は、首相になる前からこんにちまで、新聞、TV、週刊誌など大手マスコミの単独インタビューを受けたことがない。
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その理由としては、まず「愛想が悪くて口下手だから」といった評判が思い浮かぶ。
しかし、彼は森喜朗、小泉純一郎という2人の首相のもとで、2000年10月~2004年5月まで官房長官を務め、その間毎日定例記者会見に臨んでいたのである(官房長官としての在職日数は史上最長の1289日)。「口下手」で3年半もあのポストが務まるはずがない。
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とすると、ほかの理由が考えられる。たとえば、
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「外交のイロハもわからない、あたまの程度の低い記者どもに、自分の大望を語っても無駄だ」
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と福田が思っている可能性である。
日本のマスコミ各社は、もし福田の単独インタビューを取りたければ、第一線から「インチキ記者」や「程度の低い記者」を排除し、せめて外交のイロハぐらいわかる記者と交代させておく必要があるだろう。もちろん福田が「中国の弱点」について直接語ることはありえないが、インタビュアーの能力がまともなら、抽象的に地政学上の問題を論じることぐらいはできるだろう。
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【『週刊新潮』は最近、中国諜報機関の対日浸透工作の対象となった政治家のリスト、つまり「親中派として中国に取り込まれそうな政治家のリスト」を日本の公安当局から入手したと報じた(2008年5月22日号 p.p 48-49「流出した中国人『スパイリスト』と標的にされた『政治家リスト』」 <
http://www.shinchosha.co.jp/shukanshincho/backnumber/20080515/ > )。しかし、その「政治家リスト」に福田康夫の名前はない。】
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●「媚日派」の誕生●
胡錦濤訪日後、さすがの『文春』もようやく「福田が媚中派なのではなく、胡錦濤が媚日派なのだ」と気付いたようだ。その理由として胡錦濤の早大招聘にかかわった専門家の意見を紹介しているが、それは「これまで中国が(世界に対して)強気の姿勢だったのは、(中国経済の)高度成長という支えがあったから」だが「それがなくなりつつあり、世界から孤立し始め」ており「ここで日中関係まで悪くなると、中国の危機」だから、という中国側の苦しい事情だ(『週刊文春』2008年5月22日号 p.36 「『訪日』知られざるドラマ 胡錦濤に環境破壊をおたしなめになった『天皇のお言葉』」 <
http://www.bunshun.co.jp/mag/shukanbunshun/shukanbunshun080522.htm > )。
_
但し、この下りは記事の見出しにはまったく反映されておらず、胡錦濤の「媚日ぶり」はほとんど強調されていない。いままで「福田は媚中派」というトーンで記事を売って来た手前、引っ込みがつかないのだろう。
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実は、胡錦濤は5月7日の日中首脳会談で、日中間で領有権争いの火種になっている「東シナ海ガス田問題」では、福田の提案する日中共同開発案を受け入れている。しかし、中国ではこの問題は一種の領土問題であり、中国政界に隠然たる発言力を持つ軍部(人民解放軍)の管轄であり、中国国内での十分な根回しなしにうっかり「共同開発で合意」と発表すると、北京で「胡錦濤おろし」が起きかねない。このため、胡錦濤は福田案を呑んだにもかかわらず福田に「詳細はまだ公表しないでほしい」と要請し、両国政府ともに「大きな前進があった」としか発表しなかった(『週刊文春』前掲記事p.34)。
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媚日派はつらいよ。
(>_<;)
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(敬称略)
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http://www.akashic-record.com/angel/cntnt.html > )など著者や出版社が直接内容紹介を行っているWebページをご参照のうえ、ご判断下さい。小誌の記事を無断で何行も転載(コピー&ペースト、コピペ)する違法な個人ブログ、ホームページが多数あり、その転載(盗用)箇所の前後には、ロボットSF『天使の軍隊』をはじめ、拙著の紹介文を含む「解説」が付けられていることが少なくありませんが、その種の解説の大部分は不正確なものです(どれも例外なく「小説と小誌は基本的には関係がない」という注意書きは転載されていません)。一般に、読者の皆様がそのようないい加減な解説を信じて書籍を購入なさった結果、その内容が「期待はずれ」だったとしても、その責任はその書籍の著者にも出版社にもありません(無責任な無能者たちはしばしば自ら読んでいない書籍について事実無根の紹介文を書きます)。
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【東京エレクトロン、KDDI、コスモスイニシアから投票】
フィンランドTampere大、福井医大5、三興プログレス(ロシア貿易)、ニコン2、松下電器2、東洋ビジネスエンジニアリング4、コスモスイニシア(不動産)、KDDI研究所、日本IBM、図研4、東京エレクトロン……小誌Web版にご投票下さった方のドメインは(一般の個人サイトと違って)職場(大学)が多く、海外にまでおよんでいます。皆様、有り難うございました。とくに福井医大、ニコン、松下、東洋、図研からは複数のご投票、有り難うございました。
「ホームページランキング」はこのページ <
http://www.akashic-record.com/ > のいちばん上の行をクリックしてご参照下さい。
m(_ _)m
【ご注意】
小誌へのご意見、投書は、投稿者氏名等の個人情報を伏せたうえで、小誌上で紹介させて頂くことがございます。あらかじめご了承下さいませ。本メールマガジンは筆者(佐々木敏)のサポートスタッフにより運営されており、本号は創刊第281号のあとの臨時増刊です。
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■読者の皆様の平均年齢~より充実した記事のため「読者アンケート」にご協力を■
【小誌2007年5月14日「罠に落ちた中国~シリーズ『中朝開戦』(5)」は → <
http://www.akashic-record.com/y2007/ctrap.html > 】
【小誌2007年9月13日「開戦前倒し?~シリーズ『中朝開戦』(9)」は → <
http://www.akashic-record.com/y2007/moveup.html > 】
【小誌2007年10月22日「軽蔑しても同盟~シリーズ『中朝開戦』(11)」は → <
http://www.akashic-record.com/y2007/despis.html > 】
【小誌2007年12月21日「大賞受賞御礼~メルマ!ガ オブ ザ イヤー 2007」は臨時増刊なのでWeb版はありませんが → <
http://ameblo.jp/akashic-record/day-20071222.html > 】
【小誌2008年3月6日「中朝山岳国境~シリーズ『中朝開戦』(13)」は → <
http://www.akashic-record.com/y2008/ckmbdr.html#02 > 】
【小誌2008年3月31日「謎の愛読書群~シリーズ『ロス疑惑』(1)」は臨時増刊なのでWeb版はありませんが → <
http://ameblo.jp/akashic-record/day-20080401.html > 】
【小誌2008年4月1日「拝啓 三浦和義様~シリーズ『ロス疑惑』(2)」は臨時増刊なのでWeb版はありません。】
【前回「捏造政局~『支持率低下で福田政権崩壊』報道のウソ」は → <
http://www.akashic-record.com/y2008/fkdprs.html#02 > 】
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小誌の筆者、佐々木敏が記事を書いていて、いつも思うことの1つは「いったいどんな方々がお読みになっているのだろう」ということです。
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        2009年以降、北朝鮮は豹変する
               ↓
    
http://www.akashic-record.com/angel/cntnt.html

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【桶狭間】 → <
http://www.akashic-record.com/angel/okehaz.html#mail >
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●37歳●
6年前、2002年に小誌の筆者、佐々木敏の小説『龍の仮面(ペルソナ)』発売記念クイズ(「お宝」プレゼントクイズ <
http://www.akashic-record.com/dragon/quiz.html#result > )で実施した際のアンケート調査では、クイズに回答された小誌読者の方々の平均年齢は約37歳でした。
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      2008年北京五輪、開催不可能!
               ↓
  
http://www.akashic-record.com/dragon/cntnt.html

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【桶狭間】 → <
http://www.akashic-record.com/dragon/okehaz.html#mail >
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●「ロス疑惑」世代●
そこで、今年2008年のエイプリルフール特集号では、「平均的な小誌読者の方々は、20年前の『ロス疑惑』の犯人逮捕」について鮮明な記憶をお持ちだろうという判断のもと、この「ロス疑惑」を取り上げました。
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ところが、今年は「前編」(2008年3月31日午後11時50分台配信の小誌記事「謎の愛読書群~シリーズ『ロス疑惑』(1)」 <
http://ameblo.jp/akashic-record/day-20080401.html > )のblog版へのアクセス数が昨2007年に比べて激減しました。
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例によって、前編のみあらためてblog版で4月1日午前0時0分台にリリースし、前編blog版のURLアドレスが掲載された「後編」は4月1日午後4時台に配信したのですが、、前編blog版リリース当日の24時間(4月1日午前0時0分台から2日午前0時まで)のアクセスは1,956件、翌日(2日午前0時から3日午前0時まで)のそれは1,251件でした(日付、時刻はすべて日本時間。以下同)。
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【前編配信時のメールマガジンの登録読者数(発行部数)は19,712人でした。】
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     読者アンケートに答えてプレゼントをもらおう
               ↓
        
http://ad.melma.com/to?id=27454  

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●去年は若者向け?●
昨2007年のエイプリルフールは、3か月前のフィギュアスケートグランプリファイナルを取り上げました(2007年3月31日午後11時50分台配信の小誌記事「韓国工作員を逮捕~フィギュア選手薬物傷害事件」 <
http://ameblo.jp/akashic-record/day-20070401.html > )。
やはり前編のみあらためてblog版で4月1日午前0時0分台にリリースし、前編blog版のURLアドレスが掲載された「後編」は4月1日午後4時台に配信しましたが、前編blog版リリース当日の24時間(4月1日午前0時0分台から2日午前0時まで)のアクセスは7,682件、翌日(2日午前0時から3日午前0時まで)のそれは6,320件でした。
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【前編配信時のメールマガジンの登録読者数(発行部数)は19,193人でした。】
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つまり、前編と後編のリリースの仕方などの諸条件がほとんど同じなのに、2008年の前編blog版へのアクセス件数は、2007年のそれに比べて大きく減っているのです。
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          恥を知れ、ぬすっとブロガー

         小誌記事をコピペすることは違法です

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●世代交代?●
ということは、小誌読者の皆様の平均年齢は、2002年以降、この6年間に大幅に下がり、「ロス疑惑」と聞いてもピンと来ない世代(30歳以下)の方々が多数派になられたのではないか、と推測できます。
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   (ホームページランキングとは別に)この記事がよい(悪い)と思ったら
   「追伸」のずっと下をクリックして「score!」ページで3段階評価を

              お陰様で連続ランク入り
            最新ランキングは投票後にWebで

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●アンケート実施中●
かくなるうえは「読者の皆様の年齢層などを探るマーケティング調査のために、またアンケートをせねば」と思っておりましたところ、小誌のメルマガ配信プロバイダー、melma.comが代行してくれることになりました。
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読者の皆様、どうかよりよき記事の執筆、配信のため、新規読者開拓のマーケティングのため、あるいは、いかなる世代に対しても「すべらない」エイプリルフール記事作成のため、年齢(世代)、性別、受信地(おおまかな居住地域、自宅か職場か学校か)などについての「読者アンケート」( <
http://ad.melma.com/to?id=27454 > )にご協力下さいますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。
m(_ _)m
尚、アンケートWebページ冒頭の挨拶文の「メルマ!で発行されているメールマガジン」とは「メルマ!で配信を代行されているメールマガジン」の誤りであり、それは小誌のことです。「Q010」の回答欄には、カギカッコもハイフン(-)も点(・)もなしで、ただ
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   週刊アカシックレコード
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とだけお書き下さい。
ご回答頂けますと、抽選でmelma.com提供のプレゼントが当たるそうです(小誌の2002年の「お宝プレゼントクイズ」の賞品とは異なります)。
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-- 「週刊アカシックレコード」編集部
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(敬称略)
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【一度投票したらもうできないと勘違いしている方がおられるようですが、「score!」は前回投票された方でも何度でも、記事ごとに投票できます(最新のscore!は投票後にWebでご覧頂くことができ、最新順位は翌月下旬に発表されます)。この記事がよい(悪い)と思ったら(ホームページランキングとは別に)「追伸」「Copyright」「メルマ!PR」の下、メルマガのいちばん下をクリックして「score!」ページの3段階評価もお願い致します。】
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追伸:
本メールにご意見等を投書されたい方は本メールに返信する形で投書を下されば、スタッフ(編集部)によるセキュリティ等のチェックを経て、数日後に筆者に転送されます。
但し、melma.comのシステム上、誠に申し訳ございませんが、本メールに返信されても「退会」手続きは成立しません。
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Copyright (C) 2001-2008 by Satoshi Sasaki
All rights reserved. 不許複製、禁無断転載
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【この記事へのご意見等は、ブログの「コメント」としてではなく、なるべくメールマガジン( <
http://www.akashic-record.com/admin/regist.html > )への返信としてお寄せ下さいませ。スタッフ(「週刊アカシックレコード」編集部)はメールマガジンを最優先に対応しておりますので、返信メールのほうが、佐々木敏本人の目に触れる確率が高くなり、目に触れる時機も早くなります。ただ、なにぶん頂くファンメールの数が非常に多いので、すべてにお返事を差し上げることはできません。あしからず御了承下さいませ。】

捏造政局:週刊アカシックレコード080425

■捏造政局~週刊アカシックレコード080425■
政変があると予測したほうが記事が売れるので、マスコミはしばしば現政権は磐石だと知っていながら「政変間近」と予測する記事を配信する。2008年現在、福田康夫政権は磐石である。
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【迷惑メール天国】
もしあなたが、特定の企業や官庁(たとえば防衛省)の職員の個人メールアドレスを何十人分も調べ上げ、それらを狙って出会い系サイトや裏DVDの宣伝メールを送り付けたら、それは当然「迷惑(スパム)メール」でしょう。日本のほとんどすべてのPCユーザーを相手に広島県知事への批判メールをランダムに執拗に配信して「このメールは営利目的ではないので違法ではありません」などとうそぶく輩も同罪でしょう(「藤田雄山広島県知事の元での恐ろしい話」 <
http://d.hatena.ne.jp/snitch/20060613/ > )。
この種の「お邪魔虫」が刑法で裁かれたのが、「立川自衛隊監視テント村」と称する団体のメンバー3人への最高裁判決です。彼らは、東京都立川市の自衛隊官舎に不法侵入して郵便受けに繰り返し「迷惑ビラ」を突っ込み、「もうやめてくれ」という官舎住民側の訴えに対しても「反戦平和運動だ(営利目的ではない)」「ビラには連絡先電話番号等が明示されているので、抗議はそっちに来るものと思っていた」とうそぶく始末(その電話番号、当然フリーダイヤルですよね。まさか迷惑を受ける側に電話代を負担させるもりじゃないですよね)。
まるで、エッチメールを無断で送り付けて「配信拒否を希望する方はこちらへ」と誘導して個人情報を収集しようとする悪徳業者の手口とそっくり。2008年4月11日、最高裁が上記の3人に有罪判決を下したからよかったものの(しんぶん赤旗Web 2008年4月12日「ビラ配布 不当判決 立川事件 最高裁、表現の自由制限」 <
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-04-12/2008041201_03_0.html > )、もし無罪だったら、「表現の自由は無制限」という判例ができ、今後国会で「迷惑メール取締り法」を制定することは不可能となり、現在NTTなどが行っている「大量メール発信制限」も違法となり、日本は永遠に「迷惑メールやくざ」の天国になるところでした(ああ、よかった)。
本件は「表現の自由」とはまったく関係ありません。「反戦平和主義」さえ掲げれば何をやってもいい、という「迷惑メールやくざのビラ配りバージョン」の思い上がりに鉄槌が下っただけです。
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【拙著に関する個人ブログの虚偽宣伝】
小誌の筆者・佐々木敏の著書を購入される方は必ず事前に、小誌サイト( <
http://www.akashic-record.com/angel/cntnt.html > )など著者や出版社が直接内容紹介を行っているWebページをご参照のうえ、ご判断下さい。小誌の記事を無断で何行も転載(コピー&ペースト、コピペ)する違法な個人ブログ、ホームページが多数あり、その転載(盗用)箇所の前後には、ロボットSF『天使の軍隊』をはじめ、拙著の紹介文を含む「解説」が付けられていることが少なくありませんが、その種の解説の大部分は不正確なものです(どれも例外なく「小説と小誌は基本的には関係がない」という注意書きは転載されていません)。一般に、読者の皆様がそのようないい加減な解説を信じて書籍を購入なさった結果、その内容が「期待はずれ」だったとしても、その責任はその書籍の著者にも出版社にもありません(無責任な無能者たちはしばしば自ら読んでいない書籍について事実無根の紹介文を書きます)。
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【三菱東京UFJ、都築電気から投票】
福井医大6、三興プログレス(ロシア貿易)2、ニコン3、松下電器7、図研7、東洋ビジネスエンジニアリング3、都築電気、三菱東京UFJ銀行……小誌Web版にご投票下さった方のドメインは(一般の個人サイトと違って)職場(大学)が多く、海外にまでおよんでいます。皆様、有り難うございました。とくに福井医大、三興、ニコン、松下、図研、東洋からは複数のご投票、有り難うございました。
「ホームページランキング」はこのページ <
http://www.akashic-record.com/ > のいちばん上の行をクリックしてご参照下さい。
m(_ _)m
【ご注意】
小誌へのご意見、投書は、投稿者氏名等の個人情報を伏せたうえで、小誌上で紹介させて頂くことがございます。あらかじめご了承下さいませ。本メールマガジンは筆者(佐々木敏)のサポートスタッフにより運営されており、本号は創刊第281号です。
本マガジンの送信を停止(開始)するにはこちら↓をご利用下さい。
          
http://www.akashic-record.com/admin/regist.html
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■捏造政局~「支持率低下で福田政権崩壊」報道のウソ■
【小誌2007年5月14日「罠に落ちた中国~シリーズ『中朝開戦』(5)」は → <
http://www.akashic-record.com/y2007/ctrap.html > 】
【小誌2007年9月13日「開戦前倒し?~シリーズ『中朝開戦』(9)」は → <
http://www.akashic-record.com/y2007/moveup.html > 】
【小誌2007年10月22日「軽蔑しても同盟~シリーズ『中朝開戦』(11)」は → <
http://www.akashic-record.com/y2007/despis.html > 】
【小誌2007年12月21日「大賞受賞御礼~メルマ!ガ オブ ザ イヤー 2007」は臨時増刊なのでWeb版はありませんが → <
http://ameblo.jp/akashic-record/day-20071222.html > 】
【小誌2008年3月6日「中朝山岳国境~シリーズ『中朝開戦』(13)」は → <
http://www.akashic-record.com/y2008/ckmbdr.html#02 > 】
【小誌2008年3月31日「謎の愛読書群~シリーズ『ロス疑惑』(1)」は臨時増刊なのでWeb版はありませんが → <
http://ameblo.jp/akashic-record/day-20080401.html > 】
【前回「拝啓 三浦和義様~シリーズ『ロス疑惑』(2)」は臨時増刊なのでWeb版はありません。】
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2008年4月現在、福田康夫内閣の世論調査における支持率がかなり下がっている。マスコミによると、20%台にはいると「危険水域」なのだそうだが、まさにその状態だ(産経新聞Web版2008年4月4日「内閣支持率4.9ポイント下落 福田離れ鮮明=本紙-FNN世論調査」 <
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080404/plc0804041934014-n1.htm > では23.8%、毎日新聞Web版2008年4月7日「内閣支持率:福田政権『危険水域』に」 < http://mainichi.jp/select/today/news/20080407k0000m010085000c.html > では24%)。
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となると、理論上は、自民党の国会議員たちが「福田内閣のもとでは次の衆議院総選挙は戦えない」と考えて「福田下ろし」に走るだろうという推測が成り立つ。
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福田康夫首相は2008年3月27日に緊急会見し、伝統的に自民党道路族議員の「無駄な公共事業」の財源になって来た揮発油税(ガソリン税の1つ)などの道路特定財源を2009年から一般財源化すると表明した。揮発油税などの暫定税率を定めた租税特別措置法が2008年3月31日に期限切れになり、国1兆7000億円、地方9000億円、あわせて2兆6000億円も歳入の穴があくというのに、民主党など野党が多数を占める参議院が同法の課税期限延長のための改正案を可決してくれないので、野党、民主党に呼びかけるためである(毎日新聞Web版2008年3月30日「社説ウォッチング:道路一般財源化 首相提案、各紙が評価」 <
http://mainichi.jp/select/opinion/watching/news/20080330ddm004070047000c.html > )。
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が、この会見は首相の「単独犯」であって、その後、何週間経っても閣議決定や与党・自民党の総務会の議決によって「公認」されることはなかった。そのうえ、政府・与党は、2008年4月29日に、上記の租特法改正案が衆議院で可決されてから60日経つのをよいことに、同日以降、憲法59条4項の規定を利用して与党が2/3以上の多数を占める衆議院で再可決し、4月1日以降租特法の期限切れで税金分がいったん値下がりしたガソリンの値段をまた上げるという。そして、この「再可決で再値上げ」に国民世論の大半が反対だという(毎日前掲記事「内閣支持率:福田政権『危険水域』に」 <
http://mainichi.jp/select/today/news/20080407k0000m010085000c.html > では、64%が反対)。
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そのうえ、2008年4月27日には衆議院山口2区で補欠選挙がある。もしこの補選で与党候補が負け、その直後に衆議院で租特法改正案が再可決されれば、「民意を無視した再可決だ」という非難が巻き起こり、福田内閣の支持率はさらに下がる恐れがある。
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そこで、週刊誌や全国紙、タブロイド紙には「福田退陣か」「麻生太郎(元幹事長)がクーデター」「小池百合子(元防衛相)を首相擁立か」、はては「小泉純一郎元首相の再登板か」などという記事が飛び交っている(『週刊文春』2008年4月17日号「麻生太郎の乱 『黒幕』は安倍前首相 福田政権『崖っぷち』」 <
http://www.bunshun.co.jp/mag/shukanbunshun/shukanbunshun080417.htm > 、産経新聞Web版2008年4月22日「ポスト福田に小池氏急浮上 無関心装いながらも布石着々」 < http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/080422/stt0804221938004-n1.htm > 、『週刊現代』2008年5月3日号「『小泉再登板』に怯える福田首相『破れかぶれ内閣改造リスト』」 < http://kodansha.cplaza.ne.jp/wgendai/article/080421/top_02_01.html > )。
ほんとうだろうか。
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        2009年以降、北朝鮮は豹変する
               ↓
    
http://www.akashic-record.com/angel/cntnt.html

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【桶狭間】 → <
http://www.akashic-record.com/angel/okehaz.html#mail >
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●政局無風●
筆者は最近(2008年4月下旬)、数か月ぶりに、永田町・霞が関関係者と話せた。そのうち、福田康夫首相の側近とは電話でしか話せなかったが、最低限、政局についてだけはしっかり聞くことができた。
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この側近は、筆者にはホンネを言う。彼は2006年9月の自民党総裁選への出馬を福田康夫に見送らせた理由を「いま出馬すると安倍晋三と同じ派閥(清和会)内での戦いになって派閥が割れる」「どうせ2007年7月の参議院通常選挙で自民党が大敗すれば、安倍は首相を辞めざるをえないから」と語っていたのだが、いざ2007年7月になってみると、「どうやら安倍は大敗しても権力の座に居座るつもりらしい」とわかって落胆、動揺し、「こうなったら、オレでも民主党に投票するしかないな」と愚痴るほど正直だった(小誌2007年7月28日「負けても居座る!?~シリーズ『2007年夏参院選』(4)」 <
http://www.akashic-record.com/y2007/alsv.html > )。
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その彼が今回はやけに明るい。曰く「福田政権は磐石だ。クーデター? やれるもんならやってみるがいい。やったら、麻生の政治生命はなくなるけどね」といった具合である。たぶんこれもホンネだろう。首相(の側近)ともなると、警察をはじめあらゆる官僚機構を利用して情報収集が可能なので、情勢分析も間違ってはいまい。
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彼との電話は短時間だったので、理由までは聞けなかった。
だが、よく考えてみると、安倍内閣の支持率が下がるのと福田内閣の支持率が下がるのとではぜんぜん意味が違うので、理由はすぐにわかった。
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          恥を知れ、ぬすっとブロガー

         小誌記事をコピペすることは違法です

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●安倍と福田の違い●
安倍晋三は、なりたくて首相になった。彼の父、故・安倍晋太郎元自民党幹事長は「総理確実」と言われながら、病に倒れ、首相になる夢をはたせずに亡くなった。このため、息子の晋三は「亡き父上のご無念を晴らさんがため…」とほとんど時代劇の仇討ちのような感覚で政治家になり、首相の座を目指した。つまり「首相になりたくてなりたくて仕方がなかった」のだ。
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当然、一度首相の座に就いたら簡単には降りようとしない。したがって、内閣支持率が下がったらジタバタせざるをえず、だから2007年夏の参院選の選挙運動中に「(社会保険庁の職務怠慢で不備の多い)国民年金の記録については、2008年3月末までに、最後のお一人まで照合し確認します」などという、出来もしないデタラメな公約をしてしまったのだ。
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ジタバタしているやつの足をすくうのは不可能ではない。だから、米国の助けがあったとはいえ(小誌2007年10月6日「●はずされたハシゴ」<
http://www.akashic-record.com/y2007/abepd.html >)、福田陣営は2007年9月、すべてのマスコミの予想を裏切って、あっというまに自民党内の支持を集め、小誌の予測どおりに政権を奪取した(小誌2006年4月24日「『福田総裁』当確~小沢民主党の政局化学反応」 < http://www.akashic-record.com/y2006/fkdldp.html > )。
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福田家は、安倍家とは対照的に、前世紀にすでに福田康夫の父、故・福田赳夫という首相を輩出している。したがって福田康夫は、安倍晋三のように「あなたは絶対にお父様の代わりに首相になるのよ」という心理的プレッシャーを周囲(とくに母親)からかけられたことはなく、「べつに無理に首相なんぞにならなくてもいい」という気持ちで首相の座に就いている。つまり、権力欲がないのだ。
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安倍晋三にとって権力は「自分や家族が達成感や優越感に浸るためのもの」であり、言い換えれば、彼にとって権力は(政治の手段ではなく)人生の目的そのものだった。他方、福田康夫が権力の座に就いたのは、日本にとって地政学上必要な政策を実行するため、である(小誌2007年6月14日「●ウソも方便」 <
http://www.akashic-record.com/y2007/acvsf.html > )。したがって、それを実現するまでは、権力の座に就いていなければならないが、権力はあくまで手段であって目的ではなく、したがって福田康夫には、安倍晋三のように権力に恋々とする気持ちはない。
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となると、福田康夫のような政治家を引きずり下ろすのは非常に難しい。
たとえば、内閣支持率が下がって、首相(自民党総裁)を替えようという動きが自民党内で起きたとき、「そんなに私を引きずり下ろしたければ、わざと内閣と自民党の支持率が低いときに、首相権限で衆議院を解散して総選挙に持ち込んで、自民党を大敗させて野党に突き落としてやる」という脅しが成り立つからだ。
この脅しは、安倍晋三には絶対に使えない。安倍晋三が親の代からの因縁で権力欲に凝り固まっていることは自民党国会議員ならだれでも知っていることであり、彼が首相在任中に「私を引きずり下ろすなら、自民党議員を全員野党にしてやるぞ」と言っても、「自民党が野党になったら、あんたも総理でいられなくなるよ」と言い返されるだけである。
逆に「総理の息子」で「育ちのいい」福田康夫は「いつ総理をやめてもいい」と思っているはずであり、自分の遂行したい政策を党内から妨害されたときにはそれに怒って、ほんとうに「自爆テロ解散」をやりかねない、ということは、自民党国会議員ならだれでも理解できる。だから、内閣支持率と同時に自民党支持率も下がって、自民党自体が危機に陥っていて「いま解散したら野党になる」恐れがあるときに「福田下ろし」などできるわけがない。したがって、「支持率が下がれば下がるほど、福田内閣は安泰」という奇妙な結論になるのだ。
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【福田康夫が権力の座に執着しないと自民党内で見られているもう1つの理由として、彼の年齢がある。自民党は衆議院議員候補には73歳定年制を導入しており、73歳を過ぎると、次の衆議院選挙には党公認候補としては立候補できなくなるが、実は福田康夫は1936年7月生まれなので、あと約1年、2009年7月で73歳になる。つまり、衆議院を解散して総選挙に勝とうが負けようが、元々福田政権は長くは続かない運命なので、彼が「私は元々、自民党が野党になっても失うものは何もないんだ」と言って「自爆テロ解散」をほのめかせば、それは極めて説得力がある、ということになるのだ。】
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筆者は、上記の仮説を永田町の事情通にぶつけてみたが、そのとおりだ、という答えが返って来た。
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●政局待望記事●
では、なぜマスコミには「麻生クーデター説」だの「小池百合子首相擁立説」だのが飛び交うのか…………理由は簡単だ。マスコミの「商売」のためである。
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「福田内閣は安泰で、衆議院山口2区補選や租特法改正案再可決後の世論がどうなろうと、何も起きません」などという記事を掲載した週刊誌や新聞が売れるだろうか。「政局は無風です」などという報道番組や情報番組が高い視聴率を取れるだろうか。マスコミはみな「記事を売ってなんぼ」「視聴率を取ってなんぼ」の商売をしているのである。だとしたら、さして実現する見込みがなくても「麻生クーデター計画」の記事を書いたり、「小池百合子擁立論」をワイドショーで取り上げたりしたほうが儲かるに決まっているではないか。
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小池百合子はいい。女性だし、大臣経験者だし、(元)美人だから「花」がある…………彼女が首相になる可能性があるという記事を書く記者たちは、書いている最中からその可能性がゼロであることは当然知っているが、インターネットの普及で雑誌や新聞が売れない時代なので、ウソと知っていても「花のある記事」を作るために、自民党有力者のちょっとした発言(冗談)を針小棒大にふくらませて書かざるをえないのである。
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筆者はそういうウソを流さざるをえないマスコミ各社に、心底同情する。
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http://www.akashic-record.com/dragon/okehaz.html#mail >
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●問責不問●
与党が租特法改正案を衆議院で再可決して、いったん下がったガソリン価格の再値上げにつながる事態を引き起こしたら、民主党は参議院に福田康夫首相に対する問責決議案を提出して可決する、と脅している。が、もちろんなんの意味もない。
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憲法(69条)は、衆議院には不信任案を可決して内閣を総辞職(または衆議院の解散)に追い込む権能を認めているが、参議院にはそんな権能ない。問責決議案が可決されても、首相は堂々と参議院に行くことができる。
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ただ、「問責決議案が可決されたから」という理由で、野党各党は参議院での審議を欠席することができるだけだ。この「審議ボイコット」が可能かどうかは、そのときどきの国民世論の動向によるが、首相官邸の情報収集ブレーンである内閣情報官(旧内閣情報調査室長)は主要マスコミ各社と会合を持つなどの形でマスコミに一定の影響力を行使できるので、野党の「問責決議案可決→審議ボイコット」戦術が世論調査の数字上、高率の支持を得るのは容易ではない。
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【福田康夫首相の「道路一般財源化」の緊急会見の翌日に、首相が閣議や自民党総務会の了承を得ていないことを棚上げにして、すべての全国紙が一斉に、まるで示し合わせたかのように「福田支持」にまわったのも、官邸(内閣情報官など)が一定の「根回し」をした結果と考えられる(毎日前掲記事「社説ウォッチング:道路一般財源化 首相提案、各紙が評価」 <
http://mainichi.jp/select/opinion/watching/news/20080330ddm004070047000c.html > )。】
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いや、そんな高等な工作をせずとも、元々「審議ボイコット」はあまり見栄えがよくないから、野党としても好ましくない(たとえば日本共産党は、ほかの野党がボイコットしているときでも、審議に応じることが多い)。国会議員は審議をするために税金から給料をもらっているのに、仕事もしないでさぼっているように見えるからだ。
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したがって、問責決議そのものが、そもそも可決されない可能性がある。
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●2年間安泰?●
内閣支持率が20%台しかない「危険水域」の首相が世論の反対をおして「強引な再可決」に走っても、問責決議案が可決されない(あるいは、可決されても意味がない)となると、今後、衆議院で2/3以上の多数を占める与党の議席数を活かしたこの「再可決スキーム」は多用されることになるだろう。
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そうなると、民主党などの野党が参議院で過半数を持っていることの意味はなくなる。
その参議院で、与党が過半数を回復するには少なくともあと2年、2009年夏の参院選までは待たなければならないので、その間このスキームを使い続けるには、与党は衆議院の議席を減らしてはならない。
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衆議院の与党・自民党の議席は、2005年9月の小泉純一郎内閣のときの「郵政解散」によってめいっぱい増えているので、いつ解散・総選挙をしてもこれ以上増える可能性はなく、むしろ減る可能性のほうが高い。そして、もし解散・総選挙をして自民党の議席が減って、与党の議席数が2/3以下になると、もう「再可決スキーム」は使えなくなるので、たとえ与党の議席が衆議院で過半数でも(2/3未満なら)、政府・与党提出法案は、衆議院で可決されても参議院で否決されて、そのまま不成立になってしまう。
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そのような事態を避けるため、福田康夫首相は、あと2年間、衆議院を解散せずに、つまり、自身の政権の正統性をまったく国民有権者に問うことなく、政権をまっとうするかもしれない。そうなれば、たしかにこの政権は磐石だ。
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上記の福田側近に、2006年夏に「参院選敗北後の与党を率いて福田さんが政権を取っても、法案が参議院で通らなくて困るでしょう」と筆者が聞いたとき、彼は「(与党は)衆議院で2/3以上持ってるから大丈夫」と豪語していた。当時、筆者は信じられなかったが、どうやら、そのとおりになりそうだ。
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(敬称略)
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