訪問看護 つれづれ

  訪問看護 つれづれ

     
   おこしやす  日々の訪問活動をご紹介します

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Cさんが渡した封筒は A4サイズの茶紙だった
私      「開けていいんですか?」
Cさん  「いいよ 読めないから読んで」

封筒の中には 9項目からなる 『訴状』 と
期日までに地裁に 『答弁書』 を提出するよう記された文書が
入っていた

Cさん  「何んやった?」
私       「Cさん 連帯保証人になったことありますか?」
Cさん  「分かんない」
私       「Mさんって 知っておられますか?」
Cさん  「うん 今あいつな 拘置所 入ってる」

Mが入居していた賃貸マンションの滞納金
マンションでMが起こしたトラブルの損害賠償
立ち退きのための費用など
連帯保証人のCさんに支払いを求める内容だった
期日までに 『答弁書』 を出さないと訴状を認めたことになる

Cさん  「何んて書いてある?」
私       「内容を整理して明日 説明しますね」

事務所に戻り ネットで法律相談を探す
   < 育成法律相談 > 無料 
さっそく連絡し 無理に予約を入れていただいた
  (ありがとうございました)

翌日 Cさんに訴状の内容を説明すると 表情が変わる
Cさん  「あいつ ぶっ殺してやる」 
  (包丁を握るのは止めて下さい)
私       「どうしたらいいか弁護士の先生に教えてもらいましょう」
Cさん  「ワシ 1人やったら…」
私       「一緒に行きますよ 安心してください」   
Cさん  「うん …お願いします」


その若い弁護士さんは穏やかで柔らかい声だった
一通り相談の内容を聞いた後
訴状の各項について詳しく説明をしてくれた
それを受けながらPCに入力していき 『答弁書』 は完成
プレビューをCさんに見せると ホッとした表情
私も ホッ  (*^▽^*)
私       「印刷して持って行きますから 名前を書いて下さいね」
Cさん  「うん 名前は書けるけん」
私       「先生 ありがとうございました」    

みなさまのお蔭で 第1ラウンドは無事通過    


               看護師 nana







 







   控室の照明は 人の出入りで点灯するオートライトだった
ガラスの壁とドアからは第304号法廷を確認する人たちが良く見えた
     私  「 ノドが乾いていませんか?」
   Cさん  「 ……  」
 膝に置かれた2つの拳がギュッと握られている
        緊張が伝わってくる  

頼まれて 知人の賃貸契約の連帯保証人になったCさん
   知人は当物件で暴力事件を起こして拘留中

突然Cさんのケータイが鳴った
  Cさん  「 □○×△ 裁判所から… 」 何故か私にケータイを渡すCさん
  地裁  「 …もしもし 大雨で担当裁判官が来られないんで延期になります 」
    私  「 どういうことでしょうか?」
  地裁  「 電車が動かなくて裁判官が来られないんです 」
   私   「 どの裁判官でも結構ですから 本日開廷して頂けませんか 」


  裁判のことを考えると 緊張と心配で夜中に覚醒
    ジッとして居られなくて自転車でウロウロ
     私  「 どの辺りまで行かれました?」
   Cさん  「 … 覚えてない … 」
脂ぎった顔 据わった両目 険しい表情。。。 Cさんのこんな顔は初めて見た
   水を飲んだだけで嘔吐 下痢も止まらない
    何も食べられず 痩せていくのが分かった
毎日訪問し 主治医と連携を取り合って無事にこの日を迎えられた
    殊に第1回口頭弁論当日までのこの1週間は長かった


それが …
     私  「 すでに地裁に着いています お願いします 」
   地裁  「 …相談してみます 」 

 ケータイが鳴ると 慌てて私に手渡すCさん
    地裁  「 裁判官を変えて開廷します 」
      私  「 ありがとうございます 」 


   黒の法衣が小法廷の空気を一瞬で厳粛にする
   救いの若い女性裁判官が入廷すると全員が起立
   Cさんと国選弁護士が向かって右側に座っている

ところが…
原告席には誰もいない ???
 裁判官  「 電車が動かないと連絡がありました  延期します」
    私   
   Cさん  「今日で終わらせて下さい もう神経がもたんわ」   
 裁判官  「争う以上は双方が揃わないと… 次は何時にしますか?」

  何かが崩れて落ちていく … 




                            看護師 nana


 



    土曜日 最後の訪問は元呉服屋の若旦那さん

 Kさん  「 きのう トイレに入っている時に急に切れたんや
       ビックリしたわ… 」 
     ハンナリした余裕の笑顔が眩しい

 日付が変わったとたん バッサリと送電が止まったようだ
     南極のような冷蔵庫の霜は姿を消している
    エアコンも作動せず ケータイの充電も出来ない


関西電力に連絡すると
 コンビニ端末からの入金なら直ぐに再送電できるとのこと

 Kさん   「 そうして 」
 私     「 はい 行ってきます! 」
     庭石に腰掛ながら指示される優雅な姿


   電気が灯ると  「 良かったなあ… これでええ 」 
     満面の笑みが辺りを包む   (*^_^*)
        やっぱり 古都の絵になるなあ
         こういう雰囲気 いいなあ 。。。




                     看護師 nana
 
    エレベーターを降りると 明るく整然とした廊下が続いていた
一番奥の扉を開くと 見覚えのあるずんぐりとした背中が布団から出ている

       私    「 Fさん … 」
    振り向くと両眼から涙が溢れ 敷布団に落ちていく
       私    「 心配しましたよ 」
       Fさん  「 うん … 」
       私    「 帰りましょうね …歩けますか? 」
       Fさん  「 うん … 」

    通行者から警察通報があったのは早朝
   雨の中で 自転車と一緒に倒れていたらしい
前カゴに入っていたパック酒は殆んど無かったとのこと


 白内障の手術を控え 夜中に覚醒し
「 ジッとしていられへんで 自転車でウロウロしていた… 」 記憶はここまで

眼科の医師から 
「 白内障が進行しているから難しくって 時間が掛かるって言われたんや 」
と、うつ向かれる

麻酔が効かなかったら… 見えなくなったら… と不安が恐怖に変わる
    私    「 手術が終わるまで一緒にいますからね 」
    Fさん  「 うん 」

   ポケットに入っていたケータイには アドレスに4人の名前
  Fさんがうわ言で呼んでいた名前に連絡が入るのも無理はない




                          看護師 nana


 



今年も半分過ぎてしまいました☆☆(はやっ)

後半の目標、何か立てられましたか?

今日、事務所で話題になりましたが、報告書の作成に追われて話が途中で終わってしまいました

今年に入って、多くのご利用者の方々と出会い、よくなったり戻ったりしながら、闘病のお手伝いする中で、形は違っても、その方なりによくなろうと努力されているのが伝わってきます

その意欲を維持できるよう関わってくことを今年後期の目標にしたいと思います
Mさん    「 今日は母の誕生日なんです 」
 私       (*^^*)
Mさん     「 小学校の時に一度 カーネーションを1本 渡したきりで ・・・」
        「 ・・・ ずぅっと 自分のことで イッパイで ・・・ 」

        「 普通の母・娘のようなことがしたいんです 」
        「 花を贈るのはどうでしょう?」
 私       \(*^^)/
Mさん    「 でも 外に出るのが怖くて・・・  一緒に来てくれませんか 」



約20年間 家の中で暴れ 特に母親に対する暴力は壮絶だったと言う
    包丁を振り回し 骨折するほど蹴ったり 叩いたり ・・・
           たびたびの警察通報
    それでも 世間のさまざまなものから娘を守ろうと
         ご両親は じっと耐えたと言う



        「 母はバラが好きなんです 」 と明るい表情
    リボンで綺麗にラッピングされた鉢植えの赤いバラ
   大切に自転車の前カゴに置くと 笑顔で去ってしまった
        ( なぜか一人で帰れる不思議さ )


お母さんと別れてひとりで暮らしている今 想うゆとりができたのね
     まだ 直接会えないけれど 心はきっと伝わるよ
      ハートのクイーンが手にしている赤いバラは
              あなたそのもの


                                  看護師 nana











  
            
  
 昨日は、金環日食。
今日は、スカイツリーオープン。
さて明日は、なんでしょ???

さてさて、我がステーションも、おかげさまで、ご利用者が増えてまいりました。
で、今日ご紹介するのは、お二人。

お一人目、先日誕生日で、お祝いとして入浴券をプレゼントした。
すると、代表にお礼の電話が本日ありました。

“昨日、久々に銭湯へ行って、思わず気持ちよくって長湯をしてしまった。プレゼント、とっても嬉しかった。”

という内容だった。

思わず笑みがほころんだ。

いままで、公共機関に対する不満の電話が頻繁にかかってきていたが、最近ピタッとが電話がなかった。
落ち着いて、生活をなさってるねと話している最中の、電話だったのでよけいにね
人は、環境に影響されるって、本当ですよね。


お二人目、73歳男性。幻聴あり。
きっかけは、集合住宅の庭の草抜きを早朝行うことを日課にされていた。
とある時、その時間帯に放火があり、心無い言葉を言われたことが幻聴の始まりとなった。

薬を飲んでもなかなか幻聴は取れなかった。
最近心無い言葉を言った人がクレーマーと知ってから、徐々に幻聴の大きさが小さくなってきている。

何気ない言葉であっても、当人にとってはとっても傷つく言葉だったりする。
心を持って話すことの大切さを教えていただいた。
      1週間に3回の訪問看護を条件に ようやく退院となったNさん
アルコール依存症のほかに糖尿病 中耳炎 皮膚疾患 角膜の炎症…

  食事に気を付け 近隣とのトラブルもなく ひっそりとした暮らし


    かねてからの約束で男性看護師が訪問すると 「来んでええっ」
         それっきりインターホンに応対なし
        やむなく 女性看護師にバトンタッチ

        Nさん    「 男はイヤなんや 」
         私      「 何故でしょうか? 」  
        Nさん   「 … なんとなく 。。。 」
         私    「  ???  」 

  締め切ったワンルームのベットに腰掛けて自嘲的に話される

       高校時代からライブハウスでドラムを演奏
     デザイン研究所を経て 高収入のカメラマン生活
            祇園の超一流店も顔パス
         南洋の島々はすべて(彼女と)旅行

          
突如 険しい目に戻り 「何んも無いから帰ってんか」 と乱暴な口調

       多芸多才で 感受性豊かなNさんにとって
          偽りの友情や お金のトラブルは
           どれほど辛かったでしょうね



                                      看護師 nana
昨日は寒かったですね。

しばらくぶりのブログです。

今朝、カンファレンスをしている中で、新しい発見がありました。

昨年12月から訪問を始めている方なのですが、情報では生活能力が教えても覚えようとされないとなっていました。

引越しされてから訪問開始で、一人暮らしとなり自立できるよう支援する目的で関わってきました。

ただ心の変化や葛藤はありましたが、4ヶ月で料理もされるようになりました。

歩行リハビリ目的で、買い物やお茶を飲みに行ったりされています。

5月からは、作業療法開始。

新たな出発です。

支援する者たちで、応援してゆきたいです。

そして、彼女の今の楽しみは、月に一度のご自身へのご褒美は、ジェルネイルです。

爪の欠けがあるので、保護のために行っています。





今日は気持ちの良い暖かさですね。 桜もいっきに満開です。 訪問でこんなことがありました。 一件目は、目がかすむという訴えで、眼科受診希望。 医療券を出してもらうのに役所へ代行連絡。 すると、その場で即決で、希望される眼科へ受診可能となり、医療券は郵送となり、受診時役所に電話かけてもらうと、すぐわかるようにしておきます。と返答いただき、ご利用者は上機嫌。 訪問終了後、すぐ眼科へ。 白内障手術決定と、電話がありました。 良かったですね。 見やすくなると、生活がしやすくなりますね。 ここで教えていただいたのは、スピーディーな対応は、相手を前向きにする。 二件目は、初回入院後、自立生活を始められて20日もたたない患者さんは、焦ることなくゆっくりと生活を楽しんでおられる。 穏やかな話し方の中で、入院してよかったともいわれる。 理由は、いろんな人を見ることができたことと、精神的安定が得られたことである。 日々の中に、楽しみを見つけ暮らすことは人を豊かにするのだと、教えていただきました。