花の気持ち…

作物の畝作りマルチ掛け。

娘は阿智村に花桃を観に。

/片陰や藤房そっと動きみる

/藤房の裾長ければクマンバチ

/藤房の揺れやとまってクマンバチ

/芍薬の芽掻き小蟻のたかり来る

/石垣にジャーマンアイリス身構えて

/来歴は語らずアイリスは石垣に

/雉鳴くやそれで世間は押し黙り

/西からの予報マルチを仕上げけり

/牛糞と鶏糞を混ぜ土作り畝たてゝてやり土曜苗市

/豚糞を忘れしことの片手落ちみんな土にぞ還りしものを

/花日誌まずは牡丹の花御寮

/毛蕊花(もうずいか)の茎立つ朝の元気かな

/茎立ちぬいざ生きめやも毛蕊花

/枝垂れもも花の絞りで迎えけり

/花桃や後の小雨もをもしろき

/阿智村や満蒙開拓花の村

娘は友達と阿智村に花桃を観に。

/いずくにか桃源郷や阿智の里

 

倉石智證

野菜作り、まず溝掘り、穴掘りから。

 

/クマンバチ去って初蝶書割に

/春の穴作付けせんと深く掘る

/元肥が足りんと思ふ買いにゆく

/トリセツを何度でも読むマルチかな

/友人の新宿御苑大桜

/御衣黄の涼しかりける色に出て

/指で測る皇帝ダリアこれッくらい

/海峡を止める春の潮のゆくへ(トランプ)

/畑に出て妻の朝餉の支度かな

/春光や庭へと誘ふ大蚯蚓(みみず)

/蚯蚓鳴くきゅういんと鳴く苦しかり

/アスパラの出で来る嘴に採られけり

 

倉石智證

 

松手入れ了。

牡丹鐐瀾。

藤の花房滝傾り。

じゃが芋の土寄せ。

/お茶菓子や松の手入れを了とする

/ブラームス空に流れてハナミズキ

/前線の桜の色に海わたる

/燕尾服やあゝなつかしや初燕

/便りありうれしきことに初燕

/初燕庭に翔び来る軒掠め

/刈り払い政造さんの隣からいやだいたやだとダイナモの音

/藤房の色むらさきに傾り落つ

/ハナビシソウ午後からの色 刻待つわ

/繚乱となりて牡丹のふためくや

/ものすごく得した気分筍掘り

/筍掘り焼くの刺身だとて冷酒

/クマンバチの影落つ庭や藤の花

/藤房のゆれてメニューの定まりぬ

 

倉石智證