霜の朝。

/空わたる電線に月霜の朝

/布団干し正月からの埃かな

/白菜に水上がり来る美味さかな

/回覧板門から入る明けまして

/松取れて未だ正月の気分かな

/赤い実は難を避けると鵯が来て

/藪柑子万年青(をもと)の赤も遠慮がち

/藪柑子の陽を集めたる赤さかな

/どの土も種眠らせて黙(もだ)しけり

/新聞の薄くなりゆく三日過ぎ

/畑から抜きくる葱の甘さかな

/追熟や冷蔵庫から熟柿かな

/笑いながら生存確認新年会

/ものの芽のモノ目来(く)日差し和らいで

/芋穴の未だかと霜におじけづく

 

倉石智證