夏闌(たけなわ)。

/蒼きまで食べて西瓜の冥利かな

/橋上に幟はためく暑さかな

/虫一匹出合い頭の夏の朝

/茗荷茸夏の薬味をさりげなく

/夏熱やスモモで冷やす食後かな

/脛毛吹く無聊慰む鰥夫(やもお)かな

/あちらでは水を欲しがる畑かな

/風も出て昼寝は大の字がよからう

/長岡の花火眩(くら)める千曲川

/何人も人の生き死に遠花火

/係累やモロコシを置き軽トラで

/信玄公の像も陽炎(かげらう)暑さかな

/缶ビールは3本 夏の御用心

/酢に紅らむ口中涼味茗荷寿司

 

倉石智證

帰郷、甲州マックス41℃。

ウクライナにパトリオット送れ !

/西瓜食ぶ朝の作法の其のまゝに

/台風の北へと帰る太平洋

/tariff man 朝から台風の目に

/じりじりと人が死にゆく大地かな

トイレ寝る夢見る前に飢餓撃たれる

/ウクライナにパトリオットを送るべし北方領土旗幟鮮明に

憲法9条、「専守防衛」にも適う。

ドイツは3基送った。

/中央道40℃の街に入りにき

/生協に人も渇きて閑散と

/芋の露河童の皿も間に合はず

/芋の露乾ききったる枯葉なる

トモアキ急げ、里芋に水だ。

/地に生きるものの吐息と炎暑かな

 

倉石智證

台風接近。

/ひまわりの花捩じれゆく暑さかな

/ヒルガオの色目を覚ます通り雨

/ムッとして日照りの後の通り雨

/アボカドがいいと膝には夏の夕

/もう少し喜久井町まで梅雨晴れ間(漱石)

/驟雨また話の外(ほか)を持て余す

/色白の人眼を覚ます交差点

/夏だねえ焼酎炭酸にレモン

/飯田橋神楽坂上近けれどお着物の人あんまり遇わず

/西瓜食ぶ教行信証の在処(ありど)

親鸞52歳、1224,4,15日、草稿本完成されたとされる。

 

刹那覚えずといへども、これを運びてやまざれば、

命を終ふる期(ご)、忽(たちま)ちに至る。『津徒然草』

 

近づけば近づくほど、死は具体性を失い、曖昧に。

「なすすべもなく、待つともなく、死のときが来るのを待っている」。

「きみたち僧は/悩むな。悲しむな。

/私がどれだけ生きようとも、

/いつか死ぬ。それまで生きる。

/別れは来る。それまで出会う。」

『仏遺教経(ぶつゆいきょうぎょう)』

 

『教行信証』この他力の信心を獲得したとき、

人間に生まれてよかったという生命の大歓喜が起きて、

絶対変わらない絶対の幸福に救われます。

 

倉石智證