彼岸入り。

/彼岸花歯ッかけ婆と呼ばれけれ

/気が付けば彼岸花咲く彼岸かな

/彼岸花お彼岸のころ咲きぬべし

/行き過ぎて土手に探しぬ彼岸花

/百日草百日紅と彼岸かな

/百日草けふお彼岸と頸剪らる

/長々と説教めくは秋の雨

/早よ寝ろと秋霖の声百姓家

/三日目の慈雨とはなりて菠薐草

/出荷して朝顔の花露の中

/宵待ち草朝も早よから咲き初めて

/天ぷらにゴーヤの種の香ばしき

/納豆に穂紫蘇の薬味秋となり

/冷奴ゴーヤの苦味そのまゝに

/初掘りやトンボ寄り来る落花生

/お彼岸やカートに花の一人二人

/傾眠に打ち克つすべも生身魂

もうとにかく眠い !

 

倉石智證

地這え胡瓜。

秋茄子は旺盛に。

プチトマトはいよいよストップ。

南瓜は毎日の料理。

/薄の穂時計回りでお願いね

/無花果やまこと家族の円満に

/もの燃やす烟も秋の色めいて

/百日草種の零れて小さきもの

/放棄地は境の向かう除草剤

/秋明菊ぽつんと咲いて秋のこと

/傾(なだ)り落つムラサキシキブ枝色々

/地這え胡瓜生りておとどの胡瓜かな

/にぎにぎを覚え薄の穂波かな

/甚六のけふはどこまで秋の空

/新涼や秋明菊のただ一輪

/秋海棠石置く石の傍らに

/殺生はいやだよとセスジスズメかな

見つけたら捕殺せよと。

/ほだされて辛子に涙冷やし茄子

/茗荷茸人の名前と秋の空

 

倉石智證

いけどもいけども

かなりわがままだよ

田圃に手足をとるやうだよ

2025,2,15相田豊「愛と孤独のフォルクローレ」

 

オケラ、ケラ

おまへのモノはどのッくらいだ

青空が雲を押し分けてひろがった

オケラは泳げるんだ

水馬のやうに水に落ちると浮くんだ

田の泥が好きなのさ

 

すごい強力な前足で

これッくらいとお道化たらうが

後ろを振り向くこともなく

一目散に

サッサっと逃げていった

 

倉石智證