「朝顔や一輪深き淵の色」(蕪村)

/ショートステイ稲穂の里に施設かな

/カイト収まりて新涼な朝

/式部の実いよゝ香(かぐは)し紫に

/壁際に密(ひそ)と咲きけり白粉花

/柿の実の落ちて施肥する亭主かな

/露草の紫きっと雨のこと

/韮の花萎れるを待ち刈り払ふ

/畝作り一条立てて種買いに

/朝顔の紫ほめる折に触れ

/間引き菜にそろそろ腰の曲がりかけ

/大根卸たっぷりと置き鯛兜

/ふうらりと蔓の南瓜や秋の空

/採りたるを忘れてけふも万願寺

/石工事秋の美空に空音を

/秋海棠海の秋とは是いかに

 

倉石智證

誕生会。

/鱗雲なにか急かせる落ち着かぬ

/呼びかけてみたくもなりて秋の雲

/口中に秋や來るらし木の子ピザ

/肉喰ってジンギスカンや葱転ばす

/はやばやと娘の誕生会小夜更けて四十二回はるけくも来し

/プレゼント山の小物の小物入れ秋のものなど入れてみるかな

/ツーリングどこへ行ったの奥多摩湖ビデオが映す秋の気配や

息子は友達と奥多摩方面にバイクツーリング。

バイクに取り付けたムービーを映写。

 

娘は9/25日夜行バスで折立へ。

26日、(誕生日)太郎平を越えて薬師沢小屋へ。

27日、雲ノ平へ

28日、太郎平小屋泊

29日、折立へ下山

/誕生日は雲ノ平やあの小屋の向かうに浮かぶ水晶岳の

/薬師沢の小屋に背懸かる橋に立てば黒部のイワナきっと挨拶

/幾たびも天気予報をwebで見るはや初氷の便りも届く

親バカだなぁ。

天気予報ばかりを覗いてみている。

 

倉石智證

秋分の日。

/懇ろにばば送り出すショートステイ、

イヤとは云はずでも不安顔

/幹太し秋の気配にセンサーす皇帝ダリア遅き摘芯

/朝涼やにわかに芋の蔓伸びし

/追肥して葱の秀先(ほさき)の頼もしや

/秋風や林檎色付き初めにけり

/秋分や街に南瓜がやって来た

/秋風やまだ向日葵の咲きにけり

/ナラティブとして向日葵や秋の雲

/ナラティブや夏から続く向日葵の

/秋霜やあの塔の下三島かな

秋霜裂帛───1970、11/25三島由紀夫防衛省にて自裁。

/木槿咲く韓国(からくに)の人挨拶す

/鳧(けり)などとムツカシキ字を秋の暮れ

/秋や來る夏の終わりを探しみる

/紫おん咲く色に音などあるものか

/マルタから穂紫蘇を飾るマグロかな

/鱗雲けふはどこまでツーリング

息子は友達とツーリングに出掛けた。

/打って出る秋分の日総裁選

総裁選は続く。

 

倉石智證