柿大尽。

焼藷。

秋深まる。

/柿大臣(おとど)柿捥ぎにけり柿遊び

/博多から魚が届く秋高し

/三枚に卸して鰺のお福分け烏賊細切りに菊花も添えて

/澄む秋やシャベルバケット宙のまま

/白粉花実を付けしまゝ弾けける

/秋茄子やいよよ小さく嫁に茄子

/畑に出て地に冷えて来る午後三時

/焼き芋や烟の中に妻を見に

/焼き芋にとろり蜂蜜かけまわし

さつまスイーツほら出来上がり

/亭々と皇帝ダリア空高し

/稲雀ひこばえの中遊びける

/中央道紅葉小仏辺りから

/死んでから脳裏に残るばーさんの足の親爪曲がりてゐたり

秋は蕭条たり。

 

倉石智證

 

ば様の霊前の供えものを土に埋める。

/秋明菊咲いてさやかな末期かな

/絢爛や葡萄紅葉の裾模様

/妻と来て小草を取りて家に入る

/洗車して両手で掬ふ秋の水

/供え物土に埋めたり七日過ぎもうこちらではモノは喰へない

■ば様の霊前に供えていたお団子、飯盛りを庭の植栽の傍らに穴を掘って埋めた。むかしは盛っていた茶碗を割って一緒に埋めたと云ふことだが、危ないので不燃ごみに。もうば様はこちらに来ても一緒の食い物はない。

/仲良きはうれしき事ぞ夫婦して連理となりぬ位牌ひとつに

■そしてお位牌はじ様と統合して一つのお位牌にした。

/吊るし柿物干しにある小春かな

/見上げればスーパームーン女松新聞受けに朝刊取りに

/雪便りスキー便りや志賀高原

/黄落もありて黄葉の焔へ上がり

 

倉石智證

焚火かな。

/御焚火、地に在るもののめくるめく

/月を見て陽を見て今朝の焚火かな

/おーい焼き芋だよと焚火日和かな

/影法師烟の中の火守かな

/灰燼と帰して火の眸の赫赫や

 

倉石智證