忘年会。

/十二月畑の閑けさ畑仕舞い

/釈迦堂やしばし別れの甲斐の国笹子くぐればもう相模かな

/甲斐駒や雲の下なる雪化粧

/赤信号玻璃に映れる師走かな

/どこやらにジングルベルやはやもきて

/ハグをして人のぬくもり忘年会

/もんじゃ焼きなんじゃもんじゃと年忘れ

/年忘れ介護年齢集まれり

/病得し人の話忘年会

/賑いや鉄板奉行を申し受く

/老人よ大志を抱け年忘れ

 

倉石智證

 

みなさん佳いお年を !

溝浚い。

/12月の水の冷たさ溝浚い

/溝浚いして人の声聞きにけり

/溝浚い師走鋤簾(じょれん)の出番かな

/着膨れて尻に手届かぬもどかしさ

/寒灯や主無き家のポストかな

/風も出て残菊の頸定め無し

/野分吹く声なき声の枯葉かな

/野分吹く落葉くるくる風車

/銀鱈を大根で炊くやはらかさ

/葱抜いて葱やはらかく焼かれけり

/灯油はどうですかと農協の若者

/饂飩(うんどん)に近頃好きな黒はんぺん

/レバー喰へ12月だもの元気付け

溝浚い、けっこう腰に来るのです(笑)。

 

倉石智證

 

 

 

大焚火、畑芥燃やす。

就中(なかんずく)焼き芋 !

/諸々の靈(たま)火に送る天上へ火の粉となりて肩にかかりぬ

/風力1 明日は西高東低の風の予報やけふ焚火の日

/線香の煙と共にお焚き上げ四十九日の経具燃やせり

/もののみな灰燼となりて火の眸玉

  また顕われて火に濡るるかな

/火燃やせば地清めゆく畑芥

/影法師火守の人の影伸びて

/陽の翳り畑の芥の黙燃ゆる

/高梯子わたしを誘そふ天辺へその天辺の徒長枝をなむ

/枯松の枝正月の前に伐る電動ノコを右手に翳す

/脚下にて義姉も危ぶむ枝打つや

/のどけしや小春に誘ふ剪定師

義兄夫婦は屋敷の李の剪定を始めた。

/のんびりと剪定の音小春かな

/枝打ちや枝落とす人拾ふ人

/富有柿に百目の熟柿持て帰る義兄は禁酒甘党になり

/焚火して起承転結さつま芋

/芋焼けて妻はお福に走るかな

 

倉石智證